ある日紅魔館では、門番がクビを言い渡されていた
原因は、紅魔館の主である吸血鬼の些細な嫉妬からであるとも言える
まず吸血鬼の妹が、門番を貸して欲しいと言った
理由は暇だったから、弾幕ごっこでもしようと相手を考えた結果そうなっただけ
次に親友もしくは類友である魔女が、門番を貸して欲しいと言った
理由は耐魔法加工された本棚の移動、力持ちは誰かと考えた結果そうなっただけ
最後に己の忠実な従者が、人里へ買い物に行くのに荷物持ちとして門番を連れて行っても宜しいでしょうかと言った
理由は特に無い、しいて言えば気安く用事を頼みやすい相手だったからそうなっただけ
珍しくも親友と妹の三人で、従者の淹れるお茶を飲んでいた時の事である
誰が門番を最初に借りるかを謙虚に譲り合い、門番は門番以外の事だと結構役立つと言う談笑
タイミングの問題でもあった、ちょうど紅茶に口をつけていた時だったので会話に混ざる好機を逃したのだ
三人の談笑を聞きながら、一人だけ黙って紅茶を飲む吸血鬼、自分だけが気まずい気分
対して、門番は引っ張りダコな人気者
そう言う間違った答えに辿り着いた吸血鬼は、ちょっとだけブチ切れた
弾幕ごっこどころか喜んで遊んでくれる最適な相手が目の前にいるでしょう、と
本棚の二つや三つぶん投げれるぐらいに力持ちな相手が目の前にいるでしょう、と
買い物にかこつけてデートなんだな青い春を謳歌しやがってちくしょー、と
珍しくも本心からの叫びであった、けれど世は無常也
三人の『何言ってんだコイツ』みたいな視線が突き刺さるのを感じた吸血鬼は、被害妄想気味
「だっていつも忙しいって言って、相手してくれないもん」
「投げてどうするのよ、それに言ってもメイドにやらせれば良いって言うじゃない」
「別の紅茶を淹れますね」
そんな三人の言葉に、何気に無視された形になった従者にトドメを刺された吸血鬼
しかも目に見えて落ち込んだ吸血鬼を前に三人が視線を合わせてアイ・コンタクト、更に疎外感
どのような目の会話が行われたのか、視線を吸血鬼へと戻した三人はまるで何も無かったかのように会話を始める
それは優しさであったのだろう、けれど吸血鬼はその遠まわしな優しさを理解できなかった
「そんなに門番が好きなら、門番の妹だったり門番の親友だったり門番に仕えたりしたら良いのよ! 」
そして吸血鬼の言葉も、三人には理解できなかった
が
「・・・・まぁ」
「・・・・悪くは」
「・・・・無いですわね」
かくして、門番がクビになったのである
『一日れみりあ様』と書かれた襷を肩にかけ、元門番は緊張していた
今日は雨の日、雷がゴロゴロと鳴り止まない不吉な日
メイド長に呼び出されて門番をクビになり、紅魔館の主となれと言われたときは自分が死ぬ姿を幻視した
紅い槍に貫かれて死亡、嫌に現実的かつ可能性も高い幻視である
拒否権は無い、そう言い渡された元門番はこれから全メイド達を前に挨拶をしなければならない
例え気まぐれであろうとも、ちょっとした御遊びであろうとも失敗は許されないと襷を意識しながら考える
『一日れみりあ様』を渡された自分は、一日であろうと『レミリア・スカーレット』の名前を請け負ったのだと
「お嬢様の名を貶める事など許されないのに・・・・何で私に」
そう呟いた元門番の脳裏には、真に高貴たる主の姿が写る
ちなみにその高貴であろう主は、普段自分の妹が暮らしている地下の部屋に縛られて閉じ込められていた
・・・・数秒後、気高き主の姿(想像)を前に元門番は覚悟を決める
覚悟を決めた門番の瞳には、紅い光が燈っていた
広げられるだけ広げられた大広間に、紅魔館に仕える全メイドが集結していた
既に門番が一日だけだが紅魔館の主となるのは伝えられている、聞かされたメイド達に動揺は無い
良くあるお嬢様の我侭、溜息をつくけれど困るほどの事ではない
ましてや一日だけ自分達の主が門番に代わるだけ、そう考えていたのだ
元門番が、広間に足を踏み入れるまでは
元門番が広間に入り姿を見せる、それだけでメイド達の心は揺れた
吸血鬼の妹は揺れた、魔女も揺れた、メイド長も揺れた
メイド達の前に用意された台に元門番が立つと、動揺しざわめいた音さえ消えた
「私が今日だけ紅魔館の主となる紅美鈴である!!」
それほどまでに
原因は、紅魔館の主である吸血鬼の些細な嫉妬からであるとも言える
まず吸血鬼の妹が、門番を貸して欲しいと言った
理由は暇だったから、弾幕ごっこでもしようと相手を考えた結果そうなっただけ
次に親友もしくは類友である魔女が、門番を貸して欲しいと言った
理由は耐魔法加工された本棚の移動、力持ちは誰かと考えた結果そうなっただけ
最後に己の忠実な従者が、人里へ買い物に行くのに荷物持ちとして門番を連れて行っても宜しいでしょうかと言った
理由は特に無い、しいて言えば気安く用事を頼みやすい相手だったからそうなっただけ
珍しくも親友と妹の三人で、従者の淹れるお茶を飲んでいた時の事である
誰が門番を最初に借りるかを謙虚に譲り合い、門番は門番以外の事だと結構役立つと言う談笑
タイミングの問題でもあった、ちょうど紅茶に口をつけていた時だったので会話に混ざる好機を逃したのだ
三人の談笑を聞きながら、一人だけ黙って紅茶を飲む吸血鬼、自分だけが気まずい気分
対して、門番は引っ張りダコな人気者
そう言う間違った答えに辿り着いた吸血鬼は、ちょっとだけブチ切れた
弾幕ごっこどころか喜んで遊んでくれる最適な相手が目の前にいるでしょう、と
本棚の二つや三つぶん投げれるぐらいに力持ちな相手が目の前にいるでしょう、と
買い物にかこつけてデートなんだな青い春を謳歌しやがってちくしょー、と
珍しくも本心からの叫びであった、けれど世は無常也
三人の『何言ってんだコイツ』みたいな視線が突き刺さるのを感じた吸血鬼は、被害妄想気味
「だっていつも忙しいって言って、相手してくれないもん」
「投げてどうするのよ、それに言ってもメイドにやらせれば良いって言うじゃない」
「別の紅茶を淹れますね」
そんな三人の言葉に、何気に無視された形になった従者にトドメを刺された吸血鬼
しかも目に見えて落ち込んだ吸血鬼を前に三人が視線を合わせてアイ・コンタクト、更に疎外感
どのような目の会話が行われたのか、視線を吸血鬼へと戻した三人はまるで何も無かったかのように会話を始める
それは優しさであったのだろう、けれど吸血鬼はその遠まわしな優しさを理解できなかった
「そんなに門番が好きなら、門番の妹だったり門番の親友だったり門番に仕えたりしたら良いのよ! 」
そして吸血鬼の言葉も、三人には理解できなかった
が
「・・・・まぁ」
「・・・・悪くは」
「・・・・無いですわね」
かくして、門番がクビになったのである
『一日れみりあ様』と書かれた襷を肩にかけ、元門番は緊張していた
今日は雨の日、雷がゴロゴロと鳴り止まない不吉な日
メイド長に呼び出されて門番をクビになり、紅魔館の主となれと言われたときは自分が死ぬ姿を幻視した
紅い槍に貫かれて死亡、嫌に現実的かつ可能性も高い幻視である
拒否権は無い、そう言い渡された元門番はこれから全メイド達を前に挨拶をしなければならない
例え気まぐれであろうとも、ちょっとした御遊びであろうとも失敗は許されないと襷を意識しながら考える
『一日れみりあ様』を渡された自分は、一日であろうと『レミリア・スカーレット』の名前を請け負ったのだと
「お嬢様の名を貶める事など許されないのに・・・・何で私に」
そう呟いた元門番の脳裏には、真に高貴たる主の姿が写る
ちなみにその高貴であろう主は、普段自分の妹が暮らしている地下の部屋に縛られて閉じ込められていた
・・・・数秒後、気高き主の姿(想像)を前に元門番は覚悟を決める
覚悟を決めた門番の瞳には、紅い光が燈っていた
広げられるだけ広げられた大広間に、紅魔館に仕える全メイドが集結していた
既に門番が一日だけだが紅魔館の主となるのは伝えられている、聞かされたメイド達に動揺は無い
良くあるお嬢様の我侭、溜息をつくけれど困るほどの事ではない
ましてや一日だけ自分達の主が門番に代わるだけ、そう考えていたのだ
元門番が、広間に足を踏み入れるまでは
元門番が広間に入り姿を見せる、それだけでメイド達の心は揺れた
吸血鬼の妹は揺れた、魔女も揺れた、メイド長も揺れた
メイド達の前に用意された台に元門番が立つと、動揺しざわめいた音さえ消えた
「私が今日だけ紅魔館の主となる紅美鈴である!!」
それほどまでに
ケーネさぁぁぁぁぁん!!!!!何してんすかぁぁぁぁぁぁ!!??
ヒドスwww
それはともかく根っこさんの描かれる美鈴は変幻自在で本当にクオリティ高い。