「お邪魔致しますわ」
「また来たよ、魔理沙!」
「おぉ、フランにメイド長。こんな未開の森へようこそだぜ」
「えへへ、今日も魔理沙にプレゼントがあるの」
「フランドールお嬢様お手製、とってもジューシー あら引きフランクフルト、です」
「やっぱり洒落なのか・・・?まあいいんだが。ありがとうな、フラン」
「えへへ~」
「それにしても、フランクフルトまで綺麗にラッピングされるんだな」
「これもね、咲夜に教えてもらったんだよ」
「いえ、私はお傍に控えていただけです。この飾りつけはフランドールお嬢様がご自身の手で施された物ですよ」
「フランクフルトときたらビールとくるのが筋というもの。こちらで用意してありますので、グラスをお借りしますね」
「おお、準備がいいなメイド長。・・・・・・フランは飲んだら駄目だぜ」
「えー」
「さてグラスにビールも注がれたところで一応聞いておくがフラン、今度はちゃんと味見をしたよな?」
「うん、私は美味しかったよ。あっ、今回もい~~~~っぱい作ったから、お姉様やパチュリー達にも食べてもらったんだ」
「折角フランドールお嬢様がお作りになった物ですので、本日の昼食の時間にお出ししました」
「ちゃんと味見をしたんだな、偉いぞ・・・・・・で、今回レミリアは何て言っていた?」
「んー、なんだかお姉様は昼間なのに絶好調だったみたいで、一杯食べてくれたの。
それでね、今回も『美味しいわ、フラン』って言ってくれたよ」
「このフランクフルトがよほどお気に召したのでしょうか、腸詰の肉をモリモリ召し上がる姿はまさに悪魔そのものでしたわ」
「パチュリーの方はどうだった?アイツは肉が苦手そうな気がするが」
「一口食べたところでやっぱり発作が出ちゃったみたい。でも、今回は全部食べてくれたの」
「本日はいつもの発作とは異なり『ンマァーー!!』とか叫びだして色々と大盤振る舞い。ある意味地獄絵図のようでした」
「あと美鈴にも食べてもらったの。『とっても美味しいです』って今回も喜んでくれたから、たくさん食べてもらっちゃった。
でね、美鈴ったら食べたあとおなかが一杯になったみたいで、仕事中なのにお昼寝しちゃったの・・・幸せそうだったなぁ」
「はは、あいつらしいな」
「美鈴は一週間の減給処分と致しました。今は反省部屋ですね」
「・・・なあ、メイド長。フランはちゃんとお前の指導を受けながら作ったんだな」
「はい、僭越ながら私が手ほどきをさせていただきました」
「えへへ、フランクフルトは初めてだったけど一生懸命頑張ったんだよ~」
「初めてか、それは大変だったろうフラン。本当にありがとうな」
「どういたしまして♪ ・・・大変だったけど、咲夜が手伝ってくれたから大丈夫だったの」
「いえ、私はレシピをご用意させて頂いただけ・・・このフランクフルトを作り上げたのはフランドールお嬢様のお力ですよ」
「それからね、今回もここへ来る途中に会った色んな人達に食べてもらったんだよ」
「ほう。それで、皆の感想はどうだったんだ?」
「皆様に大変ご好評頂きました。宵闇の妖怪に至っては一心不乱に食べ散らかす始末、止めるのに苦労したほどでしたわ」
「そこまで凄い味になるとは何か製法に秘密でもあるのか?メイド長秘伝のレシピ、みたいなのが」
「んー、今回は直接咲夜に教わりながら作ったから・・・もしかしたらそうなのかも」
「いえ、ごく普通の製法で作られたフランクフルトですよ。ただフランドールお嬢様の愛情が詰まっているだけです」
「うわぁ瀟洒」
「ちなみに博麗神社に寄って、霊夢さんにも御裾分けしてきました」
「・・・ちなみにアイツも喜んだのか?」
「えっと・・・『やめておくわ、私は菜食主義だから』だってさ。それじゃあ、仕方ないよね」
「ねぇ魔理沙、お話もいいけどそろそろフランクフルトを召し上がれ♪」
「おお、そうだな」
「フランドールお嬢様が魔理沙さんの為に一生懸命作られたこのフランクフルト、私の目にはキラキラと輝いて見えますわ」
「ああ、普通に油で光ってるな」
(ドキドキ
(ワックワク
「いただきまーす」
「どう?魔理沙、美味しい?」
「う、美味いぞフラン! これは美味だぜ!」
「魔理沙さんのお気に召したようで良かったですね、フランドールお嬢様」
「さあ魔理沙さん、ビールのお代わりをどうぞ」
「おお、すまないなメイド長・・・・・・だからフランは駄目だというに」
「えー」
「あぁ、本当に美味いなフランのフランクフルト・・・・・・・・・これは一体何の肉を使ったんだ?」
「紅魔館で飼育していた家畜の中でも最高級の物を使用させていただきました」
「お姉様はとても大切に飼っていたはずなのに、今回私がお料理する為に譲ってくれたの」
「はは、流石のスカーレットデビルも可愛い妹の前ではいいお姉さんなんだな」
「ふふっ、その通りですわね」
「とっても可愛い女の子だったよ。魔理沙の為とはいえ、ちょっと心が痛んじゃった」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「・・・えっと、女の子?」
「うん、そうだよ、女の子。まるで男の子みたいに元気だったけど」
「・・・あの子の飼育係は私でしたが、それでいて大変素直ないい子でした」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「いや待て!!! 洒落にならないぞそれは!!!!!!!!!!!」
「突然どうしたの魔理沙? ほら、ビールでも飲んで落ち着いて~」
「ちなみにこのビールも紅魔館が貯蔵していた最高級の品をご用意させていただきました。お気に召しましたでしょうか」
「いやいや、酔いも一気に醒めたわ!!! これが落ち着いている場合か!!!」
「もしかして材料になってくれた子の事を気にしているの? 優しいんだね、魔理沙・・・」
「意外といえば意外な一面ですわね」
「あああ私はなんてことを・・・」
「一体どうされたんでしょうね魔理沙さん」
「何か震えてるよ魔理沙」
「その材料になった子ってのは・・・まさか人間の女の子だっていうんじゃ・・・」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「この作品の著作権はEciarmにあります。無断転載はご遠慮願いますわ」
「5月のいつかに公開よ」
「いや待て終わるな!!! 頼むから!!!」
「えっとね、魔理沙。私がこのフランクフルトの材料に使ったのは豚さんだよ」
「そ、そうか・・・・・・豚だよなやっぱり。それを聞いて安心したぜ」
「間違いなく館で飼っていた『雌豚』ですわ」
「どっちだぁぁぁああああああああぁあぁ!!!」
次はどうなるのか。。
カニバカニバリズムぞー
カニバリズムぞー
落ちは読めてたのに何かこう……きた。
めちゃ面白!!
いやぁ、最高だ!
面白かったです。
そういや人の肉って豚肉に近いとどこかで聞いたような。