Coolier - 新生・東方創想話

外の世界の菓子に興味もったお嬢様のお話

2013/07/11 17:38:16
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お嬢様の興味は、あの天狗の新聞が伝えていた「外から舞い込んできた菓子」に向いた。
ジョジョ夜通し鑑賞会をやろうと言い出した時はヒヤリとしたが、この紙面のおかげでどうにか今回はその会の開催を免れた。今回だけは天狗の号外に感謝する。
とはいえ、やはり買いに行くのはメイド長である私である。ジョジョよりは大分ましだが、夏の夜は少し蒸し暑く、本当に今日でなくてはいけないのかと渋りながらも、結局はお使いに出されてしまった。
こうなっては、目指す場所はたった一つ。古道具屋、香霖堂だ。




蒸し暑い夜、眠れないので本を読んでいた。新聞が珍しくうちの店を取り上げたというのに、客は全く来なかった。
蒸らしていたお茶を湯呑みにそそぐと、温かく、良い香りがした。暑い時に熱いものを飲むというのもなかなか良い。さっそく一口啜り、息を吐いた。
蒸し暑い夜は終わらない。本を読んでいると、不意に入り口の開く音がした。
「開いているかしら」
「それはもう、開いているはずがないね」
現れた姿はいつぞや割れたカップを買っていったメイドだった。このメイドは時間感覚が狂っているのだろうか。この時間、開いているはずがないだろう。
まあ、客としてなら迎えてやらないこともないのだが。

「あの菓子とやらを、1つ」
客だったようだ。
「これで、間違いないかい?」
僕はその「菓子とやら」を差し出した。蒸し暑い空気の中、彼女は代金をこちらに手渡し、何も言わず帰って行ってしまった。
僕は商売人に向かないとよく魔理沙に言われるが、彼女はもしかすると客に向かないのかもしれない。





「ただいま戻りました」
「早かったわね、もう少しゆっくりでも良かったのに。今いいところだったから」
中止になっていたはずのジョジョ会が始まっている。軽くめまいを感じながら、私に当てられた席に座り、向かいの席のお嬢様に「それ」を差し出した。
「ありがと咲夜。さっそく用意できる?」
「はい、只今」
皿に「それ」を盛る。出てきたのは、緑に変色した菓子。
「…………?」
お嬢様の頭に?マークが浮かんだ。何事かと覗いてきた美鈴も、硬直するのがわかる。
ふと何かを感づき、袋の裏を見る。「2013/9/25」の数列。
生憎と、今は2015年である。
私の頭の中に、犯人の像が浮かんだ。










皆さまは犯人に気付けたでしょうか。これは、咲夜様、霖之助様からの話を聞いて、私たち妖精メイド一同で書き上げたお話です。
私たちには、さっぱり犯人が分からないのです。皆さま方の、知恵を借りたい所存です。
ムギムギが販売停止になったと聞いて。

咲夜「犯人は、意外と近くにいるわ。妖精には解らないかもしれないけれど、あなたたちならすぐわかると思う」
橘 奏
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コメント



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1.40名前が無い程度の能力削除
そのお菓子が売っている地域ではないので分かりませんけど、それはともかく霖之助と咲夜さんの弁えた大人な距離感が好きなので。
5.403削除
私の頭は妖精並みのようだ……