4.蓬莱乙女相談室
「うふふ、それでですね、
このス○パー茸と性○反転茸の粉末を混ぜて~」
「ふぅーん」
「吸血鬼のこぼした赤い液体と乾燥させた吸血鬼の翼
(蝙蝠の羽でも代用化♪)
を混ぜて10年間煮込んだ特製の出汁にぃ~」
「そうなのね~」
「こうや・・って、適量のトサカ頭の人間の髪をまとめた物で・・・
ハケ代わりに使って・・・・
こうっ、このポーズが大切なのっ!!」
「へぇ~」
ごめんなさい。開始3分で飽きました。
「ウドンゲっ、今よっ
今ここに半妖が10年間履き続けた褌を煮込んだ汁を入れなさいっ」
「は、はいお師匠様っ」
「てゐ、烏天狗のぱんちぃーは盗めたわね?」
「・・・なんとか、男用だけど」
「効果は落ちるけれど・・まぁいいわ。
ここからが正念場よ」
「・・・・・・」
飽きたとかどうとかの以前に、
聞きたくない台詞とそんなので薬になるの?
という疑問が頭を行ったりきたりしている。
勿論聞きたくないのは確かだけれど。
「行くわよっ、烏天狗のぱんちぃーでこの合成液をこすのっ」
「「は、はいっ」」
巨大な鍋でぐつぐつと煮込んでいた液体を、
からす天狗の下着らしい物に流し込んでいく黒髪の兎とうどんげ兎。
別にそんな・・液体もあんまり触りたくないけれど、
少なくともやってる事は液体をこしとってるだけなんだけど、
方法と材料がどうしようもなく、
どうしようもなくっ、嫌なんですけどっ!!
「ふぅ・・・・っ」
「何よその良い仕事しましたみたいな達成感味わった顔は・・」
三人とも額に汗を流して爽やかな表情をしちゃってもう・・・
「えーだって、楽しいじゃないですか調合」
「ああ、うん。そういえば貴方は月の民だったわね」
やってる事の異常さは月の民だから?
それなら納得できそうな気がするわ。うん。これでこの問題は解決。
「折角自分で飲んでる薬の調合を見せて差し上げたのに」
「ぶっっっっっ」
はいっ、新たな問題発生しました!!!
「なっ、なっ、なっ・・・・・」
「それはそうと、姫にどういったご用事だったんですか?」
「っっっっっっそんな変な薬私に飲ませないでよ!!!」
「ウドンゲに聞いた話ではなにやら姫に相談事があった様子。
だけれど今姫は外出中で・・・
はい、殺すか殺されるか私が相手を殺すかの、
大変楽しい遊戯のお時間のようでして・・・」
「ちょっ、何スルーしてるのよっ私の話を聞・・・」
「そういう訳ですので、お相手は私がしますわ~
さぁ今すぐ私の私室にレッツゴーMyウェイ」
急に私の手を掴んでそのままズルズルと引っ張っていく永琳。
「私の話聞いてぇぇぇぇっ
うわぁ~~~~んっ」
誰かっ、誰かとめてぇぇぇぇぇぇぇっ!?
「あー・・・・」
「・・・・南無い」
「てゐ。あの人、守り通せると思う?」
「無理だよ。あのモード入るとお師匠様最強だし」
「そうだよねー・・・・はぁ、とうとう永遠亭の者以外にまで手が・・・」
「まぁ・・・私達の負担が減るならその方が」
「そうね・・・ま、良いか、あの人なら」
「・・・で、一体どんな事を姫に相談に?」
「ぐすん・・・うぅ・・・・っ
それ聞くのになんで脱がせて3サイズ測って
(色々と)もみもみふにふにする必要あるのよぅっ!!」
もうお嫁にいけない・・・
「んやー、月の学校では保険医という立場でしたから♪」
「そんなの今は関係ないでしょうがっ」
ていうかサイズ測る時にもみもみは犯罪だと思うわっ
「いやー意外と無いものよね~」
「そっ、それは・・・っその、でも最近少しは・・・
ってそれも関係なーい!!!」
「でも姫よりは大きかったですよ?」
「それはありがとう・・・・っじゃなくてっ!!」
「はいはい、それで・・・・悩み事とは恋の相談ですか?」
「っ!??」
え・・何で・・・?
「ふふ、こう見えても私、『大人の女』ですから」
「・・・そう」
ふざけていたのが素なのか、
それとも切り出し易くするためにわざとやっていた事なのか、
どちらにしても、本当ならきっと迷っていた事が、
すんなりと出せそうだった。
「実は―――」
「なるほど・・・ウドンゲの眼による幻視・・・
それによって偶然出会った魅力的な男性に惹かれて・・・
その男性とは知り合いなのね」
「そう・・だと思うのだけれど・・・
でも、思い出せないのよ」
「くすっ・・・自分では気づかない間に有名になったのかもしれないわね。
一応聞く事は聞いているわよ。
『七色の人形遣い』さん」
「だとしても、『アリス』なんて親しげに・・・」
それに、わずかだけれど感じた違和感。
名前だけじゃない。
時間の経過とともに少しずつ、だけれど染みるように、
何かが変、と私の何かが伝えている。
「仮に・・仮説だけれど、
その素敵な彼そのものがウドンゲの見せた幻視だとしたら?」
「波長をずらす程度の眼なんでしょう?要するにはあの眼は。
だとしたら・・・不意で私の感覚が狂ったとしても・・・
少なくとも、誰かが居る、何かがある、それ位の感覚は、
あの程度の狂気ならそこまでは狂わされないはずよ」
初めてここに来たときだって、あの兎の妨害はあったはずだった。
けれど、それでもここにたどり着けたし、
そうでもなければあの兎は絶対に倒せなかったと思う。
今だって、不意さえ打たれなければ負ける事はないはず。
「ふむ・・・なら、本当は別の知り合いなんだけど、
素敵な彼に見えてしまった・・・とかは?」
それなら、確かにそこに居た、という事実は変わりないのだから、
ありえない話ではないと思う。
「確かに、そういう線も有り得ると思うけど・・・」
でも、そうしたら、私の知り合いなんて、男はほとんど居なくて・・・
がっしゃーんっ
とある結論にたどり着こうとしていた矢先だった。
唐突に屋敷の外から破壊音がして、
元の世界に戻される。
「何事!?」
バァンッ
「お師匠様っ、大変大変たいへんへんたいっ」
直後、黒髪の兎が飛び込んでくる。
「落ち着きなさい、どうしたと言うの、状況を説明なさいっ
・・・まさか、月の軍勢が出張ってきたか!?
―――ああもう、姫が居ないというこの状況で・・・・
はっ、まさか姫が単独で行動している時を狙って――
くっ、各自臨戦態勢を取りなさいっ!!
私は姫を迎えに行くのでそれまで守り抜くのよ!!」
ゾクッ
「え・・・永琳?」
全身の毛が逆立ったような、強い悪寒がする。
目の前に居る、さっきまで何の恐れも抱いていない相手が、
急に化け物になった様な、
そう、あの時も感じた、どうしようもない力量の差。
「あ・・・いえ、もうこれないし、月の連中
(あんたが落ち着けよ)」
「・・・そういえばそうだったわね。どうしたの?」
だけれどそれは一瞬で消える。
「えっと・・・いつもの白黒の人が着てー」
「よっ、また来たぜ」
「こ、今度と言う今度こそ勝手に入る事は許しませんっ!!」
「何だよそれー
まるで紅魔館の門番みたいだな。
つれないなー。いいじゃん。私と輝夜、友達だぞ?」
「友達だとしても、あなたは泥棒でしょう!!」
「解ってるじゃん。そう、泥棒。
正々堂々と参上、だぜ」
「うわぁぁぁん泥棒が正面から来るなーっ
貴方だけは絶対に許さないんだからぁっ!!」
「いきなりスターダストレヴァリ・・・あっ――」
「鈴仙ちゃんが立ちはだかったのは良いんだけど、
見事にあっさり返り討ちでー」
「・・・はぁ、また貴方ですか」
「よっ・・・・あれ?アリスじゃん」
そう言って現れたのは、非常によく見慣れた、
だけれど、何か、こう、引っかかるような―――
(続く)
「うふふ、それでですね、
このス○パー茸と性○反転茸の粉末を混ぜて~」
「ふぅーん」
「吸血鬼のこぼした赤い液体と乾燥させた吸血鬼の翼
(蝙蝠の羽でも代用化♪)
を混ぜて10年間煮込んだ特製の出汁にぃ~」
「そうなのね~」
「こうや・・って、適量のトサカ頭の人間の髪をまとめた物で・・・
ハケ代わりに使って・・・・
こうっ、このポーズが大切なのっ!!」
「へぇ~」
ごめんなさい。開始3分で飽きました。
「ウドンゲっ、今よっ
今ここに半妖が10年間履き続けた褌を煮込んだ汁を入れなさいっ」
「は、はいお師匠様っ」
「てゐ、烏天狗のぱんちぃーは盗めたわね?」
「・・・なんとか、男用だけど」
「効果は落ちるけれど・・まぁいいわ。
ここからが正念場よ」
「・・・・・・」
飽きたとかどうとかの以前に、
聞きたくない台詞とそんなので薬になるの?
という疑問が頭を行ったりきたりしている。
勿論聞きたくないのは確かだけれど。
「行くわよっ、烏天狗のぱんちぃーでこの合成液をこすのっ」
「「は、はいっ」」
巨大な鍋でぐつぐつと煮込んでいた液体を、
からす天狗の下着らしい物に流し込んでいく黒髪の兎とうどんげ兎。
別にそんな・・液体もあんまり触りたくないけれど、
少なくともやってる事は液体をこしとってるだけなんだけど、
方法と材料がどうしようもなく、
どうしようもなくっ、嫌なんですけどっ!!
「ふぅ・・・・っ」
「何よその良い仕事しましたみたいな達成感味わった顔は・・」
三人とも額に汗を流して爽やかな表情をしちゃってもう・・・
「えーだって、楽しいじゃないですか調合」
「ああ、うん。そういえば貴方は月の民だったわね」
やってる事の異常さは月の民だから?
それなら納得できそうな気がするわ。うん。これでこの問題は解決。
「折角自分で飲んでる薬の調合を見せて差し上げたのに」
「ぶっっっっっ」
はいっ、新たな問題発生しました!!!
「なっ、なっ、なっ・・・・・」
「それはそうと、姫にどういったご用事だったんですか?」
「っっっっっっそんな変な薬私に飲ませないでよ!!!」
「ウドンゲに聞いた話ではなにやら姫に相談事があった様子。
だけれど今姫は外出中で・・・
はい、殺すか殺されるか私が相手を殺すかの、
大変楽しい遊戯のお時間のようでして・・・」
「ちょっ、何スルーしてるのよっ私の話を聞・・・」
「そういう訳ですので、お相手は私がしますわ~
さぁ今すぐ私の私室にレッツゴーMyウェイ」
急に私の手を掴んでそのままズルズルと引っ張っていく永琳。
「私の話聞いてぇぇぇぇっ
うわぁ~~~~んっ」
誰かっ、誰かとめてぇぇぇぇぇぇぇっ!?
「あー・・・・」
「・・・・南無い」
「てゐ。あの人、守り通せると思う?」
「無理だよ。あのモード入るとお師匠様最強だし」
「そうだよねー・・・・はぁ、とうとう永遠亭の者以外にまで手が・・・」
「まぁ・・・私達の負担が減るならその方が」
「そうね・・・ま、良いか、あの人なら」
「・・・で、一体どんな事を姫に相談に?」
「ぐすん・・・うぅ・・・・っ
それ聞くのになんで脱がせて3サイズ測って
(色々と)もみもみふにふにする必要あるのよぅっ!!」
もうお嫁にいけない・・・
「んやー、月の学校では保険医という立場でしたから♪」
「そんなの今は関係ないでしょうがっ」
ていうかサイズ測る時にもみもみは犯罪だと思うわっ
「いやー意外と無いものよね~」
「そっ、それは・・・っその、でも最近少しは・・・
ってそれも関係なーい!!!」
「でも姫よりは大きかったですよ?」
「それはありがとう・・・・っじゃなくてっ!!」
「はいはい、それで・・・・悩み事とは恋の相談ですか?」
「っ!??」
え・・何で・・・?
「ふふ、こう見えても私、『大人の女』ですから」
「・・・そう」
ふざけていたのが素なのか、
それとも切り出し易くするためにわざとやっていた事なのか、
どちらにしても、本当ならきっと迷っていた事が、
すんなりと出せそうだった。
「実は―――」
「なるほど・・・ウドンゲの眼による幻視・・・
それによって偶然出会った魅力的な男性に惹かれて・・・
その男性とは知り合いなのね」
「そう・・だと思うのだけれど・・・
でも、思い出せないのよ」
「くすっ・・・自分では気づかない間に有名になったのかもしれないわね。
一応聞く事は聞いているわよ。
『七色の人形遣い』さん」
「だとしても、『アリス』なんて親しげに・・・」
それに、わずかだけれど感じた違和感。
名前だけじゃない。
時間の経過とともに少しずつ、だけれど染みるように、
何かが変、と私の何かが伝えている。
「仮に・・仮説だけれど、
その素敵な彼そのものがウドンゲの見せた幻視だとしたら?」
「波長をずらす程度の眼なんでしょう?要するにはあの眼は。
だとしたら・・・不意で私の感覚が狂ったとしても・・・
少なくとも、誰かが居る、何かがある、それ位の感覚は、
あの程度の狂気ならそこまでは狂わされないはずよ」
初めてここに来たときだって、あの兎の妨害はあったはずだった。
けれど、それでもここにたどり着けたし、
そうでもなければあの兎は絶対に倒せなかったと思う。
今だって、不意さえ打たれなければ負ける事はないはず。
「ふむ・・・なら、本当は別の知り合いなんだけど、
素敵な彼に見えてしまった・・・とかは?」
それなら、確かにそこに居た、という事実は変わりないのだから、
ありえない話ではないと思う。
「確かに、そういう線も有り得ると思うけど・・・」
でも、そうしたら、私の知り合いなんて、男はほとんど居なくて・・・
がっしゃーんっ
とある結論にたどり着こうとしていた矢先だった。
唐突に屋敷の外から破壊音がして、
元の世界に戻される。
「何事!?」
バァンッ
「お師匠様っ、大変大変たいへんへんたいっ」
直後、黒髪の兎が飛び込んでくる。
「落ち着きなさい、どうしたと言うの、状況を説明なさいっ
・・・まさか、月の軍勢が出張ってきたか!?
―――ああもう、姫が居ないというこの状況で・・・・
はっ、まさか姫が単独で行動している時を狙って――
くっ、各自臨戦態勢を取りなさいっ!!
私は姫を迎えに行くのでそれまで守り抜くのよ!!」
ゾクッ
「え・・・永琳?」
全身の毛が逆立ったような、強い悪寒がする。
目の前に居る、さっきまで何の恐れも抱いていない相手が、
急に化け物になった様な、
そう、あの時も感じた、どうしようもない力量の差。
「あ・・・いえ、もうこれないし、月の連中
(あんたが落ち着けよ)」
「・・・そういえばそうだったわね。どうしたの?」
だけれどそれは一瞬で消える。
「えっと・・・いつもの白黒の人が着てー」
「よっ、また来たぜ」
「こ、今度と言う今度こそ勝手に入る事は許しませんっ!!」
「何だよそれー
まるで紅魔館の門番みたいだな。
つれないなー。いいじゃん。私と輝夜、友達だぞ?」
「友達だとしても、あなたは泥棒でしょう!!」
「解ってるじゃん。そう、泥棒。
正々堂々と参上、だぜ」
「うわぁぁぁん泥棒が正面から来るなーっ
貴方だけは絶対に許さないんだからぁっ!!」
「いきなりスターダストレヴァリ・・・あっ――」
「鈴仙ちゃんが立ちはだかったのは良いんだけど、
見事にあっさり返り討ちでー」
「・・・はぁ、また貴方ですか」
「よっ・・・・あれ?アリスじゃん」
そう言って現れたのは、非常によく見慣れた、
だけれど、何か、こう、引っかかるような―――
(続く)