リリカも釣った。
次めるぽ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
メルラン「お・・・おお・・・かかった」
あくまでもマイペースなのか、それとも脳の音速が遅いのか、どちらにせよメルランの反応が淡泊だ。
ルナサ「だ、大丈夫か?」
萃香「手伝おうか!?」
気遣うルナサとその隣でマッスルマッスルのポーズを取りつつ張り切る萃香
メルラン「ううん、大丈夫・・・っぽい」
ルナサ「ぽい?」
メルラン「っぽい」
萃香「ぽいの?」
しばらくアタリを探る様に何度か釣り竿を引っ張っていたが、どうにも反応が薄いため
メルラン「うん、大丈夫」
そう判断した。判断が決まれば後は釣るだけ。
メルラン「よういしょっ・・・と」
釣れた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
予想を裏切ることなく、それは大きい物ではなく、メルランの両手で抱えられる程の物。整った螺旋の形状、滑らかな表面・・・
いや説明は一言で片が付くだろう。
メルラン「貝?」
ルナサ「貝・・・?」
リリカ「貝だね」
貝だ。
魔理沙「香霖、出番だぜ」
霖之助「別段おかしな所はないが・・・な・・・?」
多少警戒はしながら霖之助はその貝を手に取り、貝を持ったまま硬直した。
霖之助「・・・まさか、いや、そんな馬鹿な」
魔理沙「はいはい、もったいぶった台詞はいいからどうかしたのか?」
霖之助「・・・少し君は情緒とか風情を学んだ方が良いんじゃないか?」
魔理沙「今、その話は関係ないぜ、さあどうしたんだ?」
溜息を一つ
霖之助「驚くなかれ、これも楽器だ」
衝撃
それは勢い余って逆に周囲を静まらせた。
魔理沙「ハハハ、ソレハカイダゼ、ドコガガッキダッテンダ?」
霖之助「落ち着け魔理沙、正直僕もびっくりだ・・・名称法螺貝、用途は吹奏、楽器と言うよりは合図や号令、もしくはやはり儀礼の際に使う物なのだが少なからず音程の制御が可能な限り楽器と呼ぶ他あるまい?」
楽器
ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない楽器もあるこのご時世だ、貝が楽器でもおかしくないのかも知れない、やはり外界というのは恐ろしい。
霖之助「百聞は一聴に如かず、吹いてみると良い」
メルラン「吹くの?」
霖之助「Yes,さあ存分にどうぞ」
多少不安だがまあいい、吹奏は自分の専売特許、
メルラン「す~・・・」
吹く。
ふぁお~~~~~~~・・・
萃香「おお・・・何かこう・・・」
妖夢「血が騒ぐ・・・というか」
美鈴「ああ・・・解ります」
レミリア「・・・どうしたの?中国は」
フランドール「さあ・・・なんか悦に入ってる」
パチュリー「にしても妙な音ね、壊れてるのかしら?」
輝夜「懐かしいわね、下界を思い出すわ」
妹紅「あたしゃ下町っ娘だからあんまり・・・寺にも用がなかったし」
それぞれ感想によるとやはり極東の物であるらしい。
霊夢「しかし素っ頓狂な物を・・・どこから持ってきたのそこのスキマぁ!台所漁るんじゃねえ!!」
紫「ひはひは、へふにほふほふへいはふは」
霊夢「飯を頬張るか、喋るかどっちかにする!」
紫「うええ・・・」
霊夢「出すなああああ!!!!!!」
紫「場所を指定することはないわよ、むしろ重ならないようにしてるわ」
幽々子「あらあら紫、食べ物を粗末にしちゃ駄目よ・・・はむ」
霊夢「アンタも喰うなあああああ!!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルナサ「これで三人全員揃ったな」
リリカ「まね」
メルラン「おそろいおそろい~」
大きさ種類にかなり・・・いや凄くばらつきがあるものの、楽器は楽器、その上、長女弦楽器、次女管楽器、末女鍵盤楽器というアイデンティディも崩していない。
ルナサ「じゃあ・・・演奏るか」
メルラン「了解」
リリカ「はいはい~」
霊夢「ちょい待ち」
唐突に割って入ってきた霊夢
ルナサ「なんだ?」
霊夢「此処、一応私の家だから、主催者は・・・」
紫「餅が喉に詰まったら飯を丸飲みするのよ」
ルーミア「そーなの・・・うぐぅ、おごお!!」
橙「ご・・・ご飯が喉に詰まってるよ~」
紫「飯が喉に詰まったら医者を呼べ、手遅れになるなよ!ウォンチュウ!だそうよ」
永琳「はいはい医者ね、ホントは薬剤師だけどはい長葱、押し込んであげて」
霊夢「あてにならん」
ルナサ「うむ」
顔を見合わせ頷く二人
霊夢「やるってのは・・・演奏?」
ルナサ「ああ、何か問題が?」
霊夢「いやそれ以前に」
三姉妹がそれぞれ手に持つ楽器を眺める。
百歩譲って弦楽器と鍵盤は解る、共に西洋の楽器のようなので合わないと言うことはないだろう。しかしその次にその貝、ある意味東洋の神秘を投入するのは如何な物か?
言うなれば、紅茶にミルクを入れて黒砂糖をぶちまける、混沌の誕生だ。
霊夢「危険な香りがむんむんよ」
ルナサ「HAHAHA、そうなれば我ら騒霊の得意分野ではないか」
霊夢「だから此処私の家」
ルナサ「我騒ぐ、故に我在り!」
霊夢「いやだから・・・」
リリカ「けちけちすんな~!」
メルラン「そうだそうだ~!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ出した二人、それに押されるように項垂れ、額に手を当てる霊夢
霊夢「ああもう・・・ちゃんと演奏してよ?演騒は駄目!」
ルナサ「了解・・・リリカ、メルラン、やるぞ」
リリカ「わ~い!!」
メルラン「わ~い」
走り出す次女と末女を見ながら歩くルナサに霊夢はもう一度だけ振り向く
霊夢「あ~・・・っと騒霊の黒いの!」
ルナサ「ル・ナ・サ・だ」
霊夢「じゃあ、ルナサ」
霊夢「出来るんでしょうね?」
霊夢の問いにルナサは一言
ルナサ「任せろ」
妖しい微笑を返した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
何時だったか
自分達は創られたという事実を亡霊の姫から聴いた事がある。
その時の姫の普段の陽気さとはうってかわって深刻な顔、私達にはそれがおかしくってその場で吹き出し、あっけにとられる姫を前にこういった。
「今騒げて、未来でも騒げる、なら過去に何を望む?」
こう言った。多分
元の私達がどうだろうが、はっきり言って関係ない。
ただ騒ぎたいから騒ぐ霊
それが私達騒霊三姉妹だ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
周囲の喧騒が自分の中から消えるのを感じ、奏でる。
弦が響く。
最初は何時も私、音程を守り、拍子を合わせ、他の二人の礎になれるように。
鍵盤を奏でる。
次は何時も私、私の音を生み出しつつも、姉さん達の音を壊さぬように。
管が鳴り響く。
最後は何時も私、二人が整えてくれた最高の舞台で、思う存分私の音が鳴り響けるように
三人の音が共鳴し、混じり合い、一つの音となる。
これが私達の奏でると言う事。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ひとしきり奏で終わった。
終わらせたわけでも終わらせられたわけでもない。
奏でるという行為は場の雰囲気に左右されることが多い。
終わるべくして終わったのだ。
と
拍手
縁側に座っている目出度い人間が両の手を何度も打ち鳴らす。
つられる様にスキマ妖怪、吸血鬼、そこから先は何重もの拍手が重なり、
何時しかその場にいる全員が自分達の為に拍手をくれた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
紫「んふふ、貴女が見込んだだけはあるわね」
霊夢「何もしてない・・・ただ」
紫「ただ?」
霊夢「あんなもんでどんな演奏してくれんのか気になっただけ・・・予想をかなり超えてたけど」
紫「本当ね」
予想を超えるどころか、誰も予想することすら出来なかっただろう。
全く法則性のない、三人の音が重なり合う
これが彼女達の合奏という物なのだ。
ルナサ「え~それでは盛大なるアンコールにお答えして」
え!?
リリカ「騒ぎます!」
混沌が始まった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大音量と雑音の共鳴
思う存分に楽器をかき鳴らす騒霊
一種の地獄絵図が此処に降臨しようとはこれも予測不可能だろう。
霊夢「あの阿呆が・・・騒ぐなっつっとろーに」
一見平気そうな霊夢も、耳に固く栓をしている。
紫「まあまあ、奏でた後には騒ぎが来るものよ」
霊夢「なんですって?」
紫「ちょっとだけ耳栓外してみなさい」(手話)
霊夢「ふむ・・・?」
ほんの少しずらしただけで、破滅的音楽が嫌が応でも耳に入ってきた。
紫「気づいた?」
霊夢「何が?」
紫「ヒントはあの娘達」
霊夢「・・・・・・?・・・ああ・・・ああ?」
成る程、まあそう言うことにはならなくもないだろう。
てんでバラバラに掻き鳴らしているだけの雑音の中で、三人はかなりの頻度でリズムが合っている。
それは混沌の中にこそある法則
霊夢「まあ合奏ならぬ合騒ってことでしょ」
紫「御名答、奏と騒は対極にある物なのよ、貴女の紅白の様に」
霊夢「だから片方だけでは成り立たない・・・と」
紫「そうよ、生き物は都合の良い方だけ選びたがるから」
霊夢「はいはい」
霊夢は片方だけ耳栓を外した。
紫「あら、それだけ?」
霊夢「私は立派な生き物、だからこれで良いの」
紫「もう」
騒と奏は対極にある。
雰囲気に流される合奏と雰囲気を打ち壊す合騒
だからと言うわけではないだろうが、今の彼女達は
とても楽しそうだ。と霊夢は思った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちなみにこの大合騒の後
神社の一部が音響破壊の被害に遭い。
長女ルナサはその責任を取って般若心経フルコース責めにより白玉楼の更に先が見えそうになったらしいが、それはまた別のお話
糸冬
次めるぽ
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メルラン「お・・・おお・・・かかった」
あくまでもマイペースなのか、それとも脳の音速が遅いのか、どちらにせよメルランの反応が淡泊だ。
ルナサ「だ、大丈夫か?」
萃香「手伝おうか!?」
気遣うルナサとその隣でマッスルマッスルのポーズを取りつつ張り切る萃香
メルラン「ううん、大丈夫・・・っぽい」
ルナサ「ぽい?」
メルラン「っぽい」
萃香「ぽいの?」
しばらくアタリを探る様に何度か釣り竿を引っ張っていたが、どうにも反応が薄いため
メルラン「うん、大丈夫」
そう判断した。判断が決まれば後は釣るだけ。
メルラン「よういしょっ・・・と」
釣れた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
予想を裏切ることなく、それは大きい物ではなく、メルランの両手で抱えられる程の物。整った螺旋の形状、滑らかな表面・・・
いや説明は一言で片が付くだろう。
メルラン「貝?」
ルナサ「貝・・・?」
リリカ「貝だね」
貝だ。
魔理沙「香霖、出番だぜ」
霖之助「別段おかしな所はないが・・・な・・・?」
多少警戒はしながら霖之助はその貝を手に取り、貝を持ったまま硬直した。
霖之助「・・・まさか、いや、そんな馬鹿な」
魔理沙「はいはい、もったいぶった台詞はいいからどうかしたのか?」
霖之助「・・・少し君は情緒とか風情を学んだ方が良いんじゃないか?」
魔理沙「今、その話は関係ないぜ、さあどうしたんだ?」
溜息を一つ
霖之助「驚くなかれ、これも楽器だ」
衝撃
それは勢い余って逆に周囲を静まらせた。
魔理沙「ハハハ、ソレハカイダゼ、ドコガガッキダッテンダ?」
霖之助「落ち着け魔理沙、正直僕もびっくりだ・・・名称法螺貝、用途は吹奏、楽器と言うよりは合図や号令、もしくはやはり儀礼の際に使う物なのだが少なからず音程の制御が可能な限り楽器と呼ぶ他あるまい?」
楽器
ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない楽器もあるこのご時世だ、貝が楽器でもおかしくないのかも知れない、やはり外界というのは恐ろしい。
霖之助「百聞は一聴に如かず、吹いてみると良い」
メルラン「吹くの?」
霖之助「Yes,さあ存分にどうぞ」
多少不安だがまあいい、吹奏は自分の専売特許、
メルラン「す~・・・」
吹く。
ふぁお~~~~~~~・・・
萃香「おお・・・何かこう・・・」
妖夢「血が騒ぐ・・・というか」
美鈴「ああ・・・解ります」
レミリア「・・・どうしたの?中国は」
フランドール「さあ・・・なんか悦に入ってる」
パチュリー「にしても妙な音ね、壊れてるのかしら?」
輝夜「懐かしいわね、下界を思い出すわ」
妹紅「あたしゃ下町っ娘だからあんまり・・・寺にも用がなかったし」
それぞれ感想によるとやはり極東の物であるらしい。
霊夢「しかし素っ頓狂な物を・・・どこから持ってきたのそこのスキマぁ!台所漁るんじゃねえ!!」
紫「ひはひは、へふにほふほふへいはふは」
霊夢「飯を頬張るか、喋るかどっちかにする!」
紫「うええ・・・」
霊夢「出すなああああ!!!!!!」
紫「場所を指定することはないわよ、むしろ重ならないようにしてるわ」
幽々子「あらあら紫、食べ物を粗末にしちゃ駄目よ・・・はむ」
霊夢「アンタも喰うなあああああ!!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルナサ「これで三人全員揃ったな」
リリカ「まね」
メルラン「おそろいおそろい~」
大きさ種類にかなり・・・いや凄くばらつきがあるものの、楽器は楽器、その上、長女弦楽器、次女管楽器、末女鍵盤楽器というアイデンティディも崩していない。
ルナサ「じゃあ・・・演奏るか」
メルラン「了解」
リリカ「はいはい~」
霊夢「ちょい待ち」
唐突に割って入ってきた霊夢
ルナサ「なんだ?」
霊夢「此処、一応私の家だから、主催者は・・・」
紫「餅が喉に詰まったら飯を丸飲みするのよ」
ルーミア「そーなの・・・うぐぅ、おごお!!」
橙「ご・・・ご飯が喉に詰まってるよ~」
紫「飯が喉に詰まったら医者を呼べ、手遅れになるなよ!ウォンチュウ!だそうよ」
永琳「はいはい医者ね、ホントは薬剤師だけどはい長葱、押し込んであげて」
霊夢「あてにならん」
ルナサ「うむ」
顔を見合わせ頷く二人
霊夢「やるってのは・・・演奏?」
ルナサ「ああ、何か問題が?」
霊夢「いやそれ以前に」
三姉妹がそれぞれ手に持つ楽器を眺める。
百歩譲って弦楽器と鍵盤は解る、共に西洋の楽器のようなので合わないと言うことはないだろう。しかしその次にその貝、ある意味東洋の神秘を投入するのは如何な物か?
言うなれば、紅茶にミルクを入れて黒砂糖をぶちまける、混沌の誕生だ。
霊夢「危険な香りがむんむんよ」
ルナサ「HAHAHA、そうなれば我ら騒霊の得意分野ではないか」
霊夢「だから此処私の家」
ルナサ「我騒ぐ、故に我在り!」
霊夢「いやだから・・・」
リリカ「けちけちすんな~!」
メルラン「そうだそうだ~!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ出した二人、それに押されるように項垂れ、額に手を当てる霊夢
霊夢「ああもう・・・ちゃんと演奏してよ?演騒は駄目!」
ルナサ「了解・・・リリカ、メルラン、やるぞ」
リリカ「わ~い!!」
メルラン「わ~い」
走り出す次女と末女を見ながら歩くルナサに霊夢はもう一度だけ振り向く
霊夢「あ~・・・っと騒霊の黒いの!」
ルナサ「ル・ナ・サ・だ」
霊夢「じゃあ、ルナサ」
霊夢「出来るんでしょうね?」
霊夢の問いにルナサは一言
ルナサ「任せろ」
妖しい微笑を返した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
何時だったか
自分達は創られたという事実を亡霊の姫から聴いた事がある。
その時の姫の普段の陽気さとはうってかわって深刻な顔、私達にはそれがおかしくってその場で吹き出し、あっけにとられる姫を前にこういった。
「今騒げて、未来でも騒げる、なら過去に何を望む?」
こう言った。多分
元の私達がどうだろうが、はっきり言って関係ない。
ただ騒ぎたいから騒ぐ霊
それが私達騒霊三姉妹だ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
周囲の喧騒が自分の中から消えるのを感じ、奏でる。
弦が響く。
最初は何時も私、音程を守り、拍子を合わせ、他の二人の礎になれるように。
鍵盤を奏でる。
次は何時も私、私の音を生み出しつつも、姉さん達の音を壊さぬように。
管が鳴り響く。
最後は何時も私、二人が整えてくれた最高の舞台で、思う存分私の音が鳴り響けるように
三人の音が共鳴し、混じり合い、一つの音となる。
これが私達の奏でると言う事。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ひとしきり奏で終わった。
終わらせたわけでも終わらせられたわけでもない。
奏でるという行為は場の雰囲気に左右されることが多い。
終わるべくして終わったのだ。
と
拍手
縁側に座っている目出度い人間が両の手を何度も打ち鳴らす。
つられる様にスキマ妖怪、吸血鬼、そこから先は何重もの拍手が重なり、
何時しかその場にいる全員が自分達の為に拍手をくれた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
紫「んふふ、貴女が見込んだだけはあるわね」
霊夢「何もしてない・・・ただ」
紫「ただ?」
霊夢「あんなもんでどんな演奏してくれんのか気になっただけ・・・予想をかなり超えてたけど」
紫「本当ね」
予想を超えるどころか、誰も予想することすら出来なかっただろう。
全く法則性のない、三人の音が重なり合う
これが彼女達の合奏という物なのだ。
ルナサ「え~それでは盛大なるアンコールにお答えして」
え!?
リリカ「騒ぎます!」
混沌が始まった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大音量と雑音の共鳴
思う存分に楽器をかき鳴らす騒霊
一種の地獄絵図が此処に降臨しようとはこれも予測不可能だろう。
霊夢「あの阿呆が・・・騒ぐなっつっとろーに」
一見平気そうな霊夢も、耳に固く栓をしている。
紫「まあまあ、奏でた後には騒ぎが来るものよ」
霊夢「なんですって?」
紫「ちょっとだけ耳栓外してみなさい」(手話)
霊夢「ふむ・・・?」
ほんの少しずらしただけで、破滅的音楽が嫌が応でも耳に入ってきた。
紫「気づいた?」
霊夢「何が?」
紫「ヒントはあの娘達」
霊夢「・・・・・・?・・・ああ・・・ああ?」
成る程、まあそう言うことにはならなくもないだろう。
てんでバラバラに掻き鳴らしているだけの雑音の中で、三人はかなりの頻度でリズムが合っている。
それは混沌の中にこそある法則
霊夢「まあ合奏ならぬ合騒ってことでしょ」
紫「御名答、奏と騒は対極にある物なのよ、貴女の紅白の様に」
霊夢「だから片方だけでは成り立たない・・・と」
紫「そうよ、生き物は都合の良い方だけ選びたがるから」
霊夢「はいはい」
霊夢は片方だけ耳栓を外した。
紫「あら、それだけ?」
霊夢「私は立派な生き物、だからこれで良いの」
紫「もう」
騒と奏は対極にある。
雰囲気に流される合奏と雰囲気を打ち壊す合騒
だからと言うわけではないだろうが、今の彼女達は
とても楽しそうだ。と霊夢は思った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちなみにこの大合騒の後
神社の一部が音響破壊の被害に遭い。
長女ルナサはその責任を取って般若心経フルコース責めにより白玉楼の更に先が見えそうになったらしいが、それはまた別のお話
糸冬
しかしシリアスもギャグもいい感じで楽しいです。釣りシリーズ楽しみにしてます
さて次は誰なのか楽しみです♪
釣りを続けるんだ。
(ちよ父風)
それはまあなんともめるぽらしい…。
しかもそれとチェロとパイプオルガンで演奏を成立させてしまうのもすごい。
騒霊の面目躍如ですな!
それと…
別に卑下することはないと思いますよ、自分はこの作品が大好きです。
非常にGJ!続きを期待してますー。
ルナサがいいよ!!