魔理沙と香霖が夫婦なSSを書こうとした

作品集: 1 投稿日時: 2011/04/01 00:55:32 更新日時: 2011/04/01 09:18:57 評価: 2/5 POINT: 2016665 Rate: 67223.00

 

分類
魔理霖は俺の乙女心
「魔理沙結婚しよう!」

 タキシードを着た香霖が満面の笑みを浮かべていた。
 ああこれは夢だな。あいつがこんなことするわけないし。でも待てよ。夢の中というのはつまり私の願望の世界であってこれはその願望が形になっているわけで。となるともっといろいろ妄想したら夢の形が変わって幸せな夢がみれるんじゃないか?
 とか考えていると風景がぐにゃぐにゃと歪みだして、昆布みたいにゆらゆら揺れ始めた。うわー、これまずい。なんとか再構築しないと。そう香霖香霖香霖……。
 って念じたら風景がだんだん香霖ばっかに。ぎゃー、樅の木が香霖になった!? しかも不規則に揺れててなんか気持ち悪い。ちょっと待て、山まで香霖になってる。しかもちょっとずつ近づいてるじゃんか。まずいこれはなんか逃げないとトラウマ的な何かに苛まれて私が死ぬ。
 と振り返ったところにも香霖がいた。犬だったけど眼鏡を掛けていた。間違いない。香霖だ。香霖犬は香霖の声でわんわん鳴いて、きゃんきゃんじゃれついてくる。もはや名状しがたき何かである。
 そんなこと考えてしまった所為だろうか。突然私の目の前に香霖の触手が表れて私の手足を絡め取った。ちょっとまて。それは駄目だ。いや、ちょっと待て。なんか体に巻き付かれて嬉しいとか思ってる自分、可笑しいぞ。落ち着け冷静になれ。触手なんてないんだ触手なんて。
 ふっと拘束が解けて私は地面に打ち付けられた。「いてっ」という声が地面からしたからはっとして見てみたら地面が香霖だった。「だいじょうぶかー」という声が今度は空から響いた。青空が香霖になっていた。「魔理沙ー」という声が無数に耳元でした。空気中に漂っている塵とか微生物が全部香霖になってて、極小の香霖が群れを付くって飛び交っていた。
 どうすりゃいいんだ、と思っていると地鳴りが響いてきてはっとして顔を上げると山香霖がすぐ側に迫っていた。やば、逃げなきゃ。でも背後にも、左右にも山香霖が居てもう逃げ場なんてなかった。だって空も香霖だし。
 押し寄せる香霖。
 私は静かに目を瞑り、死を覚悟した。

 ※※※

 そこで眼が覚めた。尋常じゃないくらいの汗を掻いていた。深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。一体何を思ってあんな夢を見てしまったのだろう。
 やれやれと思いながら私は起き上がった。
 その時だった。
「魔理沙」
 という声が背後からした。
 ぎょっとして振り返ると、枕の所に香霖の顔があった。
 心拍数が爆発的に跳ね上がって、私は悲鳴を上げながらその顔を踏みつけた。
「いきなり踏みつけられるとは思わなかった」
 不服そうに香霖は言った。
「だってあんなところに居たら誰だって驚くだろ。ていうかあれはなんなんだ」
「ああ、あれは外の世界の偉大なる喜劇王。志村某の芸を真似てみただけだったんだが。どうだった?」
「どうもこうもあるか!」
 ていうかずっと布団の中にいたということは、つまりほとんど一緒に寝ていた状況だったわけで。
「もしかしてお前、見たのか?」
「なにを?」
 にやにやしながら香霖は答えた。
 顔が熱くなってきた。多分耳まで真っ赤になっていたと思う。恥ずかしさ半分怒り半分。私が「うがー」と声を上げて逃げ出した香霖を追いかけたのだった。




 ※※※

 という夢を見て私は自己嫌悪に苛まれながら布団から出た。いまさらなんて夢を見ているんだ私は。
 店の方に出て行くと香霖がいた。番台に頬杖を着きながら読書をしていた。
 見慣れた背中。
 私はそれに声を掛ける。
「おはよう」
「ああ、おはよう。魔理沙」
 静かな声で彼は答えて、微笑んだ。
 昔とは違うその柔和な空気。私と暮らし始めてから覚えた笑顔だった。
 今日が、私たちが迎える初めての結婚記念日。
 彼はちゃんと覚えてくれているだろうか。
 そんなことを考えながらいつもより気合いを入れて台所に向かうのであった。

 

 おしまい
遠野播磨
作品情報
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1
投稿日時:
2011/04/01 00:55:32
更新日時:
2011/04/01 09:18:57
評価:
2/5
POINT:
2016665
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0. 16665点 匿名評価 投稿数: 3
2. 1000000 奇声を発する(ry ■2011/04/01 00:59:11
志村wwww
4. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/01 14:44:48
この香霖、変なんです!!wwww
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