12がつ12にち
日本語なんか書けなくてもぜんぜん困らないのに、お姉さまが勉強しなさいって言う。
私の妹たるものとかうるさい。
毎日ぶんしょうを書けばおぼえるからって、このノートをわたされた。
かなりうすいノートだから、すぐページがなくなると思う。
てきとうなこと書いて、早いとこ全ページうめる。
12月13日
たのんでないのに、咲夜がいっしょに日本語の勉強しましょうって言ってきた。
お姉さまになにか言われたんだと思う。
ヒマだったからつきあってあげた。
おぼえがいいってほめてくれた。
でも名前まちがえて、フリンドールって書いちゃったらすごく怒られた。
たった一文字まちがえたくらいで大げさだと思う。
12月14日
今日も咲夜と日本語の勉強した。
めんどくさかった。
もう日本語は話せるんだから別に書けなくてもいいでしょって言ったら、
「すでに話せるとおっしゃいましたが、フランドール様が話す日本語は少し至らぬ所が有ります」
って言われた。
自分の国の言葉じゃないから、気が付かないだけで色々うまく言えてない部分が有るのかもしれない。
咲夜が言うには、私の日本語は母音が舌足らずなんだって。
どうでもいいけど、咲夜の前でボインって言うと悲しそうな顔をする。
12月15日
日本語はかっこ悪いから覚えたくないって言ったら、
「バイリンガルはかっこいいんですよ」
って咲夜に言われた。
私はもう自分の国の言葉話せるし書けるから、日本語も全部覚えたら、バイリンガルっていうのになるらしい。
バイリンガルってなんだろう。
日本語も覚えたら、いきなりヘンなのに変身しちゃうのかな。
バイリンガルってたぶんカンガルーみたいな動物だと思う。こわい。
12月16日
バイリンガルの事を調べるために、図書館に行った。
いつもみたくチュパリーだかパシリーだとかいう、お姉さまの友達が本を読んでた。
物知りらしいから、バイリンガルの事を聞いてみる事にした。
でもこの時はバイリンガルって全部覚えてなくて、最初のバイしか思い出せなかった。でも別にいいや。長い名前が悪いんだもん。
とりあえず、パシリーにバイなんとかの意味を聞いたら、すごくおどろかれた。
「バイなんとかじゃ分からないわ。もっとくわしく言ってくれるかしら?」
って聞いてきたから、がんばって思い出してみた。
最後の文字が『ル』なのを思い出したから、そう伝えた。
パシリーはもっとおどろいた。
誰にそんな事教わったのって聞かれたから、
「私はイヤなのに、咲夜が勝手に色々教えてくる。私をバイなんとかにしようとしてる」
って言った。
青白かったパシリーの顔は真っ赤になってた。
「りょうとうつかいなんて、いやらしい!」
って叫んでどこかに逃げた。
ヘンな人だなあと思った。
12月17日
また咲夜と日本語の勉強した。
あんまり怒りっぽい方じゃないけど、いつもいつも同じ事してるとイライラしてくる。
大体、日本語があんまり好きじゃない。
男の人は自分の事、オレとかボクとかオイラとか言っていいのに、女の人はダメだなんてズルイ。
日本はダンソンジョヒだって本で読んだけど、その通りだと思う。
この事を咲夜に言ってみたら、どうしても使いたければ男言葉を使ってもいいって言われた。
だから今日から自分の事をボクって言う事にした。
試しに、
「ボク、フランドール。よろしくね」
って挨拶したら、咲夜がヘンに興奮しだして、勉強どころじゃなくなった。
ボクって言う度に咲夜の体はガクガク震えて、最後にはトイレに行って出てこなくなった。
咲夜もヘンな人だ。
12月18日
咲夜が昨日からトイレにこもりっきり。
くさくないのかな。
12月19日
お姉さまとパチョリーが、トイレから出てこない咲夜を心配して、様子を見に行った。
ボクもついて行った。
お姉さまが出てきなさいって命令したけど、
「フランドール様がいけないのです。やり過ぎなのです」
としか咲夜は言わない。
それを聞いた途端、
「両刀使いの勉強中に、やり過ぎってどういう事よ!不潔!」
って叫んでパチョリーが倒れた。
お姉さまが気絶したパチョリーをどこかに運んでいった。
咲夜とトイレで二人きりになった。
「ボクなにか悪い事したかな。ごめんね咲夜、早く出てきてね」
って言ったら、咲夜も倒れた。
紅魔館は体が弱い人が多いのかな。
12月20日
咲夜は昨日から起きない。
「ボクっ娘らめえ」
って寝言で言いながらうなされてる。
パチュリーも起きない。
「バイらめえ」
とか言いながらうなされてる。
二人とも体が弱くて大変だなとか考えてた。
体の事をずっと考えてたら、大事な事を思い出した。
最近胸の先っぽが痛い。それにちょっとふくらんできてる。
悪い病気かもしれないからお姉さまに相談したら、
「私より早くにじせいちょうが来るなんて、ありえない」
って言いながら倒れた。
お姉さまも体が弱いのかな。
12月21日
メイド達が皆オロオロしてる。
お姉さまも咲夜も起きないから、何をしていいか分からないらしい。
使えない人達だと思う。
12月22日
美鈴とかいう門番が生意気になってきた。
「咲夜さんもお嬢様も起きないんスか?もしかして私がトップっスか?」
なんて事を言いながら、一日中ヘラヘラ笑ってる。
12月23日
美鈴の挨拶がヘン。
「フラン様が咲夜さん達を眠らせてくれたんスか?あざーす」
顔を合わせる度にこう言ってくる。
何が言いたいんだろう。
12月24日
美鈴が門番の仕事を勝手に休んだ。
「イブはカレシと約束してるんスよ。正月までには帰りますんで」
と言って、どこかに出かけて行った。
カレシって何だろう。
メイド達に聞いてみたら、皆して怖い顔になった。
中には泣き出す人や、男なんて皆クソ、とかつぶやく人もいた。
よく分かんないけど可哀相だったから、
「ボクが皆のカレシになってもいいよ」
って言った。
メイド達は全員泣きながら、
「気持ちだけ受け取ります。フランドール様は優しいですね」
って言ってた。
喜んでくれたみたいで良かった。
12月25日
お姉さまとパチュリーが目を覚ました。
最近叫んでばっかりだし、倒れたりしてて可哀相だったから、
「ボクがパチュリーのカレシになってあげようか?」
って言ってみた。
メイド達みたいに喜ぶかなと思ったのに、
「やっぱり妹様はガチだったのね!信じられない、子供のくせに!」
って叫んで、パチュリーはまた気絶した。
隣にいたお姉さまは、
「パチェをくどくなんて何考えてるのよ。ちょっと胸が有るからっていい気になるんじゃないわよ」
とか言いながらグングニル投げてきた。
私もレーヴァテインで斬ってみた。
館中燃えて、面白いクリスマスになった。
12月26日
咲夜が目を覚ました。
メイド達に、
「私が眠っている間、変な事は起きてないでしょうね?」
って聞いてた。
メイド達は、美鈴が勝手に仕事を休んで、カレシの所に遊びに行った事を報告してた。
咲夜は目が赤くなって、
「アイツは放っておくと、どこまでもつけあがる」
って言いながらナイフを研ぎ始めた。
もう美鈴は帰って来ない方がいいと思う。
12月27日
美鈴が帰って来た。
ハンバーグの材料にする予定だったけど、そうはならなかった。
何故か美鈴は最初からボロボロで、顔にはパンダみたいなアザができてた。
皆して美鈴の話を聞くことになった。
美鈴のカレシはお仕事してなくて、毎日お酒飲んでゴロゴロしてるらしい。
お酒が無くなるとバカ女とか言いながら美鈴の事を殴るけど、暴れた後は凄く優しくなるみたい。
「あの人、私がいないとダメなんです。手がかかるけど、いつかビッグになる男なんです。それに世間じゃ無職だんて言われてるけど、パチプロっていう立派なお仕事に就いてるんです。あの人を理解してあげられるのは私だけなんです」
美鈴は目をキラキラさせながらこんな事を言ってた。
咲夜は泣いてた。
お姉さまもメイド達も泣いてた。
何故か美鈴は一日中、皆に優しくされてた。
12月28日
色々な騒動があって出来なかったから、明日、クリスマスパーティーをやる事になった。
そういえば今年はまだクリスマスプレゼント貰ってない。
サンタさんも忙しいのかなって美鈴に聞いてみたら、
「すんません。今年は私がサンタ役だったんスけど、カレシんとこ遊びに行ってたんで」
なんて言いながら謝ってきた。
空気よめって言われながら美鈴は館の全員に殴られてたけど、どういう事だろう?
美鈴がお仕事サボるとサンタさんは来てくれないのかな。
美鈴とサンタさんは知り合いなのかな。
12月29日
パチュリーがまだ眠ったままだけど、どうせ起きててもヘンな事を叫んで気絶するだけだろうから別にいい。
クリスマスパーティーは凄く盛り上がった。
美鈴がカレシと別れたらしいから、皆でお祝いした。
「今思えば、馬鹿な男に騙されてたんですね」
って美鈴は言ってた。
それを聞いてたメイド達が、
「男なんて皆クソ」
って合唱し始めた。
昔、嫌な事があったらしい。
その後、女同士で仲良くやってるのが一番気楽でいいってバツイチのメイドが独り言を言った。
もの凄く説得力が有った。
12月30日
今日は二つ、ヘンな事が起きた。
一つ目はパチュリーが目を覚ました時。
パチュリーはメイド達が皆スッキリした顔してるのを不思議そうにしてた。
何があったのって聞かれた。
昨日メイド達が、男はダメで女同士が一番いいって言ってた事を教えてあげた。
「メイド達にまで手を出すなんて信じられない、ケダモノ!女同士なんて有り得ない」
って叫んで、パチュリーはまた気絶した。
この人は何かボクの事を誤解してると思う。
もう一つのヘンな事はお姉さまの事。
ボクとお姉さまは大体同じくらいの年なのに、ボクだけ胸がふくらんできてる。
ホントにお姉さまの胸には何の変化も無いのか気になったから、見せあいっこしようって言った。
そしたらお姉さまが大事な
長くなりそうだから書けそうにない。これが最後のページなのを忘れてた。
もう五行しか残ってない。せっかくだから自分の名前をサインする。
これなら少ないスペースに収まるし。
フリンドール・スカーレット
どうしよう間違えた。ペンで書いたから消せない。あ~、もう書くスペースが無い……
さすがフランだっ!
見えていたらもっと分厚いノートを渡していたはz(Bマジックスクウェア
噴いたw 他にも色々とツッコミ所がありすぎてもうなんというか狩人Aさんグッジョブ!!
僕はもうだめです
真のカオスというものを勉強させて頂きました。
僕の股(裁かれました……)
無知って怖いなぁ…。
フリンちゃんハアハア(´Д`)