妖夢ちゃん一筋☆咲夜ちゃん

「妖夢ちゃん知ってる？　今日エイプリルフールなの」
「知ってるけど。何そのちゃん付け、馴れ馴れしいんだけど」

　白玉楼の午後。咲夜ちゃんは家事をサボって妖夢のとろこへ遊びに来た。

「折角遊びに来たんだし、お互い嘘つきましょうよ」
「いきなりそんなこと言われても、思いつかない」
「じゃあ私から行くね。今後一切妖夢ちゃんに付き纏いません」
「……」
「妖夢ちゃん嬉しくないの？」
「それってつまり、これからも私に付き纏うって意味よね？」
「うん」
「いや、それで喜べとか意味わかんないし」

　咲夜ちゃんは妖夢のことが好きな、純粋百合乙女なメイド長だったのだ。

「妖夢ちゃんのカチューシャは不味い」
「食い物じゃないんだから、当たり前でしょうが」

　咲夜ちゃんはよく妖夢のカチューシャを奪ってはリボンのところを舐めたり、しゃぶったりする。
　その度に妖夢はカチューシャを買い換える羽目になっている。
　尚、着用されなくなった妖夢のカチューシャは咲夜が時を止めて回収している。

「妖夢ちゃんのドロワーズなんてもう被らないよ」
「……」

　咲夜ちゃんはよく妖夢のドロワーズを被ったりしている。
　臭いを嗅ぐのもよくやっている。
　今こうして説明している間にも時を止めてクンカクンカしている。
　淑女の嗜みである。邪魔してはいけない。

「妖夢ちゃんのスカートの内側も、もう舐めたりしません！」
「」

　好きな人の衣類を愛でるのはここ幻想郷においてメジャーな趣味であったりする。
　尚、十六夜咲夜は「少女のスカートの内側ぺろぺろの会」会長であったりする。

「それから、それから」
「もういい！　警察呼ぶからね！」
「実は昨日の晩御飯、妖夢ちゃんのブラウスじゃなかったの」
「え？　は？」
「すごく不味かったわあ。特に襟の辺りが汗で黒ずんでいて最高に不味かった」
「いい加減にしてよ」

　尚、十六夜咲夜は「少女の衣服もぐもぐの会」会長であったりする。

「妖夢ちゃんのベストの裏地モシャモシャしたくない」
「死ねロリコンキチ○イ」
「妖夢ちゃんのうなじに練乳かけたくない」
「幽々子様〜！　助けてください〜！」
「ちなみに今この空間の外は時間が止まっていなくて、誰か読んだら来るわよ」
「おい、止めろ！」
「妖夢ちゃん婚姻届出したいんだけど、判子持ってこないでくれる？」
「殺す！　今すぐ殺す！」

　妖夢は刀を抜こうとした。が、腰に差してあった刀がなぜか無い。

「物騒なものは時空の彼方へ封印してませんわ」
「返せよ変態野郎」
「訂正しなさい。私は変態じゃない」
「出たよ。変態は変態と認めないから困る」
「じゃあどうやったら私のこと嫌いになってくれるの？」
「咲夜に何されても好きに何かなれねーし。マジで消えて欲しい」
「じゃあ死なないから、妖夢ちゃんの髪の毛一束、爪垢、唾液、尿、腋毛、使用済みナプキン、ハンカチ、カチューシャ、ブラウス、ベスト、シャツ、ドロワ、スカート、パニエ、靴下、靴、リボンがいらない」
「私今泣いています」
「妖夢ちゃん知ってる？　IPS細胞というので女同士でも子供作れないのよ？」
「」
「妖夢ちゃんの細胞欲しくないなあウフフ。妖夢ちゃん卵子になるのと精子になるの、どっちが良い？」
「誰か助けて」