「フラ~ン。お風呂に入って流しっこやりましょう」
「いや。お姉さまはそう言って、色んな所を触ってくるから」
「姉妹のスキンシップよ」
どこの世界にそんなスキンシップがあるのよ。
「とにかく、私は1人で入るから、お姉さまの後に」
「ここは姉として、素直に引くことがいい姉かしらね」
「じゃあ、さっさと行ってよ」
「いや、ここは姉として、一番風呂をフランに譲ろう」
「そう言って、こないだなんか、風呂場で"フランの残り湯"って喜んでいなかった」
「あら、聴いてたの」
「た、たまたま風呂場の前を通りかかっただけだから。変な勘ぐりはしないでよね」
「そう。なら、私から入るわね」
そう言うと、お姉さまは立ち上がって、お風呂の支度をしだした。
「あ、あのねお姉さま」
「なあに、フラン」
「何でもない」
「そう。じゃあ、行ってくるわね」
「いってらっしゃい」
パタンと閉じられた扉。姉の気配が消えたので、扉の前に誰もいないことを確認してから、ベッドにダイブする。
またやっちゃった。本当はお姉さまと一緒に入って流しっこしたかったのに。明日こそは、素直に一緒に入ろうって言おう。頑張れ、私。
その後は、2週間経っても私は素直になれずお姉さまの誘いを断っていった。そんなある日。
「今日から、私の専属メイドになった咲夜よ」
「十六夜咲夜です。よろしくお願いします」
「私の身の回りの事と妖精メイドの指導をしてもらうわ」
「かしこまりました。お嬢様」
「続けて、こちらは美鈴。美鈴には、ここの門番をやってもらうわ」
「紅美鈴です。一生懸命頑張ります」
「フランドール・スカーレットです」
「それじゃ、次はパチェと小悪魔を紹介するから、図書館に行くわよ」
「このお屋敷には、図書館があるんですね」
「パチェの私物の本が図書館並みにあるからね」
「あの、お姉さま。私も一緒に行ってもいい?」
「ええ、いいわよ」
図書館の後は、咲夜と美鈴に館の案内をした。その日から、お姉さまは一緒にお風呂に入ろうと誘わなくなった。次の日からお姉さまは忙しくなったみたいで構ってもこなくなった。
べ、別に寂しいとか思ってないからね。
そんなある日。
「もうすぐ私達はこの館ごと、幻想郷に住むことになります。各自、悔いが残らないように残りの日を過ごすように。以上」
お姉さまの挨拶が終わって、みんなそれぞれ自分の仕事に就いていく。
悔いが残らないようにか。この頃、お姉さまと話してないのが心残りになっていることかな。しょうがない、今日くらいは一緒にお風呂に入ってあげるか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「お嬢様。お風呂の準備が整いました」
「ご苦労、咲夜。じゃあ、入ろうかしらね」
来た!ここだ。このタイミングしかない。頑張れ、私!
「お、お姉さま。い、いっ……」
「なあにフラン。一緒に入る?」
ほら、お姉さまが誘ってきたんだから、ここで返事をしなくちゃ。
「い、い、いいわよ、こどもじゃないんだから、一人で入ってくれば」
「そう、じゃあ、行ってくるわね」
お姉さまがお風呂場に行ってしまった。ああ、なんで素直に一緒に入りたいって言えないの。うう、どうしたらいいの。
「妹様、少しよろしいでしょうか」
「何、咲夜」
「妹様は、お嬢様と一緒にお風呂に入らないのですか?」
「私がお姉さまと一緒に入る道理はないわ」
「なら、これから話す事は独り言ですから気にしないでください。私が屋敷に来てから、お嬢様はいつも妹様の話をするんですよ」
お姉さまが私の話を?
「妹様は、昔はお嬢様のマネばかりをするなど、嫌いな人参をお嬢様のお皿にそっと置くなど」
ばれてたの!あれ、お姉さまは気づいてない感じだったけど。
「その人参をお嬢様は、”フランの人参、おいしい”と心の中で、妹様に悟られないようにするのが大変だったといっておりました」
ん。普通に食べてくれたのかな。
「姉妹でお風呂に入っていたとも言っていました。でも、この頃は当主としての威厳を保つためにも、妹離れをしなくては、とも言っていました」
「妹離れ……。やだ、お姉さまとの関係がずっとこのままになるのは!」
「おや、独り言だったのですが聞こえていましたか。妹様の気持ちをお嬢様にぶつけてみてはいかがでしょうか」
「なら、お姉さまが出た後にでも」
「いえ、今ですよ。お風呂でなら、お互い本音で話せるのでは」
「わかった。私、行ってくる」
すぐに、お風呂場に向かう。
「お二人とも、手間のかかる姉妹ですね」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「入るね、お姉さま」
私は、一糸まとわぬ姿でお風呂に入っていく。タオル持ってくるの忘れちゃった、でも、姉妹だから恥ずかしくないかな。
「あら、さっきは一人で入ってこいって言ってたのにどうしたの?」
「別に、この時間に入りたくなっただけだよ。……ねぇ、お姉さま。流しっこしない?」
「フランから誘ってくるなんてどうしたの?」
「いいから、たまにはしてあげてもいいかな、なんて思っただけ。ただの気まぐれよ。……だから、早く湯船から出てくれない」
「まあ、そこまで頼まれたらやるしかないわね」
「バッ―――誰が頼んでるのよ。私の気まぐれって言ってるじゃん」
「そいうことにしておいてあげる」
納得いかないけど、お姉さまは湯船から出て、イスに座ってくれている。私はお姉さまの後ろに座ってボディタオルに石鹸をこすりつけて、お姉さまの背中にボディタオルをこすっていく。
「ねえ、最近お風呂に誘わなくなったけど、どうしてなの?」
「それは……」
「もしかして、言えないような事?」
「フランには言っておこうかしらね。咲夜や美鈴が来てから妖精メイドの数も増えたでしょ」
「うん」
「それで、紅魔館の主の威厳を保つためにも、妹とのイチャイチャを絶ったのよ」
「私達イチャイチャ何てしてないよね。お姉さまが、一方的にちょっかい出してくるだけじゃん」
「この何日か辛かったのよ。でも、もうすぐこの日々から解放されるの」
解放されるって、どういう事なんだろう?幻想郷という所に住むのも、関係あるのだろうか?
「私達が今度住む幻想郷という所では常識が通じないらしいわ。なら、普段から妹とイチャイチャすることが出来ると言うものよ」
行った事がないからわからないけど、幻想郷には、幻想郷の常識があると思うな。
「でもお姉さま。館の者達はお姉さまの行動が変わって、ドン引きしそうだけど大丈夫なの?」
「心配してくれるの」
「そうじゃないけど、紅魔館の主としての威厳はどこにいくのかって事」
「その時はその時よ」
紅魔館のトップがこれで大丈夫なのか、心底心配になってきたな。
「それじゃ、そろそろ出ようかしらね」
「え、もう出るの!」
「話したりないなら、お風呂から出てからでも、遅くはないと思うわよ」
「すぐに出て、お姉さまの部屋に行くから」
「待ってるわね。フラン。」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
その後は、お姉さまの部屋で、昔の事の思い出を二人で話した。寝るのも惜しいくらいにずっと……。
そして、幻想郷に住んで、5日間が経過した。
「美鈴~」
「どうされました妹様」
「美鈴のお花のお世話を手伝おうと思って」
「ありがとうございます。それでは、このホースで水を撒いてもらえますか」
「それくらい、お安い御用だよ」
美鈴からホースを受け取り、草木に水を撒いていると。
「フラ~ン」
入口から出てきたお姉さまに向かって、ホースを向けるが、避けられる。
「そんなんじゃ、私には当てられないわよ。」
「私に近づかなくさせているから、これでいいのよ」
何度も、お姉さまに向かって水をかけようとする。この行為がだんだん楽しくなって来た。
「お姉さま。そろそろ当たってほしいな」
「妹の願いでも、それは聞き入れられないな」
「あの、妹様にお嬢様。そこらへんにしとかないと」
バシャッ!
「「「アッ」」」
お昼ご飯の用意が出来た事を報告に来た咲夜に、見事に水が直撃した。
「妹様、お嬢様、そこに正座して下さい」
「あの咲夜、これはね」
「言い訳は聞きません。正座です」
「「はい」」
この後、お腹の音がなるまで、お説教は続いた。
「いや。お姉さまはそう言って、色んな所を触ってくるから」
「姉妹のスキンシップよ」
どこの世界にそんなスキンシップがあるのよ。
「とにかく、私は1人で入るから、お姉さまの後に」
「ここは姉として、素直に引くことがいい姉かしらね」
「じゃあ、さっさと行ってよ」
「いや、ここは姉として、一番風呂をフランに譲ろう」
「そう言って、こないだなんか、風呂場で"フランの残り湯"って喜んでいなかった」
「あら、聴いてたの」
「た、たまたま風呂場の前を通りかかっただけだから。変な勘ぐりはしないでよね」
「そう。なら、私から入るわね」
そう言うと、お姉さまは立ち上がって、お風呂の支度をしだした。
「あ、あのねお姉さま」
「なあに、フラン」
「何でもない」
「そう。じゃあ、行ってくるわね」
「いってらっしゃい」
パタンと閉じられた扉。姉の気配が消えたので、扉の前に誰もいないことを確認してから、ベッドにダイブする。
またやっちゃった。本当はお姉さまと一緒に入って流しっこしたかったのに。明日こそは、素直に一緒に入ろうって言おう。頑張れ、私。
その後は、2週間経っても私は素直になれずお姉さまの誘いを断っていった。そんなある日。
「今日から、私の専属メイドになった咲夜よ」
「十六夜咲夜です。よろしくお願いします」
「私の身の回りの事と妖精メイドの指導をしてもらうわ」
「かしこまりました。お嬢様」
「続けて、こちらは美鈴。美鈴には、ここの門番をやってもらうわ」
「紅美鈴です。一生懸命頑張ります」
「フランドール・スカーレットです」
「それじゃ、次はパチェと小悪魔を紹介するから、図書館に行くわよ」
「このお屋敷には、図書館があるんですね」
「パチェの私物の本が図書館並みにあるからね」
「あの、お姉さま。私も一緒に行ってもいい?」
「ええ、いいわよ」
図書館の後は、咲夜と美鈴に館の案内をした。その日から、お姉さまは一緒にお風呂に入ろうと誘わなくなった。次の日からお姉さまは忙しくなったみたいで構ってもこなくなった。
べ、別に寂しいとか思ってないからね。
そんなある日。
「もうすぐ私達はこの館ごと、幻想郷に住むことになります。各自、悔いが残らないように残りの日を過ごすように。以上」
お姉さまの挨拶が終わって、みんなそれぞれ自分の仕事に就いていく。
悔いが残らないようにか。この頃、お姉さまと話してないのが心残りになっていることかな。しょうがない、今日くらいは一緒にお風呂に入ってあげるか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「お嬢様。お風呂の準備が整いました」
「ご苦労、咲夜。じゃあ、入ろうかしらね」
来た!ここだ。このタイミングしかない。頑張れ、私!
「お、お姉さま。い、いっ……」
「なあにフラン。一緒に入る?」
ほら、お姉さまが誘ってきたんだから、ここで返事をしなくちゃ。
「い、い、いいわよ、こどもじゃないんだから、一人で入ってくれば」
「そう、じゃあ、行ってくるわね」
お姉さまがお風呂場に行ってしまった。ああ、なんで素直に一緒に入りたいって言えないの。うう、どうしたらいいの。
「妹様、少しよろしいでしょうか」
「何、咲夜」
「妹様は、お嬢様と一緒にお風呂に入らないのですか?」
「私がお姉さまと一緒に入る道理はないわ」
「なら、これから話す事は独り言ですから気にしないでください。私が屋敷に来てから、お嬢様はいつも妹様の話をするんですよ」
お姉さまが私の話を?
「妹様は、昔はお嬢様のマネばかりをするなど、嫌いな人参をお嬢様のお皿にそっと置くなど」
ばれてたの!あれ、お姉さまは気づいてない感じだったけど。
「その人参をお嬢様は、”フランの人参、おいしい”と心の中で、妹様に悟られないようにするのが大変だったといっておりました」
ん。普通に食べてくれたのかな。
「姉妹でお風呂に入っていたとも言っていました。でも、この頃は当主としての威厳を保つためにも、妹離れをしなくては、とも言っていました」
「妹離れ……。やだ、お姉さまとの関係がずっとこのままになるのは!」
「おや、独り言だったのですが聞こえていましたか。妹様の気持ちをお嬢様にぶつけてみてはいかがでしょうか」
「なら、お姉さまが出た後にでも」
「いえ、今ですよ。お風呂でなら、お互い本音で話せるのでは」
「わかった。私、行ってくる」
すぐに、お風呂場に向かう。
「お二人とも、手間のかかる姉妹ですね」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「入るね、お姉さま」
私は、一糸まとわぬ姿でお風呂に入っていく。タオル持ってくるの忘れちゃった、でも、姉妹だから恥ずかしくないかな。
「あら、さっきは一人で入ってこいって言ってたのにどうしたの?」
「別に、この時間に入りたくなっただけだよ。……ねぇ、お姉さま。流しっこしない?」
「フランから誘ってくるなんてどうしたの?」
「いいから、たまにはしてあげてもいいかな、なんて思っただけ。ただの気まぐれよ。……だから、早く湯船から出てくれない」
「まあ、そこまで頼まれたらやるしかないわね」
「バッ―――誰が頼んでるのよ。私の気まぐれって言ってるじゃん」
「そいうことにしておいてあげる」
納得いかないけど、お姉さまは湯船から出て、イスに座ってくれている。私はお姉さまの後ろに座ってボディタオルに石鹸をこすりつけて、お姉さまの背中にボディタオルをこすっていく。
「ねえ、最近お風呂に誘わなくなったけど、どうしてなの?」
「それは……」
「もしかして、言えないような事?」
「フランには言っておこうかしらね。咲夜や美鈴が来てから妖精メイドの数も増えたでしょ」
「うん」
「それで、紅魔館の主の威厳を保つためにも、妹とのイチャイチャを絶ったのよ」
「私達イチャイチャ何てしてないよね。お姉さまが、一方的にちょっかい出してくるだけじゃん」
「この何日か辛かったのよ。でも、もうすぐこの日々から解放されるの」
解放されるって、どういう事なんだろう?幻想郷という所に住むのも、関係あるのだろうか?
「私達が今度住む幻想郷という所では常識が通じないらしいわ。なら、普段から妹とイチャイチャすることが出来ると言うものよ」
行った事がないからわからないけど、幻想郷には、幻想郷の常識があると思うな。
「でもお姉さま。館の者達はお姉さまの行動が変わって、ドン引きしそうだけど大丈夫なの?」
「心配してくれるの」
「そうじゃないけど、紅魔館の主としての威厳はどこにいくのかって事」
「その時はその時よ」
紅魔館のトップがこれで大丈夫なのか、心底心配になってきたな。
「それじゃ、そろそろ出ようかしらね」
「え、もう出るの!」
「話したりないなら、お風呂から出てからでも、遅くはないと思うわよ」
「すぐに出て、お姉さまの部屋に行くから」
「待ってるわね。フラン。」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
その後は、お姉さまの部屋で、昔の事の思い出を二人で話した。寝るのも惜しいくらいにずっと……。
そして、幻想郷に住んで、5日間が経過した。
「美鈴~」
「どうされました妹様」
「美鈴のお花のお世話を手伝おうと思って」
「ありがとうございます。それでは、このホースで水を撒いてもらえますか」
「それくらい、お安い御用だよ」
美鈴からホースを受け取り、草木に水を撒いていると。
「フラ~ン」
入口から出てきたお姉さまに向かって、ホースを向けるが、避けられる。
「そんなんじゃ、私には当てられないわよ。」
「私に近づかなくさせているから、これでいいのよ」
何度も、お姉さまに向かって水をかけようとする。この行為がだんだん楽しくなって来た。
「お姉さま。そろそろ当たってほしいな」
「妹の願いでも、それは聞き入れられないな」
「あの、妹様にお嬢様。そこらへんにしとかないと」
バシャッ!
「「「アッ」」」
お昼ご飯の用意が出来た事を報告に来た咲夜に、見事に水が直撃した。
「妹様、お嬢様、そこに正座して下さい」
「あの咲夜、これはね」
「言い訳は聞きません。正座です」
「「はい」」
この後、お腹の音がなるまで、お説教は続いた。
いくつか誤字があったのですこし推敲が足りなかったかもしれませんね。
ちょっと駆け足気味でしたが良かったです
いいほのぼのだった