「これでよしっと」
つい二時間前には元気に湯気をあげていた珈琲も、今ではすっかり沈黙してしまっている。
それを喉へと流し込みながら、昇ってきた朝陽へと会釈をしておく。生の太陽光は目が痛んだ。
大学を出てからしばらくして、私は趣味で文筆などというものをするようになった。
小説の中の私はいまをきらめく覆面女流作家でも、実際の私はいくらでも居るOLに過ぎない。
そこらへんの愛嬌ぐらいは許して欲しいものなのだけど。
「しばらく、会ってないなぁ。あいつらと」
大学時代、ずっと一緒だった連中。その一人、早苗が話してくれた"幻想郷"という場所の話。
それは彼女の創作なのだろうけど、妙にそれが、私の中に残っていた。
とかく、物質主義だの競争がどうたらだの、日々を忙殺されていると、牧歌的な田舎にでも引っ込みたいという衝動に駆られる。
そう呟いたときに、彼女に寓話のようにして窘められたのだった。
「疲れているとユートピアに逃げ出したくなるのは誰だってそうだけど、そこに住んでいる人たちからしたら退屈極まりないのかもしれないよ」
実際のところ、温泉に行っても二日三日ならまだしも、一週間も滞在したら退屈になるやもしれない。
ユートピアに見えていても、全部が全部、美味い話になるわけでもなく。そして、世の中の理屈には、随分前には気づいていた。
「思春期の終わりってのも、辛いもんだねぇ」
携帯を開いて、久しぶりに旧友にメールを打つ。
近いうちに、飲みに行かないかと。
ユートピアへの憧れが終焉を告げても、人生は退屈極まりなく続いていく。
しかしながら、目を瞑れば聞こえてくるような気がするのだ。
高下駄を履いた、天狗の足音が、からん、ころん、と。
かなぎ(電気羊、赤井葵、絹)
中にも外にもいるという発想がよかったと思う
ただ、キャラの具体的な動きが分かりづらかったかも
後は特に必要性があると思えない煙草を吸わせているのが気になりました
外の早苗と霊夢の絡みが好みでした
鈴仙の行動、外の世界の早苗と霊夢の絡みが特に良かったです。
まあ、実際はそんなん気にならないほど、面白かったですがね。
みんないい奴だったなあ。
悟ったような文とか、葛藤を抱えながら頑張る紫とか、みんな素敵。
たまらんね
オリキャラの特徴がいい感じで好感持てましたし
はたてはカワイイし感動しました
満点しかなかったですね
この感覚は久しく味わってなかったなあ。
本当なら作品の内容とかにも触れなければならないんでしょうが、
ここはただ、この充実した読了感と幸福感を伝えることだけに留めることをお許しください。
素晴らしい作品を読ませてくださり、本当にありがとうございました。
からん、ころんの度に引き込まれて1日で読破してしまった…
難を上げるとすれば、守矢早苗と東風谷早苗の他キャラとのつながりという点での対比が上手くできていなかったかなぁ、という印象を受けてしまったところです。
あとやっぱり、二柱にはもっと目立って欲しかったり。
神性東風谷早苗と人間守矢早苗、夏と冬、夢幻と現実、
それらの対比とやがて訪れる収束と解離と、表現も話のまとまりも見事でした
描写がとてもわかりやすかった
早苗から忘れ物を受け取る早苗、双方が夢と決別してそれぞれの道を歩んでいく
その場面に涙でた。形は違うけど誰でも経験することだなこれって。
巫女二人のじゃれあいで和んだわ
良作をありがとう
現代世界の守矢早苗の友達のモデルになったキャラが一部わからない。
自分にはヒントが難しすぎた。
しかし幻想の早苗は幻想になりきれず、現実は幻想を捨て切れなくて、中途半端に繋がったままの存在がお互いを引きずり合ってたんですねぇ。
二人の早苗はもはやパラレルワールドのようなもんですか。
いやぁ、それにしても霊夢が外の世界で色々エンジョイしてんのって微笑ましいスなぁ。なんてv
もっとスリムになれるはず! 物語はとても素敵でした。
早苗についても、その他についても、キャラの立て方が実にうまい。
あいやお見事。
お風呂で外で暮らしたかったりする霊夢
成長していく鈴仙の姿も見ていてとても楽しかったです。
大変申し訳ありません!
鈴仙ほか、キャラクタ一同の思いがたいへん伝わります。
背景がもっとしっかり描けていると、もっと入り込めたのかもしれません。
視点がころころ変わったり、誤字も多かったりで読み辛く全体的に
見直しが不足していたような印象を受けます
テーマがよかっただけにその点が残念です。