三つほど、プロット案も大体練れてて、書き出しもちょっとだけ書き出せてるネタがあるんですが、細かいところで手が止まって一向に書き進まないのでちょっとここに書けてる部分だけ吐き出しときます。
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1番・仮題『とどかぬ、星空』
この世界は不公平だ、と思う。
どんなに努力しても、天賦の才能を持って生まれたものには決して敵うことはない。
必死の努力の末に身に着けたことを、息でもするかのようにこなせてしまう天才というのは、この世にいるのだ。
天才は、卑怯だ、と思う。
自ら掴み取ったものではなく、生まれ持ったものだけを使って、成功を、勝利を、栄光を掠め取っていく。
その何倍も何十倍も努力して、それでも報われなかったものたちが、その陰には数え切れないほどいるというのに。
努力は報われる、などという言葉は嘘っ八だ。
成功しているものは皆努力している、などという言葉は、この世で最もおぞましい詭弁だ。
結局そんな言葉どもは、失敗したものたちを貶めるためのものでしかないのだ。
そうして欠片ほども努力をしない天才は誉めそやされ、必死の努力も空しく道半ばで力尽きた凡人たちには冷笑が浴びせられる。
曰く、とても努力したのですね、と。曰く、お前には努力が足りていないのだ、と。
私にはそれが、どうしても堪えられなかった。
*
初めは、出来の悪い生意気な妹、位に思っていた。
今でもあの時のことは鮮明に思い出せる。
私が家出してすぐの頃、香霖堂に居候していたときのことだ。いつものように香霖は、商品の仕入れに行ってくる、と言って、私に留守を任せて出かけていった。
またいつものゴミ漁りか、と香霖を見送ると、私はこっそりと店の奥においてある読みかけの恋愛小説を取り出してページをめくった。香霖にそういう本を読んでいることを知られるのは何となく気恥ずかしかったから、香霖が仕入れに出かけているときに少しずつ読み進めるのが当時の私の楽しみだった。
なぜそんなものを香霖が持っているのか少し疑問だったが、一般的な本とは違い、糸を使わずに綴じられていたり、奇妙に角ばった細かい字が並んでいたことから、これは恐らく、外の世界というやつから幻想郷にやってきたのだろう、と私は推測していた。それならば香霖が、わざわざ非売品を並べておくための棚に置いていたのも納得できる。
実際、読み進めていくと、幻想郷では聞いたことのないような物の名前がよく出てきて、そうしたものが出るたびに、これはどんなものなんだろうとあれこれ考えを巡らすのが楽しかった。
それでも、人の心というのはこの幻想郷でも、外の世界でも変わらないのだな、とそんなことを思った記憶がある。
その小説の主人公である少女が、もう一人の主人公の青年に抱く恋心に強く共感しながら、私はそれを読み進めていた。
そうして私が読書に夢中になっていると、からんからん、と店の入り口に掛かったベルが鳴った。
もう香霖が帰ってくるような時間になったのかと、私はあわてて本を抱え込んで物陰に隠れた。しかし窓のほうを見てみるとまだ日は高く、こんなに早い時間に帰ってきたことはなかったから、私はいぶかしんで入ってきた人影に目をやった。
ガラクタの隙間から見えたその人影は、私とそれほど年も変わらないように見える少女だった。
その少女は、きょろきょろと店内を見渡してから、手に持ったメモに視線を落とすと、留守にしている店主の名前を呼んだ。
「あのう、森近霖之助さんはいらっしゃいますか」
私はというと、一体どうしたものかとガラクタの影で煩悶していた。店主に用というのなら、滅多にない来客ということなのだろうか。いくら普段客が来ないからといって、出かけるときには休みの看板くらい掛けておけと、私は心の中で悪態をついた。
しかし、と私は思い直す。客とはいえ、何のことはない。私と大して年も変わらないような少女ではないか。それならば自分にだって接客ぐらいできるはずだ。
私は手にした本を机の下に隠すと、少女が視線を切ったところを見計らって歩み出た。
「いらっしゃい。何の用かしら」
「うわあ、びっくりした。ええと、あなたが霖之助さん?」
「そんなわけないでしょうが。それとも私が男に見えるわけ? 香霖ならいまちょっと出かけてるけど、用事くらいなら聞いてあげるわ」
すると少女は、じゃあ、と一息おいて私に言う。
「ええと、服が欲しいんだけどね。可愛いやつがいいな。ここなら頼めるだろうって玄爺が言ってたから」
「服――か。ううん、とりあえず布はいっぱいあるけど、私は裁縫なんてできないし――あ、そうだ、香霖が帰ってくるまでにとりあえずサイズだけ測っちゃおう」
確か奥に巻尺があったはずだから、と私は取りに向かう。こっそりとガラクタの陰の本を回収しておくことも忘れない。
「お待たせ。じゃあ服脱いで……って、途中で香霖が帰ってきたら問題ね。ごめん、奥行こうか」
「何で?」
「何で、って……恥ずかしいでしょ。男の人に裸見られるなんて。さっさと行くわよ」
私は少女を連れて奥の間に行くと、採寸を始めた。彼女は素直に私に従っている。
「そういえばさ、あなた名前は何ていうの?」
「私? 私は霊夢っていうの。あなたは?」
「へえ、変わった名前ね。私は、き」
霧雨、と名乗ろうとして私は、自分を勘当した父親の顔を思い出す。
「……魔理沙、魔理沙よ。よろしくね霊夢」
「うんっ。よろしく魔理沙」
霊夢はにっこりと笑って私の名前を呼んだ。その笑顔があまりに屈託のないものだったから、私もつられて笑顔になる。
「ところでさ、さっき言ってた玄爺って誰? おじいちゃんか誰か?」
「ああ、玄爺はね、亀さんなの。裏の森の池で捕まえたんだ。とっても物知りなのよ。おっきくて空も飛べるし。今日は一人でお買い物に行ってみなさいって、ついてきてくれなかったけど」
「ん? ふ、ふーん……」
大きくて空を飛べて物知りな亀とは一体何者なのだろうかと私は疑問符を浮かべる。あるいは妖怪か何かだろうか。しかしそうだとすると、こんな少女が捕まえたというのもおかしな話ではある。
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2番・仮題『神様はいつだって』
「起りーつ、礼ぇー、着せーき」
出席番号一番の間延びした声と、それに続いてがたがたと椅子の音が鳴る。春休みを終えて初めの一日、立っていて足が痛いだけの始業式を終えて教室に戻ると、下らないホームルームの時間が始まった。
「みんな、無事にこうして新学期に元気な顔を見れたことを嬉しく思います。今日は――」
先生の口から出るのはお決まり通りの定型句。つまらないことこの上ないと、俺は心の中で舌を出す。
「さて、この四月から君らも晴れて三年生、つまりは受験生というわけです。まだまだ時間はあるなどと、気を抜いていてはいけませんよ。五月の連休前には最初の模試がありますから、しっかりと対策をして臨んでください」
教室中から、不満そうな声が沸き起こる。俺はそれを心底馬鹿らしいと思う。別に学生は学業に真摯に励むべきだとか、そんな殊勝らしい考えがあるわけではない。ただ、そんな態度を表に出したところで、何か事態が好転するようなことなどあるわけがないし、余計な面倒ごとが増えることさえあると知っているからだ。
「ほら、そんなことではいけません。受験生たるもの、もっとやる気を持って――」
それ見たことか、と俺は思う。こういう面倒なお説教を避けるのには、従順な面をしているのが何よりなのだ。先ほど不満の声を上げていた一人を見ると、ますます強い不満を顔に貼り付けていた。自分の態度が招いた事態に、何をそんな顔をしているのかと、酷く馬鹿らしいものを感じた。
先生のつまらない話がようやく終わって帰る時間になると、ざわざわと皆が騒ぎ出す。同じクラスになれて嬉しいとか、春休みの間に髪型を変えただのピアスを空けただの、どうでもいいような会話が聞こえてくる。
「武田ぁー。お前さ、明後日提出の数学の課題やった? 俺まだやってなくてさ、もしやってたら写させて欲しいんだけど」
一人の男子が俺に話しかけてくる。一年の時も同じクラスで、一度同じ図書委員をやったことがあり、接点は俺にしては多いほうの相手だ。前に見たときより、髪の色が少し明るくなっている。
「ああ、いいよ。明日持ってくればいいか?」
「おおっ、サンキュー。ダメ元でも言ってみるもんだなあ。持つべきものは友達ってか」
じゃあ明日頼むな、とだけ言って、そいつは他のクラスメイトの輪に入っていった。
友達、という言葉も随分と安いものだ。金の貸し借りや、課題の見せ合い。それはそんな利害関係だけでつながったもの同士を呼ぶための言葉だったか。俺は、その言葉が指すものをいまいちよく理解できていない。
そんな俺だから、一緒に帰るような友達はもちろんいない。帰り支度を済ませると、さっさと教室から出て帰路につく。
「……お」
校門の近くまで来ると、見ない顔がぞろぞろと並んでいた。俺は、始業式と同じ今日に入学式もあったことを思い出す。
俺の通うこの高校はそれなりの進学校で、それなりに厳しい入試が設けられている。新入生たちは、それをクリアしたものとしての自信と喜び、それから自分の将来への希望にあふれた表情を一様に浮かべていた。
俺にも、そんな顔ができていた頃もあったなと、まるで人事のように思い返す。しかし現実を知るたび、毎日がただただつまらなくなっていくだけで、今ではもう笑うことすらほとんどなくなってしまった。この新入生たちも、いずれはそうなっていくのだろうかなどと、俺は益体もないことを考える。
――ん?
不意に、俺の目にエメラルドのような緑色の光が差し込んだ。その方向を見ると、一人の黒髪の少女がにこやかな表情で歩いているのが見えた。
よく見てみると、少女は緑色の奇妙な髪飾りをつけており、それが照り返したのだろうと俺は納得した。さらによく見れば、その髪飾りはカエルを模したもののようである。変わった趣味をしている子もいるものだと、俺は妙な感心を覚えた。
――別に。
気に留めるようなことでもないかと俺は思い直し、桜並木を抜けていつもの帰り道へ向かう。
しかし目には、あの緑の光がやけに強く焼きついていた。
*
「ただいま」
家に帰ると、俺はすぐに自分の部屋へ上がる。この時間は母はパートの仕事で家を空けているのだ。
本棚から適当に漫画を取り出し、ぱらぱらと眺めてみるが、すぐにつまらなくなって放り投げた。
「……はあ」
ベッドに腰掛けて深くため息をつく。
いつから俺は、こんな下らない人間になってしまったのだろう。
内心で人を見下して、それで自分は賢いというように思い込んで、ただのらりくらりと日々をやり過ごしていく。
何もかも分かっているのだ。俺はただ楽しそうにしている皆が羨ましくて、妬ましくて、それでせめて本当は自分のほうが立派なんだ、現実が分かっているんだなどと思いたがっているだけだ。
しかし、そんな風に自嘲してみても、自分を軽蔑している自分のことを立派な人間だ、と思い込もうとしている自分がいる。本当に、どうしようもない。こんなだから友達だっていなくなってしまったんだ。こんなつまらない人間と一緒にいたがる奴なんているわけもない。
ずっと子供のころを思い出す。無邪気に笑っている俺を見て、父と母が微笑んでいる。友達は多いほうではなかったが、気兼ねなく笑いあえる相手が何人かはいた。そんな仲間たちに囲まれて、本当に楽しかった。
ずっと、そんな風に笑っていられると思っていた。遠い日の、夢だ。
「……こ、勝彦ー。ただいま。林檎買ってきたから一緒に食べよう?」
下の階から母の声が聞こえてくる。時計を見てみると、いつの間にか母が帰ってくる時間になっていた。どうやら、少しの間眠ってしまっていたらしい。
「ありがとう母さん。すぐ降りる」
俺はベッドの上に転がっていた漫画を片付けると、階段を下りた。
*
「はい、それでは学級委員から決めていきましょう。誰か立候補する人はいませんか?」
数日後、学校で委員決めをすることになった。初めは誰も手を挙げたがらなかったが、しばらくすると、誰もやらないならと言って立候補するものが現れ始め、割とスムーズに進んでいった。そこら辺は流石に、進学校ということだろうか。真面目な奴が一定数はいるようだ。
「ええと、次は図書委員ですが――ああ、このクラスには図書委員長がいましたね。武田くん、武田勝彦くん。お願いしていいですね?」
突然名前を呼ばれてぎくりとしたが、そういえばそうだったと思い出す。春休みの間も図書館にはたびたび行っていたのだが、すっかり忘れていた。
「ええ、もちろん」
各委員の委員長を決める選挙は、毎年夏前に行われる。去年のそれくらいの頃には俺にもまだそんな気概があったのだなと思うと、妙な感じだった。あれからまだ、一年も経っていないのか。
それからも滞りなく委員決めは終わった。
終礼の後、年度初めの委員会が行われるということで、委員長として少々の準備を済ませてから、会の行われる教室へ向かった。面倒ではあるが、仕方あるまい。少しだけ、やる気のあった頃の過去の自分を呪った。
教室に入ると、もう他のクラスの委員は全員集まっており、談笑などしている。俺は慌てて席に着くと、開会の挨拶をした。
「遅れてすみません。それでは今年度初めの、図書委員会を始めたいと思います。僕は図書委員長の、武田勝彦といいます。ええと、まずは出席を取ります。一年一組――」
一人ずつ名前を呼んでいくと、少し気恥ずかしそうな声色で、はい、と小さく返事が返ってくる。
名簿を読み進めていくと、見慣れない苗字が現れた。東に、風。これは何と読むんだったか。確か――
「一年五組、こちや、さなえさん。で、合ってるかな?」
「はいっ。よろしくお願いします!」
それまでと違い、酷く元気の良い声で返事をされたもので、思わずその少女――東風谷早苗の方に目を向ける。
――あ。
綺麗な黒の長髪に、蛙の髪飾り。始業式の日に見かけた、あの子だ。
「どうかしましたか?」
「あ、いや、すみません。次に二年一組――」
一瞬驚いたが、別によくある偶然だろうと思い直す。たまたま目に留まった相手とばったり出くわすくらい、珍しくもない。まして同じ学校に通うもの同士なのだ。何も驚くようなことではない。俺は引き続き、会を進めていった。
特に問題なく委員会も終わり、帰る時間になった。閉会の挨拶をして、俺は机の上の筆記具を鞄にしまって立ち上がる。
教室を出るとき、少しあの東風谷という少女が気になって視線を向けてみると、他の一年生二人と楽しそうに喋っているのが見えた。くるくると忙しそうに表情を変えながら、時折、嫌味のない笑い声をあげて、会話を盛り上げていた。その姿は心底楽しそうで、少しだけ、羨ましかった。俺にはもう、そんな顔はできない。
――馬鹿らしい。
人と自分を比べて卑下してみたところで、何が変わるわけでもない。
俺は一人、廊下で靴音を鳴らした。
*
時間は、俺のような感動の少ない人間にとってはあっという間に過ぎるものである。ついこの間始業式があったと思っていたら、早くも季節は移り、校舎内では夏服の生徒たちが汗をかき、窓の外では蝉がうるさく鳴いていた。
「次は十八番、武田君――」
それを聞いて俺は椅子から立ち上がり、先生から封筒を受け取る。今日は五月にあった模試の結果が返ってくる日だった。席に戻って封筒の口を破く。
――まあこんなもんか。
はっきりと言って、十人いれば八、九人までは優秀だと言うような成績だと思う。志望校判定欄には、有名な国立大学の名前の下にBの文字がでかでかと書かれている。
正直、これも良くないのだろうとさえ思う。たかが試験の点取りが上手いだけで、特別何の意味もないということは分かっているのだが、定期試験でも高得点を取るたびに先生から褒められたり、クラスメイトに持て囃されたり、あるいは嫉妬されたりするたびに、俺の人を見下す癖に拍車がかかる。
その上、自分よりも成績が良いものに対しては内心嫉妬していたりするのである。そういう自分に気づくたび、結局俺は他人を見下したいだけの屑なのだと思い出し、ただただ気分が重くなる。
「皆さん、返ってきた成績はどうでしたか? 良くなかったという人も、まだ次の夏休みで十分挽回するチャンスはあります。もちろん、良い結果が返ってきたという人も、気を抜いていてはいけませんよ。それでは、今日はこれで解散とします」
クラス委員の号令に続いて、ありがとうございました、と皆が帰りの挨拶をする。その後あちこちで、お前はどうだった、俺は駄目だった、などと言い合っているのが聞こえてきた。
俺は居心地が悪くて、さっさと教室を出た。かといって、どうも家に帰る気にもなれなかった。母に成績を見られるのが、何となく嫌だったのだ。
少し、一人になりたいと思って、ふらふらと廊下をうろつく。階段の前に来たところで、屋上に続く扉が目に入った。
辺りに誰もいないことを確かめると、俺は階段を上ってドアノブに手をかける。鍵が掛かっているかも知れないと思ったが、扉はすんなりと奥へと開いた。
屋上には誰もおらず、何かのファンが回っているような音だけが鳴っていた。俺は地べたに腰を下ろすと、軽く息をついた。
――空が。
綺麗だな、と、柄にもないようなことを思う。
考えてみれば、こんな風に空を眺めるのはいつ以来だろうか。ここ最近は、下ばかり向いていたような気がする。
こんな風に綺麗な青空を見ていると、こんな汚らしい俺でもこの空に融けて綺麗になれるんじゃないか、なんて馬鹿げた妄想をしてみる。冷静になってみるとあまりに馬鹿馬鹿しく、自嘲の笑いすら出てこなかった。
立ち上がり、空に向けて手を伸ばしてみる。その手が空に触れることなど有り得ない。きっとそれは、届かないからこそ美しいものなのだろうと思う。夢や、希望と同じだ。
そのときだった。きらりと、上のほうから翠色の輝きが目に飛び込んでくる。
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3番・仮題『紅魔降誕』
「お嬢様、そのように走り回られてはお召し物が……」
「だってだって、今日はお父様が帰ってくる日ですもの。大人しくなんてしていられないわ」
大きな館の中庭の芝生の上、少女は美しい青銀の髪を風になびかせ、声を弾ませた。ドレスの裾に付く泥のことなどどこ吹く風。侍女は呆れた様子で少女をたしなめる。
「旦那様が帰ってくる今日だからこそ、レディとして立派になられたお嬢様の姿を見せなければならないのではありませんか。ほら、お早く中に」
「むぅ……それもそうかしら。ねえアンナ、いい子にしてたらお父様喜んでくれるかな?」
レディと呼ぶには幼すぎるその少女は、あどけない表情でそんなことを尋ねる。
「ええ、勿論。それではお家に入りましょう。今日の朝食はお嬢様の大好きなオムレツですよ」
侍女のその言葉に少女は、顔を綻ばせる。馥郁としたその笑顔は、この庭に差す朝日を思わせた。
「わあい! 私オムレツ大好き! アンナも好きだよね?」
「ええ、とびっきりのを作りますから、楽しみにしていてくださいね。レミリアお嬢様――」
*
「ごちそうさま! アンナ、今日のオムレツすっごくおいしかったよ。今までで一番大好き!」
「それはよろしゅうございました。それに、奥様も今日は調子がよろしいようですね」
そう言って侍女が視線を遣った先には、少女と同じ色の髪を持った美しい女性が座っている。腹が大きく膨らんでおり、どうやら妊婦であるらしい。
「ええ、この子がたくさん食べたいって言うものだから。レミリアと同じでオムレツが大好きみたいね」
「私とおんなじ? そうなんだ。それじゃあアンナ、妹が生まれたら、たくさんおいしいオムレツ作ってね!」
「ええ、お約束しますわ。だけどその、妹、というのは――」
「そうよレミィ。まだ弟か妹か判らないわよ」
「わかるもん、妹だよ! 私、ずっと妹が欲しかったんだもん」
「あらあら――ええ、そうね。レミィはいい子だから、妹がほしいというならきっと神様も女の子を授けて下さるわ」
穏やかに時が流れ、日も傾き始めたころ、大きな馬車が館の前に止まった。お父様が帰ってきたんだわ、と少女が声を弾ませる。館に仕える者たちは皆外門へ迎えに出た。
「皆、出迎えご苦労。半年以上もよくよく苦労をかけたな」
人当たりのよさそうないかにも紳士然とした男性が館の者に声をかける。
「この後のことはロバートに言いつけてあるからそのように。それで、ロザリナとレミリアは元気にしていたか? 娘の美しくなった姿を見るのが毎日楽しみで……」
男がそう言うと、少女が館から飛び出してきて男に抱きついた。
「お父様っ、お帰りなさい!」
「おお! レミィ、いい子にしていたか。少し見ない間にずいぶんと大きくなったじゃあないか。それに、おてんばなお前のことだから、はしゃいで泥んこになっているかと思ったが、立派なレディになったようだな」
男は目を細め、大きな手で少女を撫ぜる。少女はそれに応えるように全身を使って男に愛情を示した。
「うん、いい子にしてたよ! ロバート達も久しぶり! 元気だった?」
「はい勿論。お嬢様こそお元気そうで何より」
ロバートと呼ばれた背の高い青年は快活な声で少女に応えた。
「それでお嬢様、奥様はどちらで? ここだけの話、旦那様帰りの馬車で早く奥様に会いたい、お嬢様に会いたいって何遍も言ってたんですよ」
「ロバート、余計なことは言わんでよろしい」
「これは失礼。でも旦那様だって気になってるでしょうに」
「まあそれはそうだが……」
二人のやりとりを見ながら、少女は悪戯っぽい笑みを浮かべて言う。
「ふふん、それは見てのお楽しみね、お父様」
少女のその言葉に男は首を傾げる。
「どういうことかね、レミィ?」
「うん、ついて来て!」
「おっとお嬢様。私はこれから色々と仕事がありますので、後ほど」
「そっか。ロバートも後でお母様に会ってね、絶対だよ!」
少女は男の手を引いて、館の中へと導いた。男は不思議そうな顔で少女に従う。
「こっちはお母様の寝室か? 何か病気でもしているのかい?」
「えへへ。すぐ分かるわ、お父様」
得意そうな顔をして、少女は母の居室の扉を開ける。女性は満面の笑みで二人を迎えた。
「あなた、お帰りなさい。ご無事で何よりですわ」
「おお、ローザ。その腹は……」
「ええ、レミリアの妹ですわ」
と、女性が腹を撫でながら言う。妹、という言葉に男は少し戸惑ったような表情を見せたが、すぐに破顔して喜びをあらわにした。
「そうか、二人目の子ができていたか! 嬉しいことというのは重なるものだな。それで、何時ごろ生まれるんだ?」
「お医者様が言うには来月が臨月だろうと。レミリアよりも一月遅れの誕生日ね」
「りんげつ?」
「来月にも生まれるってことよ。ねえレミィ、お姉ちゃんとしてこの子を守ってあげてね」
来月、という言葉に少女は胸を弾ませる。まだ見ぬ妹との楽しい日々が、少女の小さな胸のうちに描かれていた。
「うん、私がんばる! お姉ちゃんだもん!」
「ははは、頼もしいお姉さんだな」
「ええ、本当に――」
絵に描いたような幸せが、この場には満ちている。少女の屈託のない笑顔がそれを象徴していた。
「それであなた、今度の旅はどうでしたの? 土産話を聞かせてくださいな。新大陸へ行ってきたのでしょう?」
と、女性が言う。
「おお、そうだな。まず何から話せばいいか――そうだな、私は今回新大陸の土は踏めはしなかったのだが、実際にその目で見てきた友人に聞かせてもらった話でもしようか」
そうして語られた物語は正に奇想天外、荒唐無稽。正義の騎士たちが悪の蛮人を退治する冒険物語。大いに脚色されているのであろうそれは、しかし少女の目を輝かせるには十分だった。
「それで? お父様、その騎士様はどうなったの?」
「ああ、正に蛮族どもの凶刃に掛かろうとしたその瞬間! 群がる奴らを蹴散らしてやってくる影が一つ。それはなんと命を落としていたと思われていた彼の無二の親友であったのだ!」
男の語りに合わせて、少女の表情がくるくると変わる。時の経つのも忘れてしまい、物語が終わるころには、日もすっかりと暮れていた。少女の腹がぐうと鳴る。
「はは、お腹がすいたかレミィ。今日はな、見たこともない食べ物が食べられるぞ。新大陸で採れた不思議な果物だ」
「本当!? すごいわ、お父様。どんなものなの?」
「ふむ。こう、握りこぶしほどの大きさでな、色は真っ赤で、柔らかくて酸っぱいんだ。名前はたしか、向こうの言葉で、トマト、といったかな? 毒があるんじゃないかなんて旅の仲間は言っていたんだがな、一口齧ってみたら何のことはない、実に美味い果物だったよ」
「とまと……」
初めて聞く音の響きに少女は心を躍らせる。トマト、トマトと何度もその言葉を転がしていた。
「それからレミィにプレゼントもあるんだが、それは明日、お誕生日に渡すとしよう。さあ、居間へ行こうか。料理人たちを待たせるといけない」
「はーい! プレゼントも楽しみにしてるね!」
「あなた、私は少し気分が優れないので……」
「おお、そうか。体に障るといかんからな。あとで軽い食事を持ってこさせるとしよう」
「お母様、大丈夫?」
「ええ、心配しないでレミィ。大丈夫だから……」
少女は心配そうにしていたが、男にうながされると居間へと向かった。二人を見送り、扉が閉ざされると、女性の表情が暗いものに変わる。
「神様、私のしていることは、罪でしょうか――」
*
「うむ、これはワインにもなかなか合うじゃあないか!」
「なんだか不思議な味……」
「おや、レミィの口には合わなかったかな?」
「ううん、すっごくおいしい! それに、とっても綺麗な色……」
「ああ、これほど鮮やかに赤く染まる果実というのは見たことがないな。酒にしてみるのもいいかも知れん。美しい色になるだろうな」
少女は初めて見るその食べ物を興味深そうに眺めていた。そこに後ろに控えていた侍女が声をかける。
「お嬢様の大好きなオムレツに巻き込んでみるのも、面白いかも知れませんね」
「おおそうだ、それはいい。なかなか冴えているじゃないかアンナ」
「オムレツ! 素敵。きっととってもおいしいわ」
「それではお嬢様、明日の朝食はそのようにいたしましょう」
食事も終わりに近づき、皿もいくつか空いた。使用人たちが少しずつ片付けを始めている。
「そうだアンナ、ロザリナになにか軽食を作ってやってくれるか。すこし食欲が無かったようでな、あっさりとしたものがいい」
「畏まりました。すぐにでも」
「ああ、頼む」
侍女は居間を出て厨房へ向かう。その背中を見ながら、少女が不安そうな様子で呟いた。
「お母様、大丈夫かなあ」
「心配するな、と言っていただろう? 自分の体のことというのは本人が一番よく分かっているものさ。食事が済んだらお母様の部屋へ行こう」
男はそう少女に言い聞かせた。すると少女は大急ぎで食べ終えてしまおうとする。
「こらこら、はしたないぞレミィ」
「だってお母様が……」
「自分のせいでレミィに心配をかけたなんて思ったらお母様は悲しむぞ。毅然と振舞わねば」
男に言われて、渋々と黙りこくって食事を進めた。
「今朝は元気だったのにな……」
「妊婦というのは体調が不安定になるものだからな。レミィがお腹の中にいたときも苦労したものだが、結局は元気に生まれてきたんだ。だから大丈夫」
食事を綺麗に平らげると、少女は母の居室へ駆け出した。男がその後を追う。すると丁度侍女が食事を持って入るところだった。
三人が部屋の中に入ると、女性は笑顔で迎える。
「あらあら、随分と賑やかですこと。心配しなくても大事はありませんわ」
「し、心配なんてしてないよ! ただ、えと、その……」
口ごもる少女に侍女が助け舟を出す。
「妹様と少しお喋りがしたかったんですよね、お嬢様」
「そ、そう! お姉ちゃんが一緒にいないと寂しいだろうと思って……」
「うむ。それでローザ、食欲は戻ったか?」
「ふふ。ええ、これくらいのものでしたら頂けますわ。ありがとうアンナ」
そう言って出された麦粥を冷ましながら一口すすった。少女は安心した様子で女性を見つめている。
「ねえねえ、お父様、お母様。今日はみんなで一緒に寝ましょう」
少女がそう提案する。しかし女性は困ったように言った。
「ごめんなさいレミリア。今夜は一人で寝かせてくれないかしら。少し考え事があるの」
その言葉に少女は残念そうに肩を落とす。
「うー……」
「お嬢様。寝るときまで賑やか過ぎると、妹様も疲れてしまいますわ。だから……」
「レミィ、今夜はお父様と一緒に寝るとしよう。あまりぐずついていると、お母様が心配してしまうぞ」
しばらくの間べそをかいていたが、どうにか気を取り直したようだ。笑顔を作り、母の中にいる妹に語りかける。
「ねえ、聞こえるかな? 急がなくていい、ゆっくりでいいから、きっと元気に生まれてきてね。こっちは楽しいよ。生まれてきたら、お姉ちゃんと一杯遊ぼうね。今夜は、おやすみ。また明日ね」
「ふふ。……あら、この子も返事をしているわ」
「本当!?」
「ええ。ほら、手を当てて――」
導かれるまま少女は女性の腹に手を当てる。すると、小さな命の躍動が、その小さな手に伝わってきた。
「うわあ……!」
喜びが膨らんで、今にも弾けそうだといった声を出す。少し前まで曇っていた顔は、満面の笑みに変わっていた。
「元気な子が生まれてきそうだな、レミィ?」
「うん! 来月、生まれてくるんだよね。色んなことを教えてあげられる、立派なお姉ちゃんになれるといいなあ……」
「ええ、きっとなれますわ。お嬢様なら、きっと」
「はは、アンナのお墨付きだな。さ、安心したところで、そろそろ寝るとしようか。もう夜も遅い。お母様の体に障るといけないからな」
「はい、お父様! お休みなさい、お母様、アンナ」
「ええ、お休みなさいレミィ」
手を振って少女は母の居室を後にする。廊下を歩きながら、浮かれた様子で鼻歌を歌っていた。
「ふふ、楽しみだなレミィ」
「えへへ、妹と一緒に立派なレディになるからね。お父様」
父の寝室に着くと、寝巻きに着替えてベッドに入る。少女は眠りにつくまでの間、父に自分が描く妹との未来を飽きることなく語っていた。
「それでね、お誕生日は毎年とっても大きなケーキを用意してあげるの。お互いにプレゼントを交換して、一生の宝物にするんだ」
「そうかそうか。でもレミィ、そんな可愛い妹がいけないことをしたら、お前はちゃんと叱ってやれるかな?」
「だ、大丈夫だよ! 悪い子にならないように、お姉ちゃんがきちんと教えてあげるもん!」
「おお、それなら安心だ。きっとあの子もいい子に育つ」
しばらくすると喋り疲れて少女は寝息を立て始めた。男は娘の幼い寝顔を見ながら、小さく言葉を漏らす。
「主よ、この子達をどうかこの罪深き獣の子と思うて下さるな。罰は全てこの私に――」
*
「ようやく二人になれたわね、ロバート」
使用人たちに与えられた一室で、侍女が青年に語りかける。
「ああ、旅先じゃ寂しくってしょうがなかったよアンナ。久しぶりにお前の作った料理を食べたときは懐かしくって涙が出たね。船の上じゃ味っ気のない干し肉やら見たことのない不気味な野菜やらばっかりで……新しい物好きの旦那様は喜んで食ってたが」
「あら、私の魅力は料理だけかしら?」
「相変わらず捻くれてるなあ。お前はどうだったんだよ。俺がいない間寂しくなかったか?」
「レディにそんなことを言わせるつもりなの? 変わってなくて安心したわ、そういうデリカシーのないところも」
皮肉に青年は苦笑で答える。しばらくの沈黙の後、侍女が話を切り出した。
「それで今回の商談は上手くいったのかしら? 三年前くらいから扱うものが変わって、最近は不振だったでしょう」
「ああ、今回は大きな問題なく終えられたよ。……この商売に慣れてきてる自分が少し怖いが」
「それは言っても詮無いことでしょう? 旦那様だって心を痛めているんだから、私たちが弱音を吐いちゃ駄目よ。私たちに支払われてる給金だって……」
「そりゃ勿論分かってるけどさ。それでも以前のように、誰もに喜んでもらえる仕事をしたいわけだよ。野良犬同然だった俺たちを拾って下さった旦那様にだって、あんな思いをしてもらいたくない」
「それは……」
二人の間に気まずい空気が流れる。ランプの火が揺らめき、青年の影が震える。
「……まあ暗い話ばかりしていてもしょうがないか。今回の仕事でしばらくは金には困らないだろうし、このことはしばらく忘れよう。そうだ、明日はレミリアお嬢様の誕生日だったよな。旦那様が、レミィの誕生日には間に合わせなければならん、って馬車をすっとばしてさ。つくづく子煩悩だよなあ」
「ふふ、旦那様らしいわ……そう、あの子も明日で五つになるのね。おしめを変えてたのがついこの間だったみたいなのに」
侍女は懐かしげに目を細める。青年は感慨深そうに大きく頷いた。
「それに、来月にはもう一人。お嬢様はきっと妹が生まれるなんて言ってらしたけど、どうかしらね」
「えっ、そうだったのか? ああ、なるほど、あの時お嬢様が言ってたのはそういうことか」
青年は昼ごろに館に帰ってきたときのことを思い出す。侍女は、今更そんなことを知ったのか、といった風な呆れ顔で青年を見つめた。
「いやあ、それはめでたい。確か今回の旅に出たのが、ひいふうみい……九ヶ月前か。なるほどね」
「何それ、奥様のこと疑ってるの? 不義の子なんじゃないかって」
「いやそんなまさか。ただほれ、早産だったり晩産だったりしたらと思って」
青年は慌てて取り繕う。侍女は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「さて、本当にそうかも知れないわよ?」
「おいおい、そんなこと誰かに聞かれたら事だぞ。……でも、奥様もここに来たばかりのころは酷く旦那様に噛み付いたことがあったっけ。丸くなったのは、レミリアお嬢様が産まれてからか」
「そうね、あれからは本当に夫婦仲も好くなって……あの子は人を幸せにする何かを持ってるのかもね」
「ああ、違いない」
二人は少女の屈託のない笑みを思い浮かべる。彼女のその天使のような笑顔に救われたことは、二人にとっても一度や二度のことではない。
「さてと、明日の朝食はお嬢様のリクエストでトマトのオムレツね。パーティーのメインディッシュは何がいいかしら?」
「トマトって、あの今日持って帰ってきたやつか。俺あれ苦手なんだよなあ、血の色みたいで。お嬢様のお口には合ったのか」
「ええ、今日の晩も喜んで召し上がってらしたわよ。色が綺麗だって」
「そうかあ、そりゃあよかった。毒見した甲斐があるってもんだ」
青年が何気なく言った言葉に、侍女は驚きの色を示す。
「あら、あなたが毒見したの? 本当に、よく生きて帰れたわね。……もしあなたが死んでしまっていたら、後を追わなければいけないところだったわ」
「おいおい、冗談になってないぞ。……こうして今生きてここにいること、それ以外に大切なことがあるかね我が麗しの姫君よ?」
おどけた調子で青年が言う。侍女は可笑しくなって笑い始めてしまった。
「あはは、何よそれ……ええ、愛しき騎士ロバート。あなたとこうしていられる時間を、神に感謝するわ」
「ああ。いつまでもそばにいてくれ……愛してるよ、アンナ」
ランプの灯りが消え、二人は夢に落ちていく。夜空の天辺には待宵の月が浮かんでいた。
*
「ごちそうさまっ。アンナ、すごいや。今までこんなの食べたことない!」
「うむ。これは実に合う。侍女長兼料理長として、流石の慧眼といったところかな」
「お褒めに預かり光栄でございますわ。けれど、奥様の口には合わなかったようで、残念です」
「ええ、少し酸味が強すぎて……。それにこの赤色が少し不気味だわ」
「そう? こんなに綺麗なのに……」
「綺麗だ、とは思うのだけれど、食べ物の色に思えなくて……。こんなことを言うのは罰当たりだとは思うのだけど」
「好き嫌いは誰にでもあるからな。例えばレミィだってニンニクは嫌いだろう」
少女は少しだけ残念そうな顔をしていたが、女性が残したオムレツを差し出すと、大喜びで平らげた。
「ごめんなさいねレミィ。我侭なお母様で」
「そんなことないよ! 嫌いなものを無理に食べたらお腹壊しちゃうもん。体は大事にしなきゃ」
「そういえばレミリアお嬢様が初めてニンニクを召し上がったときは大変でしたわね。舌がひりひりするって、大泣きしてしまわれて」
「おお、そんなこともあったなあ。あの頃に較べて、立派なレディになったものだな、レミィ?」
父と侍女のその言葉に、少女は顔を赤くして俯いた。
「はは、すまんすまん。この私としたことが紳士として礼を欠いてしまったようだな。どうか機嫌を直してくれたまえ、マドモアゼル? さて、朝食も済んだところでレミィのお誕生日パーティーの準備をしなければならないからな。しばらくの間お母様と一緒にいい子にしていておくれ」
「本当!?」
パーティーという言葉で、少女は喜色を取り戻す。
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『とどかぬ、星空』
魔理沙と霊夢の友情ものというやりつくされた感のある代物。
努力というものに対して思うところがあるので、それをきっちり書ければいいなとか思ってます。
『神様はいつだって』
オリキャラ男一人称の超地雷。
多分早苗さんが彼の鬱病を治す話だと思う。
奇跡とか神様とかを現実的なところに引っ張って来たいという願望の産物。
『紅魔降誕』
レミリア元人間説。腹の中のフランは吸血鬼の子供らしいです。
レミリアはツェペシュの末裔ではないと断言されてるけどフランはそうじゃないよなというところから妄想がスタートしてます。
受けの良さそうなのから書いていこうかな……
万一気に入って下さった作家の方とかいらっしゃったらプロット喜んで差し上げるのでお気軽に。
サメジマ
入れないほうが空気読んでるっぽいけど入れといてあげる、可哀想すぎて見てられない…