レティが倒れ、チルノが散った春の日のこと、静かになった湖畔を少女が歩いていた。
「やぁ妖精さん……ちょいとものを尋ねるが」
「何かしら? 人間のような人」
「ここいらに、レティとチルノって二人組がいるはずなんだけど」
「ああ、そりゃ、いたことはいたけどねぇ、今はもういないよ」
「と、いうと?」
「つい朝方のことさ。紅白黒の人間に退治されて! レティは雪のかけらに、チルノは氷のつぶになってしまったよ」
「へぇぇ? そりゃ参ったなぁ」
「そういうあんたは何用?」
「いやさ。手間をかけたね」
「じゃあ、お礼に命を頂戴」
と躍りかかってきた大妖精をひらりとかわし、少女はダンビラをぶっこぬくや、バラリズンと一刀両断にした。
「いたた。ほんの冗談じゃあないの」
下半身をもってほうほうのていで逃げ出す大妖精を笑って見逃し、少女はサテと思案顔。
これなん、冥界の庭師魂魄妖夢であること、読者諸氏はとうにお気づきであろう。
「人間なら死ねば冥土に来るけれど、妖精のたぐいはどうなるのか知らん?」
悩んでいると、水辺で遊ぶ声が聞こえた。
「やあ、あれは八雲の?」
それは彼女の主の友の式の式の黒猫の橙だった。
「お嬢ちゃん、何をしているの?」
「あぁ! これは西行寺さんちの……いえ、ちょいと玉遊びをしていたんです」
「へぇ? どれどれ」
と差し出された『玉』を見て、妖夢思わずのけぞった。
「これは頭蓋骨じゃあないの。こんなもので遊んではいけないよ」
「へぇぇ? そうなんですか。うちの人たちはよく遊んでいますよ。放ったり、腰掛けたり、食器にしたり」
「……さもあろうね」
とはいえ見捨ててもおけず、妖夢穴を掘ってしゃれこうべを埋め、墓標を築いた。
「南無三」
「南無~」
妖夢の真似をして手を合わせる黒猫。
と、とつじょ墓石がぐらぐらと揺れ、地面が盛りあがった。
「なんと?」
見る間に這い出てきたのは小娘であった。
「ああ! ほんとにもう。まるで死ぬところだったわよ」
「あんたは誰?」
「あたしはチルノだわ」
そこでチルノはいった。彼女は魔法使いめによって焼かれ、骨だけになってしまった。
それはまぁ良かったが、大地の力で復活せねばならないのに、橙にボール代わりにされてしまい、なかなか蘇れなかったというのだった。
「ははぁ! さすがに妖精というのはしぶといものだね」
「コケにしないでよね! 氷精なのよあたし」
そこで妖夢がいう。「実をいうと私は、あんたとレティを迎えにきたのよ」
「って、いうと?」
「急にあんたらの寒いトークを聞きたくなってねぇ」
「誰が寒いって!?」
それはそうと、はたしてレティは復活するのであろうか。
しかし残念ながら、それを知るすべはない。
なぜなら、ここでこの話は終わるからである。
「やぁ妖精さん……ちょいとものを尋ねるが」
「何かしら? 人間のような人」
「ここいらに、レティとチルノって二人組がいるはずなんだけど」
「ああ、そりゃ、いたことはいたけどねぇ、今はもういないよ」
「と、いうと?」
「つい朝方のことさ。紅白黒の人間に退治されて! レティは雪のかけらに、チルノは氷のつぶになってしまったよ」
「へぇぇ? そりゃ参ったなぁ」
「そういうあんたは何用?」
「いやさ。手間をかけたね」
「じゃあ、お礼に命を頂戴」
と躍りかかってきた大妖精をひらりとかわし、少女はダンビラをぶっこぬくや、バラリズンと一刀両断にした。
「いたた。ほんの冗談じゃあないの」
下半身をもってほうほうのていで逃げ出す大妖精を笑って見逃し、少女はサテと思案顔。
これなん、冥界の庭師魂魄妖夢であること、読者諸氏はとうにお気づきであろう。
「人間なら死ねば冥土に来るけれど、妖精のたぐいはどうなるのか知らん?」
悩んでいると、水辺で遊ぶ声が聞こえた。
「やあ、あれは八雲の?」
それは彼女の主の友の式の式の黒猫の橙だった。
「お嬢ちゃん、何をしているの?」
「あぁ! これは西行寺さんちの……いえ、ちょいと玉遊びをしていたんです」
「へぇ? どれどれ」
と差し出された『玉』を見て、妖夢思わずのけぞった。
「これは頭蓋骨じゃあないの。こんなもので遊んではいけないよ」
「へぇぇ? そうなんですか。うちの人たちはよく遊んでいますよ。放ったり、腰掛けたり、食器にしたり」
「……さもあろうね」
とはいえ見捨ててもおけず、妖夢穴を掘ってしゃれこうべを埋め、墓標を築いた。
「南無三」
「南無~」
妖夢の真似をして手を合わせる黒猫。
と、とつじょ墓石がぐらぐらと揺れ、地面が盛りあがった。
「なんと?」
見る間に這い出てきたのは小娘であった。
「ああ! ほんとにもう。まるで死ぬところだったわよ」
「あんたは誰?」
「あたしはチルノだわ」
そこでチルノはいった。彼女は魔法使いめによって焼かれ、骨だけになってしまった。
それはまぁ良かったが、大地の力で復活せねばならないのに、橙にボール代わりにされてしまい、なかなか蘇れなかったというのだった。
「ははぁ! さすがに妖精というのはしぶといものだね」
「コケにしないでよね! 氷精なのよあたし」
そこで妖夢がいう。「実をいうと私は、あんたとレティを迎えにきたのよ」
「って、いうと?」
「急にあんたらの寒いトークを聞きたくなってねぇ」
「誰が寒いって!?」
それはそうと、はたしてレティは復活するのであろうか。
しかし残念ながら、それを知るすべはない。
なぜなら、ここでこの話は終わるからである。
というのは置いといて・・・・・・・・・・・・・・・。
終わるんかいッッッ!!!!?
しかし味のあるSSだ^^