ある幻想が、終わりを告げる
さらさらと消える、などと生易しいものではなかった
破壊、壊れ行く幻想の後には何も残らない
「何の話? 」
「今は昔、昔は今。何度も繰り返される絶望よ」
「それは毎朝お賽銭箱の中身を確認する私? 」
「夢見る少女も大変ね」
揶揄するように笑う妖怪を無視しながら、巫女は湯飲みにお茶を注ぐ
無視しながらも仏頂面を見せる巫女、妖怪は手元に持つ小さな箱を撫でながら微笑む
「霊夢、貴女は人や妖怪が何で死ぬのかと考えた事はある? 」
「あるわよ」
「あら、思春期なのね」
そう言って微笑む妖怪の視線に巫女は微かに頬を淡く染め、それらを誤魔化すかのようにお茶を飲む
「それで、何が言いたいの? 」
「聞かないであげる優しさもあるのよ? 」
「言いたくない? 」
微笑んでいる妖怪は、違うのだと首を振る
巫女には、何故だか妖怪の微笑みが悲しそうに見えた
「知らないほうが良い事も、あるのかしら? 」
「言いたくないのね」
「どうでしょう」
微笑み続ける妖怪は、手に持っていた箱を置いて立ち上がる
巫女は神社の物置を思い出し、置かれた箱を見て納得した
「ご愁傷様、ね」
「お疲れ様、よ」
ポツンと置かれた箱だけが、その答えを知っている
さらさらと消える、などと生易しいものではなかった
破壊、壊れ行く幻想の後には何も残らない
「何の話? 」
「今は昔、昔は今。何度も繰り返される絶望よ」
「それは毎朝お賽銭箱の中身を確認する私? 」
「夢見る少女も大変ね」
揶揄するように笑う妖怪を無視しながら、巫女は湯飲みにお茶を注ぐ
無視しながらも仏頂面を見せる巫女、妖怪は手元に持つ小さな箱を撫でながら微笑む
「霊夢、貴女は人や妖怪が何で死ぬのかと考えた事はある? 」
「あるわよ」
「あら、思春期なのね」
そう言って微笑む妖怪の視線に巫女は微かに頬を淡く染め、それらを誤魔化すかのようにお茶を飲む
「それで、何が言いたいの? 」
「聞かないであげる優しさもあるのよ? 」
「言いたくない? 」
微笑んでいる妖怪は、違うのだと首を振る
巫女には、何故だか妖怪の微笑みが悲しそうに見えた
「知らないほうが良い事も、あるのかしら? 」
「言いたくないのね」
「どうでしょう」
微笑み続ける妖怪は、手に持っていた箱を置いて立ち上がる
巫女は神社の物置を思い出し、置かれた箱を見て納得した
「ご愁傷様、ね」
「お疲れ様、よ」
ポツンと置かれた箱だけが、その答えを知っている
お疲れ様、です。