Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ある日の夜道

2005/04/11 07:00:27
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「ねえねえ、あなたは食べられる人類?」
宵闇の少女は、夜道を一人きりで歩いていた人間を見つけた。
「いいえ、食べられないわよ。病気だから食べたらおなか壊すわ」
その人間は、少し考えてそう答えた。
「そーなのかー?…でも、おいしそうに見えるけどー…」
少女はむむむーと首をひねる。
「食べられないってば。あなただって今、おいしくなさそうって言ったじゃない。言ったばかりのこと忘れちゃ駄目よ。」
また少し考えて、人間は言った。
「そ、そーなのかあ?言ったかなー」
両手を十字に広げたまま、少女はあちらこちらと首をひねった。
「ほら、私を食べないんでしょ?構ってないで急がないと。ご馳走がたくさん出るんでしょ?遅れるわよ。ほらほら、あっちあっち!」
もう考えることもなく、人間は慌てた様子で夜空の彼方を指差した。
「そ、そうなのかー!」
ご馳走パーティーがあるなんて知らなかった。遅れたら大変だ。少女はびゅーんと空へ飛び去って行った。


「…あれー?」
何かおかしいような…そう少女は思った。でもまあ、何がおかしいのかわからないから、おかしなことではないんだろう。


…その後、空腹のあまりふらふらと墜落し、たまたまそこでおつまみに魚を焼いていた鬼娘の酒客になったと言う。
「これからは神社で毎晩宴会になるはずだから、そっちに参加してくといいよ」
「そーなのかー!」
いやまあ、何となく。そーなのかーって一言だけでああまでアイデンティティを確立させてるってすごいですよね(笑)
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