おGちゃん
作品集: 2 投稿日時: 2011/04/01 13:23:24 更新日時: 2011/04/01 13:23:24 評価: 3/7 POINT: 2124330 Rate: 53108.88
分類
霊烏路空
今日も頑張って働いたなぁなんて思いながら仕事の報告をしにさとり様の部屋へ入った。
「さとり様!」
「ん、お空。ドアを開けるときはノックをした方がいいですよ」
「あ、と。また忘れちゃいました」
えへへと笑って誤魔化すと、しょうがないなぁなんて顔をされた。
腰掛けていた椅子からゆるりと立って、御主人様がゆっくりと近づいてくる。
「今日も頑張ったのね。お勤めご苦労様でした。……あら」
なぜかさとり様が足も動かさず、絨毯の上をすべるように進んでくる。秒速50センチくらいで。
ちょっと不気味だ。
さとり様自身も不思議そうな顔をしており、わたしのところまで来て、ぼすんと寄りかさるようにして動きを止めた。
「何やってるんですか」
「こっちが聞きたいです。まるであなたのスペルカード、そう『サブタレイニアンサン』だったかしら。あんな感じで引き寄せられてしまったのだけれど。でもお空も特に意識してないようですし、多分……」
しかしこんなに近くにさとり様が居るのは久しぶりだった。なんだかどきどきしてしまう。いい匂いもするし。今の心も読まれちゃうんだよなぁなんて、照れてしまう。
「くっつくのも照れるのもあとでできますから。その、熱いんですけど」
「えと、ごめんなさい」
八咫烏様を飲み込んでから感情が昂るとついつい身体の温度が上がってしまうようになった。具体的には最高六千度までいくみたい。
でも今は高い自分の体温より温いくらいのさとり様の体温を感じてたいな。
「六千度と言いながらくっついてたいなんてあなた本当にわたしのこと好きなんですよね」
「そりゃもう大好きですよう」
「まあわかってはいるのですがね」
そんなことを呟きながら息を吐くさとり様の顔はちょっぴり赤かった。やっぱり熱いのよね。
羽をばたばたして熱を逃がそうとしてみる。
なんとか気持ちを抑えようとしていると、廊下から騒がしい足音が聞こえてきた。
思いっきりこの部屋のドアが開き、私の親友が顔を出した。
「さとり様―! お仕事終わりましたよーって、ふ、不倫現場!?」
「違います」
なんか色々間違っていた。確かにさとり様に抱きつかれているような格好だが、わたしと彼女は清く正しい健全なお付き合いをしている。
「それも違います」
「あれ?」
にゃあにゃあ言っているお燐もいつのまにかずるずる私に引き寄せられていた。私の腕に抱きつくようにして止まる。ちなみにさとり様は私の真正面にくっついている。
「お空ったら、さとり様だけでなくあたいまで吸引して……。気持ちは嬉しいけど二股はダメだよ!」
「そういう話だったかなあ」
「ややこしくなりそうですね。見当はもうついているのでばらしますよ。こいし、居るのでしょう」
はーい、と元気な声と共に背中に急に重みを感じる。振り向くと間近にこいし様の顔、ふわふわの髪が鼻をくすぐった。
どうやら私にずっとおぶさっていたみたい。気づかないものだなあ。
「いやー、途中でお空があっつくなったり羽を動かしたりするから大変だったよ」
「私も大変でしたよ」
「私は満更でもないですよ」
「あたいのことは遊びだったのね!」
「……」
「……お燐」
「……火焔猫」
「い、いや冗談ですよ。なんでここだけ変な空気になるんですか」
わたわた慌てるお燐を尻目にさとり様はこいし様の方を向いた。
「さて、どうしてこんなことをしたのかしら」
「ん、私ってさ、地霊殿に帰ってくるの久しぶりじゃない」
「そうね、三日ほど見ていないわね」
「だから、ほら、ね。こうみんなで一緒に固まりたくってお空に無意識でGを発生させてもらいました」
自分越しに会話をされるとこそばゆいなと思っていると、さとり様が小さく溜め息をついた。
「全く、いつもいないくせに帰って来たらこうなんだから。我が儘」
「妹ってのは往々にして我が儘なんだよ」
「ほんと、我が儘でずるい子」
溜め息をついたあとだったけれど少し顔が綻んでいた。こいし様も微笑んでいる。
いい雰囲気ってのはこういうのを言うんだろうなと思った。
「さて、そろそろ解除してくれてもいいんじゃない」
「ああ、私の能力的にさ、気づかれてからは別にお空が自力でやめれるはずよ」
「ふむ、お空。もう少しこのままでもいいような、ですか」
「えーと、駄目ですかね」
「……」
「やっぱり駄目でしょうか」
「しょうがない。もう少しだけですよ」
「ありがとうございます」
「お姉ちゃんたら、素直じゃないなあ」
「何がです」
「まあまあ」
「あたいはもう少しと言わずずっとでもいいよ」
「えっ」
「えっ」
朗報好好爺→おじいちゃん→おGちゃん→サブタレイニアンサン→お空か。そんな話。
パソコンを新しくしてようやく非でお空に会えるようになりました。
空ちゃんが強くて可愛くて格好良いというのを再確認。
一択
作品情報
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投稿日時:
2011/04/01 13:23:24
更新日時:
2011/04/01 13:23:24
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名前が無い程度の能力
■2011/04/01 13:31:15
お自慰ちゃんとか連想してしまった僕を許して。
2.
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点
奇声を発する(ry
■2011/04/01 13:38:47
別にタイトル見て変な事考えた訳ではありませんよ?
3.
100000
点
名前が無い程度の能力
■2011/04/01 13:56:34
よかった、台所の黒い悪魔はいなかったんだね
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