「それでは、講義を始めます」
講師は、ヴワル図書館の主、パチュリー・ノーレッジ。
受講者は、黒い魔女、霧雨魔理沙と、人形遣いのアリス・マーガトロイド。
テーブルの上に茶菓子を広げ、講師の話を聞きながらパクついている。
「よっ、待ってました」
「魔理沙、それ私のクッキーよ返して」
講師は、人形遣いを一睨みして、話を続ける。
「平行世界、パラレルワールドと呼ばれる物は、例えるならこの魔導書のページ同士のような物」
取り出したその本のタイトルは『アル・アジフ』。魔理沙の喉がごくりとなる。
「平行かつ無限に存在する世界が、交わる事無く存在する。でも、すべての世界がまるっきり同じ訳じゃないわ。隣に、ほんの僅かに違う世界があり、そこから遠ざかるほど、どんどん変化が大きくなる」
講師はホワイトボードに文字を書き込む。
「たとえば、うちのメイド長の咲夜。彼女を例にたとえるとこんな感じかしら」
胸が大きい。
料理が苦手。
完全ではない。
猫舌ではない。
「これが、遠ざかるとこんな感じになるかしら」
実は漢だ。
胸板が厚い。
胸毛が濃い。
脛毛も濃い。
時を止められるが自分も動けない。
自分だけ時が止まる。
お嬢様が嫌い。
お嬢様にも嫌われている。
制服は常にフリルのついた褌一丁だ。
「こういうのも在るかもね」
お嬢様より、霊夢を愛している。
お嬢様より、魔理沙を愛している。
お嬢様より、妖夢を愛している。
お嬢様より、アリスを・・・・・・愛していない。
お嬢様より、紫を愛している。
お嬢様より、幽々子を愛している。
お嬢様より、紅美鈴を食べたいほど愛している。
お嬢様からは愛されない。未来永劫。
「えーと、それから」
「悪いが邪魔するぜ。色々突っ込みたいところが山ほどあるが」
「わたしもよ!! 」
「話の腰を折るが、さっきまでメイド長がここにいた。泣きながら出て行ったぞ。なんか恨みでもあるのか」
「あくまで、たとえ話なんだから。じゃあ次に」
「まだ続くのか」
結局、講義は夕方まで続き、帰り道、紅魔館の門前で、針千本になっている門番を二人は発見した。
その晩、紅魔館からは延々と、咲夜の忍び泣きが聞こえたとかなんとか。
「おわれ」
・・・あくまで「ある意味」ですよ?
そして、あらゆる人物を愛する中で、なんでアリスは愛してないんだろう・・・。気になる^^
霖之助じゃねーか((( ;゚Д゚)))
咲夜さんがイジられる話、っていうのも珍しいかも。
なんにしろ、「悪ノリ」、大いに楽しませてもらいましたッ!
ノリマキセンベイ・・・!
>ノリマキセンベイ・・・!
自分はリアルタイムで読んでいたくちなので、現在上のほうでDrパチュが大暴れしています。よろしければ、また読んでやってください。謝々。