Coolier - 新生・東方創想話

アジサイ

2020/07/12 19:46:04
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 いつも隣に座っている人がいない。その代わりに私が座っていた。
 雨が降っていた。
 博麗神社の居間の縁側で私に座っている。

「雨が降り続けるね」

 私は煎餅を食べていた。雨はシトシトと降っている。
 縁側の庭には緑色のアジサイが咲いてた。

「私が植えたアジサイか」

 アジサイはシトシト降る雨の粒で時折上下に動く。
 私はポリと煎餅を食べる。

「湿ってる」

 もぐもぐと食べる。
 
「暑い 暑い」

 ドタドタと足音が聞こえた。

 霊夢

 私は少しだけ胸が弾む。

「アリス はい麦茶」

 ドタと私の横に座り、麦茶の入ったコップをくれた。
「ありがとう」

 私はコップを貰い一杯飲む。

「......」
「......」

 無言。雨の粒は徐々になくなる。

「アジサイ」

 霊夢が言う。

「庭があまりにも汚いから、私が整備してアジサイを植えたのね」
「魔理沙が魔法の研究のために紅魔館の大図書館の方にずっと行ってここには来なくなった頃かー」
「魔理沙か」

 私はコップの中の麦茶を見る。
 魔理沙は最近は新しい魔法の研究に没頭し始めて資料が豊富にある大図書館にほとんど缶詰状態で研究してる。

「単なる友達」

 霊夢は自分が持ってる麦茶の入ったコップを飲む。
 庭を整備してるときに霊夢は縁側で座って見ていた。その顔は少し寂しそうだった。
 それから少しだれ霊夢の横に座り、いつの間にか毎日博麗神社に来て横に座るのが当たり前になっていた。

「アジサイ見ようか」

 霊夢は麦茶を一気飲みすると立ち上がる。

「う.うん」

 私も麦茶を飲み干し立ち上がる。曇りだが雨は止んでいた。
 二人でアジサイの前まで行く。

「綺麗」

 霊夢は言う。アジサイの花には雨の滴が垂れて微妙に輝いてる。

「私は魔理沙は相棒と同時に友達と思ってた。魔理沙も思ってたんだよね。でも実際に来なくなるとポカーンて大きな穴が開いたんだよね」

 霊夢はアジサイを見ながら言う。

「そう。魔理沙も以外に鈍感だからねー」

 私は霊夢を見ながら陽気そうに言う。

「......アリス」
「はい......」

 数秒の流れ。長く感じ、遅くも感じる。
 雨がまたシトシトと降り始めた。

「でも、アリスが私の横に座ってくれてうれしかった」
 
 霊夢が私の方を向く。雨が少しづつだが強く降ってくる。

「霊夢」

 次に唇に何かが触れた。雨の滴が大きく見えた。それ以上に霊夢の大きな顔が見えた。
 何が起きたのか分からなかった。
 分かったことは霊夢にキスされたことである。
 雨の滴が地面にぶつかる音がたくさん木霊してる。ゆっくりと霊夢の顔が離れ、私の唇に触れた物も離れる。

「霊夢.....」

 私が霊夢を見る。赤面してる霊夢。顏は雨の滴で濡れている。

「アリス、私は貴女が」

 雨の音が激しく木霊する中で私はただ霊夢を見てるしかなかった。




  
 ありがとうございます。
 このサイトは百合物はダメかと思いましたが、検索すると百合物がポツポツありましたので思い切って投稿しました。
三河魂
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コメント



0.320簡易評価
1.100奇声を発する程度の能力削除
とても素晴らしかったです
2.100終身削除
見ててとても心が暖かくなりました 霊夢の表情とか態度から魔理沙の事はどう思ってるんだろうとか色々読み取ろうとしているようなそれはそれとして親友があまり来なくなったのを少し心配しているようなアリスが霊夢の事を大切に思ってそうで良いなぁと思いました 
3.90名前が無い程度の能力削除
しとしと雨の日の引き延ばされたような気怠い時間の中のレイアリがすごく良かったです
9.100名前が無い程度の能力削除
アジサイなのに百合とはこれ如何に
11.無評価夏後冬前削除
霊アリを肯定するために魔理沙を否定していない? 霊アリを構築するための重要な骨子がないので、腑に落ちない。どうして2人は好き合ってるのか、を読みたい。
12.100南条削除
面白かったです
あまいあまいいいお話でした
13.100名前が無い程度の能力削除
悲しい感じ好き
14.100こしょ削除
雨の降り方と時間の経過の感じがなんだかいいなぁと思いました
15.90モブ削除
前後を読みたいなあ、と思ったのです。そのしっとりとした部分をもっと味わいたいなあと。綺麗でした。