Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

妖夢の下克上

2007/03/30 10:05:05
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桜の花が咲き始めたある春の日、妖夢は猫の手を借りたいくらいに忙しかった。なぜなら……
「妖夢~お弁当は重箱だけに十段よ~」
「わかりました~~」
朝、いつものように二人で朝食を食べていた時、幽々子が庭に咲く桜を見てこう言ったのだ。
「お花見…したいわね…」
「はい…?」
「いいわね~お花見、いいと思わない?妖夢」
「え…えっと…そう……ですね」
どうせ自分が全部支度をして場所探して…いろいろとこなさなければならないことを解っているから、妖夢はあまり積極的な返事はしなかった。
「じゃあしましょうか。今日」
「今日!?」
「お昼くらいでいいかしら」
「お昼!?」
バッと時計を確認すると10時。昨晩夜更かししていた妖夢が朝寝坊してしまったのと幽々子は基本的に起こさなければ起きないので、朝食はこんな時間になってしまっていた。
「じゃあね…えーと……霊夢、魔理沙、あと紅魔館の二人と紫の所にお誘いしておいてちょうだい。」
幽々子はにっこり笑ってそう言うと、空になったお茶碗を卓に置いて居間から出て行った。
というのが約1時間半前であり、その後妖夢は超特急でお誘いをしに飛び回り、今はお弁当を作っている途中だった。
「まったく…幽々子様はいつも無理ばっかりおっしゃる…まったくまたくブツブツ……」
ぼやきながらも妖夢は手を動かし続けた…そしてその甲斐あってか、なんとか約束の時間には到着してお花見を始められたのだった。
「この煮物、とってもおいしいわ~」
「ありがとうございますわ」
「そりゃあ咲夜が作ったんだもの。美味しくてあたりまえだわ」
咲夜の持ってきたお弁当の煮物をつまむ幽々子。
「「「かんぱ~~い!!」」」
昼間だというのに酒をガンガン飲み始める紫と魔理沙と霊夢。
妖夢は藍、橙としずかーに花を見ていた。
そんな感じで宴も進んだころ、魔理沙がある提案をした。
「なんかして遊ぼうぜ、なんかしてさー」
「弾幕ごっこ?」
「それ以外でだよ」
霊夢と魔理沙のやりとりを見て紫が提案を出した。
「テニヌなんてどうかしら?」
「「「「「「「「テニヌ?」」」」」」」」
口を揃えて聞き返す。
「なんでも外の世界で女性に大人気のスポーツらしいわよ~」
そう言って紫はスキマを出して手を突っ込むとラケットを二つとボールを一個取り出した。
「このラケットでボールを打ち合って遊ぶの。それで、相手を再起不能にしたら勝ちよ」
「おもしろそうだぜ」
「いいわね」
「少し遊んであげようかしら」
「お嬢様はできないですよ…昼ですから」
周りの反応も良い感じなので紫は頷くと、ラケットを幽々子と妖夢に向かって放り投げた。
「じゃあまずはあなたたちからね」
ラケットを持った二人は立ち上がって、少し離れた所に移動する。
「じゃあ妖夢~おてやわらかに~」
「は…はい…わかりました…」
いつの間にやら紫が用意したコートに立つ二人。
「それでは初め!!」
なぜか審判役になった咲夜が言うと、幽々子がサーブをして、二人はボールを打ち返し始めた。
だが、幽々子のトリッキーなボールに妖夢はしだいに追い詰められていった。
「もうおしまいかしら?」
地面にへばる妖夢。
「はぁ…はぁっ…ここで終わるわけには…」
その時だった。

ドクン

妖夢の身体に電流が走るような衝撃が走り、ゆらりと妖夢は立ち上がった。
するとラケットの持ち方を、どこぞの新撰組が牙突をするかのような持ち方へと変えた。
そして妖夢は幽々子を見据えてこう言った。

「下克上だ」

「猫駆除?」
「ちがうぜ霊夢。下克上だ」
霊夢はベロンベロンに酔っていてうまく聞き取れないらしい。
「さぁ、これで終わりよ~」
幽々子は妖夢に向かって懇親のサーブを打つ。しかし妖夢は幽々子の球を難なく打ち返した。
そしてそれから段々と妖夢は幽々子に点数を決めて追い返し始めた。
「妖夢のやつ、あのフォームに変えて急激に伸びてきよな!」
「妖夢のやつ、穴と口のフォームに咥えて急に伸びてきたYOU☆NOW?」
「なんかエロいわよ…霊夢…」
魔理沙の発言の空耳に突っ込みを入れる咲夜。すると今度は藍が魔理沙に答えた。
「あの娘の実家は剣術の道場をやっていたらしいから、妖夢にとってあのフォームが自然体なのよ」
「あの娘の実家がボブ術の道場をやってるラッシュ?ほら、簡単でしょって?」
霊夢の暴走は止まらなかった。
妖夢はそのまま、あと1点で負けのところから幽々子を追い抜き、勝利したのだった。
「やるわね…妖夢」
その言葉に妖夢は正気を取り戻す。
「あ…えっと…そ、そうですね。あはは…」
なにが起きたのかのかわからないと言う様子の妖夢。
「それにしても暑いわね~」
おもむろに着物を緩め始める幽々子。
「ちょ、幽々子さ…まぁ…」
妖夢は幽々子の姿を見て、盛大に鼻血を噴出して倒れた。


* * * * *


目を覚ますとそこには幽々子の顔があった。
「ゆ…ゆこ…さま…」
「起きたかしら?」
まだ頭がぼーっとしていた妖夢は、この時理解できなかったが、妖夢は幽々子に膝枕をされていた。
幽々子の顔の向こうに見える空は茜色に染まっていた。
「妖夢、あのラケット呪われてたんだって。それでね上の相手に不満をもつ人に変なヒヨコみたいな名前をした霊が乗り移って、自分より上の人に勝っちゃうそうよ」
「幽々子さま…」
「私に不満があるかしら?」
「その…ごめんなさい…」
ボロボロと泣き始める妖夢。
「解ってるわ…私が無理を言っちゃったみたいだし…当然よね…だから……これで許してね、妖夢」
幽々子はそう言って妖夢の身体を起こし、そっと口づけた。

妖夢ってピヨシートににてry
もうちょっとネタじゃないの書きたいですね。
流雲
コメント



1.グランドトライン削除
テニヌってテニスのデスマッチですか?
そして着物を緩めるだけで倒される妖夢の弱さはお約束ですね…
P.S.暴走霊夢の言葉が解読できない