創想話におくるジェネリック

作品集: 2 投稿日時: 2011/04/01 14:44:18 更新日時: 2011/04/01 14:44:18 評価: 2/3 POINT: 8877 Rate: 445.10

 

分類
創想話
謙虚
「ああ、いい、いいよぉ」

 小悪魔は身体をふるわせながら、絶え間なく訪れる快楽におぼれている。
 彼女の口内は唾液と血の泉となっていて、いまや泉はその恵みを外にも分け与えんと躍起になって湧き出ている。
 嬌声が這い出るたびに、よだれが泡立ち、ピンク色の粘液が小悪魔のあごの先まで垂れている。
 彼女の唇はぷっくりと肥え、欲求の副産物に塗れて妖しくきらめいてみせた。

「こんな……こんなに……おいしいなんて」

 小悪魔の食事の手はいぜん、休まらない。
 やわらかな紙とインクの香りがこいつの舌をさらに熱くさせているのだろう。頬も林檎のように熟れている。が、その実、桃のようにやわらかなのだ。
 そこをそっと指でなでてみるとはっきりと理解できる。乳房にも劣らぬ心地よい弾力とこちらをくすぐる産毛の感触に襲われ、私はすっかり夢中になってしまうのだから!
 だが、本を咀嚼し続ける小悪魔は甘やかな一瞬を汚されたことに怒り、髪をしならせた。
 何事も先走ることはよくないということだろう。堪能するよりも先にわからせてやらなくてはいけないのだ。
 私は見下しながら小悪魔に言った。

「私は主人でお前は下僕なのよ。ついさっきそうしたでしょう。私を喜ばせればそれでいいの。わかる?」
「わたしはまだ生まれたばかり! そんな悪魔を奴隷にするなんていい趣味だ。まったくいい趣味だよ、このクソばばあ」
「どうでもいいわ。私はねぇ、古着が嫌いなの。だって、身に着けるものなのよ? 私の肌にぴったりとくっつくものなのよ。おろしたての、誰の手垢もついていない、新品でなければいけないってどうしてわからないのかしら」
「わたしはあんたの服じゃない」
「身の回りの世話をするあんたが私の付属品でなくて、なんだっていうのよ」
「世話? あんたの? わたしが? 冗談じゃない!」
「ところがあんたは断れないわ。もう味わっちゃったんだから」

 そこでようやく小悪魔は本を手放した。
 私の言葉を聞いた瞬間から小悪魔の顔色は、内にある血液がにじみ出たかのように赤みを増した。
 つまり、思い知ったのだ。ここでしか得られない書物の味わいを。そして、魅力的な物語にありつける唯一の機会は、私に頭を下げ、髪を垂らし、腰を折ったときだけなのだと。
 小悪魔はうめくような音を立てながら恨みがましく喚いた。

「なんで、どうして、ちくしょう、ちくしょう……パチュリー、パチュリー……」
「様をつけなさいよ、低級悪魔。だいたい、あなたの読書のやり方に品がなさすぎるのがいけないのよ」
「なにいってんのよ……ちゃんといただきますって言ったし、手だって汚さなかったのよ!」
「読むだけで理解できる程度には知能をつけることね。大丈夫よ、あなたみたいな馬鹿でもここにいればすぐにかしこくなれるんだから」

 そうだ。ここには膨大な量の書物がある。あらゆる方向に深くもぐった物語がある。別世界の扉が何万と並んでいるのだ。
 ここほど優れた図書館はそうないだろう。食べなければ理解できない低知能の悪魔の一匹、立派に育て上げてみせるだろう。

「さ、はやくなさい」
「…………わかった」
「わかりました、ね?」
「…………わかりました」
「よろしい」

 まずはよしとしよう。
 今は形だけだ。小悪魔は目つきをとがらせ、おそろしい形相でこちらを睨みつけている。だが、いずれ彼女は私の良きパートナーとなるのだろう。
 彼女の歯のすきまからシュウシュウと煙があがっているのがその証。炎が消えたのだ。憤怒が欲求に屈したのだ。意図があってこちらに従ってみせている。
 しかし、利用し合うだけの仲を危うく思うことはない。
 片方が奉仕し、もう片方が提供する。実にシンプルであり、また強固な関係が今、築かれたのだ。

「小悪魔、あなたは今からこの図書館の司書になりなさい」
「……はい。わたしは、ここの司書に、この図書館の司書に……このヴワル魔法図書館の司書となります」
「なにそれ」
「は?」
「そのヴワルなんとかって。どこかと勘違いしているんじゃないの。ここはそんな図書館じゃあないのよ」
「じゃあ、なんだって、ん、なんというのですか」
「あらゆる知識と話があり、今このときも無数の物語を生み続ける夢の場所」

 言葉に重みを持たせるように、たっぷりと間をあけ、私は小悪魔にその名前を教えた。

「ここはね、創想話というのよ」
特定のジャンル叩いたり、長さだけで名作をいくえふめいにする浅はかさは愚かしい
そいうことして誰がかなしむかお前らはぜんぜんわかってにい
パチュイr−が自分の図書館に本がまったくこないで「はやくきてーはやくきてー」と泣き叫ぶ姿が想像できないのかよ
小悪魔もおなかすかせて空腹がマッハ
これをきゅうきょ救うべくなのが創想話の作者の人たちなわけ
わかったらはやく創想話に作品を投稿するべきはやく投稿しテ!

ところでこの話からもわかるように虻さんの嫁がパチュリーだということは確定的に明らか
あの人いったいどのくらいのSSをパチュリーにささげてんだよ
なに、アリス? 知らんな
一級天人
作品情報
作品集:
2
投稿日時:
2011/04/01 14:44:18
更新日時:
2011/04/01 14:44:18
評価:
2/3
POINT:
8877
Rate:
445.10
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1. 100 名前が無い程度の能力 ■2011/04/01 15:16:02
くだらん屁理屈ぬかしてごまかしてんじゃねーよ
何も全く何も無い状態からパチュリーのためかどうか考えろとは言ってない
例えば、パチェ派と判断した作品をどれでもいいから持ってこいや
「虻さんはパチェ派だ」と見分けられるってことはアリス派ならここはこう作る、ってのがわかるはずなんだがな
おら、どうした?できねえだろ
結局、ただ玄人っぽく思われたくてとりあえずパチェ派って当てずっぽうで言ってるだけという証明

そんな真の虻さんを知らないお前がパチュリーだのアリスだの言ってネタにしてる事は大変失礼
お前に虻さんの愛の何がわかるってんだよ
2. 1000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/01 15:23:52
テンションがマッハなのも言いたいことも分からんでもないが、
パッチェもアリスも小悪魔も等しく好きな一読者が通るぜ?
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