Coolier - 新生・東方創想話

似てるから

2020/11/10 19:12:24
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 お姉様は不定期で、私の所まで甘えに来る。
 普段は完璧であるお姉様が、わざわざ私に甘やかしてもらうために地下室に降りてくるのだ。その足音は本当に軽やかで、浮き足だったお姉様が容易に想像できる。それが非常に愛らしく、可愛らしいのだ。
 そして今日、お姉様が私の所に来た。用件など、解りきっている。
 お姉様はしっかりとした足どりでベッドに歩み寄り、私の横に腰掛けた。
「何の用かしら、お姉様?」
 お姉様は何も答えない。ただ私の肩を柔かく掴んで押し倒した。猫のように、私のお腹にすりすりと頬を擦りつけるお姉様。その度に衣擦れの音がする。白魚のような指が、横腹を撫でながら上がってくる。そのまま背中に腕を回され、ぎゅうっと抱きしめられた。
「お姉様は、本当に甘えん坊さんね」
 羞恥を隠すように、抱きしめる力が強くなった。羽をお姉様の背中に回して、私も抱きしめかえす。しばらくその体勢を維持したあと、おもむろにお姉様はずりずりと這い上がってきて、顔を私の胸にのせた。鼻息がくすぐったい。
「かわいい」
 まるで、血の匂いに興奮した蝙蝠だ。ぱたぱた揺れる羽も、やる気無く私を見つめる紅い目も。私の素直な感想が気に入らなかったのか、口をへの字に曲げるお姉様。それでも抱きしめる力を緩めないのがまた可愛らしい。
「よしよし」
 頭を撫でると、わかりやすく頬を緩める。この悪魔は、いったい何人の者を拐かし、堕落させてきたのだろう。

———

 階段を上がりきった先には、こいしがいた。いつもなら地下室にまっすぐ向かっているのに、此処で私を待っていたのだろうか。
「ねぇ、レミリア」
「何?」
「甘えん坊のフリ、いい加減やめたら?」
 いきなり本題に入ってきた。私の中にはこいしがそんな事を言う印象はなかったので、少し面食らう。
「元々、フランちゃんを安定させるためにしてたんでしょ?もう必要ないじゃない」
「…まぁ、そうなんだけどさ」
 そんな事まで話していただろうか。こいしとの会話は、何をどこまで話していたのかが判らなくなるから、怖い。
「…最近ね、こうしてフランに甘えるのが、さ」
 そこで言葉に詰まる。どれだけカッコつけの台詞を吐いていても、こうした告白は恥ずかしい。特に相手がこいしなら、何を言われるかわかったもんじゃない。
「甘えるのが、何?」
「……すごく居心地がいいの」
 言ってしまえば、特に恥ずかしくはなかった。喉元過ぎればなんとやら、というやつだろうか。
 こいしは特に反応を示さなかった。そう、と淡泊な感想だけを言った。

———

「それで、お姉様が本当に可愛くてね」
「知ってる」
 置いてあったクマのぬいぐるみを座布団にして、床に座る。クマは手に何か持っていた。手に取って見てみると、ハートのQだった。
「知ってるって何よ。お姉様の可愛さが、こいし程度に理解できるわけないでしょ」
「できるよ」
 だって貴女たちは、本当に似ているから。
「フランちゃん、気づいてるよっていい加減言ってあげたら?」
「嫌よ。せっかく甘えに来てくれるのに」
「ま、いいけどさ」
 どうせなら私も甘やかして欲しいのだけど。無意識であーだこーだしたら出来ないかなぁ。
「いや。私はお姉様を可愛がるので手一杯なの」
「あら、口に出しちゃってた?」
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コメント



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1.100サク_ウマ削除
かわいいがかわいいで最強かよ。たすかる。ありがとうございました。
2.70名前が無い程度の能力削除
よかったです
3.80名前が無い程度の能力削除
三人が可愛らしかったです
4.100南条削除
面白かったです
いつの間にか楽しくなってきちゃっているレミリアがかわいらしくてよかったです
5.100めそふらん削除
くそ可愛いですね。
どっちも単純に甘えて甘えられる関係じゃなくて、ちゃんと裏で色々あるのが可愛くて最高でした。
6.100ヘンプ削除
可愛い……!
7.100名前が無い程度の能力削除
後半の畳み掛けかわいすぎか?
8.90れどうど(レッドウッド)削除
かわいらしい駆け引きですね
9.90名前が無い程度の能力削除
あら可愛い。何のかんのフランちゃん大好きなレミリアお嬢様、良いですね。