Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

無題

2005/05/29 23:33:11
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「紫様…お願いがあります。」
 珍しく、私が起きるまで手を出さなかったらしい。こんなにすがすがしい朝は
(昼かいや…夜かも)なんと久しぶりのことだろう。
「何かしら?」
 私は、藍のほうを向き、おいてあったお茶をすする。…美味、美味。
「しばらく、お暇をください。」
 ?…藍は少し困ったところはあるが、優秀な式だ。たまの休みくらいはいいだ
ろうが、一応、主人として、言っておくのは当たり前だろう。
「藍、あなたにははずせない仕事をいくつも当てているの。休みをと、言うので
あればきちんと1年以上前に言っておきなさい。まあ、憶えていたら休みにして
あげるけど。」
 これから暇つぶしをするように笑みを浮かべる。
 いつもなら、「紫様、おやめください」とか言ってきてそのままあいまいにな
るようなものだけど…今日の決意は固いらしい。
 こうなると、藍は押しても引いても動かない。私は、はあとため息をつくと、
藍の目を覗き込むように話しかけた。今日の藍の目には曇り一つない。
「で、そのお暇中に何をするの。」
 えっといったように藍の目に迷いが生じる。言うべきか言わざるべきかを迷っ
ている。
 まあ、当然、本人の心に聞けば早いんだけど、そんな野暮なことはしない。こ
ういうのは、本人の口から言わせるのが一番なのだ。決していじめているんじゃ
ないわよ。愛情表現なんだから。
 盛大に悩んでいる。そんなに、私に言いにくいことなのだろうか。
「じゃあいいわね。お暇は出さなくても。人に言えない用事でお暇は出ないわよ。」
 膝の上に乗せた拳がぶるぶると震えている。かわいいわ。これだから…って、
あれ、藍なんでないているの?
「どうしたの?」
 藍の手に瞳からしずくが落ちては、服をぬらしていく。
「藍?…」
「うわぁぁぁぁぁん、紫様、私は、私は…悔しいのです。」
 藍が、まるで子供のように泣き出した。その涙はとどまることを知らずに、畳
をぬらし続けている。私は、それをまるで夢の中にいるようにぼんやりと見つめ
ていることしかできなかった。
 藍が落ち着いてくるのを待って、私は原因を聞いてみることにした。
「どうしたの、藍?チルノにでも負けたの?」
「いえ、違います…抱え死にはプレイヤーの常と教えてくれたのは紫様だったで
はないですか。」
 確かにそうだった。
「弾幕でなら、ほんの少しプライドが傷ついたくらいですみます。しかし…」
 しかし、何なのだろうか。
「私も一介の変態として幻想郷で認知されています。しかし、それが傷つくの
が何よりも悲しいのです。…って、紫様?」
 …スッパか、誰かにスッパで負けたんだな、テンコーでもスッパでも何でも
やってろよ、マンドウゼ、この変態狐め…
「紫様、スキマに顔を突っ込んでのの字を書きながら、呪詛をはくのは止めて
ください。私の話を聞いてください!2分だけでもいい!」
 ああ、語ってみろよ、この変態め、マヨイガでスッパを禁じたのに隠れてや
ってるとはいい度胸だ。
「あれは、ある晴れた暑い日のことでした。」
 へいへい、
「私は、紫様のお食事のために、魔砲の森にハーブを採りに行ってました。」
 …ついでにスッパしたと
「その帰り道のことでした。不意に下を見ると、誰かが争ってました。」
 …藻前ら必死だな。
「1人は白黒の魔砲使い、もう一人は、男の人でした。」
 …サゲ
「男の人が、白黒に襲い掛かっていたのです。少女ハアハア少女ハアハアって言いなが
ら」
 …病院池
「当然、白黒は反撃に転じて、恋の魔砲を至近距離で撃って、そいつを吹き飛
ばしたのです。…私は、そのとき、自らの未熟さを呪いました。」
 …厨房はカエレ
「その光の中で男の人が踊ってました。服はほとんど蒸発して、いたんです。
でも、なぜかふんどしとめがねだけは無傷で。そして、吹き飛ばされながら、
華麗に空中10回転半2捻りをやって、着地したんです。そして、何事もな
かったかのように『おイタは駄目だよ、子猫ちゃん(はあと)』って言って、
白黒の頬に口づけをしたんです。」
 これは、煽りなのか?
「私は、負けを悟りました。私では、あんなにきれいに剥けない。肉体には
傷一つなく、割れた腹筋を惜しげもなく披露するあんなことはできない。紫
様、私はあの人にか…」
 私は、ばれないように、藍の後ろに手を回す。
「?…紫様?」
「藍、辛かったでしょうね。負けを認めるのは簡単にはできることではない
わ。」
 そろそろと両腕の位置を下ろしていく。
「紫様!!」
「でもね、藍…」
 ベストポジション、最高のダメージが与えられる。
「幻想郷でやっていいことと悪いことくらい分かれや!!紫ブリーガー!!!」
「紫様痛いです、本当に痛いです、こ、腰がミシミ…」
「死ねー!!!!」
 ゴキン!
 何かが砕けるような音がして、藍が、その場に倒れる。
「ふん、いい気になりおって。」
 私は、その哀れな式に背を向けると、2度寝のために布団に再び入ったの
であった。

願わくば、次の目覚めがよりよいものでありますように。
コメント



1.名無し妖怪削除
何事かと思えばこーりんかよ!藍、もうかんっぺきに変態として逝っちゃてるのかよ!テンコーかよ!橙が泣くからやめてやれよ!あと、ゆかりん、2CH用語を使うなよ!ヒッキーか(スキマ送り
2.空欄削除
何この変態郷……
とりあえずここの霊夢はケヒってるな、絶対。
3.名無し妖怪削除
    _, ,_ ∩
  ( ゚∀゚)彡 テンコー!! テンコー!!
   ⊂彡
4.沙門削除
 ビバ、スッパテンコー!!色々な知識が身について幸せですよ。ふかふかふかぁ。
5.K-999削除
藍様・・・あんた暇をもらって何するのん? いや、わかっちゃいる・・・わかっちゃいるが・・・・・・

ついでに藍を超えるこーりん・・・あんたが大将やで・・・。
6.名無し妖怪削除
 今更だけど、本当、考えさせられます。あの時、あのスペルに、あの名前が付けられていなかったら、藍様は今頃、どんなキャラとして扱われていたのだろうか、と……
 あと、こーりんが最萌に出なかったら、とかも。