※プチの作品集10にある『ともかく』の続編らしき物です。
満月の夜、竹林を角の生えた影が一人歩いている。
いや、正確にはただ歩くのではなく隠れる様にして移動しているし、影の少し前にはウサギの耳の生えた黒髪の少女が歩いている。
とどのつまり、隠れて気づかれない様に少女を追跡しているのである……別名ストーキングとも言う。
(いたな……この間の借りを返してくれる。 そして、今夜こそお前を掘る!! ……おっと涎が)
前を行く少女を見つめたままストーカーがジュルッと涎をすする。
その視線は、少女と言うより少女のお尻を見つめている。
(ぬぅ……相変わらず小さくて形の良いお尻だ。 この間は、そのお尻に気をとられすぎた責で酷い目にあったからな……)
角の生えた影、ストーカーは、背後に手をやり自分のお尻を撫でている。
以前、ウサギの少女に手を出し返り討ちにあった事が有るらしい。
(今度は、この前の様にはいかんぞ……ぬっ、気づかれたか?)
意気込みを新たにして前方を見やると、ウサギの少女が立ち止まりキョロキョロと辺りを見回している。
少女は暫く見回した後、何事か考え込み始めた。
追跡に気づいて警戒しているのかもしれない。
(仕掛けるか? しかし、ここではまだ逃げ切られる恐れもある。 できるならもう少し先にある狩場に誘い込みたいのだが……)
ストーカーが勝負に出るかどうか迷っていると、考え込んでいたウサギの少女が歩き出した。
(気づいて……いないのか?)
少女は先程までと変わらずに歩いているように見える。
とても、自分がストーキングされている事に気づいているとは思えない。
ストーカーは少し迷ったが、結局このまま追跡を続ける事にした。
少女は、その後も変わる事無く竹林を一人歩き続けている。
別にどこかに向かっている様子は無い、どうも一人で散歩をしているみたいに見える。
(……妙だな……もしや罠か? 考えてみたら、前回一度襲っているんだから私の事は判っている筈だ、復讐しようとしている事も予測が付いている筈なのに一人で出歩いているのは不自然すぎる。 恐らくは前回の様に罠を仕掛け返り討ちにする心算なのだろう、たぶん前より一つ、いや二つは多く仕掛けているだろうな……よし、ソレを逆手にとって追い詰めてやろう)
ストーカーはそう判断をし、まずは例の狩場に誘い込む事にする。
足音を立てないように少し浮かんでいたのを止め、足元に落ちていた竹の枝を踏みつける。
ペギィッ
大きい音な訳ではない、しかし少女にはしっかりと聞こえたらしくビクリッと反応して立ち止まった。
次の瞬間には少女は後ろを振り返らずに駆け出した。
ストーカーも走り出し、わざと足音を大きく立てながら少女から着かず離れずの距離を保ち続ける。
暫くの間走り続け、音を立てたり角を見せたりして少女を狩場に誘導する。
やがて、少女を狩場に追い詰めるのに成功した。
狩場には大きい沼が広がっておりこれ以上先に進めそうには無い。
隠れられるような場所も、精々沼の手前にある岩の陰ぐらいである。
どうやら姿が見えないみたいなので、ウサギの少女は岩陰に隠れているようだ。
(……前回と、殆ど同じだな。 前回はしてやられたが、今回はそうはいかん)
油断しない様にストーカーが慎重に岩に近づいて行く。
岩の反対側に辿り着き聞き耳を立てるが何の音も聞こえてこない。
恐らくは、既に前回と同じく穴を掘って地下に潜ったのだろう。
少しだけ岩陰に顔を出し覗いてみるが、やはり穴が一つ開いているだけで少女の姿は無い。
(やはりな……前回と同じパターンを使えば、こちらがその裏を読むと考えているのだろうな。 それなら話は簡単だ、向うが裏の裏なら裏の裏の裏をつくまでだ)
考えを纏め、ストーカーは石を一つ拾いながら岩陰に回り穴の中を覗き込む。
そして少し芝居かかった声で叫びだす。
「この程度で、逃げ出した積もりか!? この程度、すぐに追いついてみせる!! そして、お前のお尻は私の物だ!!!」
最後の方は本音を吐き出したしまったが問題は無かろう。
「ふははは~~待っていろ、もうすぐ捕まえて掘ってやる!!」
しばらくそんな事を叫んで穴に突っ込もうとしている振りをする。
すると……
ガサッ
背後の竹林から物音がした。
(恐らくこれは囮だな、音に釣られてそちらに気をとられたら逆に掘られるのだろうな、しかしソレが釣られた振りなら……)
「ふははは!! 甘いわ!! 二度も同じ手に引っ掛るヤツがいるか!!}
ストーカーは、罠と判りながらも音のした場所に向け走り出し芝居を続ける。
そして、音のした場所の手前の手前で止まった。
「さあ、もう逃げられんぞ!! 早く、お尻を……お尻を……出すのだ!!!」
そう叫び声を上げ、手に持っていた石を物音がした場所の手前に投げ込む。
石は、ドッドと一度跳ね直ぐに動きを止める。 すると……
「caved!!」
と叫びウサギの少女が石の下の地面から飛び出してきた。 その耳は二つの耳が捻り合い一つの角と化している。
もし、あのまま進んでいたら考えるまでも無く昇天していただろう。
だが、実際はウサギの少女の角は何も貫く事はなかった。 少女は目を見開き驚愕している。
ストーカーが少女に読み勝ったのだ。
ストーカーは飛び上がった少女の耳の根元を掴み捕まえる。
「ひっ、ひぃぃぃ!!?」
「ふっふっふ、ようやく捕まえたぞマイラヴァーヒップ」
ウサギの少女は顔を手で覆いプルプルと震えている。
対して、ストーカーは鼻息が荒くなるほど興奮しながら歓喜に打ち震えている。
少女を竹に掴まえらせお尻をストーカーの方に無理矢理向かせる。
「ゆ、許してください!! 許してください!! お願いします!!」
「なに? 緩くしてだと? ふふっ、分かった■■■が緩くなるまで掘ってやるとも」
「誰もそんなこと言ってない~~!!」
ストーカーは少女の言う事を無視して構えを取る。
頭を下げ角をお尻に向ける、そして片足で地面の砂を何度も後ろに蹴り準備を整える。
しかしストーカーは気づいていない、捕らえられた筈の少女の顔が笑っている事に、背後の岩陰からブレザーを着たもう一人のウサギの少女が現れた事に、そのウサギの少女の耳が捻り合い一本の耳角になっている事に気づいていない。
「くっくっくっ、簡単に終わると思うなよ、こんなに苦労させられたんだ月が沈むまで耐えて見せろ」
目を爛々と輝かせながら呟いているストーカーの背後でブレザーウサギの少女が指を銃に見立てて狙いを定めている。
(……照準……完了……耳角……回転開始)
少女の耳角が音も無く回転を始める、捻り合っている状態でどうやって回転しているかは分からないが、もしかしたら左右の耳が途中で融合してソコから回転しているのかもしれない。
(ドリル耳角……発動まで残り……五秒……四秒)
「くっくっくっ、あまり焦らすのも可哀想だな、そろそろ頂くとするか」
ストーカーが一度動きを止め足に力を込める。
(三秒……二秒)
「それに、私の方がもう限界だ! もう我慢できん!!」
もはや限界とばかりに吠えリボンの着いた角がギラリと光る。
(一秒)
「喰らえ!! これが私の唯一にして最高の堀技」
(0! ドリル耳角発動!!)
ストーカーが技を放つ一瞬前少女が地を蹴った。 そして、耳だけではなく自分の身体も回転させ更に威力を上げて一直線にターゲット目掛けて突っ込んでいく。
そして……
「角堀 CA……」
今正にストーカーの最堀技を放とうとした瞬間
「CAVED!!」
「何!?」
「ぎぃぃやぁぁぁぁぁ~~~~……………………………………あふん」
満月の夜、竹林を角の生えた影が一人歩いている。
いや、正確にはただ歩くのではなく隠れる様にして移動しているし、影の少し前にはウサギの耳の生えた黒髪の少女が歩いている。
とどのつまり、隠れて気づかれない様に少女を追跡しているのである……別名ストーキングとも言う。
(いたな……この間の借りを返してくれる。 そして、今夜こそお前を掘る!! ……おっと涎が)
前を行く少女を見つめたままストーカーがジュルッと涎をすする。
その視線は、少女と言うより少女のお尻を見つめている。
(ぬぅ……相変わらず小さくて形の良いお尻だ。 この間は、そのお尻に気をとられすぎた責で酷い目にあったからな……)
角の生えた影、ストーカーは、背後に手をやり自分のお尻を撫でている。
以前、ウサギの少女に手を出し返り討ちにあった事が有るらしい。
(今度は、この前の様にはいかんぞ……ぬっ、気づかれたか?)
意気込みを新たにして前方を見やると、ウサギの少女が立ち止まりキョロキョロと辺りを見回している。
少女は暫く見回した後、何事か考え込み始めた。
追跡に気づいて警戒しているのかもしれない。
(仕掛けるか? しかし、ここではまだ逃げ切られる恐れもある。 できるならもう少し先にある狩場に誘い込みたいのだが……)
ストーカーが勝負に出るかどうか迷っていると、考え込んでいたウサギの少女が歩き出した。
(気づいて……いないのか?)
少女は先程までと変わらずに歩いているように見える。
とても、自分がストーキングされている事に気づいているとは思えない。
ストーカーは少し迷ったが、結局このまま追跡を続ける事にした。
少女は、その後も変わる事無く竹林を一人歩き続けている。
別にどこかに向かっている様子は無い、どうも一人で散歩をしているみたいに見える。
(……妙だな……もしや罠か? 考えてみたら、前回一度襲っているんだから私の事は判っている筈だ、復讐しようとしている事も予測が付いている筈なのに一人で出歩いているのは不自然すぎる。 恐らくは前回の様に罠を仕掛け返り討ちにする心算なのだろう、たぶん前より一つ、いや二つは多く仕掛けているだろうな……よし、ソレを逆手にとって追い詰めてやろう)
ストーカーはそう判断をし、まずは例の狩場に誘い込む事にする。
足音を立てないように少し浮かんでいたのを止め、足元に落ちていた竹の枝を踏みつける。
ペギィッ
大きい音な訳ではない、しかし少女にはしっかりと聞こえたらしくビクリッと反応して立ち止まった。
次の瞬間には少女は後ろを振り返らずに駆け出した。
ストーカーも走り出し、わざと足音を大きく立てながら少女から着かず離れずの距離を保ち続ける。
暫くの間走り続け、音を立てたり角を見せたりして少女を狩場に誘導する。
やがて、少女を狩場に追い詰めるのに成功した。
狩場には大きい沼が広がっておりこれ以上先に進めそうには無い。
隠れられるような場所も、精々沼の手前にある岩の陰ぐらいである。
どうやら姿が見えないみたいなので、ウサギの少女は岩陰に隠れているようだ。
(……前回と、殆ど同じだな。 前回はしてやられたが、今回はそうはいかん)
油断しない様にストーカーが慎重に岩に近づいて行く。
岩の反対側に辿り着き聞き耳を立てるが何の音も聞こえてこない。
恐らくは、既に前回と同じく穴を掘って地下に潜ったのだろう。
少しだけ岩陰に顔を出し覗いてみるが、やはり穴が一つ開いているだけで少女の姿は無い。
(やはりな……前回と同じパターンを使えば、こちらがその裏を読むと考えているのだろうな。 それなら話は簡単だ、向うが裏の裏なら裏の裏の裏をつくまでだ)
考えを纏め、ストーカーは石を一つ拾いながら岩陰に回り穴の中を覗き込む。
そして少し芝居かかった声で叫びだす。
「この程度で、逃げ出した積もりか!? この程度、すぐに追いついてみせる!! そして、お前のお尻は私の物だ!!!」
最後の方は本音を吐き出したしまったが問題は無かろう。
「ふははは~~待っていろ、もうすぐ捕まえて掘ってやる!!」
しばらくそんな事を叫んで穴に突っ込もうとしている振りをする。
すると……
ガサッ
背後の竹林から物音がした。
(恐らくこれは囮だな、音に釣られてそちらに気をとられたら逆に掘られるのだろうな、しかしソレが釣られた振りなら……)
「ふははは!! 甘いわ!! 二度も同じ手に引っ掛るヤツがいるか!!}
ストーカーは、罠と判りながらも音のした場所に向け走り出し芝居を続ける。
そして、音のした場所の手前の手前で止まった。
「さあ、もう逃げられんぞ!! 早く、お尻を……お尻を……出すのだ!!!」
そう叫び声を上げ、手に持っていた石を物音がした場所の手前に投げ込む。
石は、ドッドと一度跳ね直ぐに動きを止める。 すると……
「caved!!」
と叫びウサギの少女が石の下の地面から飛び出してきた。 その耳は二つの耳が捻り合い一つの角と化している。
もし、あのまま進んでいたら考えるまでも無く昇天していただろう。
だが、実際はウサギの少女の角は何も貫く事はなかった。 少女は目を見開き驚愕している。
ストーカーが少女に読み勝ったのだ。
ストーカーは飛び上がった少女の耳の根元を掴み捕まえる。
「ひっ、ひぃぃぃ!!?」
「ふっふっふ、ようやく捕まえたぞマイラヴァーヒップ」
ウサギの少女は顔を手で覆いプルプルと震えている。
対して、ストーカーは鼻息が荒くなるほど興奮しながら歓喜に打ち震えている。
少女を竹に掴まえらせお尻をストーカーの方に無理矢理向かせる。
「ゆ、許してください!! 許してください!! お願いします!!」
「なに? 緩くしてだと? ふふっ、分かった■■■が緩くなるまで掘ってやるとも」
「誰もそんなこと言ってない~~!!」
ストーカーは少女の言う事を無視して構えを取る。
頭を下げ角をお尻に向ける、そして片足で地面の砂を何度も後ろに蹴り準備を整える。
しかしストーカーは気づいていない、捕らえられた筈の少女の顔が笑っている事に、背後の岩陰からブレザーを着たもう一人のウサギの少女が現れた事に、そのウサギの少女の耳が捻り合い一本の耳角になっている事に気づいていない。
「くっくっくっ、簡単に終わると思うなよ、こんなに苦労させられたんだ月が沈むまで耐えて見せろ」
目を爛々と輝かせながら呟いているストーカーの背後でブレザーウサギの少女が指を銃に見立てて狙いを定めている。
(……照準……完了……耳角……回転開始)
少女の耳角が音も無く回転を始める、捻り合っている状態でどうやって回転しているかは分からないが、もしかしたら左右の耳が途中で融合してソコから回転しているのかもしれない。
(ドリル耳角……発動まで残り……五秒……四秒)
「くっくっくっ、あまり焦らすのも可哀想だな、そろそろ頂くとするか」
ストーカーが一度動きを止め足に力を込める。
(三秒……二秒)
「それに、私の方がもう限界だ! もう我慢できん!!」
もはや限界とばかりに吠えリボンの着いた角がギラリと光る。
(一秒)
「喰らえ!! これが私の唯一にして最高の堀技」
(0! ドリル耳角発動!!)
ストーカーが技を放つ一瞬前少女が地を蹴った。 そして、耳だけではなく自分の身体も回転させ更に威力を上げて一直線にターゲット目掛けて突っ込んでいく。
そして……
「角堀 CA……」
今正にストーカーの最堀技を放とうとした瞬間
「CAVED!!」
「何!?」
「ぎぃぃやぁぁぁぁぁ~~~~……………………………………あふん」