「霊夢ー、結婚してくれー」
「しょうがないわね。今日だけよ?」
「ふぅ。掃いても掃いてもきりがないわ」
「お前も毎日よくやるなぁ」
「だって終わらないんだもの」
「終わらないのにやる意味があるのか?」
「終わらせるためにやってるわけじゃないから」
「なんなら私が終わらせてやろうか? 塵ひとつ残さずに」
「……境内に穴が空くからいい。それよりお湯でも沸かしててよ。これが終わったらお茶にするから」
「終わらないんじゃなかったのか?」
「終わりにするのよ」
「そういえば、天狗がまた新聞ばらまいてたぜ」
「へぇ……なになに? 冬の妖怪が幼女化。折からの暖冬は果たして原因か結果か――相変わらずくだらないこと書いてるわね」
「茶飲み話にはいいだろ」
「素敵なお茶菓子があれば、もっといいんだけどね」
「そ、そんな目で見られても今日は持ってきてないぜ。私だっていつも紅魔館に通ってるわけじゃないんだ」
「……そういうことか」
「おお、そうだ。菓子はないが、珍しい酒を持ってきたぜ」
「……今までどこに隠してたのよ」
「魔法使いはポケットをたくさん持ってるんだ」
「まあいいけど。……あら発泡ワイン? 確かに珍しいわね」
「外の世界じゃ、人を祝うときにこの酒を浴びせかけるらしいぜ」
「もったいないわね。なにもお酒でやらなくたっていいのに」
「お前も御神酒とかいって酒捨ててなかったか?」
「あれは捨ててるんじゃなくて、神様に捧げてるの。人に捧げるなら、かけるより飲んだ方がいいじゃないの」
「……でも、ちょっとだけ試してみたくならないか?」
「かけないで。お願い。飲むからかけないで」
「やっぱり、寒い日は鍋が一番よね」
「……お前のその恰好だと、毎日が鍋でも良さそうだな」
「なんで?」
「どう見ても寒いだろ。むしろ見てる方が寒い」
「失礼ね。ちゃんとした冬服よ、これ」
「……冬服でもここだけは開いてるんだな」
「――ひゃっ!? ちょっと、人が鍋すくってるときに変なところ触らないでよ。かけるわよ顔に」
「顔は勘弁だぜ」
「さて、寝ましょ」
「…………」
「どうしたの魔理沙? その布団じゃ寒い?」
「……思えば、結婚した甲斐のない一日だった気がするぜ」
「うちで御飯食べてこうして泊まってるじゃない」
「結婚してなくたって、泊まるときは泊まってるだろう」
「贅沢言うわね。じゃあ、あと何をお望みなのよ?」
「だからだな。結婚生活の締めに、なにかこう、らしいことを」
「抽象的ねぇ。それじゃあ、えーっと……」
「――おやすみなさい。あなた」
「っっっっっ!?」
「ほら、これで気が済んだでしょ。明日も早いんだからさっさと――」
「…………っ」
「――魔理沙? どうしたのよぶるぶる震えt」
「そこまで言われて寝られるかぁーーーーーーっ!!!1!11」
「きゃああぁあぁっ!?」
ピチューーーン
「…………」
「………………」
「……いや、その。すまん」
「………………」
「まあ、なんだ。配偶者にでも噛まれたと思って……」
「……思うまでもなく噛まれたわよ」
「は、はは……。れ、霊夢、目がすわってるぜ」
「今度の弾幕ごっこ、覚えてなさいよ」
「orz」
チュンチュン
「ふぁ~あよく寝たぜ。霊夢、また今度結婚してくれ」
「……昨日の今日で、よくそんな台詞が出てくるわね」
「簡単にはめげないのが信条なんだ。いいだろ?」
「はぁ……せめて跡が消えてからにして」
「おう。次回までには噛み加減を覚えておくぜ」
「だから噛むな」
~続かない~
――後日、甘噛みの練習台にされたアリs(続かないって
それなんて大魔王に立ち向かう人間?にしても局所甘はいいものですなぁ。喩えるなら普段弱虫意気地なしでヘタレの魔法使いがいざというときに頼りになr(ry
あと甘噛みされたアリスを過程とその後を詳しk(ピチューン
ごめん、そっちの方が気になる
イイ。
しれっとした霊夢萌え。