こがさのここがさ

作品集: 最新 投稿日時: 2010/06/14 02:58:33 更新日時: 2010/08/01 02:56:23 評価: 35/117 POINT: 6830 Rate: 11.62
 妖怪の力は、その精神状態に大きく左右されるという。
 たとえ四肢がバラバラになっても回復するという妖怪だが、精神的なダメージが致命傷になることすらある。
 たとえば――妖怪としての存在意義、それを否定されるようなことがあれば、そのダメージは計り知れない。
 何を存在意義とするかは妖怪それぞれだが、彼女――付喪神である多々良小傘にとってそれは『人を驚かすこと』であった。
 それは彼女にとっては生甲斐といっても差し支えない程に重要なことであったが、その本業がこの所まったく上手くいっていない。
 その事実は心に重く圧し掛かり、彼女の力を根こそぎ奪っていった。
 力を失った付喪神がどうなるのか。
 答えは簡単なことだ。
 そう、妖怪でも何でもない『ただの傘』に戻るだけ。
 そうして、人の姿も維持できなくなった小傘はぽつりぽつりと降り始めた雨の中に横たわっていた。
 かろうじて意識はあるものの、最早体を動かすこともままならない。
 そんな状態なので、ぱっと見ではただ傘が捨てられているようにしか見えない。
 それは本人にも容易に想像がつき、その光景を思い浮かべるたびに人間に打ち捨てられた過去を思い出させ、さらに小傘の心を追い詰める。

 ――このまま消えちゃうのかな。
 
 ただただそんな不安ばかりが募っていく。
 しかし小傘に出来ることは何もなく、ただじいっと降り注ぐ雨の音を聞いていた。
 そんな中、
 
 じゃりじゃり。
 
 と、誰かが歩く音が微かに小傘の耳に届いた。
 それは、段々と小傘の方へと近づいてくる。
 
「あー、すっかり本降りになって来たね。こんなことなら傘ぐらい持ってくるんだったよ」
「荷物が増えるから嫌だって言ったのは神奈子じゃない。それに、これぐらいの雨どうってことないでしょ」
「そりゃ、蛙からすればどうってことないだろうけどねぇ……」

 雨音に混じって聞こえる話し声。
 小傘からは確認できないが、どうやら二人組みらしい。

 ――拾ってもらえないかな。
 
 朦朧とする意識の中、そんな淡い期待を抱きながら二人組みが通るのを待つ。
 
「ん? 神奈子、あんな所に傘が落ちてるよ」
「本当だ。……しかし、なんか冴えない配色だねぇ」

 そんな言葉に胸がずきりと痛む。
 
 ――やっぱり私みたいな傘じゃ嫌だよね……。
 
 配色を理由に拾われてはまた捨てられる日々。
 そんな思い出したくも無い過去の記憶が頭を過ぎる。
 それが小傘の心に追い討ちをかけ、少しずつ彼女の意識は薄れていく。
 
「そうかなぁ。それほどでもないと思うけど」
「だって、まるでナスのような色じゃないか。きっと元の持ち主もそれが気に入らなくて捨てたのだろうさ」

 はっきりとしない意識の中、そんな話し声だけが耳に響く。
 
「別にどんな配色だって傘は傘じゃん。道具で大事なのは見た目じゃなくて、機能だよ」

 そう言うと、二人組みの片割れは小傘へ向かって手を伸ばす。
 
「ほら、まだまだ使えそうだよ。さあ、これを差して帰ろう――」

 その声を聞いて、小傘の意識は薄れていった――。
 
 ◇◇◇

 次に意識を取り戻したとき、まず小傘が聞いたのは雨の音だった。
 天から零れた雨粒が世界を叩き、重く低く軽く高く、様々な色を持って響き渡る音。
 響き続ける音の渦に身を浸していると、先程まで鬱屈としていた心が少しずつ軽くなってくるようだった。
 やはり雨の音はいい、と思う。
 雨音に耳を傾けるのは、人間に驚いてもらえたときと同じぐらい、小傘の心に安らぎをもたらす行為だ。
 まどろみの中で幸福な心地を味わいながら、ずっとこの音に耳を傾けていたい、とすら思う。

「――お、目が覚めたみたいだね」

 不意に耳元で声がした。
 子供のように甲高い、それでいて重ねてきた年月の重みを感じさせる、不思議に落ち着いた声。
 確か、意識を失う直前にもこの声を聞いたような気がする。
 そう思った瞬間、一気に意識が覚醒した。
 慌てて跳ね起き、そうしてから初めて、自分が人の形を取り戻していることに気がつく。

「え、なんで……」

 驚き、戸惑いながら自分の体をぺたぺたと触る。
 やはり、手も体も人の形をしていた。小傘が妖怪として活動する際に取り続けてきた姿。
 確か、あまりに驚いてもらえないために消耗し、この姿になることすら出来ないほど力を失っていたはずなのだが。

「あんたがわたしたちを驚かせたからだよ」

 また、あの声がした。
 そちらに目を向けると、すぐそばに小さな子供がいた。
 柔らかそうな金髪の上に、二つの目玉がついた奇抜なデザインの帽子を被った娘だ。
 パッと見では十に届くか届かないかに見える幼い顔立ちだったが、胡坐を掻いて頬杖を突き、にやけた笑みを浮かべてこちらを見つめるその姿には妙な威厳がある。
 ただそれだけでも、この娘が人ならざる者であることは見て取れる。
 すなわち、

「妖怪……?」
「違う違う」

 思わず漏らした呟きに、娘が面白そうに答える。

「わたしの名前は洩矢諏訪子。ここは守矢神社だよ」
「神社……?」

 その言葉を聞いて初めて、小傘は周りを見回した。
 どこか、人間の家屋の中のように見える。神社と言うから、社の中かと思ったのだが。

「ああ、ここは人間が住む区画なんだよ。今はいろいろあってわたしらもこっちで寝起きしてるけど」

 こちらの疑問に気がついたらしい諏訪子がさり気なく解説を入れる。それで小傘も少し納得した。
 小傘が寝かされていたのは、六畳ほどの小さな部屋だ。蒲団の上から横を向くと、閉められた障子の隙間からどんよりと曇った空が見えた。

「で、わたしがここに祀られている神様ってわけね」
「神様?」

 小傘が驚いて振り向くと、諏訪子はふざけた様子で畏まりながら、

「そう。あたしゃ神様だよ。苦しゅうない、信仰せい」
「あ、え、ええと、ははーっ!」

 あたふたとその場にひれ伏すと、諏訪子と名乗ったその娘……いや、神は、ぴらぴらと手を振った。

「いやいや、冗談だって。なんか押しが弱いねえ、あんた」
「えっ」
「そんなんでやっていけるの? どいつもこいつも我が強いこの郷でさあ」

 呆れたような諏訪子の声に、小傘は息を詰まらせる。
 実際、その通りと言えばその通りだ。小傘にも付喪神の知り合いが何人かいるが、気弱な者はあまり上手く人を驚かせられず、気の強い者はそこそこ上手くやっていつも腹を膨らましているような気がする。
 小傘は気弱ではないつもりだが、少々流されやすい性質であることは自覚している。
 この間宝船が飛んでいた異変のときも通りすがりの人間を驚かせようとして襲いかかり、結局終始相手のペースに巻き込まれて酷い目にあった。
 不意にそのときのことを思い出してしまい、小傘はぶるりと身を震わせる。

「さでずむ……」
「ん、どうしたの? なんか古傷抉っちゃった?」
「古傷と言うか割と新しい傷と言うか……」
「よく分かんないけど」

 諏訪子は苦笑し、ぺたりと手を突いて息を吐く。

「ま、何にしても、少しは力を取り戻せて良かったじゃない。妖怪と大差ないとは言え、仮にも神と名のつく者が消えて行くのを見るのは、わたしらとしても忍びないからねえ」
「あ、そう言えば」

 ふと気がついて口に出したら、「ん」と諏訪子が首を傾げた。

「ええと」

 続けようとして、小傘はふと気がつく。
 今までの話から察するに、目の前の娘はただの子供に見えてその実偉い神様、要するに目上の存在のはずである。
 小傘は慌てて正座して姿勢を正しながら、おそるおそる尋ねた。

「わたし、お腹ぺこぺこでもうほとんど力失ってたはず、なんですけど。どうして元に戻れたん、ですか?」

 慣れない敬語につっかえながら言うと、諏訪子は「普通に喋っていいよ」と笑いながら答えた。

「いや、実は里へ出かけた帰り道、雨に降られちゃってね。分社経由で帰ればすぐなのに、久々に二人きりなんだから散歩して帰ろう、なんて神奈子が言うもんだから」
「はあ」
「困るよねーホント。早苗への接し方もそうなんだけど、神奈子ときたらいつまで経ってもベタベタしたがってさー」
「ええと」
「今回の宿泊のことだって、ちょっと博麗の巫女のところに行くだけなのにえらく心配して忘れ物はないかお土産は持ったかって、うるさいのなんの」
「あの」
「まあなんだね、わたしも神奈子のそういうところは別段嫌いでもないと言うか……あれ、何の話だっけ?」

 諏訪子が首を傾げたので、小傘はずっこけそうになった。
 姿勢を正しながら、

「いや、なんでわたしが力を取り戻したのかっていう話で……」
「ああ、それだそれだ、ごめんごめん」

 笑って頭を掻きながら、諏訪子は今度こそ説明する。

「そんで、買い物の帰り道に傘に戻ってるあんたを見つけてさ。とりあえずこれ差して帰ろうかって相合傘したわけね。いや神奈子ったらあの成りのくせに恥ずかしがるもんだから大変で」
「あのう」
「ああうん、そうだった。で、あんたを差して歩いてたんだけどね、その内気付いたわけよ。『あれ、なんかこの傘から微妙に妖気感じるぞ』ってね。で、驚いた瞬間……ボワン、と」

 諏訪子が握った手を広げてみせる。それで小傘は、ようやく事の次第を理解した。
 同時に、一つ新たな発見をした。

「驚かせる相手って、人間じゃなくても良かったんだ……」
「んー。まあ、わたしらも妖怪の信仰集めにこの郷に来たわけだしね。その辺は割とゆるゆるなんじゃないの」

 それに、と諏訪子は笑いながら続ける。

「そのときたまたま、里の人間らしいのがそばを通りかかったところでね。わたしが持ってた傘が急に女の子に変わったもんだから、悲鳴を上げて腰を抜かしてたよ」
「あー……それで」
「そうそう。で、このまま放っておくのもなんだからってことで、この神社まで連れてきて寝かせてたわけ。以上」
「あ、どうも」

 説明を終えた諏訪子に礼を言いつつ、小傘は小さくため息を吐いた。

「ん、どうしたの?」
「ああいや、なんと言うか」

 経緯を聞いていて、少し情けなくなったのだった。
 傘を差していて途中で気がついた、ということは、少なくともすぐには小傘が妖怪だということに気がつかなかったということだ。
 今回はそれ故に助かったわけだが、逆に言えばちゃんと人を驚かせてさえいれば、そもそもそんな事態になることすらなかったということでもあり。

「駄目だなあ、わたし」
「なにが?」

 気楽に聞いてくる諏訪子に、小傘は独り言のような調子で答える。

「わたしを捨てた人間を見返してやる! なんて言って妖怪にまでなったのに、実際は全然駄目で……」
「ま、そうでなきゃあんな酷い様にはならないよね」

 諏訪子があっけらかんとした調子で容赦なく小傘の胸を抉る。
 泣きたいような気持ちで小傘が俯くと、それを見ていた諏訪子がおもむろに立ち上がった。
 小傘のそばを通り過ぎ、部屋の端にある障子をあける。
 どんよりと曇った空から、しとしとと雨が降り注いでいた。

「気持ちは、ちょっと分かるんだよね」
「え」

 小傘が顔を上げると、諏訪子はこちらに背を向けたまま、かすかに寂しさを滲ませた口調で言った。

「自分を捨てた人間を見返してやる! ってやつ」
「どうして?」
「わたしらもある意味じゃあ似たような気持ちを味わってるから、ね」

 よく分からずに小傘が困惑していると、「ま、なんだな」と諏訪子が明るい顔で振り返った。

「あんたにまだそういう気持ちがあるんなら、協力してやるのもやぶさかじゃあないね」
「え、なんで?」
「暇つぶしってのもあるけど。言ったじゃん、ちょっとは気持ちが分かるってさ」
「でも……」

 小傘は少し戸惑う。
 今までどんなにやっても駄目だったのに、今更ちょっと手伝ってもらったところで上手くいくものだろうか?
 一時人の姿を失って消えかけまでしたのだ。いかに根が単純な小傘と言えど、立ち直るのはそう容易なことではない。
 そうして黙りこくっていると、「ちょいとちょいと」と諏訪子が手招きした。

「なに?」
「いいから。ちょいとこっちおいで」

 なおも諏訪子が手招きするので、小傘は戸惑いながらものろのろと立ち上がった。
 縁側まで出て行って、諏訪子の隣に立つ。広い庭が見えた。

「わたしが思うにね」

 雨にかすむ庭を見ながら、諏訪子が目を細める。

「あんたの驚かしが上手くいかないのは、やり方が悪いからさ」
「いろいろと工夫はしてるけど」
「ならその工夫が良くないんだね」

 言って、諏訪子はにやりと笑う。

「わたしは驚かしっていうか脅しが本職なんだけど、驚かしだってあんたよりは上手くやれるつもりさ」

 その言葉に、小傘はほんの少しだけムッとする。
 いかに上手くいかなくて自信を失っているとは言え、小傘もこの道結構長いつもりである。
 それをこうもあっさり言われては、さすがに黙っていられなかった。

「じゃあ、今からわたしを驚かせてみてよ」

 相手が偉い神様であることを考えれば、少々大胆な台詞だ。
 どきどきしながら小傘が言うと、「あいよ」と諏訪子はあっさり頷いて、庭の一角を指さした。

「じゃあね、まずはあれを見てみてよ」
「どれ?」
「あれ。あの庭石」

 庭石。一体どれほど仰天するような奇妙な石なのだろう。
 何にしても絶対に驚かされないぞ、と警戒しながら、小傘は諏訪子の指差す方へと目を向ける。
 一見して、それはただの石ころだった。確かに庭石らしく少々大きくはあるが、形もゴツゴツしているだけで、別段何てことのないただの石だ。
 いや、ひょっとして今から何か飛び出してくるのかもしれない。小傘は警戒を保ったまま、一心不乱に庭石を見つめ続ける。
 しかし、どれだけ経ってもやはり何も起こらない。

「あれ、おっかしいなー」

 当ての外れたような声で諏訪子が呟いたので、小傘はようやくほっと一息吐いた。

「ほら見なさい、わたしちっとも驚かなかったもん……」

 小傘は笑いながら諏訪子の方に振り向き、凍りついた。
 先程まで柔らかな金髪の童女だったはずの諏訪子の顔が、世にも醜い蛙になっていた。
 皮膚はデコボコのイボイボで、喉のところが膨らんだり萎んだりしていて、目玉はギョロギョロと蠢いている。
 そんな蛙が小傘をじーっと見つめていて、彼女が振り向いた瞬間に、

「ばぁーっ!」
「ぎょあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!?」

 蛙がダラリと舌を垂れさせながら身を乗り出してきたので、小傘は驚きのあまり尻もちを突いてしまった。
 途端に蛙の顔が諏訪子のものに戻り、彼女はゲラゲラと笑いだす。

「ほーら、驚いたでしょ?」
「お、おしっこちびるかと思った……」

 半泣きになりながら小傘が言うと、諏訪子は得意げな顔で指を立ててみせる。

「ま、ざっとこんなもんよ。警戒が解かれてほっとしたところにインパクトのあるネタを持ってくる。初歩中の初歩だけど、思いこみが激しくて単純な奴ほど引っ掛かりやすい手さ」

 酷い言い草と言えば酷い言い草だが、実際それで引っ掛かったのだから、小傘は何も言えなかった。
 いや。それ以上に、彼女は感動に打ち震えていたのだ。
 まだ得意そうに何やら話をしている諏訪子を見つめて、かすかに身を震わせる。
 この人なら。
 この人ならば、どうしようもない自分を変えてくれるのではないか、と。

「諏訪子さん、いや、諏訪子様……!」
「え、なに?」

 きょとんとして振り向く諏訪子の前に、小傘は勢いよく身を投げ出した。床板に頭をこすりつけんばかりの勢いで土下座し、

「わたしを、あなたの弟子にしてくださいっ!」
「……はい?」

 諏訪子はぱちくりと目を瞬いた。



 事情を聞いた諏訪子は、「まあいいよ、暇だし」と、割とあっさり頷いてくれた。
 それで晴れて洩矢諏訪子の弟子になった小傘は、今後この守矢神社の預かりになることとなった。

「まあここは妖怪の山で、住人も多いからさ。練習相手には不自由しないだろうよ。天狗連中の中には堅物も多いから、そこんところはちょっと気をつけなきゃいけないけど」

 諏訪子はそう言って笑い、守矢神社に祀られているもう一人の神に会わせてくれた。
 その神様の名前は八坂神奈子と言って、立派な注連縄を背負っているという実にインパクトのある外見であった。

「ほら見なよ小傘、道を曲がった瞬間こんなのが仁王立ちしてたら驚くでしょ? 酷いときには柱まで背負ってんのよこいつ。よく参考にしな」
「なるほどー」
「……もしかして喧嘩売ってんのあんたら?」

 神奈子はそのときこそこめかみに青筋を立てていたが、事情を聞くと意外なほど快く受け入れてくれた。
 理由を聞いたら、諏訪子と同じようにほんの少し寂しそうな声で、

「少し、気持ちは分かるからね。手伝いぐらいならしてやるよ」

 と、言ってくれた。
 こうして、多々良小傘の守矢神社居候生活が始まったのである。



 守矢神社で暮らし始めてから、一週間ほど経った日のこと。
 境内で箒を動かしながら、小傘はため息を吐いていた。

「誰も驚いてくれない……」

 悩みはもちろんそのことだった。
 この一週間、諏訪子や神奈子の助言も受けつつあれこれと知恵をこらして山の住人への驚かしを実行してみたのだが、結果はいまいち芳しくない。
 小傘が張り切って「うらめしやーっ!」と出て行っても、

「ん、なに、芋食べる?」

 だの、

「あらあなた、ちょっと厄がついてるわ。払ってあげるわね」

 だの、

「おー、ちょうど大将棋の相手探してたんだ。一戦付き合ってもらえる?」

 だの。
 どいつもこいつも驚かず、それどころか何故か世話を焼いてくる始末だった。
 そんなわけで小傘はこの一週間ほどの間に飽きるほど芋を喰らい、厄を落としてもらい、大将棋のルールを一通り覚えてしまった。
 無論それはそれで楽しくないわけではなかったのだが、驚かし方を覚えるという本来の目的は全く達成できていない。ため息も出ようというものだ。

「おー。どうしたね、小傘」
「あ、諏訪子様……」

 頭の後ろで両手を組んでぶらぶらと歩いてきた諏訪子に、小傘はぺこりと頭を下げる。
 諏訪子はからからと笑いながら、

「その様子だと、今日も驚いてもらえてないみたいだね」
「そうなんですよ」
「ま、焦らずゆっくりやろうじゃないの。その内なんとかなるって」

 諏訪子が気楽にそう言ってくれたので、小傘の気持ちも少し軽くなる。
 守矢神社の二柱は、小傘に対して実に親身になってくれていた。特に神奈子の方は、ほとんど小さな娘を可愛がっているような調子である。
 今小傘が着ている、二の腕の部分だけが切り取られたような奇抜なデザインの巫女装束も「早苗が昔着てた奴だけど」と言って、どこかから引っ張り出してきたものだ。
 サイズがぴったりだったのを見たときは、「似合う似合う」と手を合わせて喜んでいた。
 それを見た諏訪子がからかうような口調で、

「今の早苗のを着たら胸のところが余るよね、きっと」
「黙りな、諏訪子」

 と、二柱は小傘にはよく分からぬ会話を交わしていたものである。
 元々は人間の服なのに自分が着ていてもいいんだろうか、と小傘は少し悩んだが、諏訪子は笑って、

「いいのいいの。最近は早苗も手がかからなくなってきたからね。世話焼ける相手が出来て楽しんでんだよ、神奈子は」
「神様が人間の世話を焼くんですか?」

 意外に思って小傘が聞くと、「そうだよ」と諏訪子は苦笑した。

「早苗はちょっと特別でねえ。あんなにはっきりとわたしたちの姿が見えて、声も伝えられる人間なんて、外の世界じゃもう生まれないと思ってたから。それを初めて知ったときの神奈子の喜びようは、そりゃ凄いもんだったよ」
「そんなにですか?」
「そう。神奈子もわたしも、もう人間には相手にしてもらえないって半ば諦めてたからね。だから神奈子が早苗に構いたがる気持ちも、あの子が独り立ちしそうで寂しいって気持ちも、ちょっとは分かるのさ」

 諏訪子は懐かしそうに、そう語っていた。



 そろそろ昼飯にしようか、と諏訪子が言ったので、小傘も掃除を切り上げることにした。
 一応守矢神社の居候ということで、小傘は境内の掃除などもこなしている。本来であれば食事の用意などもするべきなのかもしれないが、もちろん妖怪である小傘にそんなことなど出来るわけもない。食事は山の天狗に届けてもらっているとのことだ。
 小傘も人の形を取っているので、人間の食事を摂取することは出来る。
 無論、人を驚かすのが存在意義の妖怪たる身、そういう食事は大して栄養にならないのだが、世話になっている手前断るわけにもいかない。
 なにより小傘自身にとっても、二柱と食卓を囲むのは楽しい時間だった。

「いつもなら早苗が作ってくれるんだけどねえ。小傘にも食べさせてやりたいよ、早苗の作った料理」

 神様の食卓にしては随分と家庭的なちゃぶ台の前で、神奈子がしみじみとした口調で言う。
 焼き魚に箸を伸ばしながら、諏訪子が呆れた口調で言った。

「また神奈子はそうやって。早苗は今日の午後に戻ってくるんだから、ちょっとは我慢しなよ」
「え、わたしそんなに早苗のこと話してた?」
「こうやってご飯食べるたびに一回は言ってるじゃない。ねえ、小傘」
「そうだったと思います」
「あら。そうだったかしら」

 神奈子が誤魔化すように言うと、諏訪子がため息を吐いた。

「やだねえ、全く。いい加減子離れしてほしいもんだよ。これじゃ早苗が男でも連れてきたときにどうなるもんだか」
「そのときはもちろん、『早苗を嫁にしたければこのわたしを倒してみせい』と」
「どのバカ親父だあんたは。んなことしたら本気で縁切られるよ?」
「え、それは困る。ど、どうしよう諏訪子……」
「だから大人しくしてりゃいいんだっての、ったく」

 呆れたような諏訪子とオロオロしている神奈子に、小傘はくすりと笑みを漏らす。
 こうして二柱と一緒に食卓を囲むのにも、ようやくほんの少しだけ慣れてきたところだ。
 最初は偉い神様が相手ということでとても緊張したのだが、二柱の雰囲気からはそんな様子など微塵も感じられず、小傘もすぐに打ち解けることができたのだ。

「まあ、昔ならこうはいかなかっただろうけどね。早苗相手に家族ごっこやってる内に、こういう雰囲気に慣れちゃったんだろうさ」

 諏訪子は少し皮肉っぽくそう言ってたが、口調の割に顔には穏やかな笑みが浮かんでいた。
 彼女自身、そういう関係をまんざら悪く思ってもいないようだ。

「そう言えば」

 相変わらず早苗さんとやらの話を続けている二柱を見ていて、小傘はふと気がついた。

「どんな人なんですか、早苗さんって」

 小傘が聞くと、二柱はそろって「え」と声を漏らしてこちらに振り向いた。

「あれ、知らなかったっけ?」
「話してなかったっけ?」

 二柱に問われて、小傘は首を横に振る。
 もちろん彼女らが早苗さんとやらについて語っているのを何度も聞いてはいるが、どんな人なのかと直接問うたことはなかった。
 二柱がその人のことについて話す様子を見ているだけで楽しかったというのもあったが、少し遠慮していたせいもあるのかもしれない。
 それで今になってようやく、自分がその人の顔も知らないことに思い至ったのだった。
 考えてみれば間抜けな話だったが、それは二柱の方でも同じだったらしい。

「あー、そう言えばそうだっけね」
「すっかり話した気でいたよ」

 二人揃って苦笑したあと、「ま、仕方ないかもね」と諏訪子が言った。

「なんて言うかこう、小傘が馴染みすぎなんだよね」
「ああ、分かるねそれは。まだ一週間なのに、ずっと前からいるみたいだよね」

 しみじみと頷き合う二柱を見て、小傘は少し不思議に思った。
 彼女としては、別段馴染もうとか溶け込もうとか努力したことはない。
 それなのにそんな風に言ってもらえるのは、やはり不思議だ
 自分がそのことについて、あまり違和感を覚えていないのも。

「えっと、それじゃ早苗のことちょっと話そうか。あれ、写真とかあったっけ」
「いいよ神奈子。どうせもうすぐ本人が戻ってくるだろうしさ」
「いや、でもねえ。やっぱり写真探してくるよ。一番写りがいいやつ」

 そう言い残して、神奈子はそそくさと部屋の外へ出て行く。
 それを呆れ顔で見届けたあと、諏訪子はこちらと向いて苦笑した。

「多分延々と自慢話聞かされる羽目になると思うけど、我慢しなね」

 小傘が何と答えていいか分からず曖昧に笑ったとき、不意に玄関の方から聞き慣れぬ声がした。

「神奈子様ー、諏訪子様ー。ただいま戻りましたー!」
「おっと、噂をすれば影だ。我らが風祝をお出迎えしてやるとしようかい。お前もおいで、小傘」

 諏訪子が立ち上がって部屋を出て行ったので、小傘もつられるように席を立つ。
 だが、立ち上がりかけたところで不意に足から力が抜け、慌ててちゃぶ台に手を突いて体を支えた。
 どうしたんだろう、と困惑しながら立ち上がろうとするが、足が震えて上手く立てない。

(なんだ、これ。ええい、もう。早く、しないと……!)

 焦りに焦るが、どれほど力を入れようとしてみても、足は震えっぱなしだ。
 それで初めて、自分が思っていた以上に消耗していたことに気がついた。

(そりゃそうか。結局あれ以来一度も驚いてもらってないもんね……)

 一人、苦笑いを浮かべる。
 このままだと、また消えかけて倒れる羽目になるかもしれない。

(嫌だな。まだ、消えたくないな)

 せめてもう少しここにいたいと、小傘は切実に願う。
 力が抜けた足を無理矢理立たせながら、引きずるような歩調で廊下を出た。
 この一週間ほどを過ごしてきた守矢神社の中は、今日も穏やかな静けさに包まれている。
 小傘もまた、諏訪子たちが言うのと同じように、この雰囲気に馴染み、妙な居心地の良さを感じていた。
 どうしてだろう、と疑問に思い、力が入らない自分の体に苛立ったとき、小傘はふと、「お前の気持ちが少しは分かる」と言ったときの諏訪子や神奈子の声を思い出した。

(ああ、そっか)

 つまりはそういうことなんだな、と小傘は妙に納得した気持ちでいた。
 久方振りに自分と話せる人間が生まれて、とても喜んでいたという神奈子。
 人間と共に家族のように食卓を囲むという行為を、まんざら嫌でもなさそうに話していた諏訪子。
 彼女らの心の奥底に、小傘が抱える孤独感と同じものがあったのだろう。
 人間に置いて行かれたことが、捨てられたことが寂しい、という。
 小傘は二柱がここにいる理由について詳しいことは知らなかったが、彼女らの話しぶりや雰囲気から、そのぐらいは漠然と察していた。
 きっと、自分たちの心には何か通じ合うものがあるのだ、と。
 だから二柱はほとんど見ず知らずの小傘にああも良くしてくれて、小傘自身もそういう気遣いを心地よく思うことができたのだろう。

(消えたくないなあ)

 もう一度、切実に願った。 

(あの神様たちのそばにいたい。それで頑張って、ちゃんと人を驚かせられるようになって)

 よく頑張ったね、と褒めてもらいたいと。
 そう願って、二柱の笑顔を思い浮かべたとき、小傘の口元には自然と微笑みが浮かんでいた。

「で、早苗。どうだったの、博麗神社は」
「いやー、なんて言うかボロいというか狭いというか……しかも参拝客が全然来ないものだから、この一週間はほとんどお茶飲んで話してただけですよ」
「へえ。サボり癖がついてなきゃいいけどね」
「大丈夫ですよー。今日からまたばりばり働きますからね!」

 廊下の先、玄関の方から、賑やかな話し声が聞こえてくる。
 小傘は壁にもたれて少しの間息を整えた。
 何せ自分は居候だ。ちゃんと挨拶しなければならない。
 二柱に仕える巫女……いや、風祝である東風谷早苗という人は、この一週間ほど博麗神社に出向いていたらしい。

「博麗神社の日常業務がどんなもんか調査するんだってさ。何を今さらって感じだよねえ」

 諏訪子はそう言って苦笑していた。
 その他にも神奈子の自慢話などをいくつか聞いていたが、それらから察するに、早苗という人は随分真面目な少女らしかった。
 そんな人が博麗神社になんか行っても大丈夫なんだろうか、と小傘は少し心配していた。
 彼女は人を驚かすのに必死で生活していたから、世情にはあまり詳しくない。
 無論神社に近づいたことなどなかったし、博麗の巫女というのも今まで一度も見たことがなかった。
 いろんなところで乱暴で横暴だ、という噂を耳にしていたその巫女と遭遇したのは、この間の異変の時が初めてだ。

 ――そんな古くて茄子みたいな傘、誰もささないと思いますけど。

 ――ただ、私が友達からそんな傘を渡されたら、断って雨に濡れて帰るかな〜なんて。

 あのとき聞いた博麗の巫女の声が、脳裏に蘇る。
 軽やかに笑顔で人の古傷を抉り、物理的にもボコボコにされたのである。
 噂通り、思い出すだけで震えあがるほど恐ろしい奴だった。
 そう言えば今借りて着ているこの巫女服も、そのとき博麗の巫女が着ていたのと同じものだ。
 もしかして力づくでこれを着るよう強制されたのだろうか、と心配になる。
 ただ一点、知り合いが噂しているときに出る「紅白」という単語とこの巫女服のカラーがどうしても重ならないことが、少し不思議ではあったが。

(ともかく、ちゃんとお出迎えしなくちゃ!)

 小傘は気を取り直し、転んだりしないように注意しながら、玄関へと歩み出て行く。
 そして勢いよく頭を下げながら、

「こ、こんにちは!」
「はい?」

 不思議そうな声が答えると同時に、可能な限りの大声で言う。

「わ、私、この間からここでお世話になっている多々良小傘という者で」
「あれっ、この妖怪って……!?」

 その瞬間、小傘の体に少し力が戻ってきた。

(驚かれた……!?)

 どうして、と思うと同時に、ふと小傘は気がついた。
 先程、遠くで聞いた時は気がつかなかったのだが。
 この声……おそらく東風谷早苗さんのものと思われる少女の声に、聞き覚えがある。
 聞き覚えがあるどころか、聞いていると何故か背中がムズムズしてくるような、この感じは。

(まさか……)

 悪い予感を覚えて、小傘はおそるおそる顔を上げる。
 するとそこに、予想通りの人物が立っていた。
 長い髪。大きな瞳。蛙の髪飾り。今自分が着ているものと同じ巫女服を身に纏った、一人の少女。
 それは間違いなく、先程まで自分が博麗の巫女だと思い込んでいた少女だった。

「ん、どうしたの?」

 諏訪子がきょとんとして二人の顔を見比べる前で、

「さ」
「さ?」
「さでずみゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 小傘は悲鳴を上げてひっくり返り、壁に頭をぶつけて昏倒した。



 ◇◇◇



 諏訪子は、廊下を歩きながら、思わずぷっと声を漏らしてしまった。
 思い出し笑い、というやつである。

「失礼な話ですね、私の名前は『さでずむ』ではなく『早苗』だというのに」
「あのね、早苗。たぶんそういう問題じゃないと思う」

 気絶した小傘の前で的外れなことを言う、一昨日のあの姿。
 そうやって腰に手を当てたまま怒る姿が実に早苗らしくて。玄関が近づく度に、それを思い出し我慢できなくなってしまうというわけだ。 
 両手で未だ笑いの止まらない口を押さえ、足取り軽く進む。そこでふと、諏訪子は思う。
 あの妖怪が来てからというもの、退屈だった時間の一部がどこかに吹き飛んでしまったかのようだと。

(小さいときの、早苗を見てる感じがするからかな? 結構無邪気だし)

 なんでも興味を持ち、人とは違う感性を持っていた。
 そんな周囲と違う、緑の髪を持った子供のことを思い出す。
 神様とか妖怪とか、そんな御伽噺のような世界をずっと信じ続けてくれた。
 純粋な、少女。

「さぁって、っと。今日はどんなことして遊ぼうかね」

 本当なら久しぶりに戻ってきた早苗と博麗神社でどんなことがあったかとか、世間話に花を咲かせたいところだったが。お世話になったお返しをしたい、と言ってまたあっちの神社に出掛けてしまった。
 ボロいとかいろいろ言いながらも、きっと早苗は大好きなんだろう、と諏訪子は思う。妖怪たちが気軽に出入りする、あの神社とか雰囲気が。

「こっちも、妖怪が訪れやすいように気を使うべきかな。でも、親しみやすくなりすぎると、信仰は減る気がするし。んー、その辺はやっぱり神奈子にお任せかな。私はあの迷える付喪神に助力でもしようかなぁ。最近ちょっと元気なかったし、まあ、腐っても同じ神が付く者同士、交流を深めるっていうのも悪くない」

 自由に外出できない神様であるから、生活のスパイスは必要。
 だから今日も驚かし方の一つや二つでも伝授してやろうか、っと。
 朝日が当たる廊下を歩いていたら。

 ぽつん、と。

「ん?」

 傘が、落ちてた。
 紫色の、誰も好んで拾わないような。
 ナスみたいな不恰好な傘。見た目が変なだけの傘が。
 廊下からはみ出していた。
 まるで、そこから一人で動こうとしていたかのように。
 半分だけ、身を乗り出していた。

「…………」

 諏訪子はしばらく足を止め。
 じっと、それを見る。
 探るように、何かの残滓を捜すように。
 それでもそこには何の変哲もない、不恰好な傘しかない。

「……そっか」

 一つ目も。
 大きな口も。
 何もついていない。
 ただ、紫色の染料の和紙が貼り付けられた、ところどころに穴のあいた傘。
 それでも諏訪子は何度もその周囲に視線を這わせてた。
 最後に空を見上げてみても、呑気な鳥たちが飛んでいるだけで。諏訪子が思い浮かべた姿はどこにもなかった。

「……よいしょっと」

 掛け声を上げながら自分の身長ほどありそうな傘を持ち上げて。
 胸に抱えながら、居間へと進む。
 その瞳になんの感情も浮かべないままに。



 居間の扉をすっと、横に動かすと。
 諏訪子の予想通り、先客がいた。

 特に変わった様子もなく、おはよーっと声を掛け。
 畳の上で横になっていた神奈子が手を振ってそれに答える。
 早苗がいないので、中央に置かれた長方形の大きな机には料理が置かれておらず。ゴロゴロしている神様が自分で煎れたと思われるお茶だけが、ぽつん、と乗っていた。

「さあ、今日はどっちが料理当番しようか」

 入り口からぐるっと回って、神奈子の前へ。
 いつもの定位置へ移動した相方を横目で見ながら、背中の柱を横に置いて身を起こす。一つ伸びをし、大欠伸をしてから。
 大きく、目を見開く。

 いつもと違う風景を、違和感を見つけて。
 髪を振り乱しながら、もう一度。彼女は、諏訪子を見た。

「な、何してるんだい!」
「ん? 変かな? やっぱり部屋の中に傘を持ってくるなんて、変だよね。じゃあ、やっぱり玄関に――」
「違う、そうじゃない! その傘は、小傘のっ! 早く妖力を補充してあげないと」
「……無理だよ」

 動揺し、大声を出す。
 そんな神奈子とは別に、諏訪子は静かに傘を胸に抱いて、なんの行動も起こそうとしない。仮になんの関係のない妖怪だったとしても、寝食を共にしたものだ。それをあっさりと見捨て、悲しんですらいないようにも見える諏訪子を怒鳴りつける。

「貸しな、私がやるっ!」
「だから無理だって、全然妖力感じないし」

 いくら怒鳴っても、諏訪子は動じず。
 ただじっと、傘を抱く。

「もう、あの子は戻らない。神奈子がそうやって怒鳴っても何も起きないのがその証拠さ」
「馬鹿なこと言うなっ! 何故怒ることと小傘が助からないことに繋がる!」
「じゃあさ、なんで神奈子は怒ったのさ」
「そりゃあ。あんたが、小傘が消えたのに動揺すらしないで、心もないような態度をとり続けるから――、あっ!」
「そう、なんだよね。やっぱり」

 そこでやっと、諏訪子は笑う。
 眉根を下げて、「ははっ」と、すべて諦めてしまったように。
 静かに微笑む。

「神奈子『も』驚いたってことだよね、こんな姿になった、小傘を見て、さ」
「ってあんたも……」
「そうだよ、私を何だと思ってるの? いやんなっちゃうねぇ。恨みや呪いを扱うけど、冷血動物ってわけじゃないんだからさ」

 おどけながら、それでいて少し寂しそうに。傘を机の上に置くと、膝を抱えて神奈子に背を向けた。
 神様とは思えない、小さな、小さな背中を。

「私だって、びっくりした。朝起きて廊下にこんな傘が転がってたから、一瞬何も考えられなくなった。でね、こんな悪い悪戯をするなんて、やっていいことと悪い事があるって、怒鳴りつけようとしたよ。まるで自分の子供叱るみたいにさ」

 それでも……

 と、諏訪子は続ける。
 膝に自分の顔を埋めながら。
 声を小さくしながら。
 ぽつり、ぽつり、と。
 
「でもね……出てこないんだ。今までにないくらいにびっくりしたのに。出てこないんだよ、神奈子。うらめしや〜って、馬鹿みたいに言いながら、出てこない。気配すらないんだ。最初からそんな妖怪なんていなかったって、そう思っちゃうくらい。何も残ってないんだよ」
「だ、大丈夫さっ! 付喪神だって神の一種なんだ。私たちの力を分け与えて、今度は人を驚かせなくても生きていけるようにしてやれば――」

 そんな神奈子の提案を諏訪子は首を横に振って拒絶する。
 だって同じ傘から、無理やり生み出したところで。
 何にもならない。

「それは、もう、小傘じゃない」
「でも、でもさ! 納得できるかい、こんな終わり方! また明日って、おやすみって言ってたんだぞっ! 私は」
 
 付喪神は、役割が叶わなくなったときに消え。
 神様は信仰を失ったときに、消える。
 失うことを恐れ幻想入りした諏訪子たちにとって、小傘の切なる想い。

『消えたくない』

 たったそれだけ。
 たった一つだけの願いは。
 二人の神様にとって、痛いほどわかっていた。 
 わかっているはずだったのに、
 
 どこか、楽観していた。
 自分たちといる限り消えるはずなんてない。
 そんな過信が招いた、最悪の結末。

「これでいいのかっ! 悔しくないのか、諏訪子っ!」
「……悔しく、ない? はは、悔しくないわけないだろう?」

 ぴょこぴょこ、と。
 小さなカエルみたいに。
 諏訪子の後ろをついてきた。

 そんな姿を思い浮かべるたび、諏訪子小さな手に力が篭もる。
 
「誰が、脅かし方を教えるって、約束したと思ってるのさ……」

 ぎゅっと。膝を。

「誰が拾ってきたと思ってるのさ……」

 ぎゅっと。体を。

「私たちは救えたんだぞ…… 弟子にしてって言って来た付喪神を、十分救えるだけの知識を持っていた。なのに、その一手を打たなかった。楽しいからいいかなって、自分勝手に思い込んで、やっと気づくんだ。失ってから、理解するんだよ……あのときこうしていればってね……」

 ぎゅっと、全身を抱くように小さくなり。
 肩を震わせ、帽子と膝で顔を覆い。
 上ずった声を響かせる。

「何で、相談してくれなかったのさ……小傘……」

 だから、諏訪子は決めた。
 一日だけ、たった一日だけ抱きしめてやろうと。
 自己満足と知りながら、最期に供養をする前に抱きしめてやろうと。

 抜け殻の傘を拾って。
 ここまで持ってきた。
 机の上に置いたのは神奈子にもお別れを言わせたかったから。

「でもね諏訪子……こんな姿じゃ、なにもしてやれないよ……こんな姿じゃ……」
「……ああ、本当に、大馬鹿だよ。私たちも、小傘も」

 静かな、本当に耳を済ませていないと聞こえないほどの嗚咽が聞こえるその部屋で。
 神奈子はそっと、傘を抱いた。

 弱いくせに、寂しがりの癖に。
 最後まで心配かけないように笑っていた。
 小さな少女を思い浮かべながら。




 その日、早苗が帰ってくる予定の少し前。
 諏訪子と神奈子は、境内の裏に回ると、木陰に小さな穴を掘った。神の力を使わず、自分たちの手で掘り続け、そっと傘を立てた。半分以上、姿が残るように。
 本当なら、最終的に燃やして物体ごと転生させるのが小傘の魂の救いにはなるのかもしれない。しかし二人は諦め切れなかったから。どうしても、いつか元にもどるんじゃないかという馬鹿な幻想にすがってみたかった。
 もう戻らないとわかっていても。
 どうしても火をつけることができなかったから。
 傘の姿のまま、少しだけ埋めることにしたのだ。
 

「……幻想郷だもんね、きっと。奇跡だって起きるさ」
「神が奇跡を願い始めたら、世界は終わりだと思うけどね」
「はは、違いない。でもこの世界はすべてを受け入れてくれるんだろう?」

 しゃがみ込んで手を合わせ、小傘の魂の平穏を願い。
 頭を下げる。
 これで、小傘は安らかに眠ってくれるだろうか。
 輪廻の中で、笑っていられるだろうか。

「化けて出てきてくれれば、謝りようもあるんだけどなぁ」
「こら、不謹慎だぞ土着神」
「ごめんごめん、冗談だってば」

 もし転生したとしても、またあの能天気な声で。

「うらめしや〜」って。

 また言ってくれればいいな、と。
 諏訪子が願ったとき。

「諏訪子様ぁ〜っ! 八坂様ぁ〜っ!」
 
 二人を呼ぶ声が境内の方から聞こえてきた。
 予定より早く戻ってきたようで、元気のいい声で呼び続けている。
 そんな澄みきった声が、今の二人には救いだった。

「行こうか」
「うん、そうしよう」

 二人は、静かに見つめ合い。
 ひざを抑えながら立ち上がると。
 小傘との別れを、惜しむようにゆっくりと振り返れば。

「あ、二人ともなにしてるんですか! こんなところで」

 いたずらっこを叱るように、早苗が仁王立ちして待っていた。
 
「いいや、なんでもないよ」
「そうそう、なんでもない」

 小傘の姿を隠すように、諏訪子は手を振りながら。
 神奈子は腕を組みながら、二人を待つ早苗の元へと足を運ぼうとした。
 そのとき――

 風もないのに。
 
 がさっと。

 二人の真上の枝が揺れて。
 緑色の葉が勢いよく振ってきた。

 なんだろうと思って、同時に顔を上げたら。

「うぅ〜らぁ〜めぇ〜しぃ〜やぁ〜っ!!」

 降ってきた。
 視界の中に、いきなり大きな塊が。
 さっき供養したばかりの、小傘が――

『う、うわああああああああああああああああああっっ!?』
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 静かな、静かな境内の裏で。
 神様二人の驚愕の叫びと。
 二人が驚いたことに、びっくりした小傘の悲鳴が重なった。





 ――あとで諏訪子が早苗から聞いた話だが。
 どうやらあの傘は、早苗が小傘のために購入したものらしい。似ている傘があったから、仲間か何かかと思い。昨日、魔法の森の入り口にある道具屋から購入してきたそうだ。
 最初、小傘も仲間だと思ったのか、はしゃいだそうなんだけど。結局なんの繋がりもなくて意気消沈。がっかり、と肩を落とした彼女に悪いと思い、驚かしかた講座『早苗Ver』を今日の早朝から実施した。
 それで二人で留守にして、傘だけ置いていった結果が。
 あの誤解、というわけだ、
 で、その結果。

『とりあえず、接近して大声出せば誰でもびっくりするに違いない作戦!』が誕生し。

 奇跡的なタイミングの良さで、作戦が大成功。
 神様である諏訪子と神奈子が、思わず尻餅をついてしまうほど驚いてしまった。


 ただ、ここで思い出してほしいのが、神様の強さの基準である。


 誰にも信仰されない、つまり忘れ去られる寸前よりも。
 当然、人間により多く信仰されたほうが強い。
 しかし、人間一人に信仰されるより。
 妖怪に信仰された方が、神様としての力が強まり。
 さらに、妖怪に信仰されるより。神様に信仰される方がより多くの力を得られる。

 小傘が、諏訪子や神奈子のちょっとした驚きで存在するための力を補充できたのが、その証拠。
 そんな影響力の強い二人が、心の底から驚いたのだ。
 叫び声を上げるほど、びっくりした。
 それが意味するものは。
 極端な、力の増加。

 そんな強大すぎる力は、一瞬にして変異を重ね。
 彼女の力を別物に変化させた。

 新しい力の発動である。

 



 その力を知った巫女は、こう言う。

「反則だ」と。

 その力を体験したメイドは、こう言う。

「耐えられるわけがない」と。

 だから、それを聞いた白黒の魔法使いは、挑戦しに来た。
 手にミニ八卦炉を持ち、守矢神社の正面から。
 こんにちは、いい天気ですね。と早苗が笑顔で迎えると、そんなことなんてどうでも良いというように、神社の境内を見渡し始める。

「なあ、あの傘の妖怪に弾幕勝負しにきたんだが、どこにいるんだ?」
「弾幕勝負?」
「ああ、あいつ。弾幕勝負で霊夢と咲夜を負かしたんだろ? 天狗の新聞であいつに負けたって、話題になってたからな」
「あー、なるほど、魔理沙さんもですか。別にあの子が勝ったのは弾幕勝負じゃないですよ?」
「は? 弾幕、じゃない?」

 幻想郷での勝負事といったら弾幕。
 てっきり、それで敗れたんだと思い込んでいた魔理沙は、目をパチパチさせる。
 そんな来訪客の反応を楽しそうに眺め、早苗はえっへんっと何故か胸を張る。

「新しく生まれ変わった小傘さんを見て驚いたら負け、ってことですよ。何せ私が驚かせ方を教えましたからね。完璧です」
「へへー、そうかいそうかい。じゃあ見せてみなよ、その完璧な方法をさ」
「おや、知りませんよ。八坂様や諏訪子様すら耐えられなかった、驚愕の世界に堕ちるがいいでしょう!」
「で、なんでお前がそんな偉そうなんだよ、早く連れて来いってば」

 そうやって魔理沙が急かしても。
 後悔しても知りませんよ、と。
 何度も視線で訴えてくる。
 その様子に若干イラッとするものの。

 正直言って、魔理沙はほとんど興醒め。
 あの妖怪が驚かすといっても、どうせパターンは決まりきっている。
 いつもインパクトのある本のレンタルを繰り広げている彼女は、自分ならどうするかと考えて。

 そして、予測する。
 このタイミングでどこから登場すれば一番相手を驚かせることができるか。
 普通に考えて視界の中から現れるのはありえない。
 となれば、後ろか。
 そう思考を繰り返していると、一瞬だけ。
 妙な影が足元に映った。

 ってことは――

 その影が生まれた瞬間。
 魔理沙は口元に笑みを浮かべて。
 半眼のまま、頭上を見上げれば。

「う〜ら〜め〜し〜や〜っ!」

 魔理沙の予想通り。
 上空から飛び降りながら、大声を上げる小傘の姿がそこにあった。
 特に変装するでもなく、まんまの姿で。
 そして魔理沙に接近した状態で、何度も「うらめしや〜!」と強引に言い続けていた。そうやって口を開くこと10回目。

「あれ、やっぱりこれじゃ驚かない?」
「うるさいだけだ」
「あれぇ……おかしいなぁ……」

 やっぱり、多少工夫しても小傘は小傘。
 そんなことじゃ、この魔理沙様は驚かせないぜ、と。余裕の笑みを向けようとして。

 違和感に気がついた。

 とんっと。地面に着地する。
 軽いステップでバランスを取る彼女の背中に。
 なにかいる。

「お前、何くっつけてるんだ? 妖精か?」

 背中に張り付いた生き物が小傘の肩にしがみつくように伸ばした小さな手。
 だからてっきり、チルノか何かがくっついているのだろうか、と。
 不用意に近づいた直後。

 ――魔理沙が固まる。

 だって、そうだろう。
 そうやって近づく魔理沙を見る小傘と。
 ほとんど同じような顔が、背中にあったのだから。

「ちょ、おまっ、それなんだよ!」
「え、私の子供だよ?」
「……え、ぇぇぇぇぇえええええええっ!?」

 そして、今日もまた一人。
 小傘の犠牲者が増えた。



 小傘の子供。



 急激な力の上昇で吸収しきれずあふれ出てしまったものが。
 早苗が買ってきた傘にすら影響を与え、変質。
 小さな小傘が誕生してしまったというわけだ。

「……おま、子供って。父親誰だよ」
「諏訪子様と神奈子様♪」

 力を与えた的な意味で。

「ぶっ!?」

 そんな予期しない不意打ちを受け、彼女は二つ目の残機を失ったのだった。



 ◇◇◇



「なんだかなあ、もう」

 拝殿の階段に座って境内の方を眺めながら、諏訪子がぼやくように呟く。
 鳥居の辺りでは魔理沙が目を白黒させていて、子供を背負った小傘がケラケラと笑いながら跳ね回っている。

「やったやった、上手くいったね!」

 などとはしゃぐ母親の背中では、子供が小さな腕を振り回しながらきゃっきゃと大変な喜びようだ。

「なんでこんなんなったんだか」
「まあ、いいじゃないの」

 諏訪子の隣に座った神奈子が、苦笑しながら言う。

「確かにちょっと変な形ではあるけど、何事もなく丸く収まったんだからさ」
「まーね。その点に関しては別に文句ないんだけど、微妙に納得いかないっていうか……」
「そう? わたしは嬉しいけどね。あの子も喜んでるしさ。ただ……」
「ただ……なに?」

 相方が急に顔を曇らせたので、諏訪子は眉をひそめる。
 神奈子は境内の方……背中の子供に楽しげに話しかけている小傘を見ながら、「ああっ」と嘆くような声を漏らして拝殿の柱に寄り掛かった。

「幸せそうなあの子を見ていると……早苗もいつかあんな風に誰かと結婚して子供産んだりするのかとか思っちゃって、わたしは、わたしはっ!」
「まだそんなこと言ってんの……本気で縁切られるよ、あんた」

 げんなりする諏訪子の横で、「だって、だって」と神奈子はどこかから取り出した手巾を噛んでいたりする。
 付き合ってられないよ、と思いながら、諏訪子はまた境内に目を戻した。
 ようやく立ち直ったらしい魔理沙が、苦笑混じりに頬を掻きながら小傘の子供をあやしてやっている。頬を突っついてみたり、頭を撫でてみたり。
 そんな魔理沙を不思議そうに見つめながら、小傘の子供は短い腕を一生懸命に伸ばしている。
 あの小さな手は、これからどんな物をつかんでいくのだろう。

「……なんか、不思議だね」

 諏訪子はため息を吐くように言った。

「外の世界で、もう消えるしかないって半分覚悟決めてたわたしらがさ。こんな場所でこんな形で、新しい命を産み落としたなんて」
「まあ、確かに不思議だね」

 境内の小傘たちを柔らかな眼差しで見つめながら、神奈子も小さく息を吐く。
 けれど、すぐに顔を上げて軽やかに笑った。

「でも、成り行きとは一つの命を産み落としちまったんだ。あの子が消えちゃったりしないように、また頑張っていかなくちゃね」
「だね。やれやれ、なかなか休めないねえお婆さん」
「そうですねえ、お爺さん……って何やらせんのよ!」
「ノッてから言うなよ」

 怒鳴る神奈子に笑う諏訪子。
 そのとき、ふと顔を上げた二人は、顎に手をやった早苗が何事か考え込みながらこちらに歩いてくることに気がついた。

「んん?」
「どうしたの、早苗?」
「いえ。今、考えてみたんですが……」

 問いかけに答えて、早苗はごくごく真剣な顔つきで、

「あのですね、お二人にも子供ができれば信仰が増え――」
『それはないっっ!!』

 二人が声を揃えて怒鳴ると、早苗はなんでですかと言いたげに目を瞬く。
 遠くの小傘が、背中の子供と顔を見合わせてくすくす笑うのが見えた。



<了>
小傘の子小傘、なんつって。

 読んで下さいまして、ありがとうございました。
少々悪 大傘(pys、aho、負け猫亭)
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2010/06/14 02:58:33
更新日時:
2010/08/01 02:56:23
評価:
35/117
POINT:
6830
Rate:
11.62
分類
多々良小傘
洩矢諏訪子
八坂神奈子
東風谷早苗
1. 90 ずわいがに ■2010/06/27 12:32:02
>ただただそんな不安がばかりが
おそらく誤字
あと、早苗さんの神奈子様を呼ぶ時、「神奈子様」だったり「八坂様」だったりなのはあえてでしょうか

すわかな美味しいです!神奈子様マジ最高b

さでずむwwトラウマメーカーさんマジぱねぇッス;w

してやられました。このドッキリはマジ心臓に悪いですょ;
にしても、結局小傘は意図しては驚かせてないというねwww
4. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/01 03:41:51
まさか子供まで出来るとは… 
私も驚かされました
14. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/01 17:48:15
こがにゃんかわいすぎて めまいがするよ
19. 50 更待酉 ■2010/07/02 01:57:59
お義父さん、娘さんを私にください!
23. 80 半妖 ■2010/07/02 13:29:33
中盤若干泣きそうになって、その後ただの傘を地に埋めていた二柱の滑稽さに爆笑して。
面白かったです。
普段なら100点つけるところですが、ラグナロクで最初に読んだ作品なのでこの点数で。
24. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/02 19:03:25
面白かったです
とにかく小傘がかわいいw
28. 90 あおこめ ■2010/07/03 02:01:48
折りたたみ小傘ですね分かります。
こういう驚かせ方もあるんですね。
自分からも残機を一つ小傘に差し上げます。
37. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/03 19:41:07
凄く面白かったです
42. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/04 07:02:24
最後のインパクトが凄まじかった。
これで、小傘は読者からもたくさんの驚きをもらえますね。

あと、神奈子はいつまでも子離れできないくらいでちょうど良いと思います。
46. 90 名前が無い程度の能力 ■2010/07/04 18:12:56
二柱の方々が良い味だしてました。
47. 70 名前が無い程度の能力 ■2010/07/04 19:33:36
ほのぼのした感じがいいですねー。
51. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/05 02:40:12
お後がよろしいようで。

美人化とか巨乳化とかを予想したけど……驚いたわあ。
53. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/05 16:52:00
こがさなはいいなぁ
しかし傘を置いていったのはわざとじゃなかったのか……
55. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/06 01:06:52
ああ、なるほど。
57. 60 電気羊 ■2010/07/06 05:35:33
エンターテイメント作品としてはかなり高いレベルでした。
キャラクターも可愛かったですし、途中の小傘が叫ぶシーンでは笑ったし、心も暖かくなりましたー。
けれども序盤の展開が少しばかし性急だったこと、ここがさがもっと見たかったということで。

とっても好きな作品ですよ?
63. 80 みすみ ■2010/07/09 01:13:33
力の増大と聞いておぱーいが大きく!?とか思った私はもお終わってるのかもしれないw
とにかく小傘がかわいい!!
67. 80 名前が無い程度の能力 ■2010/07/09 16:41:34
こがさちゃんぷりちー。
68. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/09 20:12:13
やられたw!
83. 90 名前が無い程度の能力 ■2010/07/15 19:24:52
まさかそう来るとは。魔理沙たちの驚きを糧にしてどんどん増えるといいよ!
84. 100 名前が無い程度の能力 ■2010/07/16 16:26:55
こいつは一本とられたね。見事に驚かされちゃったから、この点数持っていけ!
86. 80 名前が無い程度の能力 ■2010/07/18 15:51:26
本編でびっくりさせられ、後書きでとどめをさされた。
だがこの驚きが小傘の力になるのなら本望である。
神様と付喪神の交流に心温まりました。
しかしびっくりさせられるのにほのぼのとはこれいかに。
88. 70 名前が無い程度の能力 ■2010/07/19 23:04:49
ギャグで突っ走って欲しかった……
途中の偽シリアスパートも、ギャグと割り切って大仰にやった方がテンポがいいと感じました。
90. 70 名前が無い程度の能力 ■2010/07/21 07:12:03
ミニ小傘だと…?許せるッ
100. 60 名前が無い程度の能力 ■2010/07/28 11:55:55
101. 70 名前が無い程度の能力 ■2010/07/29 19:14:52
小傘ちゃんが主役、小傘ちゃんが可愛い、というか小傘ちゃんを書くためだけの作品ですねこれ。
103. 90 PNS ■2010/07/30 00:56:56
小傘の子供……!!
いやー、私も驚いて残機減りましたw
104. 80 即奏 ■2010/07/30 04:32:39
おもしろかったです。忘れられた存在同士のやりとりはグッと来るものがありますね。
プロット、文章、共に読んでいて非常に勉強になりました。ありがとうございました。

強いて難癖を付けるなら、作品から「コメディ用のプロットをシリアスに書いてみました」といったような、
妙な違和感が感じられたことが自分にとってはマイナスポイントでした。
珍妙かつハートフルなオチが物語全体に漂っていた寂寥感から浮いてしまっている。とでも言いましょうか。
レベルの高い作品だと思えたが故に、そういった違和感が大きなインパクトを有して残ってしまったように感じました。
106. 100 八重結界 ■2010/07/30 16:34:38
小傘が守矢神社に居候したうえ、子供まで出来ただと……。なんという私得。いいぞ、もっとやれ。
107. 80 Ministery ■2010/07/30 17:13:43
小傘ちゃん愛されすぎだろ……いやこれは確かに愛されるわ。親子ともどもずっと愛されるわ。
思わずモニタの前でにやけてしまいました。あいやお見事。

ところで子小傘ちゃんはおんなの子ですかそれともおとこの娘ですか?
109. 70 ムラサキ ■2010/07/30 19:16:22
自分の存在のために一生懸命驚かそうと頑張る小傘の姿がとても可愛かったです。
そんな小傘に情を持つ二柱も見ていてほのぼのとしました。
最後は似てる傘があったから仲間かと思った早苗さんでほっこりさせて貰いました。
111. フリーレス サバトラ ■2010/07/30 22:01:46
時間の都合上、点数だけの投稿とさせて頂きます!
大変申し訳ありません!
112. 100 春野岬 ■2010/07/30 22:03:59
諏訪子と神奈子の夫婦ぶりがたまらない。
楽しかったです。
113. 80 黒糖梅酒 ■2010/07/30 22:08:24
シリアスな話から始まって、とても楽しいオチになり、面白かったです。
114. 70 如月日向 ■2010/07/30 22:15:37
よくよく考えてみると、弾幕ごっこは名乗りを挙げたりはしないので、相手が誰かわからないときがあるんですね。
小傘がアドバイスを受けて人を驚かせるという点では目新しさはなかったものの、小小傘にやられましたっ。
いいタイトルですね〜。
117. 80 つくね ■2010/07/30 23:40:18
取り急ぎ点数のみにて失礼します。感想は後日、なるべく早い時期に。
118. 100 ぱじゃま紳士 ■2010/07/30 23:48:28
 申し訳ございませんが、採点のみで失礼いたします。
119. フリーレス 名前が無い程度の能力 ■2010/08/01 00:41:00
終了後一番乗りかな?
見事にしてやられましたw 途中のシリアス部分も(オチの伏線だろうな)とは思ってましたが、まさかこう来るとはw
120. フリーレス 名前が無い程度の能力 ■2010/08/01 20:21:14
多分誤字かと。
[成り行きとは「いえ」一つの命]ですかね?

おもしろかったです。
121. フリーレス サバトラ ■2010/08/02 18:22:28
100点を入れたつもりだったのに入っておらず……。申し訳ありません……。
どこかでお会いしましたら、存分に叱ってやってください……。
122. フリーレス 名前が無い程度の能力 ■2010/08/03 06:44:45
前半、すごく好きです。キャラが可愛くて楽しいお話。
後半がとてつもなく嫌いです。うそ臭くて鼻を抓みたくなります。
採点した場合40点
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