※この話は永遠亭の人達が壊れています。
そういった話が苦手な方は無理をしないようお願いします。
あと、キャラクターの性格とか言葉とかが割りと無視されているのでご注意ください。
『あなたは鈴仙についてどう思いますか?(笑)』
「あんなのは所詮月のウサギってだけね。 まぁ私が月にいたときに見たウサギの中ではかわ・・・
べ、別にそんなんじゃないんだからね! あのブレザーとか狙ってるとしか思えないわ!
あぁいやだ! え!? なによ!? 鼻!? あ!!!!!」
「まぁ出来のいい弟子であることは確かね。 真面目だし、相手を敬う心があるからいいわ。
でも、だからなんだと言うの? 別にあの子に特別な感情を抱いてるわけじゃないわよ?
そりゃあの子の破壊力は絶だ・・・え? 鼻? あぁ、まただわ。 蓬莱薬の副作用かしら。」
ツンデレと化した二人の言葉と態度から察するに、鈴仙はかなり好かれているようだ。
しかし私、因幡てゐもそんな彼女に魅了されている。 あれは一種の兵器だ。
彼女のへにょり耳、白い肌、赤い瞳、ブレザー、ネクタイ、ナマアシ・・・はぁはぁ・・・
マズイ! 私も鼻から血が! クソ! 健康には気を付けているのに何たるザマだ! これもアイツの仕業だ!
ツートップがここまでやられている時点で永遠亭に危機が迫っているの言うまでもない!
まさか身内にこんな危険因子が存在していようとは誰も予想しなかっただろう! 私がなんとかしなければ!
ククク・・・ここまで私が本気になったのは何年ぶりかなぁ・・・ 覚悟! 鈴仙!
『作戦名・・・これも永遠亭の存続のためだから許してね☆(ウドンゲ注意報!!)』
やはり病気というものは元から取り除かなければならない。 ・・・となると鈴仙の『排除』が思いつく。
しかし、そんなことをすれば永琳様に殺されるし、私自身が宝を失いたくないと思ってるし。
宝? あぁ、そこまで病魔に侵されてるのかい、私? ふっ、鈴仙無しの人生なんて・・・・くっ!
本当はあのツートップに相談したいところだが、何せツンデレなわけで・・・。
「べ、別にウドンゲが好きってわけじゃないんだからね!」で終わるだろう。 意味がない。
やはりここは私直属の部下と会議を?
いや、それはマズイ。私は地上のエリート因幡だ。 下級因幡にそんなこと言えるわけない。
私の心に巣食うべ○ータ精神が憎い! あれ? 私王子だっけ? いや、そんなことはいい。
とりあえず私一人で考えるとして・・・・
鈴仙を私の部屋に監禁か? 毎日アイツを好き勝手に・・・ぐふふ♪
あ、でもそれもなぁ・・・力ならあっちのが上だし。
逆に私が・・・それも楽しそうだが、ダメだ。 永遠亭を救うことには繋がらない。
じゃ、じゃあ留学ってことでしばらく紅魔館の図書館でお世話になるというのは・・・あー、一番ダメかも。
この前来たメイドは戦う主人を見て鼻血出してたしなぁ。たぶんあの館は変態の巣窟だろう。
私の鈴仙が誰かに食べられてしまうわ。 食べていいのは私だけだもん。
あとは・・・鈴仙に変化を持たせのは?
魅力に欠ける格好をさせれば周りも鈴仙を萌えキャラとして見なくなるだろう。 お、これはいけそう。
例えばジャージなんてどうだろう? 一般的にこの格好はダサイというふうに見られてるし。
小さな体に反してちょっとダボダボ・・・口元が襟で隠れてしまう・・・たまに息苦しそうにふがふが・・・
チクショウ、鈴仙かわいいよかわいいよ鈴仙! ってバカ!
じゃ、じゃあ逆転の発想でメイド!? ね、狙いすぎで逆に萎えるみたいな!?
で、で、たまに恥ずかしそうに「ご、ご主人様」って!!? し、しかも紅茶とか入れちゃったりしてぇ!!?
や、やばいよ!! 死ねる!!? 今なら想像だけで死ねるよパトラッシュ!!!!!
「どうしたの、てゐ!?」
「うおっパトラッシュ!!!」
突然現れた鈴仙に訳のわからない返しをしてしまう。
どうやら鈴仙はガクガクと震えるてゐを見て声をかけたようだ。
本当は具合が悪いわけではなく、鈴仙を想像して悶絶していただけだが。
「ぱ、パトラッシュ? それよりなんか様子がおかし・・・ってすごい鼻血!
顔も真っ赤だし! ちょっと診せて!」
「は、はぅ・・・(あ、やばいこれは・・・理性が・・・野生が・・・)」
ついさっきまで想像上の鈴仙に萌えていたためか、普段の自分に戻ることができない。
本人を前にして動揺を隠せないでいた。 というか言葉もろくに出てこない。
「あーぅ、なんかの病気かなぁ・・師匠に相談したほうが良さそうだな。 大丈夫? 歩ける?」
心配そうにてゐと目線を合わせて話そうとする。
照れ屋にこれは破壊力抜群だが、大体の人が自覚無しでやってくるので恐ろしい。
しかも鈴仙の場合は更にひどく、「聞こえてないのかなぁ」と顔を近づけてくる。 天然にもほどがある。
「(む、むり、むり、だめ、て、て、つなごうとしにゃいでぇ・・・)」
次第に頭が働かなくなってくる。 というか壊れ始めていた。 思考回路はショート寸前。
「あーもう、しょうがない!!」
てゐからの返事が無いため、鈴仙はてゐをお姫様抱っこをして急いで運ぼうとする。そして・・・
「はっふん!」
・・・鈴仙から感じる温もりで興奮が増したてゐは腕の中で気を失った。
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「・・・・ん、あぁ・・・」
目を開くと天井が見えた。 布団がかかっている。 どうやら運ばれて来たようだ。
「ようやくお目覚めね。」
体を起こして声の主を確認する。
「あ、永琳様。」
そこにはいつもの冷たい笑顔を浮かべた永琳がいた。鼻血を除いて。
「うふふふ・・。」
「私、倒れたのですね。健康には気を遣っていたのですがね・・・残念です。」
鈴仙で萌え倒れたなんてことはとても言えやしなかった。 エリート因幡としての誇りがそれを許さない。
「ふ、あなたはまた厄介な病気になってしまったわね。 ウドンゲのアレルギーなんて珍しいわね。」
でもバレていたようだった。 誇りはもはや無い。 というかそう言う永淋はどうなのだろうか。
「なっ!?・・・あなたに言われたくありません!」
強い口調で、思って当たり前の言葉を返すてゐ。
そしてそのとき永琳が鼻血を多めに噴出したのはきっと気のせいだ。
「あら、それはどいういうことかしら? 私は別に彼女のことは弟子としか見て・・ないんだからね!」
ついツンデレ口調が出てしまった永淋。 鼻血も量が増える一方で説得力は全くない。
「じゃあその鼻血はなんですか!」
「これは蓬莱薬の副作用よ!・・・tabunn。」
「tabunn・・・ってなんですか!? 何ちょっとわかりずらくしようとしちゃってるの!?
ウドンゲ好きなんでしょ!? 鼻血出すほど好きなんでしょ!?」
「だから別にウド(ぶっ)ンゲのこと(ぶっぶっ)なんて(ぶっぶっぶっ)
なんとも思ってないわぁっ!(ぶふふーーーっ)」
「こ、こえーーーーっ!!」
完全にクールな表情は崩れて鬼の形相。 「いつものえーりんじゃなーい!」と泣き出してしまいそうになる。
しかも話し始めたときと全く変わらぬ(腕組みで壁に背中を預けて足なんか組んじゃってこのカッコつけマン)
状態なもんだから余計怖い。
会話の最中に噴出した血は一体何リットルになったのだろう。
私が目覚める前から鼻血を流していたようだが、いつからだろう。
そんな疑問がふと頭に浮かぶが、目の前のツンデレから誰が救ってくれるのかが心配である。
そう思ったとき、ドアがガチャリと開く。
「えーりん、いるー?」
「姫・・・どうされましたか?」
「(姫!? 助かった! ビバカリスマ! 略してビバカリ!)」
と、てゐがそう思ったのも束の間。
「さっきから頭がクラクラするのよ。 ちょっと診てくれないかしら。」
「って真っ赤だよ!!!」
輝夜の着物の前部分は返り血を浴びたように染まっていた。 主に鼻血で。
「あら、てゐ。 目が覚めたのね。 あとでちゃんと顔洗ってきなさいね。
今のあなたはすごいわよ。 は・な・ぢ♪」
人差し指を横に振りながら「は・な・ぢ」と言う輝夜。
普通に見ればかわいいのだが、鼻血が全てを因果地平の彼方へ追いやった。
「自分見てから言えよっ!!」
「さっきウドンゲとぶつかってね。 それからちょっと具合が悪くなったみたいなの。
正確に言うと、必死に涙目で謝るウドンゲを見てたら頭がクラクラってきてね。」
「あたしのツッコミ無視!? っていうか明らかにそれ原因だろ!!」
「打ちどころが悪かったのかしら?」
「ウドンゲを見てたらって自分で言ったろがっ!!」
「べ、別にあの子に気があるわけじゃないんだからね!」
「そこまで言ってまだ言うか!! っていうか鼻血拭けよ!!」
「そう言うあなたも鼻血が出始めてるわよ♪ 体は正直ねぇ♪」
輝夜の言った鈴仙を想像して、てゐはついポロッと出してしまっていた。 これは失態。
「や、やらしい言い方するな! それより鼻血拭け!」
「えーりーん、頭がクラクラするのぉ。 どうしてかしら?」
「また無視か!? って鼻血出てるからだろ!!」
「それは私にもわかりかねます。」
「ってわからないのかよ!! 姫の鼻血はデフォルトかよ!!? お前も鼻血拭けよ!!」
「月の頭脳もお手上げとは参ったわね。」
「だから月の出身でもない私が言ってんだろ! アイツはむしろ煩悩だろ! いい加減鼻血止めろよ!」
「さっきからてゐは五月蝿いわね。 いつからそんな感情を出す子になったのかしら? えーりん困っちゃう。」
「アンタがボケかましてからずっとだよっ!! っていうか歳考えてからもの言えよ!!」
「それより姫どうやらあなたもウドンゲアレルギーのよぅですよぅ。」
「まぁそんなまさか私がそんな病気になるなんて信じられないわぁ。かしこ。」
「棒読み!? やる気なし!? かしこ!?」
「というわけで、そろそろ病気の原因であるウドンゲが来る時間です。」
「計算通り!? っていうか、わかってて呼ぶなよ!!」
コンコンコンとノックが3回鳴る。
「師匠、鈴仙です。 定刻通りただいま参上しました。」
「マ○トガインかよ!!?」
てゐは完璧にツッコミキャラになってしまった。 今後のてゐの活躍に乞うご期待。
「入りなさい。」
「失礼します。」
ガチャリとドアが開く。 しかしその姿はいつもの鈴仙ではなかった。
恐らく永琳が狙って着せたのであろうナース服であった。両手で少し大きめの救急箱を持っていた。
そして恐らくこれは女性の園である幻想郷でも指折りの破壊力を持つ化け物ではないかと思われた。
「てゐちゃんの診察に・・ってうわわわ! 師匠!姫!すごい量の鼻血ですけど、大丈夫ですか!?」
「ひゃ、百人乗ってもだ、だいぢょう・・ぶふっ!。」
「ぐっふぅっ! わ、私たちはぁ死なないからあぁっ! それよりもぉ、てゐを診てやってちょうだいぃ。」
恐らく私をからかうために、永琳様は鈴仙をこの格好にして呼んだのだろうが・・・
その業で自分からダメージを受けるダメえーりん。 小刻みに震えて余裕がなくなっている。
親指を立てて笑うが、さっきの怖い顔のままだった。 そして鼻血のしぶきは永遠亭の床をより赤に染めていた。
どうやらてゐが起きる前から鼻血を出していたのは、この鈴仙を姿を想像していたからなんだな。
恐るべし、オモイカネ・ブレイン! 私も似たようなことしたけど。
「わ、わかりました! あ、てゐちゃん目が覚めたのね! でも、まだ具合悪そうね。
私が来たからにはもう大丈夫だから安心して!」
そう言って、重たそうな救急箱を左腕一本で持って、右手でVサインを作ろうとする。
左腕は救急箱の重さに耐えられないのか、腕は伸びきって前に垂れ下がり、体制はやや前に倒れかけだった。
「は、はひっ!(わ、わ、そんな無理するなよ! 一生懸命すぎだってば! 腕震えてるし!)」
「よいしょ、よいしょっと。」
再び両手で救急箱を持って、てゐの近くまで行って置いた。
よく見ると鈴仙の左腕がカタカタ震えていた。
「(ケイレンしてる! この人マジで無理してたよっ! 意味の無いVサインで! バカだ! 大好きだっ!)」
てゐはもう見てられないと布団の中に逃げる。 が、一生懸命な鈴仙がそれを許すはずもなかった。
「あ、コラ! もぐったら診察できないじゃない! 顔を出しなさい!」
「いやです! 私はどこも悪くありますぇん! 大丈夫ですから! こ、これ以上はやめてくださいぃぃ!」
てゐの精一杯の言葉の抵抗。 少し喜びの声に聞こえるのはきっと気のせい。
「そんなわけないでしょ! いいから布団から出なさい! あなたは病気なのよ!」
「そりゃ、ある意味病気ですけど、簡単に治せませんよ!」
「な!!? 上司が信じられないのか!? 上司だぞ!? 偉いんだぞ!? 治すんだぞ!?」
掛け布団を引っぺがそうとする、怒ってなおチャーミングな鈴仙。 それに抵抗する、弱虫と化したてゐ。
片方は仕事を、そしてもう片方は生死をかけた布団を取り合う争いになった。
数分争ううちに鈴仙は、着衣の乱れ・運動で火照った体・息切れの三種の神器を得て、破壊力が増したという。
出血多量により勝負に負けたてゐは、ナース鈴仙の手厚い看護で再び長い眠りについた。(ぇ
最初は平静を装っていた(?)輝夜と永淋も未熟ナースの奮闘を見て、ついには萌え倒れてしまった。
永遠亭の未来と自分の健康が、一人の女によりどんどん危くなっていくことがわかった日だった。
てゐの、病原菌(鈴仙萌え)との戦いは続くのであった。
余談:
倒れた永琳と輝夜を別の部屋に移すために鈴仙は部下を呼んだが、
一部の鈴仙萌えが二人と同じ症状でその場で倒れてしまったそうな。
そして後にてゐが『因幡に萌え倒れてしまう病気』を『ウドンゲエンザ』と命名し、
因幡萌え名誉人として幻想郷の歴史に名を残したという。
歴史の妖怪である上白沢慧音曰く、
「それは一部のマニアしか患わない気もするが、既に多くの人が語り継いでしまったし・・・。
なら残すしかないじゃないか!」
と、なかなか心では納得できなくて、妹紅に慰めてもらう日が年単位で続いたそうな。
コメントありがとうございます!うれしくって泣きそうになりました!
自分でも、ちょっとやりすぎた感を感じてます。w
でもあれほどいいキャラを持った鈴仙を使わない手はないかなぁって・・・
ないかなぁって・・・ごめんなさい。(笑)
>蝦蟇口咬平 様
コメントありがとうございます! 蓬莱の薬は私も欲しいところですね。w
しかし永遠に萌え続けるということは幸せと苦しみのダブルパンチですね、きっと。
それでも、欲しい気持ちはわかります。w ビバ鈴仙!!w
やりすぎですがもっとやってください