卵を拾いました ローレライ
暖めてみる事にしました ローレライ
─ 意味あり気ですが実は全くありません ─
「紫様、紫様。起きてください」
マヨイガの朝。式神の八雲 藍が自分の主を起こしに部屋へと入る。
主の八雲 紫は、布団に包まってスヤスヤと寝息を立てていた。
「紫様、朝ですよ。早く起きてください」
「んー、後五分ー」
「何を中学生みたいな事おっしゃられるのですか。起きてください」
「やだー、ねーるーのー!」
布団越しに体を揺さぶってみるが、起きようとする気配は見られない。
どうやら平穏な手段では起きてもらえないようだ。
「はぁ、仕方ない……」
「すぷー、すぷー」
二度寝をし始めた紫を揺さぶるのを止め、その下に敷いてある敷き布団をむんずと掴む。
「はぁぁぁぁぁ……! ─ 藍奥義「究極お布団返し」 ─ !!」
気合一閃、藍は敷き布団を紫が居るにもかかわらず豪快に捲り上げた。
「ひゃんっ!?」
情け無い声を出しながら捲られた勢いで転がっていく紫。
バリィッ!
めきめきっ!
ゴスン!
ほ、ほぎー
襖を思いっきり破り、壁を盛大に破壊して、止めに庭の大石に頭を打ち付け、情け無い声を上げる。
「そこまで盛大に吹き飛ぶわけ無いでしょう。朝餉が冷めますので、気が済んだら早く着替えて来てくださいね」
「はーい」
マヨイガでは良くある光景だった。
「いただきます」
「「いっただきまーす」」
落ち着いた声が一つと元気な声が二つ、マヨイガの食卓に響き渡る。
紫と藍と橙の三人が、丸い食卓を囲んでいた。人じゃないが。
「パクパク、ところで、もしゃもしゃ、藍、んぐんぐ、今日の、かりこり、予定は?」
「紫様、食べながら喋らないでください。橙が真似したらどうするんですか」
藍が少し怒ったような声で言う。顔には紫の口から飛んできたご飯粒がいくつも付いていた。
「モグモグ、ごくん。まぁいいじゃないの、真似したら真似したらで」
「そういう行き当たりばったりな思考じゃ駄目なんですよ、教育と言うのは」
「その割には藍は良い子に育ってくれたわよねー」
「私は反面教師が最適だったんですよ」
ハァと溜め息を付きながら藍は疲れた顔をする。
恐らく幻想郷苦労人格付けランクチェックがあれば間違いなくベスト5に食い込めるだろう。
嬉しい事ではないのだが。
「ご馳走様ー!行って来まーす!」
大人二人がそんな話をしているうちに橙は朝食を食べ終え、一目散に外へと駆け出して行った。
「お昼までには一旦帰ってく……ちぇぇぇぇん!ピーマンを残して颯爽と遊びに行くなぁぁぁぁ!」
藍が必死に叫んだが、既に橙はスペルを使用しての移動でマヨイガを抜け出していた。
紫がニヨニヨと笑っていたので口の中にヒジキを投げ入れて差し上げた。
全紫が号泣した。
「それでは紫様、本日の予定を申し上げます」
「頼むわ、藍」
藍はどこからか取り出した紙の束を、捲りながら読み上げていく。
「まず幻想行きになったもの達の審査です。まずはコーラ、ソーダ等各種様々な臭いを持つネリ消しです」
「あー、無意味に集めたりしたわねー。二つの違うネリ消しを合成して変な臭いにしたり。許可するわ」
「承知しました。次はブロック崩しですね、しかも机型の。これは私も随分やり込みましたよ」
「あら、藍はブロック崩し派だったのね。私はインベーダーにもっぱら夢中になっていたわ。許可」
「次は……これまた珍しい物ですね。アメリカンヨーヨーです」
「犬の散歩やループ・ザ・ループなんて技もあったわねぇ。許可ー」
「私は何とか東京タワーまでできるようになりました。次は……若き日の田○ま○しです」
「不許可」
「分かりました。次は……青色一号?花火の名称か何かでしょうか」
「ほら、前にコッソリ幻想郷を抜け出した時に買ってきてあげたでしょう?ポ○ション。多分アレよ。不許可」
「橙が凄く嫌がりましたしね……」
暫くの間、二人は色々相談をしながら認可を出していた。
「審査はこんな所ですね。次は本日の幻想の具現です」
藍は新しい紙を一枚取り出した。
「まず霊夢の胸がDカップ、白黒に生える。ネチョー用ですね」
「多分白黒が攻めでしょうね。あの二人は攻守どっちも万能だから面白いわー」
─ 博麗神社 ─
ズズズズズ……。はぁお茶が美味……痛っ!胸でかっ!?
れーいむ!乙女の大ピンチにな……でかっ!?ちくしょう霊夢の裏切り者ー!
「紅魔館は門番がシリアス、メイド長が変態系のギャグキャラです。いつも思うのですが大丈夫なのですかコレ?」
「さぁ?意外と駄目なんじゃない?」
─ 紅魔館 門前 ─
ふぅ、今日も平和ですねぇ。そもそも門番が忙しかったら危険極まりないですけれど
暇そうね、だからってそこまでだらけてると……あら、鼻血が
だ、大丈夫ですか!?咲夜さん!
だ……駄目っぽいわ……めー萌え!めー萌え!
キャーッ!咲夜さんがおびただしいほどの鼻血を出しながら襲ってきたー!?
「えーと、図書館のがまとも。吸血鬼の姉の方が幼女化、妹が狂気単色で、司書が……ビックこぁMk=Ⅲ?」
「ちょいちょいっと。相変わらずあそこはバラつきが激しいわねぇ。ところでビックこぁMk=Ⅲって何なの?」
─ 紅魔館 ヴワル大図書館 ─
ぱ、パチェー。体が熱くて……
パチュリー様、私も何だかおかしくなりそうです!
レミィも小悪魔もどうしたのよ一体?えーと、目の前の二人の体調を消極的に戻すには……
ねぇお姉様、パチュリー、遊んで頂戴?他の奴だと直ぐ真っ赤になって壊れちゃうの
れみりあう~
こぁー!
……えーと、目の前の出来事を消極的に逃げ出すには
「次は白玉楼ですね。えーと……出番無しだそうです」
「あら、珍しい。いっつも食欲大魔神の幻想しか入ってこないのに」
「まぁ何も無くてもあそこはあまり変わらないと思いますけれど」
─ 白玉楼 ─
コンパクション!
妖夢。前々から言いたかったんだけれど、そのクシャミの仕方はおかしいと思うの
ふぇ?何がですか?
……もしかしてもしかしなくても自覚してなかったのね
「それにしても外の世界の幻想って凄いわねぇ。ある意味飽きないわ」
「特に胸の大きさが千差万別なのが凄いですね。コロコロ変わる人はたまったものではありませんが」
「さて、次は永遠亭かしら?」
「はい。詐欺兎が……ただの兎?何ですかこの幻想は。背の高い兎が……穿いてない。これって幻想なんですか?」
「悲しいけれど、外の世界では穿いてない者が居ないのよ。普通そうだとおもうけれど」
「妄想に限りなく近いですね。えー薬師が『人の味覚を破壊する料理を作る程度の能力』。月の姫は引きこもりだそうです」
─ 永遠亭 ─
てゐー、朝御飯できたわよー
コリコリコリ、ピクン!カリカリカリ
し、師匠ーっ!てゐが兎になってますー!
まぁまぁウドンゲ、御飯でも食べて落ち着きなさい
あ、はい。いただきます。……ひぃでぇぶっ!!
ん?間違ったかしら?後ウドンゲ、開放的なのは良いけれど慎みくらい持ちなさい
助けてえーりーん、部屋から出たいのに体が拒絶するのぉー
「本日の仕事はこれで終了です。紫様、お疲れ様でした」
「んー、境界をいじるのはやっぱり疲れるわー」
そう言って紫は大きく伸びをする。
胸が自分の服に押しつぶされた。
「今からお昼を作るので待っていてください」
「今日のお昼御飯は何なの?」
「そうですね、久々に素麺にしてみましょうか」
「わーい、藍の素麺ー」
幻想郷は、今日も変わらなかった。
咲夜さんのパッドは、ゆかりんの許可によって生まれたということなのか!?
・咲夜さんは貧乳じゃないよ! 巨、ではないけど適くらいはあるよ!
・霊夢は膨らみかけ。
・うどんげは縞パン。水色と白。
色々有るけどこれ以上はゆかりん疲れそうだから言わないよ!
頑張れゆかりん!
・レミリアは弱気で奥手な女の子
ゆかりん頑張って!
・うどんげの由来はうどんの毛じゃない優曇華って言う木の名前だよ!
・MDプレーヤー幻想郷に到来したよ!
・幻想郷の苦労人に一心不乱のお疲れ様DAYがあるよ!
兎に角、ゆかりん頑張れ、藍様負けるなと言ってあげたい。
はっ!まさかこれもすでに我々の世界では幻想に!?
兎に角ゆかりんがんばれ!
ならばむしろゆかりん自身の幻想を
・ゆかりんは少女臭漂う乙女だよ! だけどちょっと靴下も匂うかもよ!
・妄想具現化
であると判断が・・・
どっちが勝つかな