※あれぇ、おかしいな。本編主人公の橙より目立ってる人?がいるぞぉ。
澄んだ空気が心地良い、早朝のマヨヒガの玄関にて……
「それじゃ、藍様。行ってきますっ」
「あぁ。橙、気をつけて行って来るんだぞ」
「はいっ、わかりました、藍様。いってきま~す」
「晩ご飯の前には、帰ってくるんだぞ~」
藍の見送りに、橙は手を振り答えて、空を飛んだ。朝日の光を背に受けて、橙は紅魔館に向かって速度を上げる。
「よ~し、頑張るぞ~っ!」
ここからはわたし、橙がちょっと説明するよっ!
昨日、咲夜……さんに付いて回って、紅魔館ではどういう仕事をするのか教えてもらっ……いました。咲夜、さんの言ってた通り、基本的には家事全般をこなす事でした。その後、二人で藍様に許可を貰いに行きました。でも、プレゼントの事は秘密なので、咲夜さんが「人手が足りないから、あなたの式、貸してくれないかしら?」と、ストレートに言いました。
わたしは、断られそうな気がしたんだけど、藍様は「困った時は、お互い様だ。それにパチュリー殿には、薬の借りもあるからな……橙、お前自身はどう思ってるんだ?」と尻尾を撫でながら、わたしに聞いてきました。
(あぁ、尻尾の円形脱毛症が無くなったのは、そういう事だったんですね。永遠亭の薬師さんのは効力が強すぎて、ハリネズミのような状態でしたね)
わたしは「やってみたいですっ!」と言うと、すんなりと紅魔館でのメイド見習いになる事を許してくれました。
説明終了だよっ!敬語って、難しいにゃ~
紅魔館に臨む大きな門の前に、橙は静かに降り立った。そして、辺りをキョロキョロと窺う。
「あれ~?門番がいるって聞いてたけど、いないじゃん」
「あら、時間ぴったりね。感心、感心」
「にゃっ!」
橙は反射的に後ろに飛び退き、正面を見据える。そこには美しい銀髪に、整った顔立ち、吸い込まれそうな蒼い瞳で、橙を見つめる咲夜が腕を組んで笑っていた。
「フーッ!!!……なんだ、咲夜か……トスッ……ひにゃっ!」
「咲夜さん、でしょ?」
「はいっ!咲夜さん、おはようございます」
「ふふっ、元気ねぇ。おはよう、橙。早速だけど、メイド服に着替えて仕事をして貰うわよ」
「わかりましたっ」
「よろしくね、橙」
咲夜が橙に手を差し伸べる。
「はい、よろしくお願いします。咲夜さん」
橙は咲夜の手を握った。
メイド服に着替えた橙は、メイドの仕事をこなしていった。仕事といっても、普段から藍の家事を手伝っているので、仕事としての実感は橙には無かったし、初仕事ということもあり、咲夜の後を付いて行き、咲夜が指示した通りに動くという単調な仕事内容だった。
ともあれ、仕事も一段落。咲夜と橙は、昼食も食べ終えて、二人で紅茶を飲んでいた。紅茶を目の前に、始めは不思議そうな顔をしていた橙も、今は砂糖を三杯入れて飲んでいた。
そんな橙を横に座っていた咲夜は、紅茶を飲みながら見ていた。
(……この子、すごい手際が良かったわね。それに素直で、細かなところにも気がつく……この子、メイドの素質十分ね)
咲夜が胸中で呟くと、橙と目が合った。
「へへぇ~」
橙が、咲夜を見てニコニコ笑った。その笑顔は太陽のように晴れやかで、可愛らしかった。そんな笑顔をされると、こちらも自然と笑顔になる。
「……何、人の顔見て笑ってるのよ。私の顔に、何か付いてるかしら?」
「違うよ。ただ、似てるなぁって思ったの。藍様と咲夜、さん」
「今は二人だけだから、咲夜でいいわ。それにしても、助かったわ。あなたが手伝ってくれたから、ブレイクタイムも楽しめるし」
「わたし、役に立った?」
「えぇ、十分。ありがとう、橙」
咲夜が橙の頭を撫でると、橙は気持ち良さそうに顔を綻ばせた。
ドゴォォォォォンッッッ!!!!!
そんな穏やかな時を突如、轟音が切り裂いた。
「白黒が、図書館に侵入っ!!!!!繰り返す、白黒が図書館に侵入っ!!!現存するメイド隊は、直ちに図書館へと急行せよっ!繰り返す……」
「にゃ~、どうしよう咲夜ぁ~」
橙が怯えた目で、咲夜を見つめていた。しかし、咲夜は落ち着いた口調で、橙に告げる。
「行きましょう、橙。お嬢様の事は、心配要らないわ」
咲夜は橙の襟を掴み、ズルズル引き摺って行く。
「そっちの、心配じゃないよぉ~」
そして、二人はヴワル図書館へと向かった。
魔理沙は、焦っていた。
(……おいおい、何なんだよっ!?どうして、橙が紅魔館にいる!?いや、それよりも、どうして、私が橙に追い込まれているっ!)
図書館へやって来た魔理沙は、パチュリーごと壁を吹き飛ばして本を借り(本人談)、立ち去ろうとした所に咲夜と橙が現れた。魔理沙が橙に対して疑問を聞く前に、橙が速攻の攻撃してきた。すかさず、逃亡を図ろうとする魔理沙だが、入ってきた場所には既に咲夜が立っていた。
他の退路を探すために、本棚を掻き分けながら箒を飛ばす。幻想郷トップクラスのスピードを誇る魔理沙だが、橙に追いつかれる。それは、小悪魔の提案した本棚の配置が関係していた。魔理沙が、トップスピードに乗る前に、本棚の壁が聳え立った。
なので、自然と魔理沙のスピードが格段に落ちる。なので、瞬発力に分がある橙に、すぐに追い着かれてしまうのだ。そこに、咲夜も参戦し状況は悪化。それに、もう一つ。魔理沙が追い込まれる理由があった。
(……目の前にいるのは、橙っ!!!橙、なんだっ!なのに、どうして、なんで、レミリアと被るんだっ!)
橙の攻撃は、自分の爪を伸ばした連撃。その攻撃は、レミリアの接近戦と酷似していた。だが、レミリアよりも貧弱で、遅い。魔理沙が、スペルカードを使用するタイミングも何度もあった。しかし、スペルカードを取り出すと、橙は瞬時に反応し、後ろに飛ぶ。その隙間を縫うようにナイフが飛んでくる。ナイフを避けるのに専念すると、距離を詰めた橙の連撃。咲夜とレミリアを一緒に相手をしているかのように、錯覚させる程の抜群のコンビネーションを発揮しながら、二人は魔理沙を追い込んでいった。
(くそっ、これじゃジリ貧だっ!……こうなったらっ!)
魔理沙は橙の連撃を箒で受け止め、橙の腹部を蹴り上げる。間を置かずに箒の持ち手を変え、振り払う。橙は本棚へ激突して、落ちてきた本に埋没した。
そして魔理沙は、スペルカードを発動させた。
『彗星 「ブレイジングスター」』
「いっくぜぇぇぇぇぇっ!!!!!」
咲夜に狙いを定めて、爆発的に速度を上げる。咲夜は、時を止めようとするが、魔理沙のスピードが若干、凌駕した。
咲夜の目に広がるのは、巨大な魔力の彗星。その彗星は、自分に一直線に向かってくる。しかし、そこに一つの影が降り立った。その影は、どこかの民族衣装を身に纏い、紅く長い髪を揺らしていた。
ドガァァァァァンッ!!!!!
彗星と化した魔理沙を両手で受け止める。紅い髪が逆立ち、スリットから美脚が覗く。咲夜は、影に問う。
「美鈴っ!どうして、あなたが……あなたは、私がクビにした筈でしょ!」
「うぐっ!!さ、咲夜さん!確かにっ、私はクビになりましたっ!……ぐっ、だけど、それは紅魔館の門番ですっ!?私は……うぅっ……私は、大事な咲夜さんの門番まで辞めたつもりはありませんっ!!!!!……ダァァァァァ!!!!!」
咆哮を上げ、さらに力を込める美鈴。すると……魔理沙の帯びた光が弱まって行く。
シュゥゥゥゥゥ……
魔理沙のスペルの効果が切れた、魔理沙と美鈴は同時に倒れ込んだ。
「くっそ~。やっぱり昨日の、魔力の消耗が仇になったぜぇ」
軽く舌打ちをして、魔理沙がぼやいた。
咲夜は美鈴に駆け寄り、体を抱き起こす。
「怪我はありませんか?咲夜さん」
「えぇ。大丈夫よ。あなたのおかげでね」
「良かった」
美鈴は、安堵した表情を浮かべて笑った。
「良くない……」
「へ?」
「良くないっ!美鈴、あなたボロボロじゃないのっ!それに、あんな無茶な……」
「咲夜さん、泣いてるんですか?」
「……泣いてないわよっ!」
その傍の本の山からは、弱々しそうに……
「にゃ~……」
という、鳴き声が聞こえた。
バタンッ!
突如、ヴワル図書館の扉が勢いよく開いた。皆が揃ってそちらを向く。
「ついに、できたわよっ!究極の黄金比率の血液『レミリアちゃん☆ブラッドゴールデンブレンド』がっ!…………うー?」
少し、空気の読めない吸血鬼が現れました。
オマケ
「アリース オキテ」
「アサーダヨ アリース」
「んっ……ふわぁ……上海、蓬莱、おはよう」
「オハヨウ アリース」
「アリース オハヨウ」
「あれ、魔理沙は?」
アリスは昨日、魔理沙の家に泊めて貰ったのだ。
「マリーサ ナラ デカケタヨ」
「テガミ オイテッタ」
上海人形と蓬莱人形が二体で、置手紙を広げた。
「なになに……ちょっと、出かけてくるぜ……か。簡潔すぎるわね。……なら、二度寝しましょう」
数分後には、アリスの寝息が聞こえてきた。その両隣では、上海人形と蓬莱人形も一緒に添い寝をしていた。
澄んだ空気が心地良い、早朝のマヨヒガの玄関にて……
「それじゃ、藍様。行ってきますっ」
「あぁ。橙、気をつけて行って来るんだぞ」
「はいっ、わかりました、藍様。いってきま~す」
「晩ご飯の前には、帰ってくるんだぞ~」
藍の見送りに、橙は手を振り答えて、空を飛んだ。朝日の光を背に受けて、橙は紅魔館に向かって速度を上げる。
「よ~し、頑張るぞ~っ!」
ここからはわたし、橙がちょっと説明するよっ!
昨日、咲夜……さんに付いて回って、紅魔館ではどういう仕事をするのか教えてもらっ……いました。咲夜、さんの言ってた通り、基本的には家事全般をこなす事でした。その後、二人で藍様に許可を貰いに行きました。でも、プレゼントの事は秘密なので、咲夜さんが「人手が足りないから、あなたの式、貸してくれないかしら?」と、ストレートに言いました。
わたしは、断られそうな気がしたんだけど、藍様は「困った時は、お互い様だ。それにパチュリー殿には、薬の借りもあるからな……橙、お前自身はどう思ってるんだ?」と尻尾を撫でながら、わたしに聞いてきました。
(あぁ、尻尾の円形脱毛症が無くなったのは、そういう事だったんですね。永遠亭の薬師さんのは効力が強すぎて、ハリネズミのような状態でしたね)
わたしは「やってみたいですっ!」と言うと、すんなりと紅魔館でのメイド見習いになる事を許してくれました。
説明終了だよっ!敬語って、難しいにゃ~
紅魔館に臨む大きな門の前に、橙は静かに降り立った。そして、辺りをキョロキョロと窺う。
「あれ~?門番がいるって聞いてたけど、いないじゃん」
「あら、時間ぴったりね。感心、感心」
「にゃっ!」
橙は反射的に後ろに飛び退き、正面を見据える。そこには美しい銀髪に、整った顔立ち、吸い込まれそうな蒼い瞳で、橙を見つめる咲夜が腕を組んで笑っていた。
「フーッ!!!……なんだ、咲夜か……トスッ……ひにゃっ!」
「咲夜さん、でしょ?」
「はいっ!咲夜さん、おはようございます」
「ふふっ、元気ねぇ。おはよう、橙。早速だけど、メイド服に着替えて仕事をして貰うわよ」
「わかりましたっ」
「よろしくね、橙」
咲夜が橙に手を差し伸べる。
「はい、よろしくお願いします。咲夜さん」
橙は咲夜の手を握った。
メイド服に着替えた橙は、メイドの仕事をこなしていった。仕事といっても、普段から藍の家事を手伝っているので、仕事としての実感は橙には無かったし、初仕事ということもあり、咲夜の後を付いて行き、咲夜が指示した通りに動くという単調な仕事内容だった。
ともあれ、仕事も一段落。咲夜と橙は、昼食も食べ終えて、二人で紅茶を飲んでいた。紅茶を目の前に、始めは不思議そうな顔をしていた橙も、今は砂糖を三杯入れて飲んでいた。
そんな橙を横に座っていた咲夜は、紅茶を飲みながら見ていた。
(……この子、すごい手際が良かったわね。それに素直で、細かなところにも気がつく……この子、メイドの素質十分ね)
咲夜が胸中で呟くと、橙と目が合った。
「へへぇ~」
橙が、咲夜を見てニコニコ笑った。その笑顔は太陽のように晴れやかで、可愛らしかった。そんな笑顔をされると、こちらも自然と笑顔になる。
「……何、人の顔見て笑ってるのよ。私の顔に、何か付いてるかしら?」
「違うよ。ただ、似てるなぁって思ったの。藍様と咲夜、さん」
「今は二人だけだから、咲夜でいいわ。それにしても、助かったわ。あなたが手伝ってくれたから、ブレイクタイムも楽しめるし」
「わたし、役に立った?」
「えぇ、十分。ありがとう、橙」
咲夜が橙の頭を撫でると、橙は気持ち良さそうに顔を綻ばせた。
ドゴォォォォォンッッッ!!!!!
そんな穏やかな時を突如、轟音が切り裂いた。
「白黒が、図書館に侵入っ!!!!!繰り返す、白黒が図書館に侵入っ!!!現存するメイド隊は、直ちに図書館へと急行せよっ!繰り返す……」
「にゃ~、どうしよう咲夜ぁ~」
橙が怯えた目で、咲夜を見つめていた。しかし、咲夜は落ち着いた口調で、橙に告げる。
「行きましょう、橙。お嬢様の事は、心配要らないわ」
咲夜は橙の襟を掴み、ズルズル引き摺って行く。
「そっちの、心配じゃないよぉ~」
そして、二人はヴワル図書館へと向かった。
魔理沙は、焦っていた。
(……おいおい、何なんだよっ!?どうして、橙が紅魔館にいる!?いや、それよりも、どうして、私が橙に追い込まれているっ!)
図書館へやって来た魔理沙は、パチュリーごと壁を吹き飛ばして本を借り(本人談)、立ち去ろうとした所に咲夜と橙が現れた。魔理沙が橙に対して疑問を聞く前に、橙が速攻の攻撃してきた。すかさず、逃亡を図ろうとする魔理沙だが、入ってきた場所には既に咲夜が立っていた。
他の退路を探すために、本棚を掻き分けながら箒を飛ばす。幻想郷トップクラスのスピードを誇る魔理沙だが、橙に追いつかれる。それは、小悪魔の提案した本棚の配置が関係していた。魔理沙が、トップスピードに乗る前に、本棚の壁が聳え立った。
なので、自然と魔理沙のスピードが格段に落ちる。なので、瞬発力に分がある橙に、すぐに追い着かれてしまうのだ。そこに、咲夜も参戦し状況は悪化。それに、もう一つ。魔理沙が追い込まれる理由があった。
(……目の前にいるのは、橙っ!!!橙、なんだっ!なのに、どうして、なんで、レミリアと被るんだっ!)
橙の攻撃は、自分の爪を伸ばした連撃。その攻撃は、レミリアの接近戦と酷似していた。だが、レミリアよりも貧弱で、遅い。魔理沙が、スペルカードを使用するタイミングも何度もあった。しかし、スペルカードを取り出すと、橙は瞬時に反応し、後ろに飛ぶ。その隙間を縫うようにナイフが飛んでくる。ナイフを避けるのに専念すると、距離を詰めた橙の連撃。咲夜とレミリアを一緒に相手をしているかのように、錯覚させる程の抜群のコンビネーションを発揮しながら、二人は魔理沙を追い込んでいった。
(くそっ、これじゃジリ貧だっ!……こうなったらっ!)
魔理沙は橙の連撃を箒で受け止め、橙の腹部を蹴り上げる。間を置かずに箒の持ち手を変え、振り払う。橙は本棚へ激突して、落ちてきた本に埋没した。
そして魔理沙は、スペルカードを発動させた。
『彗星 「ブレイジングスター」』
「いっくぜぇぇぇぇぇっ!!!!!」
咲夜に狙いを定めて、爆発的に速度を上げる。咲夜は、時を止めようとするが、魔理沙のスピードが若干、凌駕した。
咲夜の目に広がるのは、巨大な魔力の彗星。その彗星は、自分に一直線に向かってくる。しかし、そこに一つの影が降り立った。その影は、どこかの民族衣装を身に纏い、紅く長い髪を揺らしていた。
ドガァァァァァンッ!!!!!
彗星と化した魔理沙を両手で受け止める。紅い髪が逆立ち、スリットから美脚が覗く。咲夜は、影に問う。
「美鈴っ!どうして、あなたが……あなたは、私がクビにした筈でしょ!」
「うぐっ!!さ、咲夜さん!確かにっ、私はクビになりましたっ!……ぐっ、だけど、それは紅魔館の門番ですっ!?私は……うぅっ……私は、大事な咲夜さんの門番まで辞めたつもりはありませんっ!!!!!……ダァァァァァ!!!!!」
咆哮を上げ、さらに力を込める美鈴。すると……魔理沙の帯びた光が弱まって行く。
シュゥゥゥゥゥ……
魔理沙のスペルの効果が切れた、魔理沙と美鈴は同時に倒れ込んだ。
「くっそ~。やっぱり昨日の、魔力の消耗が仇になったぜぇ」
軽く舌打ちをして、魔理沙がぼやいた。
咲夜は美鈴に駆け寄り、体を抱き起こす。
「怪我はありませんか?咲夜さん」
「えぇ。大丈夫よ。あなたのおかげでね」
「良かった」
美鈴は、安堵した表情を浮かべて笑った。
「良くない……」
「へ?」
「良くないっ!美鈴、あなたボロボロじゃないのっ!それに、あんな無茶な……」
「咲夜さん、泣いてるんですか?」
「……泣いてないわよっ!」
その傍の本の山からは、弱々しそうに……
「にゃ~……」
という、鳴き声が聞こえた。
バタンッ!
突如、ヴワル図書館の扉が勢いよく開いた。皆が揃ってそちらを向く。
「ついに、できたわよっ!究極の黄金比率の血液『レミリアちゃん☆ブラッドゴールデンブレンド』がっ!…………うー?」
少し、空気の読めない吸血鬼が現れました。
オマケ
「アリース オキテ」
「アサーダヨ アリース」
「んっ……ふわぁ……上海、蓬莱、おはよう」
「オハヨウ アリース」
「アリース オハヨウ」
「あれ、魔理沙は?」
アリスは昨日、魔理沙の家に泊めて貰ったのだ。
「マリーサ ナラ デカケタヨ」
「テガミ オイテッタ」
上海人形と蓬莱人形が二体で、置手紙を広げた。
「なになに……ちょっと、出かけてくるぜ……か。簡潔すぎるわね。……なら、二度寝しましょう」
数分後には、アリスの寝息が聞こえてきた。その両隣では、上海人形と蓬莱人形も一緒に添い寝をしていた。
だがそこがいい!!
しかし美鈴がここまでカッコよく登場するとは
前編からは全く予想できませんでした。感動した!!
……しかし橙目立ってないな……ちゃんと活躍してるのに……。
ところで魔理沙の魔力の消耗の原因をkwsk(マスタースパーク
それにしても「レミリアちゃん☆ブラッドゴールデンブレンド」が血だと判っていても飲んでみたくなる不思議な魅力。
小悪魔も何気にけっこう貢献してるのね