Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

妖夢の悩み事

2005/02/02 14:54:52
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妖夢は思っていた。

『幽々子様はズルい』と見下ろすのはさらしをまだ巻いていない未発達な己の胸
控えめに言うとぺったんこだ。いやひかえめどころかどう言おうとしてもぺったんこだ。
昨日一緒にお風呂に入ったときだった。その光景を見たのは
浮いていたのだ。たゆんたゆんと浮いていたのだ。思わずつかんでしまったその胸は柔らかかった。
そして今震える手で己の胸をつかもうとして、あることに気づく
・・・これだけ平坦ではつかむことができない
なんてことだろう、幽々子は言った。揉めば大きくなると
しかしそもそも揉むこと自体が不可能なサイズの場合どうすればいいのか
幽々子は言った。大きいと肩がこるのよねとそして揺れて動きにくいと
妖夢は思う、私は肩がこったことなんて一度もない
そして動きにくいどころかピクリとも胸が動いたことはないという事実
冥界の男性は妖夢に胸がないことを褒め称える。それこそナイチチマンセーと連呼するほどだ。
だけど、剣士として凛々しく振舞ってはいるがやはり妖夢は女の子なのである。
大きな胸にはあこがれるし、将来そうなってほしいとも思う
幽々子は成長すれば大きくなるわと言ってくれた。
確かに紫も幽々子も大きい、しかし咲夜という前例がいる以上安心するわけには行かないのである。
剣の道は修行あるのみ、そう師匠に教わった。しかし胸を大きくする方法だけは教えてくれなかったのだ。
というか教えられたらある意味でマズいが・・・
まあそんなわけで妖夢は下界にやってきたのである。

「で私のところにきたわけ?」
「はい永琳さんは実にふくよかな胸をしてらっしゃいますし薬作りが得意だとか言う話ですし」
「まあ確かに豊胸の薬は作れるんだけど・・・」
ガララララ・・・
「永琳、ようやく豊胸薬作ってくれる気になったの、あらこんにちは、妖夢・・・で、よかったわよね」
「あ、こんにちは輝夜さん」
「ええ、それよりも永琳、何でもいって頂戴、妹紅を殺してでも材料集めてくるから、むしろ殺す
ころす、ころして、ころ、コロ、クキャーけけっけけけっけけ・・・・」
バタン・・・だっだだだっだだ・・・・
「えっと今のは・・・・」
「え、ああそうだったわね、姫様ったら自分の胸が妹紅さんに負けてることを根に持って
胸の話をするたびにああやって奇声をあげて外に飛び出していくの」
「ああそうですか」
「まったく困ったものよね、時代は巨乳ではなくビニュウだというのに」
「美乳ですか?」
「ええ、貴方才能あるわよ、きっと、ちょっといらっしゃい」
「あ、はい」
「別に緊張しなくてもいいわ、私に任せて」
「え、ってちょっとなんで私の服を脱がそうとするんですか」
「私小さいほうが好みなのよ、時代は微乳よ、時間なら永遠にあるわ
たっぷりかわいがってあげる」
「きゃー」
そんなわけで妖夢は逃げ出したのである。かくしてどうにか妖夢の貞操は守られた

「まったくひどい目にあった、みょんな連中に関わるのはもうやめよう」
「おお珍しいじゃないか妖夢、夕飯一緒に食べるか?」
あれから走り回ること数時間、どうにか振り切って里を歩いていると前から魔理沙に声をかけられた
「言ってるそばから・・・魔理沙か、いや幽々子様が待ってるからな」
「そうか、霊夢もいるし折角だから香霖にでも紹介しようと思ったんだけどな」
「香霖?」
「ん、里の外れで怪しげな雑貨屋を開いている男でな
幻想郷じゃ手に入らない珍しいものを取り扱ってるんだ、繁盛してないけどな」
「珍しいもの?・・・もしかして胸を大きくする薬とかも扱ってるのか?」
「なんだ妖夢、胸を大きくしたいのか?私は邪魔そうに思うけどそんなに欲しいか」
「いや・・・私は別に・・・幽々子様が・・・欲しがっていて」
「幽々子が?あいつは十分でかいと思うぜ、まあいいや、ついてこいよ」

「・・・で連れてきたわけか魔理沙、相変わらずというか、別に構わないが」
そう無愛想に魔理沙に声をかけたのがこの店、香霖堂の店主である森近 霖之助である。
「始めまして、魂魄妖夢といいます」
とにもかくにも最初が肝心だ。妖夢はそう思い挨拶をすると
「魔理沙、僕はびっくりしている。魔理沙の連れてきたやつが挨拶しているぞ、天変地異の前触れかもしれない」
目の前の男はひどく驚いた様子だった
「何をいまさら・・・咲夜だってするだろう」
「いや・・・咲夜さんとは魔理沙がここにつれてくる前から実は知り合いだったからね」
「そうなのか、まあ妖夢は胸を大きくする薬を探しているらしい」
「な、何をいきなり魔理沙」
「成るほど・・・ね、しかしそれほど気にすることもないと思うが
魔理沙ほどの年なら少しは気にしてもいいかもしれないが
正直なところ君ぐらいの年の子が胸の大きさを気にするのは早い気がするからね」
「香霖、デリカシーなさ過ぎだ」
「おやおや、魔理沙からデリカシーなんて言葉を聞くとはいつ振りだったかな
そうあれは確か魔理沙に初・・・いや赤飯を炊くようなことがあったときだったっけ」
「・・・香霖、私は夕食の支度をする。霊夢が来ても厨房に立ち入るなって言っとけ」
「魔理沙、・・・はぁ~、まったくうまくいかないな、また怒らせてしまった
まあ丁度いいかもしれないね。こういうのはあまり大勢で話すものじゃないし
単刀直入に言えばうちのお店では一応女性の胸を大きく見せるものを取り扱っている
これは事実だ。まあ誰とは言わないが需要があってね、
メイド長ともなるといろいろ大変らし・・・今のは内密にして欲しい」
「わかりました。咲夜の怖さは私もよく知っていますから」
「やりあったことがあるのかな、まあそれはそれとしてどれも君向けじゃないんだ残念ながら」
「とりあえず見るだけでも」
「そうか・・・わかった。でも多分無駄だと思うよ」

「で、これがそうなんですか?」
「ああ、これは寄せあげブラといってね。脇の部分の肉をこうやって寄せあげて胸の大きさを
・・・っと大きいと錯覚させる効果がある」
「試しても・・・って駄目ですね。大きさが・・・」
「ああ、そうだね、そしてこっちがパットといってね、このブラジャーと組み合わせることによって
さらに大きさを錯覚させることができる優れもの・・・らしい。とりあえずこれは持っていくかい」
「え、あ、はい、ありがたく」

「はぁ~、あれだけ動き回って手に入ったのはこれだけか、空しい」
「何が空しいのかしら」
「ええ、胸を大きくする方法が見つからなくて・・・・え?」
「はーい、妖夢幽々子が貴方のこと探してたわよ
それはもう大騒ぎで、半泣きで妖夢ー妖夢―ってあの子らしくもなく、何驚いてるのよ」
「紫さま、起きてたんですか?」
「そりゃ起きてるわよ。で呼びにきたんだけど、どうしたのそんな顔して」
「あ、あの、今の話は秘密でお願いします」
「・・・ふふーんどうしようかなぁ、まあ今はそれどころじゃないし
幽々子が手当たり次第殺しまくらないうちに帰りましょ」
「はい」
「じゃ、怖いかもしれないけど隙間にはいって、すぐだから」

「妖夢ー、妖夢ー、どこー、どこいっちゃったのー」
半分泣いたような声で叫びながら幽々子が走り回っている。
それは時間のゆっくり流れる冥界において、
そのとくにゆっくりとしている幽々子という存在を知る妖夢にとってひどく珍しい光景だった
「はい、ただいま戻りました。幽々子様、心配かけて申し訳ありませんでした」
「妖夢!、ああ妖夢、よかった。妖夢が事故に巻き込まれて死んだんじゃないかって思うと私」
「私はもともと半分死んでますから、それに死んでも私は幽々子様と一緒ですよ」
「本当?成仏したりしない?」
「はい、絶対、幽々子様みたいな主人を残しては絶対安心して成仏できませんから
心配しましたか?」
「ええ、すごく心配したわ、ほんと私らしくないくらい妖夢が帰ってこないかと思うと」
「妖夢、あなた何も手に入らなかったって言ったけど最後に大事なものを見つけたでしょ」
「ええ紫さま」
「あら何を話しているのかしら妖夢、あら紫、いたの?」
「いたの?ってこういうところは貴方らしいわね。貴方が私を呼んで妖夢を探しに行かせたんじゃないの」
「そうだったかしら、わたしったらすごく慌ててたから妖夢がいなかったらって考えただけで」
「幽々子様ー、私、私」
「妖夢、大好きよ、あなたの」
「私もです。幽々子様」
「ご飯が・・・ってあら妖夢、今更何言ってるのかしら、貴方が私のこと大好きなことぐらいずっと前から知ってるわ
これで妖夢のご飯が食べれると思ったら安心しちゃった」
「え?あ、あのー、もしかして心配したって」
「妖夢、貴方がいないと私はどうやってご飯を食べたらいいのかしら、大事件じゃない」
「幽々子様ー、私のこと心配したんじゃないんですかぁ」
「もちろん心配したわよ。でもご飯は一日の活力よ。なくてはならないの、私ご飯なしじゃ死んでしまうもの」
「幽々子様はもう死んでます」
「そういえばそうね。でもそういうことだから妖夢、
今後は私に心配かけることなく毎食私にご飯を時間どおり準備すること、わかった?」
「はい、うう、せっかく心配してもらえたと思ったのに―」
「妖夢、貴方の第一の仕事は私のご飯を作ることですからね。それも一生かかさずよ」
「うう・・・はい幽々子様、一生このままかぁ」

「全く素直じゃないんだから幽々子ったら一生自分にご飯を作れだなんて結婚しろといってるみたいなものじゃないの」

「幽々子さまー、ちょっと待ってください」
「おなかすいたのー、妖夢、早くしないと食べちゃうわよ」
「うわーつまみ食い禁止ー」
「だって我慢できないもの」

「たまには私も式にサービスしてあげようかしら」

そんな独り言だけ残して紫も隙間の向こうに消えた。白玉楼は今日も平和だ
コメント



1.通りすがり削除
後半とか会話だけでなく地の文で描写したほうがいいところが結構あると思います。そのへんをちょっと直すだけでもっと良くなるのではないでしょうか
こういう話は好きなので良かったですよ