Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方×HRESVELGR ~師弟対決~

2005/05/01 05:57:06
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前を行く魅魔に追いつけない―――魔理沙は焦っていた。
魅魔の搭乗機『Type24』と魔理沙の搭乗機『HEX-8』、共に最高速度を優先した一点豪華主義の機体である。
最高速度記録さえ出れば勝負の結果など二の次という変わった思想の持ち主だが、この両名が争うとなると
勝負は一変して純粋な結果と結果の争いとなる。
マイナスとマイナスが合わさればプラスになる、と誰かが言ったかどうかは分からないが。


「くそっ・・・・なんで追いつけないッ・・・・・・・・・・!?」

狭いコクピットの中で自問自答をする。
数字の上での最高速度は僅かながら確かに劣るし、安定性では敵うはずもない。
だが、それ以外では『HEX-8』にもアドバンテージがあるのだ。
小型軽量の機体ゆえに『Type24』よりは加速・旋回性能に優れ、空力面もしっかり考慮されている。
サーキットに出た時の総合性能はこれで互角のはず・・・なのに追いつけないのだ。



『どうしたんだい魔理沙?いつものキレがないじゃないか』

突如、魔理沙の下に通信が入ってきた。
声の主は聞き慣れた落ち着きのある声、魅魔。通信回線を強引に開けて割り込んできたのだ。

「なんだよ魅魔様・・・・・・レース中だぜ」
『まあまあ。そんな事より、残り1周とちょっとしかないよ・・・・そんなんで私を追い越せるのかい?』
「く・・・・・・ッ」
『・・・ま、これが走りにおける年季の違いって奴かね』


そうだ。
そうなのだ。
自分が魅魔に追いつけない理由・・・・・・機体の性能差以外の所にある『それ』を魔理沙は知っている。
知っているし認めてもいるが、あからさまに心に思ったり口に出したりするのは真っ向から拒み続けてきた。

「く、そっ・・・・くそっ!くそっ!」

魔理沙が魅魔に劣る最大の要因、それは技術と経験だ。
経験だけは目に見えて積み重なっていく様が分かるわけではないのでどうにもならないが、
魔理沙は人一倍努力をしてきたつもりだった。
誰よりも速く、誰よりも前へ・・・・・それだけを臨み、師匠である魅魔に追いつきたい一心で努力をしてきた。
それなのに、この師匠には一度も背中を拝ませてやった事がないのだ。


『・・・・・・・そんなにカッカしない事だね。見える物も見えなくなっちまうし、見なくていい物が見えたりするもんさ』
「わ・・・・分かってるよそんな事!もう何度も聞いたッ・・・・・・・・・・」
『そうかい・・・・・分かってるなら、アンタは私を追い越せるはずさ。やってみな』



それっきり、魅魔からの通信は途絶えてしまった。
勝負に集中するためか、魔理沙に一人でじっくり考えさせるためか。ともあれ、こんな時でも魅魔は魔理沙の師匠なのだ。

「・・・魅魔様に追いつく、魅魔様に追いつく、追いつく、追いつく、追いつく、追いつく・・・・・・・・・・・・」

うわ言のようにブツブツ呟き、迷いを振り払うように闘争心をスロットルに叩き込む。
魔理沙の意思に応えて、エンジン『Arcturs 240』が唸りを上げる。少しずつ縮まる二人の差。
だが、コーナーを一つ抜けるたびに今まで詰めた分の差がリセットされてしまう・・・これが二人の間にある技術と経験の差なのだ。

「くそッ!・・・・・・・ダメだ、このままじゃ追いつけない・・・・・・・・・・・・・・・・」

絶望が魔理沙の体を支配し始め、視界すら霞んでくる。
だが、投げやりになりそうな意識の中で魔理沙は魅魔の言葉を思い返していた。


『見える物も見えなくなっちまうし、見なくていい物が見えたりするもんさ』
『アンタは私を追い越せるはずさ』





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「・・・・・・・・そうか、そういう事か・・・・・・・・・・・・・・・・・」

魔理沙の表情から険が消えた。
スロットルを握る手に焦りはなく、迷いもない。
あるのは己を信じる心、そして前だけを見つめ続ける気持ち。



追いつくだけじゃ一生勝てない・・・・・・

魅魔様だけを見てたんじゃ、そりゃ前に出れるわけがない・・・

追い越さなきゃ、魅魔様の『前』を見なきゃダメなんだ。





「・・・・・・魅魔様」

今度は魔理沙の方から魅魔へ通信回線を開く。

「残り1周・・・・本気の本気で行くぜ。今日こそは追い越してやる」
『嬉しい事言ってくれるじゃないの・・・・・・でも、まだまだ若いモンには負けないからね』
「ババくさいぜ魅魔様・・・・・それに、若いモンには勢いって物がある」
『上等上等。じゃあ私は貫禄って物を見せてやろうかね』


再度途絶える通信。だが、それぞれ別たれたコクピット内で二人は殆ど同じ事を声の限り叫んでいた。

「行くぜッ!!」
『行くよっ!!』



二人の差は約1秒差。機体の高速性を考えれば、こんな差などあってないような物。
そして、最速の90秒が始まる・・・・・・
元ネタはタイトルのままに。PS2黎明期の作品ですね。
全8+1チームを分けるとおよそ下記のような妄想に。


ベルベット・ワークス:霊夢&紫
いわゆる常勝軍団。全てにおいてクセがなく高性能という所が共通しているかと。

ワイマール:咲夜&レミリア
機体が真紅、これだけでも見事なハマリ役。
しかもチームオーナーが貴族とくればこの二人以外ありえない?

C&M:魅魔&神綺
最古参チームという事でこの二人は外せず。ヘクトールとの関係も重要。

フォークナー:藍&橙
ベルベット・ワークスからの分派という事で、紫より生み出された式神ーズをここに。
そういえば機体カラーは藍色だったりする。

ヘクトール:魔理沙&アリス
C&Mからの分派、そして最高速度重視、マジックナパームに似た機体形状。
この二人以外の誰が乗る?というくらいのハマリ役。

アカシナ:リリー&毛玉
お前らレースに勝つ気ないだろという感じの機体形状。よって、勝負とは無関係にのんびり飛びそうな奴という事で
おやヴん氏の絵に感化されてこの2名を。毛玉が操縦できるのかという事は考えてはいけない(ぉ

ゼナム:妖夢&幽々子
機体に「SAKURA TV」の文字と共に桜の絵がペイントされている。ただそれだけでw
他にも、ゆゆ様の挙動のもっさり感が似てるかなぁ・・・ていうかゼナム機は遅いですが(ぉ

ガスト:リグル&チルノ
ルーキーチーム、そして最小最軽量の機体という事でこの二人が真っ先に。
最高速度は低いが抜群の加速性能で、前に出たらひたすら逃げ切るという戦法がある意味チルノ的?

サンクチュアリ:ZUN氏
タイムアタックでコイツらに勝った事ないorz
圧倒的な超性能という事でフレースヴェルグにはZUN氏が相応しいかと。
公式サイトの「フレースヴェルグとは『鳳凰』という意味です」「ほぉお~ぅ」を見た時は
ヤベェ妹紅以外ありえないか!?とか思ったけど考え直した末に・・・・・・
カラドリウスは無人機という設定なので、あえて誰かを乗せる必要はないかな?


機体の型番は全て明らかになってるけど、機体名はごく一部しか明かされていないのが痛い所。
機体名が分かれば色々と書きやすくなるんですが・・・・・・
ていうか、あとがき長すぎw
0005
コメント



1.名無し妖怪削除
アカシナは使い勝手が良いんですよおれの愛機なんですよ毛玉ってヒデェ泣くぞとマジレス
一番驚いたのはサンクチュアリなるとこがあったことですがorzソンナノアッタノネ
2.0005削除
ごめんねアカシナって安定性はいいけどバーサーカーの効果の程が正直不明なんだよアハハハハ
専ら使うのはグリグリ曲がれる(らしい)ワイマールと加速命のガストです。
サンクチュアリはタイムアタックのマスターAあたりで出てくるけど・・・アフォみたいに速いorz