「師匠! なぜ白玉楼を出て行くのですか!?」
(外見だけ)少女がのどが張り裂けんばかりの声で叫ぶ。
門をくぐろうとしていた(年齢だけは)老人の足がぴたりと止まった。
「理由をお聞かせ下さい。何も言わずに出て行かれるのでは納得がいきません」
「ふむ……理由か」
顎に手を当て、考え込む仕草をしながら彼は振り返る。
「わかっているのではないのか?」
「……」
「ならばそれを聞いてなんとする、妖夢。納得がいけば良し……だが、もしも納得がいかない場合はどうするのだ?」
「そ、それは……」
お約束ともいえる問い。
そこまで思い至らなかったのか言葉を濁す妖夢。
「……」
「…………」
「………………(いらいら)」
「……………………」
「…………………………(いらいらいら)」
「……………………えへ」
ぷつん。
「この馬鹿弟子がぁ――!!」
「へぶっ!?」
豪腕一閃。
蛙がつぶれたような無様な悲鳴を上げて妖夢は地面に刺さった。
老いたりといえどさすがは魂魄妖忌。まだまだ腕に衰えはない。
「むぅ……昔ならば今の一撃で西瓜割りのようにぱっくりといけたものだが。俺も年を取ったということか」
前言撤回。金槌→木槌くらいには衰えていたようで。
それにしても孫の頭を勢いでぱっくりやってしまうつもりだったのか……?
恐るべし半霊爺。
「どうした? もう何も言うことはないのか? ではここでお別れだな」
痙攣している妖夢を気遣いもせずてくてく歩き出す妖忌。
が、門を出たところで再び足を止めた。
「ようやく気づいたか……」
口元に不敵な笑みを浮かべる妖忌。
その手は自然と腰に差した二本の刀に伸びていた。
そして彼に足を止めさせたものへとゆっくりと向き直る。
立っていたのは妖夢。すでに抜刀していた。
「そうだ、それでいい。知りたいことは全て、剣と弾幕が教えてくれる」
「ええ。それがあなたの教えでした。……殴られるまですっかり忘れていましたよ」
にやりと、こちらも不敵に笑う妖夢。
「どちらがここに残(って幽々子さまの面倒を見)るかをかけて――師匠、いや魂魄妖忌! あなたに弾幕ファイトを申し込む!」
「いいだろう。その勝負、受けて立つ!」
刀を抜く妖忌。
四本の刀が日の光を受けて煌めいた。
「いくぞ! 弾幕ファイト――」
「レディ――」
「「ゴォォォォォ――――!!!!」」
東方だ、確かに東方だ。
妖忌のイメージは・・・名前からしてあまり好意的じゃない気がします。
どうやら堅物である事は確かですが・・・(神主発言より)
……ゆゆ様はホント可愛いなぁ(曲解の果て)
いっそ俺が代わってやりたいッス!
……あ、でもまだ死にたくはないや。