あらすじ
コロリころがる木の根っこ
幻想郷に
「さー! 鬼が出たぞー!!!」
『きゃあああああ!』
鬼が出た。
2月3日の追儺の日。
人の里ではおおさわぎ。
年に一度の季節の節目に。
鬼がわんさかやってくる。
赤ら顔した陽気なノリの。
角の生えてるよっぱらい。
鬼の萃香の分裂軍団。
ざっと数えて百万鬼。
「ウソはイクナイ」
ホントは百体ちび萃香。
里の最中で百鬼夜行。
渡る世間は鬼ばかり。
「鬼が出たぞー、人間めー!」
両手振り上げバンザイしながら。
大きな口開け大笑い。
「おぉ、お、鬼だぁ!」
「ほ、ホントに居ただなぁ」
「おっとう、アレが鬼だか?」
「こわい鬼には見えねぇだよ」
「いんやー、おっぱいはねぇけど鬼に違いねえ」
「んだー。慧音様より角が立派だべぇ」
「おっぱいの話はすんなー!!!!」
『ひぇぇぇぇ』
見た目は可愛い子供だけれど。
中身は無双の力持ち。
「ふはははは、牛を持って行ってやるー!」
「ああ、花子ー!?」
「よーし、この酒樽ごと強奪だー!」
「うちの秘蔵の酒がー!?」
「米俵いただきー!」
「今年とれた米がー!?」
気ままワガママ赴くままに。
暴れる小鬼のその姿。
大人も子供もぶるり震えて。
あわてて皆で鬼退治。
「お、鬼はー、外ー!」
「ぎゃー!」
「福はーうちー!」
「ぎゃおー!」
「恵方巻きー!」
『それはちがーう!!』
パラリパラパラ豆の音。
そこらかしこで豆の音。
炒った大豆が当たればたちまち。
ごろり倒れる鬼の群れ。
「おっかあ、鬼をやっつけただよ!」
「ようやっただあ」
「これで今年一年、家内安全無病息災だべえ」
そこらかしこで豆の音。
里で聞こえる鬼は外。
追儺の儀式がはじまって。
豆をまかれてポポンと消える。
伊吹童子の鬼の群れ。
消えるときでも笑い顔。
笑う門には福来る。
来い来い今年の福は内。
「こんな追儺でよかったか?」
「上出来上出来ありがと~」
里の上には浮かんだ慧音と。
密度を薄めた萃香の姿。
里の節分見下ろしながら。
小首を傾げる慧音に向けて。
鬼は笑って、こう言った。
「たとえ儀式が歪んでも、人は私を退治する。
昔々にきちんと決めた、約束どおりに退治する。
2月3日の節分だけでも、人と私で大騒ぎ。それで十分、大満足」
「早く来年来ないかな」と。
言ってもひとつ、大笑い。
「晦日もこっちに遊びに来るか?」
「あんたがいいなら喜んで~」
慧音も静かに微笑みながら。
小さなナマハゲ誘いつつ。
二人で一緒に並んで見下ろす。
賑わう里の、おにやらい。
コロリころがる木の根っこ
幻想郷に
「さー! 鬼が出たぞー!!!」
『きゃあああああ!』
鬼が出た。
2月3日の追儺の日。
人の里ではおおさわぎ。
年に一度の季節の節目に。
鬼がわんさかやってくる。
赤ら顔した陽気なノリの。
角の生えてるよっぱらい。
鬼の萃香の分裂軍団。
ざっと数えて百万鬼。
「ウソはイクナイ」
ホントは百体ちび萃香。
里の最中で百鬼夜行。
渡る世間は鬼ばかり。
「鬼が出たぞー、人間めー!」
両手振り上げバンザイしながら。
大きな口開け大笑い。
「おぉ、お、鬼だぁ!」
「ほ、ホントに居ただなぁ」
「おっとう、アレが鬼だか?」
「こわい鬼には見えねぇだよ」
「いんやー、おっぱいはねぇけど鬼に違いねえ」
「んだー。慧音様より角が立派だべぇ」
「おっぱいの話はすんなー!!!!」
『ひぇぇぇぇ』
見た目は可愛い子供だけれど。
中身は無双の力持ち。
「ふはははは、牛を持って行ってやるー!」
「ああ、花子ー!?」
「よーし、この酒樽ごと強奪だー!」
「うちの秘蔵の酒がー!?」
「米俵いただきー!」
「今年とれた米がー!?」
気ままワガママ赴くままに。
暴れる小鬼のその姿。
大人も子供もぶるり震えて。
あわてて皆で鬼退治。
「お、鬼はー、外ー!」
「ぎゃー!」
「福はーうちー!」
「ぎゃおー!」
「恵方巻きー!」
『それはちがーう!!』
パラリパラパラ豆の音。
そこらかしこで豆の音。
炒った大豆が当たればたちまち。
ごろり倒れる鬼の群れ。
「おっかあ、鬼をやっつけただよ!」
「ようやっただあ」
「これで今年一年、家内安全無病息災だべえ」
そこらかしこで豆の音。
里で聞こえる鬼は外。
追儺の儀式がはじまって。
豆をまかれてポポンと消える。
伊吹童子の鬼の群れ。
消えるときでも笑い顔。
笑う門には福来る。
来い来い今年の福は内。
「こんな追儺でよかったか?」
「上出来上出来ありがと~」
里の上には浮かんだ慧音と。
密度を薄めた萃香の姿。
里の節分見下ろしながら。
小首を傾げる慧音に向けて。
鬼は笑って、こう言った。
「たとえ儀式が歪んでも、人は私を退治する。
昔々にきちんと決めた、約束どおりに退治する。
2月3日の節分だけでも、人と私で大騒ぎ。それで十分、大満足」
「早く来年来ないかな」と。
言ってもひとつ、大笑い。
「晦日もこっちに遊びに来るか?」
「あんたがいいなら喜んで~」
慧音も静かに微笑みながら。
小さなナマハゲ誘いつつ。
二人で一緒に並んで見下ろす。
賑わう里の、おにやらい。
>おっぱいはねぇけど鬼に違いねえ
だからなんでおっぱいを見るのかとw
しかしおんみょうまめに思いっきり吹いたwwww
こんな幻想郷が大好きです。
今までの鬼役はけーね様だな。
豆を投げられてはわざとらしくやられる萃香を想像して和みました(笑
こんな鬼がいるなら、鬼も福も内に入れたいものです。