キリンの首が長いのは周知の事実であるが、どのようにして長くなったかは未だ謎である
普通ならば首の短いキリンの原型となった動物が徐々に首を長くしていくのだろう
けれど人類はその過程を知る事は出来なかった
何故なら首が長くなりつつある動物の化石が発見されなかったから
見つかったのは、首の長いキリンと首の短いキリンの原型となった動物の化石
だが、幻想郷にはキリンの首がどうやって首を長くしたのか記された書物が眠っていた
あるキリンになるかもしれない動物は思いました
『この有象無象でありながら象でさえいない畜生と同じ視点でいることに耐えられない! 』
えらくプライドの高い動物は、高く高くもっと高くと自分の体が激痛を訴えようとも首を上げ続けました
すると不思議な事に、ぐんぐんと首が伸びたのです
そんなキリンになったキリンを見た、キリンにとって有象無象の動物も思いました
『あのような自分の形に誇りを持てぬ異型に見下ろされるのは我慢ならぬわ! 』
こちらもまた誇り高い動物は、我慢できないと鳴きながら跳び跳ね回りました
するとどうでしょう、ふわふわと浮かび始めたのです
そうして首を伸ばしたキリンと飛んだ麒麟の見下ろしあいは死ぬまで続き、あの空に浮かぶ月まで届いたとか
Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー!!
紅魔館の門番は絵本が好きである、それも『ナ、ナンダッテー!!』で終わるこの国特有の昔話が大好きである
だから図書館の司書から『ナ、ナンダッテー!!』で終わる絵本を選んでもらったのだ
司書が持ってきてくれたのは、少し厚めの一冊の絵本だった
題 : 月から見た昔話
著 : エーイリーン・蓬莱
それはまるで神様の視点から見た光景を書き記したかのような、不思議な絵本であった
そんな絵本に描かれていた一つの物語を見た門番は感銘を受け、天へと向けて叫び始める
「いつも通っていく白黒魔法使いに、弾幕ごっこで負け続けるのが我慢でき無い! 」
門番の首が伸びました
「うひょー!? これじゃ妖怪みたいって私は妖怪だけど違うー!? 」
混乱しながら奇声を発する門番に、何があったのかとメイド達は集まってくる
首の伸びた門番を見たメイド達は唖然としながらも、原因を探すメイドや図書館へと駆け行くメイド
メイド長に知らせるかどうか迷うメイドに館の主へと祈りを捧げるメイドと様々に分かれた
そんな中、伸びた首を見ながら呟いたメイドの声がそこにいたメイド達の耳に届く
「なんて素敵な、ナマクビ」
ナマクビ、生首の事であろうか
本来、生首とは首から上だけに離された丸いモザイク必須の物体の事である
けれどメイドはナマクビと言う、もしや生足に順ずる新しい言葉なのかもしれない
メイド達の脳にナマクビとの言葉が届く頃には、メイド達も冷静になり言葉を紡ぐ
「いいえ! 私達は悲しむべきなのよ! 見え無くなってしまったUNAZIをっ! 」
「下半身さえあれば良い! 下半身さえあれば良い!! 」
「あの長さ・・・・・・きっと全身も巻けるはず! 」
冷静に派閥が作られて口論が始まる
それを見た門番は頭を抱えようとして手が届かないことに混乱しながら、頭を振り回した
長い物を振り回すとき、先端の速度は物が長ければ長いほど早くなる事を知っているだろうか
まるで岩を砕くような音が一秒間に十六回聞こえた時には、その場に立っているのは門番と一人のメイドのみ
一瞬の攻防だった、振り回される門番自身の頭による頭突きと首による薙ぎ払い
それを気負いなく綺麗に、優雅に舞うことで避けたメイドのグレイズと見せかけて首を舐める神業
反応さえ出来なかったメイド達とは一線どころか領域を違えた動きに門番は戦慄しつつも、先ほど見た神業に見覚えがあり気づく
「咲夜、さん? 」
その門番の口から洩れた呟きが聞こえたのか、メイドが微笑みながら頬に手をかける
メイド自身の手でベリベリと、何かを引き剥がすような音と共にメイドの顔がまるで玉葱の外皮を剥く様に剥がされた
出てきた顔はメイド長、十六夜咲夜の登場である
「で、何を遊んでいるよ」
「遊んでませんよ、困ってるだけです」
何故そんな変装していたのか、何故そんな行動をしているのか
聞きたいことは山とまでは行かず丘ほどはある門番だが、勘の良い門番は何も聞かない
「種も仕掛けも無いのかしら? 」
「えっと、この首のことですか? 怪しいと言えばこの本ですけど」
門番の足元にある本を拾い、題名からして怪しいそれにメイド長は結論を下す
「その首、斬れば短くなるはずよ」
「嘘ー!? 」
「大丈夫、痛いのは最初だけだから。ね? 」
「滅多に浮かべないような優しい笑顔でナイフ振り回さなうひゃー!? 」
そんな紅魔館で言えば、静かな方に分類される日
普通ならば首の短いキリンの原型となった動物が徐々に首を長くしていくのだろう
けれど人類はその過程を知る事は出来なかった
何故なら首が長くなりつつある動物の化石が発見されなかったから
見つかったのは、首の長いキリンと首の短いキリンの原型となった動物の化石
だが、幻想郷にはキリンの首がどうやって首を長くしたのか記された書物が眠っていた
あるキリンになるかもしれない動物は思いました
『この有象無象でありながら象でさえいない畜生と同じ視点でいることに耐えられない! 』
えらくプライドの高い動物は、高く高くもっと高くと自分の体が激痛を訴えようとも首を上げ続けました
すると不思議な事に、ぐんぐんと首が伸びたのです
そんなキリンになったキリンを見た、キリンにとって有象無象の動物も思いました
『あのような自分の形に誇りを持てぬ異型に見下ろされるのは我慢ならぬわ! 』
こちらもまた誇り高い動物は、我慢できないと鳴きながら跳び跳ね回りました
するとどうでしょう、ふわふわと浮かび始めたのです
そうして首を伸ばしたキリンと飛んだ麒麟の見下ろしあいは死ぬまで続き、あの空に浮かぶ月まで届いたとか
Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー!!
紅魔館の門番は絵本が好きである、それも『ナ、ナンダッテー!!』で終わるこの国特有の昔話が大好きである
だから図書館の司書から『ナ、ナンダッテー!!』で終わる絵本を選んでもらったのだ
司書が持ってきてくれたのは、少し厚めの一冊の絵本だった
題 : 月から見た昔話
著 : エーイリーン・蓬莱
それはまるで神様の視点から見た光景を書き記したかのような、不思議な絵本であった
そんな絵本に描かれていた一つの物語を見た門番は感銘を受け、天へと向けて叫び始める
「いつも通っていく白黒魔法使いに、弾幕ごっこで負け続けるのが我慢でき無い! 」
門番の首が伸びました
「うひょー!? これじゃ妖怪みたいって私は妖怪だけど違うー!? 」
混乱しながら奇声を発する門番に、何があったのかとメイド達は集まってくる
首の伸びた門番を見たメイド達は唖然としながらも、原因を探すメイドや図書館へと駆け行くメイド
メイド長に知らせるかどうか迷うメイドに館の主へと祈りを捧げるメイドと様々に分かれた
そんな中、伸びた首を見ながら呟いたメイドの声がそこにいたメイド達の耳に届く
「なんて素敵な、ナマクビ」
ナマクビ、生首の事であろうか
本来、生首とは首から上だけに離された丸いモザイク必須の物体の事である
けれどメイドはナマクビと言う、もしや生足に順ずる新しい言葉なのかもしれない
メイド達の脳にナマクビとの言葉が届く頃には、メイド達も冷静になり言葉を紡ぐ
「いいえ! 私達は悲しむべきなのよ! 見え無くなってしまったUNAZIをっ! 」
「下半身さえあれば良い! 下半身さえあれば良い!! 」
「あの長さ・・・・・・きっと全身も巻けるはず! 」
冷静に派閥が作られて口論が始まる
それを見た門番は頭を抱えようとして手が届かないことに混乱しながら、頭を振り回した
長い物を振り回すとき、先端の速度は物が長ければ長いほど早くなる事を知っているだろうか
まるで岩を砕くような音が一秒間に十六回聞こえた時には、その場に立っているのは門番と一人のメイドのみ
一瞬の攻防だった、振り回される門番自身の頭による頭突きと首による薙ぎ払い
それを気負いなく綺麗に、優雅に舞うことで避けたメイドのグレイズと見せかけて首を舐める神業
反応さえ出来なかったメイド達とは一線どころか領域を違えた動きに門番は戦慄しつつも、先ほど見た神業に見覚えがあり気づく
「咲夜、さん? 」
その門番の口から洩れた呟きが聞こえたのか、メイドが微笑みながら頬に手をかける
メイド自身の手でベリベリと、何かを引き剥がすような音と共にメイドの顔がまるで玉葱の外皮を剥く様に剥がされた
出てきた顔はメイド長、十六夜咲夜の登場である
「で、何を遊んでいるよ」
「遊んでませんよ、困ってるだけです」
何故そんな変装していたのか、何故そんな行動をしているのか
聞きたいことは山とまでは行かず丘ほどはある門番だが、勘の良い門番は何も聞かない
「種も仕掛けも無いのかしら? 」
「えっと、この首のことですか? 怪しいと言えばこの本ですけど」
門番の足元にある本を拾い、題名からして怪しいそれにメイド長は結論を下す
「その首、斬れば短くなるはずよ」
「嘘ー!? 」
「大丈夫、痛いのは最初だけだから。ね? 」
「滅多に浮かべないような優しい笑顔でナイフ振り回さなうひゃー!? 」
そんな紅魔館で言えば、静かな方に分類される日
かのボムメイドは咲夜さんだったんじゃないかと緊急提言