※タイトルを気にせず読もう!
「せかいは わたしを ちゅうしんに まわってるぅ~」
スカートを翻し、軽やかなステップを踏む
「わたしのいしは せかいのいし」
両腕を広げ、くるっと一回転
「せかいすべては わたしのもの~」
一回転したら、左手を頭に添えて少し下げ、右手の人差し指を伸ばして銃の形を模る
「はむかうやつは み・な・ご・ろ・し・だ~(はぁと) バーーーン!」
口元に人差し指を近づけて、フッと息を人差し指に吹きつけ……
「……決まった。やっぱり、この『せかいはわたしがまわしている (作詞作曲 宇佐見蓮子)』は最高ね。まさに、わたし天才っ!CD化しちゃおうかしら。そうなったら、わたしの可愛さにみんな夢中になるわねっ!ムフフフ……」
大学構内の人気の無い廊下をステージに変えて、アイドルのように踊って歌って、にやけるわたし。
今、「うわっ!コイツ、痛っ!!」とか思ったろ?
み・な・ご・ろ・し・だ~(はぁと)
「……ふぅ。『女心と秋の空』とは、よく言ったものね。講義が始まった時は晴れてたのに、終わった途端、小雨が降ってきたわね。傘、持って来てないし……」
わたしはぼやきながら、廊下の窓から空を見る。
空はどんよりと曇っており、微かではあるが窓に雨粒が付いていた。
「クソッ!!猫の顔舐め天気予報より、お天気お姉さんの言う通りにしておけばっ!でも、あの猫の絵……かわゆいのよね~」
悔やみながらも廊下を歩くと、目の前に『秘封倶楽部』と書かれた扉が見えてくる。一応、わたしとメリーしかいないサークル『秘封倶楽部』でも、サークル活動のため空き教室を貰っている。
……というか、わたしが勝手に使われていない教室を無断使用している。まぁ、バレたとしても、一枚の写真とわたしの交渉術を駆使すれば問題無い。それとメリーは、この事実を知らない。
備考として、『秘封倶楽部』と看板などに書くのではなく、扉に直書きである。ちなみに封と楽が大きくて目立つが、この二文字はわたしが書いた。
習字の成績はもっぱら「蓮子さんの文字は、いつも豪快だね」である。
ドアノブをやや持ち上げ気味に手を掛け、扉の下をつま先で蹴りながら扉を開けた。
「メリー!!メリー、わたしの可愛いメリー!今日は、わたしと一緒に…(リリー・ホワイトと!…リリー・ブラックの…白黒百合百合ラジオ!!…あなたの脳内で絶賛放送中…)…をしましょっ!?…ブフッ!!!!!」
「蓮子……うら若き乙女が、十八歳未満お断りの台詞を言うのはどうかと思うわ」
「あーはははははっ!!!!!わ、わたしは、今のあなたの格好がどうかと思うわっ!!」
「この格好が、何?どこか、可笑しいかしら?」
「にゃはははははっ!!!!!どっから、どう見てもヒツジですっ!!!!!本当に、ありがとうございまs…ぶはははははっ!!!!!」
「………………」
「はははははっ!!!!!(バキッ)……もゅる!」
その後、わたしの意識は、何かのキレる音と共に暗転した。
意識を取り戻すと、ヒツジの着ぐるみを着たメリーが紅茶を飲んでいた。
「あら蓮子、首が曲がっていてよ」
「どこぞの子憎たらしいヒツジさんが、シャイニングウィザードを寄贈してくれたおかげでね」
「それは、災難ね」
「えぇ。この湧き上がる感情を拳に乗せて、懇親のストレートを進呈したいところだけど……どうだろう?」
「それなら私は、それを絶対的な武力をもって制しましょう……」
ユラ~リと立ち上げるヒツジ……改めメリー。その手には、茶色い棒状のモノ。
「ママが言ってたわ。『手を抜いた戦いは、敗北と同等』だと……」
「ちょ、ちょっと、メリー。木刀は反則よっ!リーチが違い過ぎるじゃないっ!!」
わたしの言葉に、メリーは「私、わかんな~い」とでも言いたそうに小首を傾げた。
「懐まで入り込めば、勝機はあるわよ。まぁ、私の抜刀術の前では意味を成さないけど」
「感受性豊かなのは良いけど、直ぐマンガの影響を受けるのはどうかと思うわよ」
「……それで、来るの?来ないの?」
「痛いのは、やぁ~よ」
「……そう」
メリーが椅子に座り直す。その時、「このチキンが……」と聞こえたのはきっと気のせいさっ!
「……で、その格好どうしたの?」
「アニマル着ぐるみシリーズ第一弾『ヒツジのメーさん 眠れないあなたもこれで安眠だメ~』」
「商品名を聞いてるんじゃなくて!」
「タイゾーにて税込3980円」
「値段も聞いてない!」
「私は、メーさんに運命を感じた」
「そんな運命はどうでもいいっ!」
「じゃあ、何が聞きたいのよっ!」
「逆切れ?!」
目の前のヒツジさんが、プリプリ怒ってらっしゃいます。ちょっと、可愛らしいですっ!
「もう、いいわよ。今日は、これで帰りましょう。外に出てるから、着替え終わったら呼んでね」
わたしは少し重い足取りで、その場から去ろうとする。
「何を言ってるの?蓮子」
「だから、その着ぐるみを脱いで、いつもの服に着替えて帰りましょうって言ってるのよ」
「私、メーさん脱いだら下着なんだけど……」
「はぁ!?」
頬を赤らめて、モジモジするメリー。いや待て、メリーは何て言った。メーさん脱いだら、私は下着?もしかしてメリー、あなた……。
「ねぇ、メリー」
「何、蓮子」
「あなた、その格好で大学来たの?」
「イエス!メ~」
「………………」
その日、わたしはヒツジと一緒に帰る事になった。メリーとの付き合い方……考え直そうかな。
ところが、次の日のメリーはいつもの服に戻っていた。着ぐるみ、どうしたの?って聞いたら、朝起きたら無くなっていたらしい。メリーは哀しそうにしていたが、わたしにはとても喜ばしいことだ。だって、着ぐるみはメリーの胸を視姦できないから……。
だが、わたしは重要な事を一つ忘れていた……それはメーさんが、アニマル着ぐるみシリーズの“第一弾”だということ。ということは……
「で、今度のは何?」
「アニマル着ぐるみシリーズ第二弾『猫のにゃーたん これであなたもセクシーキャット』」
「………………」
「ニャ~」
……もう、いいや。可愛いからっ!!!!!
おまけ
紅魔館の近くの湖。
「ふふっ。これで、あたいは最強ねっ!なんたって、この白くてモコモコしたやつを着てるんだからっ!!」
その湖上空
「ねぇ、妖夢」
「何です?幽々子様」
「今夜は、ジンギスカンにしましょう?」
「わかりました。幽々子様」
「せかいは わたしを ちゅうしんに まわってるぅ~」
スカートを翻し、軽やかなステップを踏む
「わたしのいしは せかいのいし」
両腕を広げ、くるっと一回転
「せかいすべては わたしのもの~」
一回転したら、左手を頭に添えて少し下げ、右手の人差し指を伸ばして銃の形を模る
「はむかうやつは み・な・ご・ろ・し・だ~(はぁと) バーーーン!」
口元に人差し指を近づけて、フッと息を人差し指に吹きつけ……
「……決まった。やっぱり、この『せかいはわたしがまわしている (作詞作曲 宇佐見蓮子)』は最高ね。まさに、わたし天才っ!CD化しちゃおうかしら。そうなったら、わたしの可愛さにみんな夢中になるわねっ!ムフフフ……」
大学構内の人気の無い廊下をステージに変えて、アイドルのように踊って歌って、にやけるわたし。
今、「うわっ!コイツ、痛っ!!」とか思ったろ?
み・な・ご・ろ・し・だ~(はぁと)
「……ふぅ。『女心と秋の空』とは、よく言ったものね。講義が始まった時は晴れてたのに、終わった途端、小雨が降ってきたわね。傘、持って来てないし……」
わたしはぼやきながら、廊下の窓から空を見る。
空はどんよりと曇っており、微かではあるが窓に雨粒が付いていた。
「クソッ!!猫の顔舐め天気予報より、お天気お姉さんの言う通りにしておけばっ!でも、あの猫の絵……かわゆいのよね~」
悔やみながらも廊下を歩くと、目の前に『秘封倶楽部』と書かれた扉が見えてくる。一応、わたしとメリーしかいないサークル『秘封倶楽部』でも、サークル活動のため空き教室を貰っている。
……というか、わたしが勝手に使われていない教室を無断使用している。まぁ、バレたとしても、一枚の写真とわたしの交渉術を駆使すれば問題無い。それとメリーは、この事実を知らない。
備考として、『秘封倶楽部』と看板などに書くのではなく、扉に直書きである。ちなみに封と楽が大きくて目立つが、この二文字はわたしが書いた。
習字の成績はもっぱら「蓮子さんの文字は、いつも豪快だね」である。
ドアノブをやや持ち上げ気味に手を掛け、扉の下をつま先で蹴りながら扉を開けた。
「メリー!!メリー、わたしの可愛いメリー!今日は、わたしと一緒に…(リリー・ホワイトと!…リリー・ブラックの…白黒百合百合ラジオ!!…あなたの脳内で絶賛放送中…)…をしましょっ!?…ブフッ!!!!!」
「蓮子……うら若き乙女が、十八歳未満お断りの台詞を言うのはどうかと思うわ」
「あーはははははっ!!!!!わ、わたしは、今のあなたの格好がどうかと思うわっ!!」
「この格好が、何?どこか、可笑しいかしら?」
「にゃはははははっ!!!!!どっから、どう見てもヒツジですっ!!!!!本当に、ありがとうございまs…ぶはははははっ!!!!!」
「………………」
「はははははっ!!!!!(バキッ)……もゅる!」
その後、わたしの意識は、何かのキレる音と共に暗転した。
意識を取り戻すと、ヒツジの着ぐるみを着たメリーが紅茶を飲んでいた。
「あら蓮子、首が曲がっていてよ」
「どこぞの子憎たらしいヒツジさんが、シャイニングウィザードを寄贈してくれたおかげでね」
「それは、災難ね」
「えぇ。この湧き上がる感情を拳に乗せて、懇親のストレートを進呈したいところだけど……どうだろう?」
「それなら私は、それを絶対的な武力をもって制しましょう……」
ユラ~リと立ち上げるヒツジ……改めメリー。その手には、茶色い棒状のモノ。
「ママが言ってたわ。『手を抜いた戦いは、敗北と同等』だと……」
「ちょ、ちょっと、メリー。木刀は反則よっ!リーチが違い過ぎるじゃないっ!!」
わたしの言葉に、メリーは「私、わかんな~い」とでも言いたそうに小首を傾げた。
「懐まで入り込めば、勝機はあるわよ。まぁ、私の抜刀術の前では意味を成さないけど」
「感受性豊かなのは良いけど、直ぐマンガの影響を受けるのはどうかと思うわよ」
「……それで、来るの?来ないの?」
「痛いのは、やぁ~よ」
「……そう」
メリーが椅子に座り直す。その時、「このチキンが……」と聞こえたのはきっと気のせいさっ!
「……で、その格好どうしたの?」
「アニマル着ぐるみシリーズ第一弾『ヒツジのメーさん 眠れないあなたもこれで安眠だメ~』」
「商品名を聞いてるんじゃなくて!」
「タイゾーにて税込3980円」
「値段も聞いてない!」
「私は、メーさんに運命を感じた」
「そんな運命はどうでもいいっ!」
「じゃあ、何が聞きたいのよっ!」
「逆切れ?!」
目の前のヒツジさんが、プリプリ怒ってらっしゃいます。ちょっと、可愛らしいですっ!
「もう、いいわよ。今日は、これで帰りましょう。外に出てるから、着替え終わったら呼んでね」
わたしは少し重い足取りで、その場から去ろうとする。
「何を言ってるの?蓮子」
「だから、その着ぐるみを脱いで、いつもの服に着替えて帰りましょうって言ってるのよ」
「私、メーさん脱いだら下着なんだけど……」
「はぁ!?」
頬を赤らめて、モジモジするメリー。いや待て、メリーは何て言った。メーさん脱いだら、私は下着?もしかしてメリー、あなた……。
「ねぇ、メリー」
「何、蓮子」
「あなた、その格好で大学来たの?」
「イエス!メ~」
「………………」
その日、わたしはヒツジと一緒に帰る事になった。メリーとの付き合い方……考え直そうかな。
ところが、次の日のメリーはいつもの服に戻っていた。着ぐるみ、どうしたの?って聞いたら、朝起きたら無くなっていたらしい。メリーは哀しそうにしていたが、わたしにはとても喜ばしいことだ。だって、着ぐるみはメリーの胸を視姦できないから……。
だが、わたしは重要な事を一つ忘れていた……それはメーさんが、アニマル着ぐるみシリーズの“第一弾”だということ。ということは……
「で、今度のは何?」
「アニマル着ぐるみシリーズ第二弾『猫のにゃーたん これであなたもセクシーキャット』」
「………………」
「ニャ~」
……もう、いいや。可愛いからっ!!!!!
おまけ
紅魔館の近くの湖。
「ふふっ。これで、あたいは最強ねっ!なんたって、この白くてモコモコしたやつを着てるんだからっ!!」
その湖上空
「ねぇ、妖夢」
「何です?幽々子様」
「今夜は、ジンギスカンにしましょう?」
「わかりました。幽々子様」
1ヶ月待った甲斐がありました!!
次回作はうど×みょんということで(勝手に決めんな)期待してます!
マリアリを推奨します!
イイ!それイイ!!是死、着て下さいッ!!