Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

第二次小悪魔大作戦α

2006/09/06 01:17:27
最終更新
サイズ
7.8KB
ページ数
1
「もってかないでー」

「また来るぜ! 」

我が子を連れて行かれるような悲壮な顔の魔女と、絶好調で幸せそうなほくほく顔の魔法使い
最近になってよく見かけるようになった光景だった、きっとまた見ることになるだろう光景だった
けれど図書館の司書である悪魔はそんな光景に思うのだ

「あの得意げな顔を悔しさと苦痛を快楽で彩って歪めたいなぁ」

勿論思うだけではなく図書館の主である魔女に許可を求めた


「駄目」

悪魔の言い分を半分も聞かぬうちに魔女は切り捨てた
切り捨てられた悪魔は不満一杯の視線を魔女に注ぐも効果は無い

「返すって言ってたし、放っときなさい」

「死んだら返す、ですか? 本当に帰ってくるか怪しいものですよ。今も魔法使いの家で紛失とかしたらと思うと」

「馬鹿ね」

そんな悪魔の心配をバッサリと魔女は斬り捨てる、言葉の刃で斬り捨てる
先ほどまで本を持っていかれた事を嘆いていた様子は面影も無い

「帰って来るに決まってるでしょ? 例え持ち出されようとも、あれらはこのヴワル図書館にあるべき本なのだから」

「それは分かってますけど・・・・・・なんと言うか、あの魔法使いが浮かべる『今日も大漁』みたいな表情が気に入らないんですよ」

悪魔は本当に気に入らなかった、そんな表情を本来浮かべるべきなのは悪魔である自分なのに、と
けれど魔女はすげなく却下し、弾幕ごっこでどうにかしなさいと言う始末
冗談ではなかった、自分はしがない悪魔なのに残機が無くなっても根性で復活するような者達と一緒にされては困る
しかし復活する者達の事を思うついでに良いことを思いつき図書館を退館、魔女の『仕事はー? 』と言う声も聞こえないのだ


「それで、私にどうしろと? 」

「最近あっさりと通し過ぎな気がしますので、もうちょっと疲労困憊させるぐらいの勢いでお願いします」

本を持っていくだけの気力を此処、紅魔館の門前で使い果たしてもらおうと言う作戦だった
そんな悪魔の頼みに門番は困った風に眉をひそめる

「実際、難しいのよ。スペルカードの使用制限とか接近可能範囲とか2D平面移動のみとか体力制限とか時間制限とか」

「・・・・・・・・・あの、何ですかそれ? 」

「え? あ、そっか。まぁ何かとハンデがあると思ってもらえれば良いから」

「えっと」

「ま、弾幕ごっこだと無理ね。咲夜さんにしたって投げるのはナイフだから非殺傷だと余計に難しいだろうし」

「無理ですか」

「弾幕ごっこだとね」

弾幕ごっこが無理なら他の方法を考えるしかない、ならば思いつこう
知識ならそれこそ山ほどあるのだ、悪魔は伊達や酔狂で司書の仕事をしている訳ではない
悪魔は自信満々に胸を叩き『任せてください! きっと黒いアレが真っ白に燃え尽きるような作戦を考えてきましょう! 』と言った
ちなみに門番は『きっと失敗するんだろうなぁ。だってパチュリー様の所の悪魔だし』とか考えていた


作戦その① チャーハンできたよ作戦

何時ものごとく魔法使いが紅魔館にやってくると、何故か門番が門前にちゃぶ台を置いてチャーハンを食べていた
最近は図々しいどころか半強盗まがいな行動が売り出しブレイク中の魔法使いはチャーハンを食べさせてもらうべく門前に着陸
すると門番は大皿に置かれていたチャーハンを新しく皿を持ってきてよそってくれるまでの親切な行動に、魔法使いの警戒心が痛く刺激される
けれど目の前に置かれたチャーハンはなんとも美味しそうで、目の前で美味しそうに食べる門番に釣られて食べてみる

「う、ウマー! 」

普通に美味しかったらしい、凄い勢いで食べ始める魔法使いは半開きの門からそっと自分を見つめる邪悪な視線に気づかない
門番と二人で大皿に乗っていたチャーハンを食べ終えた魔法使いは、何やら満足げにお腹をさする
魔法使いの中では既に家に帰って風呂に入って寝るなどの予定が書き留められるが、そこにいかにも悪い事してますと言った笑顔を浮かべた悪魔が姿を現す
ちなみに自分の分のチャーハンを確保するのを忘れてお腹をすかせた悪魔は普段の2倍の邪悪さを醸し出している、怒った氷精に匹敵する邪悪さだった

「お、珍しいな。お前さんの姿を図書館以外で見かけるなんて」

「ふふふ。そんな軽口を聞けるのも、貴女が先ほどまで食べていたチャーハンの正体を知るまでです! 」

門番は普通にチャーハンが美味しくて作戦なんて忘れていたが、魔法使いが帰る気になっていたので作戦を思い出し成功かと喜んだら姿を現す悪魔に『気を読め』と思ったとか思わなかったとか
そんな門番をよそに魔法使いは戦慄していた、まさかあのチャーハンに○肉が使われていたりヤバイ薬が使われていたりするのか!? 実は想像が行き過ぎて自滅するタイプだったようだ
戦慄し顔を青ざめる魔法使いに気分を良くした悪魔は、さらに止めを刺すべくチャーハンの正体を明かす

「そのチャーハンには、材料として3枚分の食パンが入ってたんですよ! 」

「な・・・・・・・・・・何だってぇぇぇぇ!? 」

16枚になったショックのあまりラストスペルが発動、呆然としたまま真っ直ぐ飛ぶ魔法使いの箒に巻き込まれた悪魔の残機が1減った
しかも正気に戻った魔法使いは腹ごなしの腹いせとばかりに、普段の倍の量の本を借りていく
『私は和食派なんだよ! 』と叫びながら暴れまわる魔法使いに感化されて、今日の紅魔館の晩御飯は和食だったとか
出された和風の晩御飯を食べた門番は『ミソスープと味噌汁の違いが分からないようではね』とその日の料理担当だったメイドのプライドを激しく揺さぶり、のちに料理服を着る事を許されるメイドの激しくも美味しい闘いが始まるのだがこれはまた未来の話

悪魔は魔女に怒られました


作戦その② お米違いはお門違い作戦

何時もより警戒しながら紅魔館にやってきた魔法使いだが、門前にてまたもやちゃぶ台を置いてご飯を食べる門番を発見する
流石に同じ罠に引っ掛かるほど馬鹿じゃないと思いながらも、魔法使いの視線は門番が食べるご飯に釘付け
『今回用意された食材は、新鮮な山の幸と海の幸を~』なんてナレーションまで聞こえる始末、幻想郷では何かあれば自然と何処からとも無く聞こえるので幻聴では無い
例えば新しいスペルカードを使うと『説明しよう! 先ほど使われたスペルカードは~』と言う説明が入るのだ、便利な世界である
ちなみに今回門番が食べているのは和風のご飯に味噌汁、大根と煮魚の和え物、そしてなんと肉じゃが
これらは全部門番が自分で作った物なのだが中華料理でないところに罠の匂いがして止まない、けれど魔法使いはそんな事は知らないので問題ないとか
そして先日と同じく門前に着陸する魔法使い、この作戦を考えた悪魔も『うわ、本当に引っ掛かった』と驚きを隠せない
しかしこの悪魔も先日と同じく自分の分のご飯を確保しそこなっているので人のことは言えない、今日もハンカチを噛みながら半開きの門に待機中

「今日も馳走になるぜ」

そう言ってちゃぶ台の前に座り、無言で催促する魔法使いはまさに関白亭主
もしくは駄目親父、そんな魔法使いにいそいそと味噌汁やおかずを用意する門番は何なのか
そうやって用意された食事に、とても美味しそうな食事に魔法使いは眉をひそめる
ご飯が、白いご飯が無かったのだ
米無し、またもやパンでも食えとか言い出すのかと何気に戦々恐々していた魔法使いだが門番が困ったように空の御櫃を見せたので肩を落とす
しかし魔法使いは困った、この状態でご飯を食べるなど邪道としか言いようが無い
そんな困った魔法使いの元にとうとう元凶である悪魔が姿を現した、その手にはなんとお握りが
確保しそこなったが魔法でご飯を取り寄せたらしい、転んでもただでは起きないのが悪魔の強み

唐突に作戦変更その②β版 女王様で威光な作戦

何気に自分の我がままで作戦を変更している悪魔、美味しそうにお握りを食べるその姿はとても悪魔に見えない
自分にはご飯が無いのに目の前でご飯を食べる悪魔に怒り心頭な魔法使いの脳裏には、別に自分の為に用意されたんじゃないと言う常識は何のそのであった
歯軋りまでせんばかりの魔法使いを見て内心で『ざまぁ味噌漬け』と実年齢を思い起こさせる事を思いながら、魔法使いを実際に見下しながら宣言する

「ご飯が無ければパンを食べれば良いじゃない! 」

魔法使いの中で、悪魔をギロチンの刑にかける事がこの瞬間に決定した
その怒りを腕に込めて、今必殺のちゃぶ台返しを悪魔に向けて放った魔法使いは同時に箒を脇で抱き締めて超低空かつ高速飛行を実行
咄嗟の判断で気を利かせた門番が食事は全部回収していたので飛んだのはちゃぶ台だけ、そのちゃぶ台は放物線ではなく直線を描いて悪魔の顔面に直撃した
そのまま後ろに倒れた悪魔に追い討ちをかけるべく飛んできた魔法使いは、一切の躊躇も無く箒から手を離し伸ばした足を悪魔の首に叩きつけた

『説明しよう! 今使った霧雨魔理沙の技は『ギロチンドロップ』と呼ばれる~』

途中解説が入ったが誰も聞いていなかった、唯一聞いてくれそうな悪魔は泡を吹いて悶絶していたのだ
しかし今回は門前でストレス解消気味な行為を行ったので、少しすっきりした表情で魔法使いは何時もより減らして本を借りていった
門前でのやり取りを見ていた館の主が己の従者に『ワインが無ければ血を飲めばよいのよ』と言って少しカリスマを上げた、ちょっと格好良かったらしい

悪魔は魔女に褒められましたが、もう魔法使いに下手に関わるのは止そうと思いました(全治一週間)


今回食べっぱなしだった門番は、体重が15g増えたけれど胸の大きさが2cm増えました
けれど魔法使いが本を持っていく限り、第二第三の悪魔がやってきて門番の胸を大きくするだろう


後になって何処かで見たことがあるような題名だと思ったので、少し改名
根っこ
コメント



1.CACAO100%削除
>けれど魔法使いが本を持っていく限り、第二第三の悪魔がやってきて門番の胸を大きくするだろう
第十の悪魔ぐらいの時、咲夜さんも参加するとおm(サツジンドール
2.変身D削除
別の意味でブラックになってる小悪魔に吹いた(w
あと、魔理沙にいそいそと御飯を用意する美鈴に萌えた(w
3.名無し妖怪削除
美鈴の胸の比重が軽すぎる件についてwwww
4.名無し妖怪削除
お米違いはお門違い作戦が実際はどんな作戦だったのか
とても気になります
5.名無し妖怪削除
小悪魔何もしないほうがよかったんじゃね?w
6.名無し妖怪削除
身を挺して本の減少量を減らした小悪魔の勇姿に涙が