Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方同人話 -作業風景Ⅱ-

2005/05/15 22:23:42
最終更新
サイズ
2.89KB
ページ数
1
粗筋

 被害者多数ながらも順調。作戦は『いろいろやろうぜ』?


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 所変わって冥界は白玉楼。ふわふわと幽霊たちが楽しげに飛び交う夜の刻
 妖夢の部屋となっている和室からは、うめき声が響いている。
 
妖夢「ううううう……」

 鉛筆をがじがじと噛みながら、妖夢はうめき続けている。
 目の前には真っ白な…いや、書いては消し書いては消した後のある原稿用紙。

妖夢「だ、駄目だ!全然書けない…!」

 件の原稿会議が終わってからというもの、妖夢はきちんとした原稿を書こうと努力した。
 それは全て、あのポエムが載せられることが無いようにするためである。
 しかし、その気負いがプレッシャーとなり、書こうと思っている事が纏まらない。
 なんとか筆を走らせても、納得出来ず消してしまい…気がつけば二日ほど、眠っていない日々。
 こんな状況でありながら、妖夢は日々の日課もきちんとこなしていた。
 …これはこれで、従者の鑑とも言えるだろう。

妖夢「……どうしよう」

 途方に暮れてしまう。何も出来ないというのは皆に…そして主人である幽々子に対して失礼だろう。
 しかし、それでも書けない。スランプとはこういうものだったのかと、しみじみ思う。

幽々子「難儀しているみたいねぇ、妖夢」
妖夢「あ、幽々子様…ごめんなさい」
幽々子「いいのよ、妖夢。それより…」
妖夢「…?お夜食でしょうか?でしたら茶棚に羊羹が…」
幽々子「もう食べちゃったからいいわ」
妖夢「そ、そうですか…」
幽々子「まぁ、それは後で別なものを用意してもらうとして…あのね、妖夢」

 幽々子が居ずまいを正す。何かお言葉があるのだと察知した妖夢もまた、背筋を伸ばした。

幽々子「私は豪華な料理よりはお味噌汁のほうがいいと思うわ」
妖夢「…は?」
幽々子「あ、けど食べると美味しいからからどっちも好きなのかしら?」
妖夢「あの…何がなにやらさっぱりなんですが…」
幽々子「妖夢は駄目ねぇ。妖夢は豪華な料理とか作れる?あの紅い館で出てきそうなの」
妖夢「へ?ま、まぁ頑張れば何とかなるとは思いますけど…ご期待に添えるかどうかはわかりません」
幽々子「なら、お味噌汁はどうかしら?」
妖夢「それなら大丈夫です。毎日作ってますから…なんなら明日作りましょうか?」
幽々子「あら、楽しみ♪それなら明日の朝は早起きしなきゃ…それじゃお休みなさい」

 それだけいって、幽々子はさっさと部屋から出て行ってしまった。

妖夢「…なんだったんだろう?」

 妖夢はぼんやりとたった今交わしたばかりの会話を思い出す。と…

妖夢「あ……?」

 妖夢は何かに気づいたようだった。改めて机の原稿に向かう。
 そして…机の引出しから一冊の手帳を取り出した。それは…件のポエム手帳だった。

妖夢「えっと…季節は夏だからこのあたりかな?あぁ、ここからだ」

 手帳の詩…それも夏の物に絞っていくつか書き出していく。
 どうやら妖夢でも納得のいく物だけを厳選しているようだった。
 今までの不調が何処へやら。妖夢は生き生きとその作業に集中していく。

妖夢「あぁ、ここはこの表現のほうがあう筈だから書き直さなきゃ…」



幽々子「そう、無理に背伸びする必要なんてないの。妖夢の書ける物を書くべきなのよ」

 幽々子はそう呟いて、その場を後にした。
 …きっと素晴らしい詩が出来るという確信を胸にしながら。

幽々子「…私も負けずに励むとしますか」
長くなってしまった…冥界組と霊夢をセットで書きたかったのに。無念。
妖夢は剣の事書きたいと頑張っても真っ直ぐ過ぎて妥協とか半端なのが許せない気がした。
…で、ポエムのほうなら真剣勝負できるので、幽々子様はそっちがいいと諭した感じで。
問題は幽々子様のたとえ話がそれらしく聞こえてるかどうか?間違ってたら幽々子様にごめんなさい。

次で原稿執筆風景は終わりにしたい…
みすと
コメント



1.シゲル削除
幽々子様らしいですねぇ♪
次は霊夢ですか楽しみにしてます♪
2.名無し妖怪削除
前回と違って、何だかいい話っぽくて素敵です。