上空を白い妖精が飛んで行く。
「お、もう春か」
魔理沙はそういうととりあえず桜の具合を確かめに神社へ向かった。
上空を白い妖精が飛んで行く
「春、ね」
アリスは手元の半壊した人形の修復を中断して、部品箱に放り込んだ。
「折角だし新造するのもわるくないわね」
上空を白い妖精が飛んで行く。
「春、ね。」
レミリアは憂鬱そうに呟いた
「あら、嫌いでしたっけ?」
咲夜はそんな事を言いながら紅茶を差し出した。
「夜が短くなるじゃない」
「成る程」
上空を白い妖精が飛んで行く。
「春眠暁を覚えずー」
紫は霊夢の煎餅に手を伸ばしながら言った
「春に起きるくせに何を言うのよ」
霊夢はスキマから伸びてきた手を叩いて煎餅を奪還する。
「春になったら、桜は散りまくるわ、宴会の後片付けだと全く面倒ったら無いわ」
桜も、もうじき見頃だし。
霊夢はそんな憂鬱にして確実な未来を受け入れつつ茶をすすった。
上空を白い妖精が飛んで行く。
「春ですねぇ」
妖夢は剪定の手を止めて呟いた
「春ねー」
幽々子は、お餅の美味しい季節ねぇと続けた。
「分かってますってば。今日のおやつは餅ですね」
上空を白い妖精が飛んで行く
「おー春かー」
ゆっくり昼寝がしたい季節だな。と小町は思う。
口に出したらお説教が待っている事ぐらいは分かっているので、その言葉は上司と違って隠すところに困らない胸にしまった。
「さーて。お客も来たしお仕事でもしようか」
上空を黒い妖精が飛んで逝く。
「春、ですね」
映姫は、いい陽気になったので優雅に昼寝などを行っている部下を予想しため息をついた。
「全く小町は何時もいつも」
予想で腹を立ててもしょうがないので、後でお説教をすることに決めた。
「桜が散るにはもうしばらく掛かりそうですね」
上空を白い妖精が飛んで行く。
神社の桜も咲き乱れ、夜桜の元では人妖が入り乱れ騒いでいる。
そうして、妖精は春の訪れを天下に示した事に満足した。
妖精は夜桜の一片のように静かに去り、次の春を待つ事にした