皆さん、こんにちは。
本日は、とある東方世界の真実を皆さんにお伝えしようと、わたくし、ここへと参らせていただきました。
では、前置きはここまでとして本題に入りましょう。
皆さんは、不思議に思いませんでしたでしょうか。何を、と問われれば、わたくしはすぐにお答えすることができます。
それは、バスト。
最早言うまでもないですね。バストです。端的に言うとおっぱいです。
――そう、それは、世の女性ならば誰もが持つと同時に、互いの争いの原因となったり、また、互いが互いに手をとる要因になったりもする、最も偉大かつ神聖なもののこと。
端的に申しますと、東方世界の人々の大半は、ずばり『ないちち』です。貧乳です。無乳も限りなくいます。何ででしょうか。この世界がそれしか受け入れなかったから? ないのが好きだから? っていうかジャスティスでトゥルースだから。
……違うのです。違うのです、皆様。
それでは、ここに、その『IF』の世界をお見せいたしましょう。もしも、東方キャラが『巨乳』だったら、一体、何が起こるのかということを。
吹きすさぶ風の中、空に浮かぶ少女が二人。
一人は、この世界の守り人の役目をつかさどるもの――博麗霊夢。そしてもう一人は、そのかけがえのない友人かつ最大のライバル、霧雨魔理沙。
彼女たちは今、共に対峙していた。
「魔理沙……あんたはやってはならないことをやってしまった」
「へっ、何のことかな。身に覚えがないぜ」
「あなたは……あなたは、私が大切にしていたいちご大福を食べてしまった! その罪……たとえ、百の罪に苛まれ、千の罰を受け、万の苦しみを与えたとしても、到底、許しがたい!」
「相変わらず、さもしいな。あの程度のことで、そこまで目くじら立てるなんてさ」
「……言っていなさい、魔理沙。
私は、今、この場であなたを罰するわ。大丈夫、痛くなんてない。……むしろ、痛いと感じることができるほうが幸せでしょうね」
「言ってくれるぜ、霊夢」
彼女の瞳が鋭く光る。
戦いの理由など、動機など、もはやどうでもいい。この二人にとって、今、重要なのは、互いがなした宣戦布告であり、それに伴う結果――すなわち、『互いを倒す』こと、それ自体なのだから。
「私はいつでも絶好調だぜ?」
「こちらもよ」
強く風が吹きすさぶ。
髪が風に遊ばれ、スカートの裾がはためき、そして、たゆたゆと胸部が揺れる。
――では、今から、貧と巨の恐怖を、皆さんにお伝えしましょう。
「手加減しないぜ、霊夢!」
「こっちこそ!」
二人が共に飛翔した。
武器となる力を手に、風にはためくものははためかせ。ついでに揺らしながら。
「まずは小手調べだ!」
撃ち出される星の形をした魔力の塊。同時に、彼女の手の動きに従ってバストが弾む。そりゃもう容赦なく。
「甘いっ!」
それを霊夢は軽々と回避した。
まるで優雅に空を舞うかのように。慣性の法則にしたがって、さらしに包まれた部分を左右に揺らしながら。
「次はこっちの番よ!」
「甘いぜ、常に戦闘は私のテンポだ!」
「小ざかしい真似を!」
撃ち出される弾幕。駆け巡る少女たち。そしてゆれるおっぱい。
ああ、これが幻想たる世界の有様なのか。
それはあまりにも美しく、あまりにも凶暴で、あまりにも残酷で。そして同時に、あまりにも、見事だった。
そう、それは紛れもなく――美しい。
「ちょっと幽々子! また霊が地上に出てるんですけど!」
「そう言うな、霊夢! 御大が私たちを祝福してくれてるんだぜ!」
続けて放たれる一撃を、霊夢は回避した。同時に、飛び去っていく魔力の塊めがけて札を放ち、それを結界で包み込む。
お返しよ、とばかりに霊夢はその結界で包み込んだ魔理沙の攻撃を投げ返した。無論、魔理沙もそれを回避するのだが、その中で結界が弾け、力の残滓が、そして、魔理沙の携えた魔力が空中に解き放たれる。
「……やってくれるぜ。
なぁ、霊夢。こんなちまちました勝負じゃ埒が明かないぜ?」
「そのようね。なら、互いに、力の限りを出し尽くした一撃で終わらせましょうか?」
「それが一番だ」
互いに力を集めていく。
今、この時、どちらかがルールを破り、攻撃を仕掛けていれば、恐らく、戦いは終わっただろう。だが、彼女たちはそれをしなかった。
それは、なぜか?
いくら戦いであるとはいえ、お互いがお互いを尊重する――それが幻想郷のルールだ。絶対の理だ。たとえるなら、バッタ男が変身する間、怪人は攻撃してはならないという暗黙の了解に近いものがある。
二人は、お互いを、最高の敵として認め合っている。
だからこそ――二人は、互いに言葉を交わす。
「食らいなさい! 魔理沙っ!」
「結界の果てまで吹っ飛ばしてやるぜ、霊夢っ!」
そして――互いの力が解き放たれる。
「夢想封印っ!」
「マスタースパークっ!」
両者のそれは、破壊的な力を持っていた。同時に、その弾道は不規則かつ強烈的な直線を持っている。当然、これまでの弾幕のように軽々とよけられる代物ではない。
霊夢は顔をしかめながら、前から迫ってくる力の奔流を回避しようとした。
だが、その時!
「しまっ……!」
あろうことか、彼女の本体は回避に成功していた。しかし、揺れるおっぱいがマスタースパークに触れてしまったのだ!
「バカなっ……!」
一方の魔理沙も、ランダムに迫ってくる弾幕を回避しようと必死だった。
だが、遅い。幻想郷最速を自負する彼女ならばあってはならない無様さだ。その理由は、ただ一つ。おっぱいが……おっぱいが邪魔なのだ!
ピチューン。
――そして、戦いは終わった。
おわかりいただけましたでしょうか?
霊夢さんの特性、それは『無重力かつ当たり判定が小さい』。しかし、胸が大きいということは、自らの足かせを作り、同時に当たり判定を拡大させてしまっているのです。
魔理沙さんの特性、それは『高機動力』。しかし、おっぱいがあるということで、不規則かつ自由に揺れるそれが彼女の足を止めてしまったのです。
かように、おっぱいというのは魔性の力を持っています。彼女たちから、本来の力を奪い去ってしまうほどに。
これで、皆さんにもご理解いただけたでしょう。
東方キャラにないちちが多いのは、皆、それが『キャラクター』という特性を作るのに必要であるという、その事実を。
以上、稗田阿求が語る『東方世界』の真実でした。
「という話を求聞史記の方に掲載したいので掲載許可を頂きにきました。答えなんていらないですね、だってアルティメットトゥルースですもん。じゃ、私はこれで――」
「夢 想 封 印」
「マ ス タ ー ス パ ー ク」
○月×日。
稗田阿求、某神社にて容赦ない弾幕の直撃を受け、入院。全治○ヶ月と推定される。
だが、彼女は負けることはないだろう。我々に、この、混沌とした東方世界の真実を伝えるために。ペンは弾幕より強し。その事実を証明するために。
彼女は、病床からでもペンをとる。全ては、伝えるために。人々に、伝え聞かせるために。
故に――諸君、今しばらく待っていてほしい。彼女は必ず、我々に真実を伝えてくれる。その日が多少、延長されたに過ぎないのだから。
東方求聞史記
発 売 延 期 ! !
「――という理由でしたら、皆さんも、延期を受け入れてくれますよね。編集さん」
「……」
たわけたでっち上げを笑顔で述べる彼女に、彼女の編集者たるメガネの紳士は無言だった。無言の圧力を発しまくっていた。
彼女――阿求の笑顔がこわばる。だが、それでも彼女はめげずに「受け入れてくれますよね!」と続けた。紳士は、やっぱり無言だった。無言のまま、ぱちん、と指を鳴らした。
ドアが、開く。
「あ、あれ? 霊夢さん? あれ? 魔理沙さんも?」
「………………」
「………………」
「あ、あれ? 何か目が据わってますよ? あれ? おかしいな。 二人の背後にオーラが見えますよ? どす黒いオーラが小宇宙となってうねりくるってますよ?」
「………………」
「………………」
「あ、あの、どうして二人とも無言なんですか!? や、やだなぁ! あ、そ、そうか! お茶ですね! お茶とお茶菓子ですね! お客様ですもんね! あ、あはははは! い、今、美味しいお菓子とお茶を用意しますね! あ、あれ、何で手が震えてるんだろう、急須がうまく持てないよ、あ、あれ、何か視界もにじんできて助けて編集さぁぁぁぁぁぁん!!」
「夢 想 封 印 ! ! !」
「マ ス タ ー ス パ ー ク ! ! !」
本日は、とある東方世界の真実を皆さんにお伝えしようと、わたくし、ここへと参らせていただきました。
では、前置きはここまでとして本題に入りましょう。
皆さんは、不思議に思いませんでしたでしょうか。何を、と問われれば、わたくしはすぐにお答えすることができます。
それは、バスト。
最早言うまでもないですね。バストです。端的に言うとおっぱいです。
――そう、それは、世の女性ならば誰もが持つと同時に、互いの争いの原因となったり、また、互いが互いに手をとる要因になったりもする、最も偉大かつ神聖なもののこと。
端的に申しますと、東方世界の人々の大半は、ずばり『ないちち』です。貧乳です。無乳も限りなくいます。何ででしょうか。この世界がそれしか受け入れなかったから? ないのが好きだから? っていうかジャスティスでトゥルースだから。
……違うのです。違うのです、皆様。
それでは、ここに、その『IF』の世界をお見せいたしましょう。もしも、東方キャラが『巨乳』だったら、一体、何が起こるのかということを。
吹きすさぶ風の中、空に浮かぶ少女が二人。
一人は、この世界の守り人の役目をつかさどるもの――博麗霊夢。そしてもう一人は、そのかけがえのない友人かつ最大のライバル、霧雨魔理沙。
彼女たちは今、共に対峙していた。
「魔理沙……あんたはやってはならないことをやってしまった」
「へっ、何のことかな。身に覚えがないぜ」
「あなたは……あなたは、私が大切にしていたいちご大福を食べてしまった! その罪……たとえ、百の罪に苛まれ、千の罰を受け、万の苦しみを与えたとしても、到底、許しがたい!」
「相変わらず、さもしいな。あの程度のことで、そこまで目くじら立てるなんてさ」
「……言っていなさい、魔理沙。
私は、今、この場であなたを罰するわ。大丈夫、痛くなんてない。……むしろ、痛いと感じることができるほうが幸せでしょうね」
「言ってくれるぜ、霊夢」
彼女の瞳が鋭く光る。
戦いの理由など、動機など、もはやどうでもいい。この二人にとって、今、重要なのは、互いがなした宣戦布告であり、それに伴う結果――すなわち、『互いを倒す』こと、それ自体なのだから。
「私はいつでも絶好調だぜ?」
「こちらもよ」
強く風が吹きすさぶ。
髪が風に遊ばれ、スカートの裾がはためき、そして、たゆたゆと胸部が揺れる。
――では、今から、貧と巨の恐怖を、皆さんにお伝えしましょう。
「手加減しないぜ、霊夢!」
「こっちこそ!」
二人が共に飛翔した。
武器となる力を手に、風にはためくものははためかせ。ついでに揺らしながら。
「まずは小手調べだ!」
撃ち出される星の形をした魔力の塊。同時に、彼女の手の動きに従ってバストが弾む。そりゃもう容赦なく。
「甘いっ!」
それを霊夢は軽々と回避した。
まるで優雅に空を舞うかのように。慣性の法則にしたがって、さらしに包まれた部分を左右に揺らしながら。
「次はこっちの番よ!」
「甘いぜ、常に戦闘は私のテンポだ!」
「小ざかしい真似を!」
撃ち出される弾幕。駆け巡る少女たち。そしてゆれるおっぱい。
ああ、これが幻想たる世界の有様なのか。
それはあまりにも美しく、あまりにも凶暴で、あまりにも残酷で。そして同時に、あまりにも、見事だった。
そう、それは紛れもなく――美しい。
「ちょっと幽々子! また霊が地上に出てるんですけど!」
「そう言うな、霊夢! 御大が私たちを祝福してくれてるんだぜ!」
続けて放たれる一撃を、霊夢は回避した。同時に、飛び去っていく魔力の塊めがけて札を放ち、それを結界で包み込む。
お返しよ、とばかりに霊夢はその結界で包み込んだ魔理沙の攻撃を投げ返した。無論、魔理沙もそれを回避するのだが、その中で結界が弾け、力の残滓が、そして、魔理沙の携えた魔力が空中に解き放たれる。
「……やってくれるぜ。
なぁ、霊夢。こんなちまちました勝負じゃ埒が明かないぜ?」
「そのようね。なら、互いに、力の限りを出し尽くした一撃で終わらせましょうか?」
「それが一番だ」
互いに力を集めていく。
今、この時、どちらかがルールを破り、攻撃を仕掛けていれば、恐らく、戦いは終わっただろう。だが、彼女たちはそれをしなかった。
それは、なぜか?
いくら戦いであるとはいえ、お互いがお互いを尊重する――それが幻想郷のルールだ。絶対の理だ。たとえるなら、バッタ男が変身する間、怪人は攻撃してはならないという暗黙の了解に近いものがある。
二人は、お互いを、最高の敵として認め合っている。
だからこそ――二人は、互いに言葉を交わす。
「食らいなさい! 魔理沙っ!」
「結界の果てまで吹っ飛ばしてやるぜ、霊夢っ!」
そして――互いの力が解き放たれる。
「夢想封印っ!」
「マスタースパークっ!」
両者のそれは、破壊的な力を持っていた。同時に、その弾道は不規則かつ強烈的な直線を持っている。当然、これまでの弾幕のように軽々とよけられる代物ではない。
霊夢は顔をしかめながら、前から迫ってくる力の奔流を回避しようとした。
だが、その時!
「しまっ……!」
あろうことか、彼女の本体は回避に成功していた。しかし、揺れるおっぱいがマスタースパークに触れてしまったのだ!
「バカなっ……!」
一方の魔理沙も、ランダムに迫ってくる弾幕を回避しようと必死だった。
だが、遅い。幻想郷最速を自負する彼女ならばあってはならない無様さだ。その理由は、ただ一つ。おっぱいが……おっぱいが邪魔なのだ!
ピチューン。
――そして、戦いは終わった。
おわかりいただけましたでしょうか?
霊夢さんの特性、それは『無重力かつ当たり判定が小さい』。しかし、胸が大きいということは、自らの足かせを作り、同時に当たり判定を拡大させてしまっているのです。
魔理沙さんの特性、それは『高機動力』。しかし、おっぱいがあるということで、不規則かつ自由に揺れるそれが彼女の足を止めてしまったのです。
かように、おっぱいというのは魔性の力を持っています。彼女たちから、本来の力を奪い去ってしまうほどに。
これで、皆さんにもご理解いただけたでしょう。
東方キャラにないちちが多いのは、皆、それが『キャラクター』という特性を作るのに必要であるという、その事実を。
以上、稗田阿求が語る『東方世界』の真実でした。
「という話を求聞史記の方に掲載したいので掲載許可を頂きにきました。答えなんていらないですね、だってアルティメットトゥルースですもん。じゃ、私はこれで――」
「夢 想 封 印」
「マ ス タ ー ス パ ー ク」
○月×日。
稗田阿求、某神社にて容赦ない弾幕の直撃を受け、入院。全治○ヶ月と推定される。
だが、彼女は負けることはないだろう。我々に、この、混沌とした東方世界の真実を伝えるために。ペンは弾幕より強し。その事実を証明するために。
彼女は、病床からでもペンをとる。全ては、伝えるために。人々に、伝え聞かせるために。
故に――諸君、今しばらく待っていてほしい。彼女は必ず、我々に真実を伝えてくれる。その日が多少、延長されたに過ぎないのだから。
東方求聞史記
発 売 延 期 ! !
「――という理由でしたら、皆さんも、延期を受け入れてくれますよね。編集さん」
「……」
たわけたでっち上げを笑顔で述べる彼女に、彼女の編集者たるメガネの紳士は無言だった。無言の圧力を発しまくっていた。
彼女――阿求の笑顔がこわばる。だが、それでも彼女はめげずに「受け入れてくれますよね!」と続けた。紳士は、やっぱり無言だった。無言のまま、ぱちん、と指を鳴らした。
ドアが、開く。
「あ、あれ? 霊夢さん? あれ? 魔理沙さんも?」
「………………」
「………………」
「あ、あれ? 何か目が据わってますよ? あれ? おかしいな。 二人の背後にオーラが見えますよ? どす黒いオーラが小宇宙となってうねりくるってますよ?」
「………………」
「………………」
「あ、あの、どうして二人とも無言なんですか!? や、やだなぁ! あ、そ、そうか! お茶ですね! お茶とお茶菓子ですね! お客様ですもんね! あ、あはははは! い、今、美味しいお菓子とお茶を用意しますね! あ、あれ、何で手が震えてるんだろう、急須がうまく持てないよ、あ、あれ、何か視界もにじんできて助けて編集さぁぁぁぁぁぁん!!」
「夢 想 封 印 ! ! !」
「マ ス タ ー ス パ ー ク ! ! !」
永低速組:幽々子=ゆかりん>アリス>レミリア
高速と低速を混ぜたら、レミリア>咲夜という現象が起きてしまうから分けてみたが、なるほど確かにそういう順番だ。