さとり「私って結構嘘とか疲れるとマジギレするタイプなんですよね。まあ、なかなか騙されませんが」

作品集: 2 投稿日時: 2011/04/01 22:26:05 更新日時: 2011/04/01 22:26:05 評価: 3/12 POINT: 3062993 Rate: 47123.35

 

分類
さとり
こいし
 今日はエイプリルフールである。
 私、古明地さとりはもともとはこんなお祭り日には興味ない、それに心が読めてしまうと相手の考えてることがわかってしまうから面白くないのだ。いや、ある意味面白いけど。
 今朝お燐が「あたい好きな人が出来ました!」とか言ってたから、無言で抱きしめてあげたら動かなくなったし……嘘をつきなさい、嘘を。嘘じゃない嘘は付くもんじゃありませんよ、まったく。
 昼にはお空が「さとり様なんて大嫌い!」なんて言ってたから同じように無言で抱きしめてあげたらこれもまた動かなくなったし……嬉しいんだけどね、愛されるのも。でも、あなたと私はペットと飼い主。いい人かいい鳥を見つけなさい。

 で、今は夜です。さて、今のこの状態はどうすればいいんでしょうか。

 夕飯も終わり、部屋に戻った私の目に飛び込んできたのは、逆立ちしたこいしの姿でした。
 まあ、はしたない。けしからん、もっとやれ。
 夕食の席には着いていたのに、いつの間に先回りしてたんでしょうね。
 こいしの心は読めないので、何を考えてるのか全く分かりません。
 怖い、これが恐怖。私の体は硬直しました。
 別にこいしの下着に見とれてたわけではありませんよええ。違いますからね?

「お姉ちゃん」
「な、なにかしらこいし?」
「ベーリング海峡!」

 無意識ってば怖いですね。何言ってるんでしょうか私の愛妹は。
 愛妹、あ、結構いい響き。あいもうと、あいむおーと、I am auto.まさにこいしのことですね。私うまいこと言った。よし。
 それにしても、ベーリング海峡。なぜ、外の世界の海峡がでてくるんでしょうか。
 ロシアとアメリカの間。ペルシャ人なら橋の付近にいた気はしますけど。ってか、こいしの腕は大丈夫なんでしょうか。

「ん? 大丈夫大丈夫、それよりお姉ちゃんの鼻は大丈夫?」

 鼻? ……おや、鼻血が。これは失敬。私の鼻が紅孔雀、役満です。まあ、それはどうでもいいんですが。
 さて、何をどうすればいいんでしょう。この状態で私が求められることは何なんでしょうね。瀟洒な姉の対応はもう無理です。
 鼻血を止めることはあきらめました。これはもう自然の摂理なのです。焼け石に水、立て板に水。止まらないものは止まりません。

「で、ベーリング海峡がなんですか?」
「……北京原人!」

 北京原人。ホモ・エレクトス・ペキネンシス。石器とか使ってたらしいですね、あいつら。
 いったいこいしは何を見たんでしょうか。今度は中国、実は紅魔館の門番は北京原人だったんですかね。
 妖怪=原人だったなんて私知りませんでしたよ、ええ。私も原人じゃないですか。さとり原人?
 できれば明石原人あたりでお願いします。実は原人じゃないんですけどね、あれ。
 
 さて、でもこのままではいけません。私の血液量的な意味で。
 そろそろ倒れそうなんで、こいしのスカートを持ち上げて――脱がせたい――そのままこいしを一回転。
 元通りに戻ったこいしは、その明るい表情のまま言い放ちました。

「見てない方が強い!」

 煩いですね。そりゃ私よりこいしの方が強いですけど。
 ってかこいし強すぎるんですよ。意味がわからない。妹より優れた姉がいないのは事実なんですかね―、ほんとに。
 ちょっと、ペット達の家系でも調べてみましょうか。おもしろい結果がでそうです。
 ……まあ、どうしましょうか。こいしは色々とおかしくなっちゃったんですかね。うーん、うーん。
 一体どうすればいいんでしょう、ほんとに。若干、このままベッドに連れ去りたい気分でもあるんですが。

「早く流れればいいと思うよ!」

 流れる。川流れ? 
 河童は地上の産物です。地底にはいない……と思いますけど。
 それとも、三途の川に流れろってことでしょうか。私に死刑宣告。何をしたっていうんでしょうか。こいしの下着を盗んだことは数知れずですが。
 でも、向こうも私のを盗んでますし、とんとんだと思うんですよね。ねぇ? どう思います?

「皆の運を吸い取ってるんだ!」

 私でしょうか?
 いや、うーん。どちらかというと私の運は悪い方だとは思うんですがねぇ。それとも、そうでもしなかったら私は死ぬほど運が悪いんでしょうか。
 もしかしたら、こいしが地上をまわって運を吸い取ってるってことかもしれません。罪な子ですよね、まったく。いろんな意味で。

「昇天文字!」

 いったい何が昇天するんでしょうか。私? それともこいし? 
 まだ死にたくないです。そしてこいしが死ぬのもありえないです。こいしの命を狙う奴は私がトラウマを呼び覚ましますよええ。

「もう、私泣きまくるよ!」

 泣かないでください。こいしを泣かす奴は私が許しません……あれ、こいしって泣くんでしょうか?
 少なくとも眼を閉ざしてからは泣いたのを見たことがないんですが……うーん。
 それとも、私が泣かされるんでしょうか? 私はそう簡単に泣かない自信がありますけど。
 あ、タマネギ汁を眼にぶつけるのはやめてくださいね? 以前やられて寝込みましたから。

「そこにロマンはありませんでした」

 案外こいしは乙女ですからね。ロマンを追い求めてしまうのもわかります。
 でも、現実は非常なんですよ。こいしは真白だからわかってないかもしれませんが、人も妖怪もみな心が汚いんですよね。
 朱に交われば赤くなる。私も汚いんでしょう。でも、自分の客観視はしません。色々危険ですからね。

「代走だから仕方ない!」

 自分で走りなさい、こいし。いつか二十四時間耐久レースに出るかもしれませんから。1%でも確立があることは対策しておかないといけませんし。
 そういうことになって、万が一私に代走を頼まれたら多分死にます。地底のもやしっ子といえば私ですから。
 私にこのあだ名をつけてくれた紅魔館のもやしっ子さんは今何をしてるんでしょうかね。喘息で倒れてなければいいんですけど。

「今日はあと4ページかな?」

 4ページ。実質今日は気づけば後40分です。一体何をしてたんですか私は。あとこいしは。わけがわかりません。
 1ページ10分ですかね?1ページで何をするんでしょうか? いかがわしい本? そんなもの、お姉ちゃんが許しませんよ!
 そういうことは、お燐でやりなさい。お燐ならきっとノリノリでやってくれますから。

「プレーン食べたい!」

 冷蔵庫にはいってますから。少しだけ、入ってますから。取ってきてください。
 え? 取ってこないんですか? じゃあ一体あなたは何をしたいというのですか。食べたいんじゃないんですか。
 プレーン、つまり自然体の……なにか。すっぱ……はテンコーだ。それとも、平面? 私の胸? 表出ろ。
 ああもう、疲れた。そろそろ私の頭も限界です。でも、こいしのテンションが止まる気配はありません。
 このまま、いつまで付き合っていけばいいんでしょうか――
































 
 
 












 
 
 12時。その瞬間、こいしは正気に戻った。

「ねぇねぇ、騙された?」
「何にですか? もう私疲れたんだけど」
「私が正気じゃなくなったっていう嘘!」

 正気に戻った、というのは私の勘違いだったのか。もともと正気だったのか。
 ああ、でも久々に騙された気がする。なんだか、気分がすがすがしい。

「ね、どうだった?」
「一発殴らせてください」
沢田
作品情報
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2011/04/01 22:26:05
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2011/04/01 22:26:05
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2. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/01 22:31:26
・・・・結構いつもどおゲフンゲフン
4. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/01 23:44:15
変化球って打者に変化球に見えないから変化球たり得るのだよ!
つまり変化球に見えるけど変化球に見えないから変化球ででだえでで
結論:なごんだ!!
9. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/03 20:40:59
ドゴオォ
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