貴女が言った
「ありがとうございました」
貴女が逝った
砂時計の砂はとっくに落ちきっていた
貴女はもうどこにもいない
それでも貴女の声はこの耳が
貴女の姿はこの目が
五感すべてが貴女を覚えている
なんて贅沢ものなんだろう
もういない貴女はまだ私の中に残っている
贅沢ものと言わずになんと言う
貴女のいなくなったこの場所
何も変わらなかった
変わると期待していたわけでもないから構わないけれど
変わらないのは世界も同じ
貴女がいてもいなくても変わりはなかった
くるくるくるくる
くるくるくるくる
世界が回っている
くるくるくるくる
くるくるくるくる
私が回っていた
くるくるくるくる
くるくるくるくる
酔うかも…
くるくるくるくる
くるくるくるくる
酔う前に目が回って尻餅をついた
そのまま大の字になって目を瞑った
はろーはろー聞こえますか?
声に出さずに呼びかけた
声に出さなかったから返ってくるはずもなかった
「 」
貴女の声が聞こえた気がした
目を開けて辺りを見ても誰もいない
幻聴か
私はそんなにも貴女に執着しているのだろうか
我ながら情けない
風を集って立ち上がる
決して横着したわけではない
足が机へと向かう
書きたくなったのだ
何を?
私と貴女の物語を
表紙は何色にしよう
タイトルはなんてつけよう
貴女のことをなんて呼ぼう
何を書こう
何から書こう
書きたいことはたくさんある
私と貴女の物語だ
あなたと過ごした歳月は私の中に残っている
「はじめまして、マイマスター」
恭しくお辞儀をして
「私はまだ名前がありません」
貴女が言った
「呼び名が必要でしたら、小悪魔と呼んでください。貴女に名づけられるまで、それが私の名前です」
それが私と貴女の一ページ目
「ありがとうございました」
貴女が逝った
砂時計の砂はとっくに落ちきっていた
貴女はもうどこにもいない
それでも貴女の声はこの耳が
貴女の姿はこの目が
五感すべてが貴女を覚えている
なんて贅沢ものなんだろう
もういない貴女はまだ私の中に残っている
贅沢ものと言わずになんと言う
貴女のいなくなったこの場所
何も変わらなかった
変わると期待していたわけでもないから構わないけれど
変わらないのは世界も同じ
貴女がいてもいなくても変わりはなかった
くるくるくるくる
くるくるくるくる
世界が回っている
くるくるくるくる
くるくるくるくる
私が回っていた
くるくるくるくる
くるくるくるくる
酔うかも…
くるくるくるくる
くるくるくるくる
酔う前に目が回って尻餅をついた
そのまま大の字になって目を瞑った
はろーはろー聞こえますか?
声に出さずに呼びかけた
声に出さなかったから返ってくるはずもなかった
「 」
貴女の声が聞こえた気がした
目を開けて辺りを見ても誰もいない
幻聴か
私はそんなにも貴女に執着しているのだろうか
我ながら情けない
風を集って立ち上がる
決して横着したわけではない
足が机へと向かう
書きたくなったのだ
何を?
私と貴女の物語を
表紙は何色にしよう
タイトルはなんてつけよう
貴女のことをなんて呼ぼう
何を書こう
何から書こう
書きたいことはたくさんある
私と貴女の物語だ
あなたと過ごした歳月は私の中に残っている
「はじめまして、マイマスター」
恭しくお辞儀をして
「私はまだ名前がありません」
貴女が言った
「呼び名が必要でしたら、小悪魔と呼んでください。貴女に名づけられるまで、それが私の名前です」
それが私と貴女の一ページ目
最初はれみぃと咲夜かと思ったですが、小悪魔とパチェでしたか
確かに言われてみればそのとおり。面白かったです。
結局名前をつけなかったパチェがちょっといいなと思いました。