心優しい少女は、仲の良い姉妹と、意地っ張りな少年と共に謎を解く。出てくる人物は皆清らかで、誰かの為を想い行動する。
それが誤解を生んで、小さな事件になってしまっても、誰も傷つくことなく物語は進み、最後は幸福な結末を迎える。
あり得ないくらいのご都合主義なお話、人によっては鼻で笑ってこう言うだろう『現実にはありえない』と。
だけど、だからこそそれは本の役目を果たしていると思うのだ。
物語は優しさを説く、現実にありえないような優しい話を、現実にあるかのように優しく紡ぐ。
現実が冷たく、厳しいのならば、その分物語は優しくならなくてはバランスがとれない。外の世界から妖怪が消え去り、幻想郷にいるように、現実の世界で失われた分の優しさは、物語の中で栄えていたとしてもなんらおかしくない。それは偶然ではなく必然…必要と言い換えてもいいかもしれない。
そしてまた、現実に生きる作者から物語の中へと移った優しさは、それを読んだ者へと届けられ、そして現実の中へと戻っていく。本を通じて世界は循環しているのだ。
決して命令したり、強要するのではない、ただ、本の中で優しく物語が進むだけ。だけど、だからこそそれが読んだ者に伝わっていく。
もちろん優しい物語だけではない、悲しい話、怖い話…それぞれに役割があり、そしてそれを果たしている。
今日は、たまたま私の手元にあった本が優しい物語だっただけ、でも、それに影響を受けるのもまた、私の運命の一つだろう。
そして、私はこの巨大な図書館の蔵書を読み、知識として蓄えている。一見それは本を利用しているかのように見えて、本に利用されている。
本は、その中に持つ世界を直接外へと出すことはできない、読んだ者を媒介として外へと放つ。
いわば、私はこの巨大な図書館の蔵書の代弁者であるといえるのかもしれない。だからこそ、私は『強い』のだ。
本の力を借り、それを知識…そして魔法として戦う、この巨大な図書館の蔵書全てが私の力の根源であり、私の味方なのである。
魔導書である、ないに関わらず、全ての本は『力』を持つ、それがどんな形の力であるかは様々だが、それが私の力となるのだ。
ただ、それには代償が必要となる。つまり、それは本の世界を外へと出すこと、文字の羅列である文章を、拡がりのある世界へと変え、そして行動をもって現実世界へと還元すること。
この時の私は、本を使う魔女ではなく、本に使われる魔女となる。不満はない、本とは知識の根源、それだけの力を持っているのだから…
悪魔と契約し、魔力を得た者を魔女と呼ぶという話をどこかで読んだ、ある一つの仮説だそうだ。
しかし私は悪魔と契約した覚えはない、私が契約した相手は本、その契約により、私は魔力と知識を得て、本はその世界を現実へと還元する。それが知識の魔女、パチュリー・ノーレッジなのである。
「そういうわけだから今日は本との契約に従うわ」
「素直に童話読んで影響受けたから、レミリアさまに優しくしてあげるって言えないんですか?」
『おしまい』
おまけ
翌朝、レミリアの部屋にて
「…おかしい、おかしいわ。パチェったら私が図書館に入ったら一時間もしない内に声をかけてくれたし、出された紅茶には砂糖以外何も入っていなかったし…椅子にも罠は仕掛けられていなかったし…パチェったらどうしちゃったのかしら?まさか私のこと構う価値すらないと…ううん、そんなはずはないわ、パチェは大切な友人だし…でも、もし私が一方的にそう思っているだけだとしたら…?ああ、パチェ、あなたは私のこと友達として見てくれているのかしら?ううん、大丈夫、大丈夫、私たちは友達のはず、そうよ、きっとパチェが改心して…そうかしら?どうなのかしら?パチェ…本当にどうしちゃったの…?別に構って欲しいわけじゃないけど…でも構って欲しいけど悪戯は…でも悪戯は親愛の証とも言うし…まさかパチェ、私に親愛の情を持てなくなったの…?パチェ…」
延々と悩みながら、寝床を転がり回るレミリアの姿があったそうな。
今度こそ『おしまい』
それが誤解を生んで、小さな事件になってしまっても、誰も傷つくことなく物語は進み、最後は幸福な結末を迎える。
あり得ないくらいのご都合主義なお話、人によっては鼻で笑ってこう言うだろう『現実にはありえない』と。
だけど、だからこそそれは本の役目を果たしていると思うのだ。
物語は優しさを説く、現実にありえないような優しい話を、現実にあるかのように優しく紡ぐ。
現実が冷たく、厳しいのならば、その分物語は優しくならなくてはバランスがとれない。外の世界から妖怪が消え去り、幻想郷にいるように、現実の世界で失われた分の優しさは、物語の中で栄えていたとしてもなんらおかしくない。それは偶然ではなく必然…必要と言い換えてもいいかもしれない。
そしてまた、現実に生きる作者から物語の中へと移った優しさは、それを読んだ者へと届けられ、そして現実の中へと戻っていく。本を通じて世界は循環しているのだ。
決して命令したり、強要するのではない、ただ、本の中で優しく物語が進むだけ。だけど、だからこそそれが読んだ者に伝わっていく。
もちろん優しい物語だけではない、悲しい話、怖い話…それぞれに役割があり、そしてそれを果たしている。
今日は、たまたま私の手元にあった本が優しい物語だっただけ、でも、それに影響を受けるのもまた、私の運命の一つだろう。
そして、私はこの巨大な図書館の蔵書を読み、知識として蓄えている。一見それは本を利用しているかのように見えて、本に利用されている。
本は、その中に持つ世界を直接外へと出すことはできない、読んだ者を媒介として外へと放つ。
いわば、私はこの巨大な図書館の蔵書の代弁者であるといえるのかもしれない。だからこそ、私は『強い』のだ。
本の力を借り、それを知識…そして魔法として戦う、この巨大な図書館の蔵書全てが私の力の根源であり、私の味方なのである。
魔導書である、ないに関わらず、全ての本は『力』を持つ、それがどんな形の力であるかは様々だが、それが私の力となるのだ。
ただ、それには代償が必要となる。つまり、それは本の世界を外へと出すこと、文字の羅列である文章を、拡がりのある世界へと変え、そして行動をもって現実世界へと還元すること。
この時の私は、本を使う魔女ではなく、本に使われる魔女となる。不満はない、本とは知識の根源、それだけの力を持っているのだから…
悪魔と契約し、魔力を得た者を魔女と呼ぶという話をどこかで読んだ、ある一つの仮説だそうだ。
しかし私は悪魔と契約した覚えはない、私が契約した相手は本、その契約により、私は魔力と知識を得て、本はその世界を現実へと還元する。それが知識の魔女、パチュリー・ノーレッジなのである。
「そういうわけだから今日は本との契約に従うわ」
「素直に童話読んで影響受けたから、レミリアさまに優しくしてあげるって言えないんですか?」
『おしまい』
おまけ
翌朝、レミリアの部屋にて
「…おかしい、おかしいわ。パチェったら私が図書館に入ったら一時間もしない内に声をかけてくれたし、出された紅茶には砂糖以外何も入っていなかったし…椅子にも罠は仕掛けられていなかったし…パチェったらどうしちゃったのかしら?まさか私のこと構う価値すらないと…ううん、そんなはずはないわ、パチェは大切な友人だし…でも、もし私が一方的にそう思っているだけだとしたら…?ああ、パチェ、あなたは私のこと友達として見てくれているのかしら?ううん、大丈夫、大丈夫、私たちは友達のはず、そうよ、きっとパチェが改心して…そうかしら?どうなのかしら?パチェ…本当にどうしちゃったの…?別に構って欲しいわけじゃないけど…でも構って欲しいけど悪戯は…でも悪戯は親愛の証とも言うし…まさかパチェ、私に親愛の情を持てなくなったの…?パチェ…」
延々と悩みながら、寝床を転がり回るレミリアの姿があったそうな。
今度こそ『おしまい』
ちょw それで早いと感じちゃうあたり…w
そして今回はまとめてで失礼orz
皆、環境に慣れていくのです(違…)そして、レミィに手を出すと恐ろしい魔女が報復に来るのでご注意を♪(自分以外がいぢめるのは気にくわないらしい)