あら、こんな所で、こんな時間に、人に会うなんて珍しい。それも、格好からして『外』から来たのですね。
申し遅れましたが、私、紅魔館でメイド長を勤めております、十六夜咲夜と申します。
ここへは、どの様な目的でいらしたのですか。
山道を普通に歩いていたら、帰り道が分からなくなってしまったのですか。
ははあ、それは多分タチの悪い、境界を操る者の仕業ですね。よくある事なのです。
えっ、私はここに何をしに来たのかですって。
それは、私が仕えるお嬢様の食料を探しに来たのです。
これが結構大変なのですよ。
お嬢様は何かとこだわりが強くて。
でも、主の要望に答えるのも従者冥利に尽きますわ。
あ、初対面の方に、愚痴ってしまって申し訳ありません。
ところで質問があるのですが、あなたの血液型は何ですか。
AB型。そうですか、珍しい種類ですね。
さらに質問よろしいですか?
あなたは、こんな夜更けに、夜の森を歩く私を見て、どう思いましたか。
え、不思議だけど魅力的だと思いましたか。それは大変光栄ですわ。
でも非常に残念です。
私はまた、食料を探しに行かなくてはなりません。
どういう意味かですって。
それは、私のお嬢様は、ご自身を畏れる者の血液しかお飲みにならないからです。
そして私は、お嬢様を畏れ、敬う者。
だから、私を見て畏れる者も、お嬢様のとびきりの食材になるのです。
これは私の勝手な自己解釈ですけどね。
ふふ、そう引きつった顔をしないでください。
言葉や力で、私を畏れる方は対象外ですから。ご安心を。
旅の方、幸運なあなたに、この銀のナイフを差し上げます。
このナイフを周囲から見える様にして、決して手放さないでください。
この少し先に、四辻の林道があります。そこにある祠で朝をお待ちください。
そうすれば、あなたは無事に『外』へ戻ることができますわ。
ただし、北東への道を進むと、また『こちら側』に戻ってしまいますのでご注意を。
あと、今回の事は他言無用でお願い致します。
あなたも、仲の良い友達が、突然行方不明になったら夢見が悪いでしょう。
それでは、これで失礼致しますわ。
さようなら。
あと咲夜さんだけに「だからお前は飼い犬なのさ 」ってヤツですかw
この一言で助かった・・・のか?
>この一言で助かった・・・のか?
はい、助かったんですが、理由としては弱い様な気もします。自分の場合は、見た瞬間に戦略的撤退を計ります。夜の森の中で、メイド服着た美人が歩いてたら、おっかないですよ。では謝々。
>これはいい咲夜さんですね。咲夜さんに狩られ隊が結成されかねん
謝々。でも皆、咲夜さんを慕っていると思うので「どうぞ皆様お引き取りください」て外に追い出されるかも。で、『夜の森を歩く咲夜さんを愛でるツアー』とか出来たりして。