『第一回 隙間釣り開催』
霊夢「何じゃこりゃ・・・?」
午前中
日課の掃除をしようと庭に出てきた霊夢の目に飛び込んできたのが立て看板だった。
???「甘いわ、もっとこうよ・・・ななな!!なんじゃこりゃあああああ!!!??」
霊夢「なによそれ、それとこの看板」
すぐ隣の空間の裂け目から上半身だけを出している隙間妖怪
紫「見ての通り、隙間釣り開催のお知らせよ、釣り堀は他の世界との隙間でどうかしら?・・・ふふふ」
扇子を口に当てて笑う紫のその言葉に霊夢の表情が変わる。
霊夢「ちょっと・・・本気、いや・・・正気?」
紫「どっちでもないわ、だって隙間ですもの」
霊夢「茶化さないで・・・解ってるの?あまり結界に穴を」
そこで言葉を遮るように紫は霊夢の頭に手を置いた。
紫「貴方が不安なのは解るわ、博麗霊夢、でもね・・・既に遅いのよ」
霊夢「・・・?」
首を傾げる霊夢に、隙間から外に降りてきた紫
紫「何故、紅い館は他の文化と一線をがしているのかしら?紅魔館のメイド長の言う外の世界とは何処なのかしら?」
霊夢「・・・」
紫「何故月の民は此処を居住の地としたのかしら?何故幻想郷にいないはずの鬼がたまに姿を現すのかしら?」
霊夢「・・・紫」
霊夢の表情が更に強ばる、だが紫は微笑を崩さない
紫「答えはね、貴女・・・いえ、この幻想郷を信じているからよ」
霊夢「え・・・?」
霊夢の表情が驚きの一色に塗り替えられた。
紫「誰もが忘れた幻想は必ず此処で行き着く、それ故に幻想である皆が生きてゆけるのよ」
霊夢「・・・」
霊夢は二の句が継げない、紫は自分より多くの世界を見てきたのだろう。
だからこそその言葉は重みがあった。
紫「それにね・・・」
そこで紫は笑顔で霊夢に振り向く。
紫「何があろうと、どうせ貴女がどうにかしちゃうでしょ?」
霊夢「・・・紫」
霊夢の口元がつり上がった。
霊夢「適当な事いって正当化しようとするな!!アンタがやりたいだけでしょうが!!」
紫「あら、ばれた?」
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霊夢「で?実際どうするのよ」
紫「抜かりはないわ、藍と橙が既に彼方此方で宣伝してくれているし・・・」
隙間に手を突っ込んで引きずり出された人物
紫「こういう人物が初めて役に立つわ」
霖之助「やあ」
香霖堂の主人、森近霖之助
能力 物品の名称と用途が解る程度
戦闘力 たったの5 塵め・・・
霊夢「準備は万端って訳ね・・・はあ・・・」
紫「では、開催は二日後、場所は・・・」
既に嫌な予感がする霊夢、きょろきょろと辺りを見回す紫、そして霖之助
紫「ここね」
霖之助「確かに広さも妥当で、休憩室もあるな」
霊夢「やっぱり・・・」
二日後に如何なる地獄が来るのかを想像もしたくない霊夢は頭を抱えるしかなかった。
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二日後
霊夢「何でみんな来るのかしら・・・しかもみんなして人の家にどかどかと・・・」
紫「刺激に飢えているのよ・・・若いわね」
霊夢「毎日がとっても刺激的のような気がするんだけど・・・みんな鈍感なのね」
舞台は博麗神社の庭と縁側を使って行う事になっていた、が、庭が釣り堀となるため皆が神社の縁側に入りきらない。
ウドンゲ「師匠・・・ちょっと狭くありませんか?」
輝夜「・・・って言うか神社が狭いのよ・・・ぁ、ちょっと足踏んで・・・ああもう!クソがっ・・・!」
永琳「しょうがないわね・・・てゐ、他の人と手伝って襖全部外しちゃいなさい」
てゐ「あいさー」
藍「橙、手伝ってやりなさい」
橙「あいあいさー」
霊夢「ちょっと!家の襖は嵌め殺し・・・!」
ばこん どかん びりびり どかどかどか・・・べき
てゐ「できた」
幽々子「ありがとう~、ひろくなったわ~」
魔理沙「やっぱ寝っ転がれるくらいの広さがないとな・・・どうした霊夢、ホムーラン打たれたような顔をして」
霊夢「何でもないわ・・・」
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なんだかんだあったが、舞台も状況も整った。
紫「じゃあ、始めましょうか」
ぱちんと指を鳴らす紫
直後、庭の真ん中に池が現れた。
厳密には池ではない、それは空間の裂け目、結界の穴・・・なのだが何となく見た目からは池と形容したくなる感じだ。
紫「はい、じゃあどうぞ、一人一個釣れたらそこまでだからね」
紫の言葉と共に皆が四方六方から釣り糸を垂らした。
魔理沙「さーて・・・何が出るかな・・・?」
アリス「これって・・・魚は釣れるのかしら?」
レミリア「パチェ・・・こんがらがっちゃった」
パチュリー「じゃあこっち使って、解いてあげるから」
咲夜「(釣りって何かしら・・・)まあ良いわ、この針付きの糸を池にほん投げればいいのよね・・・とうっ」
美鈴「あいっ!?ひゃ、ひゃくやひゃん!!ひゃりが!ひゃりがはらふぃのふひひふひい!!(さ、咲夜さん!!針が!針が私の唇に!!)」
小悪魔「糸をこうやって垂らして、後は待つだけですよ、妹様」
フラン「待つだけ?・・・何かつまんないな~」
幽々子「うふふ、さあ妖夢、番は任せたわ」
妖夢「・・・はい(掛かったら釣り竿ひったくるんだろうな・・・)」
ルナサ「今日は躁病も少なめにな」
メルラン「めるぽぉ!」
リリカ「楽器とか釣れたら良いかもね・・・って釣れるのかな」
輝夜「何が釣れるのか解らないのよね・・・ちょっと気味が悪いわ」
永琳「多分・・・大丈夫だと思いますけど」
ウドンゲ「外の世界の人参とか・・・釣れるかな?」
てゐ「人参!」
妹紅「で、な~んで私達があいつ等の隣なわけ?」
慧音「気にするな、此処は神社だ」
チルノ「釣りね!あたしの得意中の得意よ!」
ルーミア「そーなのかー??」
大妖精「やった事はあるのよ、ワカサギ釣りだったけど・・・」
橙「何も見えないなあ・・・」
藍「あんまり乗り出すなよ、落ちて助かる保証がない・・・助けるがな」
萃香「よっし、出てこい酒!」
霊夢「大丈夫なのかしら・・・」
紫「大丈夫よ」
霖之助「ふふふ・・・新しいアイテム・・・ふふふ・・・」
前途多難だ。
自分の記憶力が痴呆並なので、その辺りすっかり失念していました。
既に遅いでしょうが一応書き直します、が、ほぼ黒歴史以外は全員いる物と思って下さい。
>ホムーラン
…幻想郷は野球の知識が乏しいのか。まあ、ちょっとできそうに無いよなぁ
アリスは例によって魔理沙のそばっすか。…依存症?
アリス「マッテー、マリサー」「オイテカナイデー」「アーン、マリサー」
依存症が高じて幼児退行、必死にお世話する人形たち、…萌え!
…って、れみりゃじゃあるまいしorz
これから続けて魔理沙編のほうも読ませていただきますね。