ウソをウソと(ry

作品集: 2 投稿日時: 2011/04/01 20:29:48 更新日時: 2011/04/01 20:38:23 評価: 5/15 POINT: 5077770 Rate: 63472.44

 

分類
レミリア
咲夜
「お嬢様」
「何? 咲夜」

 午後のティータイム。
 いつになく神妙な表情の咲夜が不意に告げた。

「私、実は男だったんです」
「えぇええええええええええ!?」

 驚愕のあまり、椅子から転げ落ちるレミリア。
 咲夜は一瞬でレミリアの背後に回りその体を受け止めると、表情ひとつ変えずに言った。

「ウソです」
「なっ!?」
「くすくす。今日はエイプリルフールですわ」

 驚くレミリアをよそに、咲夜は楽しそうに笑う。
 いきなり一杯喰わされたレミリアとしては、当然面白くない。
 
「ぐっ……しゅ、主人を騙すとはいい根性してるじゃない」
「お褒めに預かり光栄ですわ」
「そういうことなら私にも考えがあるわよ、咲夜」
「はい?」

 咲夜はきょとんと首を傾げる。
 レミリアはにやりとほくそ笑むと、自信満々に言った。
 
「実は私は……姉ではなく妹だったのよ!」
「ええ、存じておりますわ」
「へっ」

 微塵も動揺することなく言葉を返す咲夜。
 レミリアは思わず、ぽかんと口を開けた。

 そんなレミリアをよそに、咲夜はまたも神妙な表情になり語り始める。

「……今から五百年ほど前、スカーレット家に長女・レミリア様がお生まれになりました」
「? え……ええ、そうね」

 一体何を言い出すのかと、首を傾げながらも相槌を打つレミリア。
 咲夜は淡々と続ける。

「……ですが、レミリア様はその力が余りに強大だったため、御両親は自分達の命の危険すら感じた」
「? な、なによそれ」

 困惑の声を上げるレミリア。
 咲夜は彼女の方をちらりと一瞥してから、なおも続ける。

「ゆえに御両親は苦肉の策として、レミリア様を地下牢に幽閉した」
「……な、なにをいって」
「その後、レミリア様が五歳になったとき、妹たるフランドール様がお生まれになりました」
「…………」
「フランドール様はレミリア様と異なって落ち着いた気質であり、またその能力もスカーレット家の当主を務める者として申し分のないものでした」
「……そ、その能力って、まさか」
「はい。『運命を操る程度の能力』ですわ」
「――――!」

 レミリアの顔面が蒼白する。
 咲夜は下唇を少しだけ噛むと、次の言葉を紡いだ。

「しかし、当主は長子が務めるのがスカーレット家に代々伝わる掟。それを破るわけにはいかない」
「…………」
「もちろん、長子が亡くなられたときは次順位の御子息が当主となりますが、かといって御両親にはレミリア様をどうこうする力はなかった」
「…………」
「そこで御両親は奇策を思いついたのです。―――すわなち、『入れ替え』」
「…………」
「要は、レミリア様をフランドール様に、フランドール様をレミリア様としてしまえばいいのです。幸いにも、レミリア様は生後間もなく地下牢に幽閉されたため、言葉もろくに覚えていない。つまり、自分の名前が『レミリア』であることなど当然知らない」
「…………」
「そして、フランドール様は生まれて間もない状態なので、以後『レミリア』と呼び育てることは容易だった」
「…………」
「もちろん、お二方の間には五年の年齢差があるのですが、吸血鬼という種族は成長が止まるのが早い。よって、双方対面させずに互いの成長が止まる時点まで育て、その後に偽りの真実を告げる」
「…………」
「レミリア様―――いえ、『フランドール』様には、『実は、お前には五歳年上の姉がいる』と」
「…………」
「そして、フランドール様―――いえ、『レミリア』様には、『実は、お前には五歳年下の妹がいる』と」
「…………」
「その後に、対面をさせる。さすれば、双方成長は止まっているので、実際の年齢の齟齬など気付くはずもない」
「…………」
「―――これが、スカーレット家に隠された真実ですわ」
「そ、そん、な……」

 衝撃の事実を告げられ、ふらふらとよろめくレミリア。
 
「う、嘘よ……実は私が妹で、フランドールで……」
「お嬢様、お気を確かに」

 咲夜が声を掛けるも、今のレミリアには届かない。

「実はフランが姉で、レミリアで……」
「お嬢様」
「嘘よ! 嘘に決まってる!! ねぇ咲夜! お願いだから嘘って言ってよぉ!!」
「ええ、ウソです」







咲夜「エイプリルフールですからね」
まりまりさ
作品情報
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2
投稿日時:
2011/04/01 20:29:48
更新日時:
2011/04/01 20:38:23
評価:
5/15
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5077770
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0. 77770点 匿名評価 投稿数: 10
1. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/01 20:32:48
実は俺がほんとのレミリアだったんだ
2. 1000000 奇声を発する(ry ■2011/04/01 20:36:37
いや私がry
4. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/01 20:59:57
もうフランが姉でいいよw
7. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/01 22:05:41
実は俺レミリアとフランドールの兄なんだ
13. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/03 20:46:33
お嬢様チョロすぎるw
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