Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

「平行宇宙についての講義」

2005/05/21 05:50:36
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1
 
 「それでは、講義を始めます」
 講師は、ヴワル図書館の主、パチュリー・ノーレッジ。
 受講者は、黒い魔女、霧雨魔理沙と、人形遣いのアリス・マーガトロイド。
 テーブルの上に茶菓子を広げ、講師の話を聞きながらパクついている。

 「よっ、待ってました」
 「魔理沙、それ私のクッキーよ返して」
 講師は、人形遣いを一睨みして、話を続ける。

 「平行世界、パラレルワールドと呼ばれる物は、例えるならこの魔導書のページ同士のような物」
 取り出したその本のタイトルは『アル・アジフ』。魔理沙の喉がごくりとなる。

 「平行かつ無限に存在する世界が、交わる事無く存在する。でも、すべての世界がまるっきり同じ訳じゃないわ。隣に、ほんの僅かに違う世界があり、そこから遠ざかるほど、どんどん変化が大きくなる」
 講師はホワイトボードに文字を書き込む。

 「たとえば、うちのメイド長の咲夜。彼女を例にたとえるとこんな感じかしら」

 胸が大きい。
 
 料理が苦手。
 
 完全ではない。
 
 猫舌ではない。

 「これが、遠ざかるとこんな感じになるかしら」

 実は漢だ。

 胸板が厚い。
 
 胸毛が濃い。

 脛毛も濃い。

 時を止められるが自分も動けない。

 自分だけ時が止まる。

 お嬢様が嫌い。

 お嬢様にも嫌われている。

 制服は常にフリルのついた褌一丁だ。

 「こういうのも在るかもね」

 お嬢様より、霊夢を愛している。

 お嬢様より、魔理沙を愛している。

 お嬢様より、妖夢を愛している。

 お嬢様より、アリスを・・・・・・愛していない。

 お嬢様より、紫を愛している。

 お嬢様より、幽々子を愛している。

 お嬢様より、紅美鈴を食べたいほど愛している。

 お嬢様からは愛されない。未来永劫。

 「えーと、それから」
 
 「悪いが邪魔するぜ。色々突っ込みたいところが山ほどあるが」

 「わたしもよ!! 」

 「話の腰を折るが、さっきまでメイド長がここにいた。泣きながら出て行ったぞ。なんか恨みでもあるのか」

 「あくまで、たとえ話なんだから。じゃあ次に」

 「まだ続くのか」

 結局、講義は夕方まで続き、帰り道、紅魔館の門前で、針千本になっている門番を二人は発見した。

 その晩、紅魔館からは延々と、咲夜の忍び泣きが聞こえたとかなんとか。

 「おわれ」
 
 パラレルワールドって無限に存在するから仕方の無い事なのです。南無。
沙門
コメント



1.K-999削除
ある意味今現在でも美鈴を愛している気もしますね。
・・・あくまで「ある意味」ですよ?
そして、あらゆる人物を愛する中で、なんでアリスは愛してないんだろう・・・。気になる^^
2.danz削除
>実は漢だ。胸板が厚い。胸毛が濃い。制服は常にフリルのついた褌一丁だ。

霖之助じゃねーか((( ;゚Д゚)))
3.沙門削除
悪ノリが過ぎました。すいません。
4.名無し妖怪削除
気持ちの良い位に、題名から内容を窺い知る事が困難なお話ですねぇ~
咲夜さんがイジられる話、っていうのも珍しいかも。
なんにしろ、「悪ノリ」、大いに楽しませてもらいましたッ!
5.削除
>時を止められるが自分も動けない。

ノリマキセンベイ・・・!
6.沙門削除
 ご感想ありがとうございます。返事が遅くなりましてすみません。
>ノリマキセンベイ・・・!
自分はリアルタイムで読んでいたくちなので、現在上のほうでDrパチュが大暴れしています。よろしければ、また読んでやってください。謝々。