あらすじ
おっれたっちうたわれる~もの~
あるところに
いっぴきのちいさな式がいました
式は春が大好きでした
やさしい風の吹く
はじまりの季節
人も 里も
山も 川も 谷も
朝も 昼も 夜も
なにもかもがいきいきとする
はじまりの季節
みどりいろの
じゅうたんの上
ごろりと寝転がって
ぽかぽかと
あたたかな陽射しを浴びて
一日中
お昼寝ができるから
そして
大好きな
大好きな
誰よりも大好きな
式のごしゅじんさまが
まっかな夕やけの中
ぴかぴかの金いろを
まっかな夕やけいろに染めて
むかえにきてくれるから
式は春が大好きでした
式は夏が大好きでした
さわやかな風の吹く
まぶしい季節
人も 里も
山も 川も 谷も
朝も 昼も 夜も
なにもかもがきらめく
まぶしい季節
ぎらぎらと
おひさまの照りつける中
つめたい川へ
つまさきをつけて
水あそび
本当は
里の子のように
とびこんでみたくても
水がニガテで
とびこめない式を
大好きな
大好きな
誰よりも大好きな
式のごしゅじんさまが
やわらかい笑顔と
やわらかい手で
なんどもなんども
なでてなぐさめてくれるから
式は夏が大好きでした
式は秋が大好きでした
おだやかな風の吹く
しずかな季節
人も 里も
山も 川も 谷も
朝も 昼も 夜も
なにもかもがゆるやかになる
しずかな季節
あざやかな色に染まる
山々を
元気いっぱいに
駆け回り
おいしい食べ物を
たくさん集めて
大好きな
大好きな
誰よりも大好きな
式のごしゅじんさまに
たべさせてあげられるから
そうすれば
ごしゅじんさまは
とびきりの笑顔で
いっぱいほめてくれるから
式は秋が大好きでした
式は冬が大嫌いでした
つめたい風の吹く
ひとりぼっちの季節
どんなに
真っ白な雪が
たくさんつもっても
水たまりが
こおって
キレイな氷ができても
冬は
大好きな
大好きな
誰よりも
誰よりも
大好きな
式のごしゅじんさまを
式からとりあげてしまうから
ぜんぶ
ぜんぶ
冬のぜんぶが
だいきらいでした
春も
夏も
秋も
いつも
ごしゅじんさまは
笑顔で言ってくれたのに
「おかえりなさい」
と言ってくれたのに
冬には言ってくれない
冬はいつもひとりぼっち
眠るごしゅじんさまのそばで
何回も
何回も
式は泣いて
ひとりで
泣いて
春を待ちました
式は冬なんて大嫌いでした
「藍さま、おかえりなさい!」
「ただいま、橙。いい子にしてたかい?」
式は
春も 夏も
秋も 冬も
今は大好きです
ええ 大好きですとも!
おっれたっちうたわれる~もの~
あるところに
いっぴきのちいさな式がいました
式は春が大好きでした
やさしい風の吹く
はじまりの季節
人も 里も
山も 川も 谷も
朝も 昼も 夜も
なにもかもがいきいきとする
はじまりの季節
みどりいろの
じゅうたんの上
ごろりと寝転がって
ぽかぽかと
あたたかな陽射しを浴びて
一日中
お昼寝ができるから
そして
大好きな
大好きな
誰よりも大好きな
式のごしゅじんさまが
まっかな夕やけの中
ぴかぴかの金いろを
まっかな夕やけいろに染めて
むかえにきてくれるから
式は春が大好きでした
式は夏が大好きでした
さわやかな風の吹く
まぶしい季節
人も 里も
山も 川も 谷も
朝も 昼も 夜も
なにもかもがきらめく
まぶしい季節
ぎらぎらと
おひさまの照りつける中
つめたい川へ
つまさきをつけて
水あそび
本当は
里の子のように
とびこんでみたくても
水がニガテで
とびこめない式を
大好きな
大好きな
誰よりも大好きな
式のごしゅじんさまが
やわらかい笑顔と
やわらかい手で
なんどもなんども
なでてなぐさめてくれるから
式は夏が大好きでした
式は秋が大好きでした
おだやかな風の吹く
しずかな季節
人も 里も
山も 川も 谷も
朝も 昼も 夜も
なにもかもがゆるやかになる
しずかな季節
あざやかな色に染まる
山々を
元気いっぱいに
駆け回り
おいしい食べ物を
たくさん集めて
大好きな
大好きな
誰よりも大好きな
式のごしゅじんさまに
たべさせてあげられるから
そうすれば
ごしゅじんさまは
とびきりの笑顔で
いっぱいほめてくれるから
式は秋が大好きでした
式は冬が大嫌いでした
つめたい風の吹く
ひとりぼっちの季節
どんなに
真っ白な雪が
たくさんつもっても
水たまりが
こおって
キレイな氷ができても
冬は
大好きな
大好きな
誰よりも
誰よりも
大好きな
式のごしゅじんさまを
式からとりあげてしまうから
ぜんぶ
ぜんぶ
冬のぜんぶが
だいきらいでした
春も
夏も
秋も
いつも
ごしゅじんさまは
笑顔で言ってくれたのに
「おかえりなさい」
と言ってくれたのに
冬には言ってくれない
冬はいつもひとりぼっち
眠るごしゅじんさまのそばで
何回も
何回も
式は泣いて
ひとりで
泣いて
春を待ちました
式は冬なんて大嫌いでした
「藍さま、おかえりなさい!」
「ただいま、橙。いい子にしてたかい?」
式は
春も 夏も
秋も 冬も
今は大好きです
ええ 大好きですとも!
その言葉だけで暖かさが伝わってきますから
相変わらず素晴らしい文章、お見事です
までずっとミスディレクションされてました……お見事
そして最後の一文で泣きたくなるほど気持ちが穏やかになりました
それはとてもしあわせなこと
そんな単純だけどなによりも重要で優しい言葉。
八雲一家は幸せそうだ。
それがとっても幸せな事なんですよね。
凄く穏やかな気持ちになれました、ありがとうございます。
ヘヘイヘーイ
>ヘヘイヘーイ
みっなみのしまからやってきた~
「みすずさん・・・あっ!!」
「今なんっつたァーーーー!!www」
八雲一家はやたらと和めるぜ……!
たとえばこんな、ありふれた言葉の大切さも。
家族っていいなぁ。
やっぱり
和むな
元ネタは解らないが巧い!