全ては幻想郷の意思によります

作品集: 1 投稿日時: 2011/04/01 04:56:11 更新日時: 2011/04/01 04:56:11 評価: 1/3 POINT: 1015554 Rate: 50778.95

 

分類
マッチョだけど仕方がない
 博麗神社の一室。

「なぁ、霊夢……脱いでくれないか?」

 魔理沙の言葉に、はっと息を詰まらせる。何故そう言うことを聞くのか、と言う困惑。
 とうとうばれてしまったか、と言う諦めが複雑に混ざった感情。
 押し寄せてくる後悔。彼女に気が付く機会を与えてしまった、自分が情けなかった。
 けれど、仕方がない、と言う思いもあった。
 霊夢は自身の身を包む巫女服を引き裂いた。
 下から現れたのは、やはり魔理沙の予想通りの鋼の肉体だった。

「やっぱり、お前……霊夢」
「ええ、そうよ。これが博麗に代々伝わるもっとも効率的な筋肉の鍛え方、よ」
「だけど、どうして――ッ!」
「隠してたのは悪いと思ってる、でもね魔理沙」

 霊夢は大胸筋を揺らしながら、言う。そこにあるのはたわわに実った二つの果実ではなく、筋肉の塊だ。
 
「あなただって――隠してることがあるでしょう?」

 霊夢の言葉に、魔理沙が顔を引き攣らせる。
 俯いて、顔が髪に隠れて見えなくなった。
 霊夢は、わかっていた。自身の肉体と同じく、魔理沙にも秘密があると言うことを。
 そして魔理沙は、意を決したように顔を上げる。息を吸い込んで、吐く。
 身体中の経穴から気が噴出した。
 魔理沙の服を一瞬にして、布切れに変えていく。

「魔理沙……」
「これが、我が霧雨家に代々伝わる秘伝……」

 魔理沙の肉体は、もはや以前とは明らかに違っていた。
 これが彼女の秘密だ。
 人間でありながら、妖怪と渡り合える彼女の隠していた力だ。
 
 轟ッ! とうねりを上げる筋肉。だがしかし、それらは細い腕の中に束ねられているのだ。それはつまり、圧縮だ。無数の筋肉を束ね、凝縮し、細い腕の中に収めているのだ。それがどれほどのものなのか、想像を絶することだろう。
 霊夢は歓喜した。目の前の友人が、こんな力を秘めていたことに。
 そして、自然、霊夢は魔理沙の胸を――いや、おっぱいを揉んだ。
 
「たわわね」
「霊夢には負けるぜ」
「……ばか」


 そこに表れたのは、まるで野獣のような八雲紫だ。
 さらにあらわれたのは、まるでグラップラーの如く屈強な体躯をしたレミリア・スカーレットだ。
 付き従うのは、十六夜咲夜。鍛え上げられた巌のような肉体。背後に見えるのは、幽波紋だろうか。
 おまけにやってきたのは、白玉楼の二人だ。鉄塊のような剣を持ったムキムキ妖夢。
 西行寺幽々子は、鉄扇で口元を隠している。
 さらにやってくるのは永遠亭の奴らだ。彼女らはさらに、恐ろしい。
 まるで億単位の時間を捻り潰したような肉体を持つ永琳。
 姫の名に相応しい、まるで蛇のようなしなやかさで歩く輝夜。
 鈴仙はソルジャーだ。無数の屈強な兎を従えている。
 因幡てゐは、まさに圧巻と言えるだろう。小さな身体を長い時間かけて鍛えつくした、言わば必殺のための肉体だ。その力は、かつて自分を助けてくれて、手合わせした神様のために。
 神様もやって来た。戦の神、八坂神奈子は素晴らしかった。背負った縄を、まるでチャクラムのように振り回してる。
 もう片方の神、守矢諏訪子も負けていない。いつもの小さな体躯はどうしたと言わんばかりの八頭身。こちらも、輪のような武器を持っている。かつての宿敵と同じ武器を持って、立っているのだ。
 現人神、東風谷早苗は、そんな二人を見守るように、けれど肉体は激しく脈動している。彼女は世紀末覇者になるのが将来の夢だと小学校で語ったのだ。


 そこからも、たくさんの人妖が博麗神社にやってきた。
 地底から、神社から、天空から、どこかしらから。
 遅れてやってくるものもいた。
 


 武器を持っているものがいた。
 己の肉体を信用しているものがいた。
 絶対の自信に目を輝かせるものがいた。
 能力を過信するものがいた。
 目の前の勝利を見据えるものがいた。
 戦いに、自らの肉体から咆哮を上げるものがいた。


 しかし、彼らは皆、等しく志を同じにしていた。


 誰しもが、本気だった。
 正面を見据え、絶対の勝利を誓うのだ。
 優勝を手にする、と。

 いま、この時より、このトーナメントは開催される。
 幻想郷全土を巻き込んだお祭り騒ぎだ。
 


 全ては、幻想郷の意思の元に――――
 
 
なんてこったい。
月空
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作品情報
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2011/04/01 04:56:11
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2011/04/01 04:56:11
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1. 1000000 奇声を発する(ry ■2011/04/01 13:08:50
しかたないね
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