誰かにとってのいい話

作品集: 2 投稿日時: 2011/04/01 09:32:58 更新日時: 2011/04/01 09:32:58 評価: 0/7 POINT: 32107 Rate: 803.30

 

分類
オリキャラ視点
 仕事疲れ。
 全身を襲う倦怠感と睡魔に抗いながら、男は住宅街の中を家に向かって歩いていた。
 どうせ迎えてくれるのは家で飼ってる熱帯魚くらいなものだったが、とにかく一刻も早くベッドにダイブがしたいと、家に向かって一歩一歩歩いていた。

 その時、奇妙な耳鳴りと共にぐらんぐらんと足元が揺れた。
 地震かと思い、近くの壁につかまって目を閉じ、揺れが収まるまで待つことにした。
 おかしなことに、その壁は思っていたよりもガサガサとした表面をしていたが、いま重要なのはそんな些細なことじゃない。

 揺れが収まる。
 閉じていた目を開くと、どこか見知らぬ場所に居た。
 つかまっていたはずの壁はいつの間にやら木になっており、周りにあったはずの住宅は一つ残らず消え去っている。
 まるでコンクリートジャングルが普通のジャングルに変わってしまったかのように。
 
 いつの間にか疲れて眠ってしまっていたのだろう。
 男は結論付けた。
 路上で突然眠ってしまうなんてどれほど疲れていたのだろうか。
 とりあえずこの夢から覚めなくては。
 そう思いながら、男は右手を自分の頬に向けて動かしだした。
 その時、急に目の前が真っ暗になった。
 目が覚めたのかと思ったがどうやら違うらしい。
 
 それが、男が最期に考えたことだった。
ルーミアにとって、いい話。
ちょっと昔の、いい話。

これぞ5分クオリティ
てるる
作品情報
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2
投稿日時:
2011/04/01 09:32:58
更新日時:
2011/04/01 09:32:58
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