Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

てるよちゃんの行く末

2006/11/02 00:08:32
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幻想郷の中でも比較的発達し、「街」と呼べる場所。
その裏路地。日付が変わろうかという時間に、うす暗いボロアパートに戻る。
誰も待っていない、それどころか、チラシすら無い。新聞取れないし。
…待てよ。あぁ、私にも待ってるもの在ったわ。公共料金の催促。

「やれやれ……どっこい…しょっ」。タメ息をつき、
傷んだ髪を隠している「ダイソー」で買った帽子を外す。
床に放り投げるのは20年前、「ユニクロ」で買った継ぎ接ぎだらけのバック……。
連日振り回していた「蓬莱の玉の枝」、精製に成功した「ミステリウム」、etc...疾うの昔から質屋の物である。

年と身分に相応なももひき姿に戻ると、40年間も買い続けている『フロムエー』を、
コンビニ(昔、バイト勤めしたことのある店)の袋から出して眺める。
「貴族の私に、工事現場の交通整理はつらぃやねぇ……」
ヤカンがピィピィ鳴りだした。「緑のたぬき」やらをズズッと
すすりながら、魚肉ソーセージを肴に「ビッグマン」を1杯やる。 数十年前から不味い。
22時41分、テレビのニュースキャスター曰く、「景気は回復に向かい……」云々。死ね。

ブラウン管を通じてステレオタイプな文句を聞きながら、ふと見上げると、
ハンガーから吊り下がっているのは、齢不相応に派手なレインコート。
「げふっ。はぁ~、もぉ寝よーかしら……。」
誰も聞いてくれる人がいないセリフをまたこぼしながら、
傍らにふたつ折りにしていた、せんべい布団を拡げ、寝っころがる。羽毛布団が買えるのはいつよ?

酒の力を借りて寂しい現実を忘れようと、老婆は眠りの世界へ落ちる。
……夢のクニでは、私は今でも“幸せ”を味わう「Vip」さ。…うるせぇ、「ニート」って言うな。
天才薬剤師と無数のイナバが担ぎ上げてくれてるんだ。

あの日、世界中から人参を荒稼ぎしてたのが崇って、憎っくき腋巫女がまた出てきた。
適当に遊んでやったら逃げようと思ったけど、糞紅白が絶好調。
こっちが死なないのを分かって、封印の新必殺技まで出してきやがる。
1発目、かわした。2発目、かすった。3発目、無理。
うたれる前にえーりんを貧乏人の方へ蹴っ飛ばす。あー…えーりんが封印される…さ、逃げるか。
勿論、イナバは全員、死んだり、愛想尽かして逃げたり。
愛しの妹紅はキメエ奴とネチョネチョやってやがるし。私も混ぜろ。

……ん? えっ? あれっ? やっぱ、夢かぁ。紅白の顔をよく見れば、
バイト先の店長(28歳年下)じゃん。
やっぱり私の現実なんてあのボーヤに使われるだけなのね。ははっ……。
せめて、夢の中でぐらい“みじめさ”ってモンを忘れさせてよ。
文章ってのは人が読んでて楽しくなるようなものが良い、と
分かっちゃいるけど、思いついてしまったんで…
えけ
コメント



1.あざみや削除
ぶわっと、涙が出ました。それも大量に
2.名無し妖怪削除
泣いてません…これは目から出る汗です orz