Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

What she said

2005/05/05 04:04:12
最終更新
サイズ
4.71KB
ページ数
1



「そういえば慧音、あなた、魔理沙のことが好きなんですって?」

「なッ…!」

「うちの図書館の司書が教えてくれたわよ。パチュリー様が、『慧音は魔理沙が好きだ』って言ったって。」

「~~っ!」

人間の里で私を見つけるなり、紅魔館のメイド長はこんなとんでもないことを言い出したのだ。

「さ、咲夜、そ、それは…、」

「あら、恥ずかしがっちゃって。でも大変よー。魔理沙ってほら、自称恋の魔法使いだけあってその、いろいろといるでしょ?倍率高いわよ?うちにも2人ほど…っていけないいけない。」

メイド長は、私の狼狽を以ってその話が図星だ、と結論したらしい。
そんなこといきなり言われたらたとえ全く見当違いのことでもびっくりしてしまうのは当然じゃないかというか何うろたえてるんだ私はこれじゃ彼女が勘違いするのも無理もないぞ落ち着け死ぬなあきらめてどうするってあきらめるって何だっていうかそれより先に死ぬってとこに突っ込めよって何を一人漫才をしているんだ私は…

「…本当に、パチュリーが、そう、…言ったのか?」

私はやっとのことでこれだけの言葉をひねり出した。

「ええ、小悪魔、あ、うちの司書の名前ね、の話によればね。ちょっとその前の会話はよく聞こえかったらしいんだけど…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

パ「そんなこと…、私は魔理沙を、大切な人…っ!」
魔「え…?」
パ「…」
魔「…」
パ「…っ!、あ、あの、大切な人だと思っている、って慧音が言ってたのよ」
魔「…え、あ、ああ、そうか慧音がか。ははは、そうかそうか。慧音が。ちょっと残ね…って、ああああ!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「と、いうわけ。」

「…」

おい。そりゃあパチュリーの苦し紛れの言い逃れだろうが。っていうかコレ言い逃れって言うのかこの場合いやそれよりそこでなぜ私の名前が出てくる?

「なぜそこで私が出てきたのかわからないが、とりあえず誤解だ。」

「あら、そうなの。残念ね。」

「なぜそこで残念がる。っていうかおまえ解っていただろう最初から。」

「全然。」

はぁ…。
大体、その小悪魔というのも確かだいぶ悪戯好きなやつだったし、意図的にそういう風に取れるように伝えたのだろう。
としても、問題は、なぜ咄嗟に出てくるのが私の名前だったのか、だ。

メイド長と別れてから(別れる前にまたしばらくからかわれたのだが)、私は考えた。
…『考えた』という時点で、私はまだ動揺していたのだろう。私が「知ろう」と思って知ることのできないことなどこの幻想郷にはないのだから。

とはいえ、あのメイド長の勤務地であるところの紅魔館というのは少々厄介なところではある。何しろ、運命を操る程度の能力を持つ、しかも最上位クラスの、吸血鬼の城だ。易々とは干渉できない。
とりあえず、私は意識を集中し、紅魔館周辺の歴史を覗いてみた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

魔「人間の世界では最近2進法を採用したな。」
ル「えー、ほんとに?」
魔「って、慧音が言ってたぜ。」
ル「そーなのかー!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


何だ?魔理沙も?しかもそんな出鱈目を…。2進法など使っていたら不便この上ないだろうに。
しかし、これは図書館の一件よりも前のことだから、パチュリーを真似したとは考えられないのだが…。
一体どうなっているんだ?こんな、私が変なことを言っているなどという噂を広められるのも嫌だな。
私の名前が出てくる会話を探してみるか…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

霊「魔理沙、ここにおいてあったお団子知らない?」
魔「美味かったぜ」
霊「夢想封」
魔「って慧音が言ってたぜ」
霊「印」
魔「うわああーー」

霊「…まあ、一応こっちも」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


また魔理沙か。まさか魔法使いの間で使われる隠語か何かか?
…そういえばこの前、朝起きようとしたら針がきれいに体の輪郭どおりに刺さっていて驚いたことがあったが。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

藍「紫様、いい加減起きてください」
紫「煩いわね、力を持つ妖怪はその分睡眠を必要とするのよ。」
藍「本当ですか?もう紫様の言い訳には騙されませんよ?」
紫「あら、これは私が言ったことじゃないわ。なんとあの慧音が言ってた事よ。」
藍「え、あいつが?」
紫「そうよ。全てを知る知識の半獣、上白沢 慧音が。」
藍「…本当ですか?」
紫「って慧音が言ってたわ」
藍「…自分で言うわけないじゃないですか」
紫「…」
藍「って、話してる途中で突然眠らないでください!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


相変わらずあのスキマ妖怪は…。藍、頑張れよ。

しかし、魔法使いばかりが使うわけではないらしいな。


その後も片っ端から歴史を調べてみたが、至る場所、至る場面で私の名前が騙られている。

…きりがない。一つ一つ処理したのではダメだ。
なんとかこの傾向の発端となった歴史を喰おうとしたが、あまりに事例が多くて容易ではない。
それでもなんとか辿ってはみたのだが、どうやら事の起こりは私の能力の影響外の出来事のようだった。。
幻想郷の外、ということか…くそ。いったい誰が…。

…しかし、このままではこの先何を言われるかわかったものではない。

もういい、

こうなれば(にょき)、

その歴史(にょきにょき)、

片っ端から(にょきにょきにょき)、


「喰ってやるー!」






「そういえば最近あの歴史の先生を見かけないわね。」
「変な歴史を喰い過ぎて腹を壊した、って慧音が言ってたぜ」



小学生の時にししとうとピーマンを間違えて食べて泣いたことのある、白馬の犬です。二度目まして。
というか、ししとうと言うものを知らなかったんですけどね。
白馬の犬
コメント



1.分裂夢削除
起源が起源だけに、喰べてしまったら慧音の存在自体がなかった事になる。
って慧音が言ってた。
2.名無し妖怪削除

って慧音が言ってた。
3.藤村流削除
関係ないですけど私も獅子唐苦手です。

獅子唐の語源は獅子=ライオンさえも敬遠するくらいの辛い唐辛子という意味。
って慧音が言ってた。