拙作「サイレンス・イン・ザ・スカーレット・マンション」、「カラフルピュアガールズ」、「クリーム・ティを召し上がれ」を読んでいないときっと訳が分かりません
貴方の目の前に一冊の本が置かれている。
触れると、本が語りかけてくる。
――私は547枚の紙が綴じられた、つまり1,094頁の白紙の本であった。今は、日々を綴る為の本として此処に居る。
貴方は、どうしてもそれが読みたくなってしまった。
◇◇◇
ある日の日記
マスタが外の世界の魔術を行使する式を確立する。
その瞬間の情景をそのまま映像として記録する魔術である。
他の魔術への応用も期待される。
書棚 EE00991~EE02200付近に魔力の歪みを発見。
◇◇◇
ある日の日記
外の世界の書を手に入れる。
まだ読んでいないのだが、姉妹が誰よりも深く愛し合うお話であるという。
レミリア様が、「妹と仲良くする為の方法を知りたい」とマスタに相談を持ちかけていたのが昨日の事である。
運命を感じるほど御誂え向きの一冊だ。ぜひ、あの方に読んでいただこう。
マスタが光を歪める作用を持つ魔力フィルタの開発に着手した様である。
ここ数日の蔵書増加数を漸く纏め終わる。
◇◇◇
ある日の日記
静かに騒がしい一日だった。
この日はマスタを悩ます喘息が大人しく、滅多に無いほど好調の様子であった。
さだめしスペルの研究が進むであろうと期待していたが、「中庭で実験をしてくる」と言い残して出て行ったかと思うと、物凄い勢いで図書館に戻ってきてまた出て行った。
てっきりサイレントセレナのカードに紅茶をこぼしてしまった事でお目玉を食らうかと思ったが、そのまま慌てて図書館から出て行った。
どうやらバレていない様だ。
追記
その日は誰とも会話しなかった為に気付かなかったが、マスタの所為で館中の者が声を発することが出来なくなっていたという。
◇◇◇
ある日の日記
フィルタが完成。
マスタはレミリア様に日傘代わりに使ってもらおうと作成した様だが、日光の退魔効果を遮断するには至らなかった様である。
お二方とも、実に仲がよろしくて結構な事である。
マスタに折角作った物なので何か利用法はないかと訪ねられたので、レミリア様に館の小物の配色変えに使っていただけばよろしいのではないかと答えておいた。
いいアイディアだと褒められた。主に褒められるのは使い魔として最上の喜びである。
◇◇◇
ある日の日記
気紛れに外の世界の書物を読む。
男女の心の機微を執拗なまでに描写した小説であった。
男性に袖にされた女性が却って男性への想いを強める描写があったが、人間の女性とは悉くそうした心理を持っているのであろうか?
マスタにこの話をしたら、レミリア様が侍女長に関して思い悩んでいる様なので、その事を報せてやる、という。
人間の心理は理解できなかったが、主の役に立てた様で何よりである
書棚 EE00991~EE01331までの魔力の歪みは改善。
◇◇◇
ある日の日記
香霖堂にてちょっとした小物を購入。クロテッド・クリームをおまけで頂いた。
マスタはあまり間食をなさらない(というか、あまり物を召し上がらない)ので、侍女長に渡しておいた。
中々良いものだったらしく、お嬢様のアフタヌーン・ティに使おう、と言っていた。
しかし、此処の所マスタの入れ知恵の所為でレミリア様がお茶の時間に館にいらっしゃらない事が多いのを思い出したのか、寂しそうな表情になった。
あの小説も強ち適当な事を書いていた訳でもない様である。
主の大切なご友人の恋を陰ながら応援するばかりである。
今日までに書棚の魔力の歪みは全て改善。
――読みましたね?
突然の声に振り返ると、貴方の後ろに、何時から居たのか赤髪の少女が立っていた。
――他人様の日記を盗み見るなんて、少し趣味がよろしくありませんね
貴方は、彼女の笑顔に気圧されて気付かない。
背後の本から、貴方の首へと伸びる腕に
此処に一冊の本がある。
548枚の紙が綴じられた、つまり1,096頁の――
貴方の目の前に一冊の本が置かれている。
触れると、本が語りかけてくる。
――私は547枚の紙が綴じられた、つまり1,094頁の白紙の本であった。今は、日々を綴る為の本として此処に居る。
貴方は、どうしてもそれが読みたくなってしまった。
◇◇◇
ある日の日記
マスタが外の世界の魔術を行使する式を確立する。
その瞬間の情景をそのまま映像として記録する魔術である。
他の魔術への応用も期待される。
書棚 EE00991~EE02200付近に魔力の歪みを発見。
◇◇◇
ある日の日記
外の世界の書を手に入れる。
まだ読んでいないのだが、姉妹が誰よりも深く愛し合うお話であるという。
レミリア様が、「妹と仲良くする為の方法を知りたい」とマスタに相談を持ちかけていたのが昨日の事である。
運命を感じるほど御誂え向きの一冊だ。ぜひ、あの方に読んでいただこう。
マスタが光を歪める作用を持つ魔力フィルタの開発に着手した様である。
ここ数日の蔵書増加数を漸く纏め終わる。
◇◇◇
ある日の日記
静かに騒がしい一日だった。
この日はマスタを悩ます喘息が大人しく、滅多に無いほど好調の様子であった。
さだめしスペルの研究が進むであろうと期待していたが、「中庭で実験をしてくる」と言い残して出て行ったかと思うと、物凄い勢いで図書館に戻ってきてまた出て行った。
てっきりサイレントセレナのカードに紅茶をこぼしてしまった事でお目玉を食らうかと思ったが、そのまま慌てて図書館から出て行った。
どうやらバレていない様だ。
追記
その日は誰とも会話しなかった為に気付かなかったが、マスタの所為で館中の者が声を発することが出来なくなっていたという。
◇◇◇
ある日の日記
フィルタが完成。
マスタはレミリア様に日傘代わりに使ってもらおうと作成した様だが、日光の退魔効果を遮断するには至らなかった様である。
お二方とも、実に仲がよろしくて結構な事である。
マスタに折角作った物なので何か利用法はないかと訪ねられたので、レミリア様に館の小物の配色変えに使っていただけばよろしいのではないかと答えておいた。
いいアイディアだと褒められた。主に褒められるのは使い魔として最上の喜びである。
◇◇◇
ある日の日記
気紛れに外の世界の書物を読む。
男女の心の機微を執拗なまでに描写した小説であった。
男性に袖にされた女性が却って男性への想いを強める描写があったが、人間の女性とは悉くそうした心理を持っているのであろうか?
マスタにこの話をしたら、レミリア様が侍女長に関して思い悩んでいる様なので、その事を報せてやる、という。
人間の心理は理解できなかったが、主の役に立てた様で何よりである
書棚 EE00991~EE01331までの魔力の歪みは改善。
◇◇◇
ある日の日記
香霖堂にてちょっとした小物を購入。クロテッド・クリームをおまけで頂いた。
マスタはあまり間食をなさらない(というか、あまり物を召し上がらない)ので、侍女長に渡しておいた。
中々良いものだったらしく、お嬢様のアフタヌーン・ティに使おう、と言っていた。
しかし、此処の所マスタの入れ知恵の所為でレミリア様がお茶の時間に館にいらっしゃらない事が多いのを思い出したのか、寂しそうな表情になった。
あの小説も強ち適当な事を書いていた訳でもない様である。
主の大切なご友人の恋を陰ながら応援するばかりである。
今日までに書棚の魔力の歪みは全て改善。
――読みましたね?
突然の声に振り返ると、貴方の後ろに、何時から居たのか赤髪の少女が立っていた。
――他人様の日記を盗み見るなんて、少し趣味がよろしくありませんね
貴方は、彼女の笑顔に気圧されて気付かない。
背後の本から、貴方の首へと伸びる腕に
此処に一冊の本がある。
548枚の紙が綴じられた、つまり1,096頁の――
それにしてもパチェの本格登場マダー?