続きです
(か、体が…熱い!!! 骨が…溶けてるみてーだ…)
咲夜さんそれ幼児化フラグ。
「…う」
慣れた枕の感触。自室のベッドの上に居るらしい。少し遅れて、鈍い痛みが身体中を走った。
お嬢様に毒を飲まされて、美鈴の自室に連れて行かれて。
それから先の記憶が無かった。おそらく、お嬢様か美鈴が私を部屋まで運んだのだろう。
(今、何時かしら)
携帯している懐中時計に手を伸ばすが、暗すぎて文字盤どころか何も見えない。
ベッドサイドの明かりに手を伸ばして、感じる違和感。
暗いせいだろうか、中々見つからない。
必死に身体を伸ばして、どうにかそれらしいものに手が触れた。
ようやくともった明かりに照らされて――
すんでのところで絶叫を上げそうになる自分の口を押さえ込んだ。
明かりに触れていたのは、少し前の自分のそれとは似ても似つかぬ、短い腕だった。
その先には、しなやかな長い指をそなえた美しい手ではなく、小さくて可愛い――ちょうど、主人や妹様のもののような手が。
もう、鏡を見る気にもならなかった。
あの毒だ。
あの性根の歪んだ主人が、自分に口移しで飲ませたあの――
慌てて全力で自室を周囲の時空間から断絶させる。
今の姿をお嬢様に見せるのは不味い。何をされるか分らない。
でぃーぶいでぃー第2弾『淫乱侍女長2 ~3人目の幼女編~』誕生の危機だ。
私の力ではお嬢様の侵入を完全に防ぐことは不可能だが、それでも逃げる時間を稼ぐ程度のことは出来る。
イザという時は窓から飛び出して逃げれば何とかなるだろう。
安全を確保した上で、次の行動を考える。
時間が経てば治るのか、それとも何かしらの処置が必要なのか。
時間操作で何とかできるようなものでもなさそうだ。つくづく自分の作った物が恐ろしいものであったことを思い知る。
それを美味い美味いと飲んでいた主人のことも。
(とりあえず、思いつく対策は2つね)
1つ、図書館の知識人の手を借りる。
1つ、永遠亭の知識人の手を借りる。
考えるまでもなく、後者だ。
毒でこうなった訳であるし、専門家に聞くのが一番だろう。
それに何より――自分がこの姿でパチュリー様の元へ行けば、パチュリー様がお嬢様に報せる可能性が高い。
私をイジめる時は、あの2人は普段の三倍は仲が良くなるのだ。
そんな訳で永遠亭へ足を運ばなければならないが、竹林は少々遠い。
それにこの身体では、道中の安全に関しても少し心許ない。
(誰かに協力を仰ぐべきね)
その辺のメイドたちでは戦力面で不安だ。足手まといにすらなりかねない。
妹様を外に連れ出すのも不味いし、素直に言う事を聞いてはくれまい。
(…まぁ、考えるまでも無いわね)
門番の彼女が適任だろう。この館の数少ない常識人であるし。
懐中時計で時刻の確認。毒を飲んでから数時間ほど経っているようだ。
先ほど訪ねた時間に自室に居たということは、シフトは明日の朝までオフだろう。
そうと決まれば少しでも早く行動に移した方が良い。
自室は隔離したままの方が時間稼ぎになるだろう。
と、窓から外へ出ようとして。
(服のサイズが合ってないじゃないの)
まず、身支度から始めなければならなかった。
幸い、手入れをするために自室に持ち込んでいたお嬢様の服がぴったりだった。
フリル過多の服に身を包み、窓から夜の闇へ躍り出る。
一度外に出てから、美鈴の部屋に一番近い窓から再び侵入、部屋へと向かう。
コンコン
――はあい。
部屋から出てきた美鈴は、何故だか少しだけ浮かない顔をしていたが、私の姿を見ると目を見開いて固まった。
今の姿では無理も無い。
廊下に突っ立っていたのでは何時レミリアに見つかるか分らないので、とりあえず美鈴を部屋に押し込んでドアを閉める。
「…え? さくや、さん?」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた美鈴に、手短に今朝から今に至るまでのあらましを説明した。
「――それで、永遠亭に…」
そこで、美鈴が自分を見る目がおかしいことに気付いた。
上気した頬。
唇を噛み締め、何かに耐えるような表情。
――この顔は。
お嬢様が自分に襲い掛かる寸前の、あの顔に見える。
ブルータスお前もか。
なんとなく、瞳が濁った緑に輝いて見える。
三十六計逃げるに如かず。部屋の脱出を図る。
「――あっ」
美鈴の反応が遅れた。チャンスだ。このまま館を出て、1人ででも永遠亭へ――
部屋の外には、偶々通りかかったと思しきお嬢様が。
「あら、さ…く……や?」
ジーザス。
結論から言うと。
殴られた。
何でそんな姿になったのに自分に助けを求めないのかと、本気で怒られた。
それからお嬢様は永遠亭に単身乗り込み、永琳を引っ張って戻ってきた。
後から追いかけてきた月の兎によると、永遠亭にカチ込んだお嬢様は雷もかくや、という凄まじい素早さで永琳を引っ張っていったという。
毒を分析しないとはっきりとは言えないが、放っておいても戻る類のものだろうという永琳の見立てを聞いたお嬢様の表情の変化は見ものだった。
そして、あのお嬢様が、頭を下げるところを私は初めて見た。
それから、もう一回私を殴った。
凄く痛くて、涙が出た。
あれから3日。
毒は1ヶ月ほど効果が続くものだったそうで、そんなに悠長に毒が切れるのを待つ訳にもいかないので解毒剤を作ってもらった。
明日には届けてくれるそうで、不便なこの身体にもようやくおさらばできそうだ。
それに、この身体になってから、お嬢様がほとんど部屋から出してくれないのだ。
その身体では危ない、と。
身体は子供でも頭脳は大人なのだから大丈夫だと何度も主張したが、結局聞き入れてくれなかった。
物凄く過保護なのだ。もしかすると、妹様を地下から出さなかったのは――
そんな少しだけ窮屈で、少しだけくすぐったい生活も、明日でおしまいだ。
明日、元の身体に戻ったら、もう一度きちんとお嬢様に謝りに行こう。
そう考えて、ベッドに潜り込んだ。広すぎるベッドも今日で終わりなのは、少しだけ残念だった。
ふと、夜中に光を感じて目が覚めた。
何故か部屋の明かりがついていて、何故か――手足が縛られていた。
「お目覚めかしら」
油断した。
あの態度は、全て私を騙す為の――
「ああもう。小さい咲夜ったら可愛くて可愛くて…私の百合百合棒がビンビンに反応しちゃって困ったわ」
何だそのいかがわしい棒は。いや、聞きたくない。知りたくもない。
「ね、咲夜。私は貴女に元の身体に戻って欲しいのよ。だから、明日届く解毒剤を飲むなとは言わないわ。でもね…」
紅い紅い眼を猫のように細めて私を見据える。
「でも…折角そんなに可愛い姿になったんだし、その姿を記録しておくべきだと思うのよね」
暗い暗い紅い影の向こうに、びでおかめらが見えた。
「では…いただきまぁす」
「アッー!!!!!!!!!!!!」
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あの毒だ。
あの性根の歪んだ主人が、自分に口移しで飲ませたあの――
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1つ、永遠亭の知識人の手を借りる。
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唇を噛み締め、何かに耐えるような表情。
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お嬢様が自分に襲い掛かる寸前の、あの顔に見える。
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物凄く過保護なのだ。もしかすると、妹様を地下から出さなかったのは――
そんな少しだけ窮屈で、少しだけくすぐったい生活も、明日でおしまいだ。
明日、元の身体に戻ったら、もう一度きちんとお嬢様に謝りに行こう。
そう考えて、ベッドに潜り込んだ。広すぎるベッドも今日で終わりなのは、少しだけ残念だった。
ふと、夜中に光を感じて目が覚めた。
何故か部屋の明かりがついていて、何故か――手足が縛られていた。
「お目覚めかしら」
油断した。
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「ああもう。小さい咲夜ったら可愛くて可愛くて…私の百合百合棒がビンビンに反応しちゃって困ったわ」
何だそのいかがわしい棒は。いや、聞きたくない。知りたくもない。
「ね、咲夜。私は貴女に元の身体に戻って欲しいのよ。だから、明日届く解毒剤を飲むなとは言わないわ。でもね…」
紅い紅い眼を猫のように細めて私を見据える。
「でも…折角そんなに可愛い姿になったんだし、その姿を記録しておくべきだと思うのよね」
暗い暗い紅い影の向こうに、びでおかめらが見えた。
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じゃあ略してゆゆ棒でw
妙にヘタレた咲夜さんも可愛いですw
軽く自分の運命をいじって作るのかw
じ~んときてたのに……やられた!
……さて、香霖堂爆破&強奪の準備でもするk(殺人ドール
「幼児化フラグ」って言葉は新鮮な気もする…そうか、そう言えばいいのか。
>お求めはお近くの香霖堂へ。
→香霖堂を強盗してでも奪い取る
だがそれがいい